2010年6月19日更新(2010年6月27日ページ移動。2014年5月25日一部写真削除)

──2010年6月第4週のニュース──

バックナンバーはこちら

6月19日(土) 物理的な情報よりも、過去からのメッセージ ──敦賀駅「交流電化 発祥之地」──

 昨日に引き続き、四国ツアーのオマケです。悪しからず。

 金沢工大に赴任するずっと前のことですが、JR北陸本線の特急から外をぼんやりと見ていると突然、記念碑の姿が飛び込んできたことがあります。「交流電化 発祥之地」。
 今でも昨日のことのように覚えています。

 現在と違って、その頃は北陸本線をあまり利用しなかったので、どこの駅だか不明だったのですが、やがてそれが敦賀駅だろうということがわかってきました。
 東北と北陸、九州が交流電化区間なのですが、最初に交流電化した場所の一つが敦賀なのです。

 でも敦賀駅を通過するたびに目を凝らすんだけど見つからない。敦賀駅に降りた機会にホームの端から端まで歩いても、そんなものは全然見つかりません。
 記憶ではホーム状の場所にあったのです。

 よく調べてみるとその記念碑はJR西日本の敦賀駅ではなく、その南のJR貨物の機関区にあるんですね。
 建立当時はいずれも国鉄だったのです。

 技術が進んだ現在は、交流電化のメリットは薄れ、むしろ交直混在の、システムとしてのデメリットが目立っています。
 実際、敦賀−田村間の交流電化区間はその後段階的に直流化され、2006年10月以降は何と、この交流化の記念碑がある場所すら直流区間

 しかしこれらは結果であり、しかも現在を基準とした評価でしかありません。

 細かい技術的な話は省略しますが、戦後の復興期から高度成長期にかけて、非電化地域を交流で電化しようとした人々の智慧と努力には感服させられます。

 物質的に恵まれた若い世代にはわかりくいかもしれませんが、彼らの働きの上に現在の豊かで安全な生活があるんですね。
 そして我々のような古い世代は、できるだけそのことを伝えていく必要があるんだと思います。

 というわけで、今回敦賀を通過したのはかなり遅い時間だったのですが、まだ少し光が残っていたので、がんばって何とか記念碑の撮影に成功しました。
 記憶の中の碑は、ホントに目の前に存在したのですが、こうやって見てみると、ずいぶん向こう(手前の箱形の物体は焼却炉)。

 たぶん距離や大きさなど物理的な情報よりも、センセイには、「交流電化 発祥之地」という突然出くわした謎かけのような情報、つまり過去からのメッセージの方が強かったんでしょうね。



6月18日(金) ずっと探していた物は、身近に存在していた?! ──醤油は食文化の指標となり得るか──

 今日は、ちょっと古いけれど、でも最新の旬なネタ。先々週の四国ツアーのオマケであると同時に、昨晩、初めて教えていただいた最新情報(?)です。

 西村センセイ、一人旅の晩は通常、駅前のホテルでおとなしくしています。食事(兼、ビールのツマミ)はスーパーを探して、できるだけその地域で普通に食されているものを調達します。
 場合によっては、ホタルイカの刺身(富山県朝日町)など、幸運にもそこならではの特産品と出くわすこともあります。

 お刺身を食べることが多いのですが、その際の問題が醤油。

 ある程度の量が必要なのです。だから刺身を買う時は注意して、備え付けの小袋入り醤油を多めにもらったり、会計の際にお願いして、ちょっと分けてもらったり。
 そうでない時は小瓶を購入します。岡山県新見産の美味しいお醤油には、こうやって出逢ったのです。

 先日宿泊した愛媛県もこのパターン。何度目かの松山なので、駅前に大きなスーパーがあることは知っており、そこで宇和海で獲れた鯛のお刺身を購入。
 これが本当に美味しかった!!

 素材はもちろんなのですが、鯛の白身と、写真左上のアルミパック入りのお醤油がとてもよく合うのです。(右上は大きさの参考までに置いた普通のお醤油。右下は金沢で広く流通しているものです)。
 味をしめた西村センセイ、次の日の晩も懇親会を終えてから閉店間際のそのお店へ。

 でも残念ながら、今度はイマイチ。アルミパック入りのお醤油はなくなっていて、すべて左下のものに替わっていたためです。「やっぱりメーカーによってずいぶん違うんだなぁー」と思って表示を読むと何と、いずれも同じ会社が製造したもの。
 社内で違ったタイプのお醤油をを作っているんですね。

 この会社、大分県の富士甚醤油株式会社という、かなり大きなメーカーで、サイトにはホントにたくさんの種類の商品が紹介されています。
 アルミパックのものがどれに相当するのかわかりませんが、問い合わせればきっと使いやすい500mLくらいのものを教えてもらえるはず。

 これでセンセイのお醤油コレクションにもずいぶんと幅が......と考えていたのですが、昨日、意外な事実を教えていただきました。

 昨晩は関係者の飲み会が開かれたのですが、お刺身が美味しい!! その理由の一つはやはり、お醤油。

 ところが同僚によると、この種のお醤油が金沢市内、大野で限定生産されている、というのです。
 大野は醸造業で有名な地域。

 センセイも何回かそこのお醤油を試したことがありますが、お気に入りのものは近くのスーパーでは販売しなくなったので、ちょっとご縁が切れていました。
 チェックが甘かった。

 幻の(?)その甘口醤油とは、大野醤油の伝統しょうゆ「大野紫」。普通のお店では売っていないようですが、大野へ行くか、通信販売でなら手に入るようです。

 それにしてもこういう甘口の醤油って、センセイが知る限り、西日本でしか販売していません。東日本の醤油はもっとストレートです。

 いろいろ考えたのですが、「お砂糖+醤油」の東日本に対して、「塩+出汁」を基本とする西日本は、やはりどこかで「甘さ」を密かに求めているんじゃないかと思います(優劣を論じているわけではありませんので、誤解なきよう)。
 重層構造の西日本の食文化に比べれば、東日本のそれは、少なくとも構造は簡単明瞭。

 かように、醤油の味は食文化の指標となり得るんじゃないかと思うのですが......さて、どうでしょう?



6月17日(木) 朝のラジオ体操の音が、良く聞こえなくなった理由 ──新厚生棟新築工事は順調に進行しています──

 今日は見たままのお話。

 このところ明らかに無理が続き、疲れが取れなくなっているので、今朝は布団の中で、もうちょっとゴロゴロします。今日だけはいつもより遅め、登校する小学生とすれ違いながらのご出勤。
 裏口から構内に入ろうとして、作業服姿の集団が歩いていることに気づきました。

 最初は点検作業の人かなと思ったのですが、よく見ると重装備。新厚生棟建設に従事する方々です。
 そういえば構内に建設事務所はありません、大学近辺のどこかにあって、毎朝そこから通ってくるんですね。

 最近気づいたことがあって、一時期とても良く聞こえていた工事現場での朝のラジオ体操が、再び聞きとりにくくなっているのです。

 今日は珍しく天気が良かったので、大学院の講義を終えた後に、外で昼食を取ることにしました。
 普段は歩かない新厚生棟の前に出て初めて、音が小さくなった理由がわかりました。

 ご覧のように建設工事は順調に進んでおり、窓がかなり嵌められてきたので、中の音が外に漏れにくくなっているのです。
 そういえば最近は大きな工事音もしなくなったなぁ。

 以前、鉄骨の構造を見た時にも感じたのですが、センセイの研究室から見える西側は割とのっぺりした感じなのに、敷地の関係もあるのでしょう、写真の南ないしは東側はずいぶん複雑な構造です。

 工事の中心は内装に移っており、この夏には一部供用を開始するようです。早く中に入ってみたいものです。



6月16日(水) 飲食店が「閉店に伴い格安で販売致しております」...って、何?!

 西村センセイ、今週は金沢へ車で来ています。日曜の夕方に到着して、いつもとは違う道で大学構内へ入ろうとして、あれ?

 「閉店セール」と書かれた幟が目に飛び込んできたのです。

 もちろんこの不景気ですから普通のお店なら、いかにもありそうなこと。でもこの幟、「坦々麺専門店 らーめん とんとん」の前に掲げられているのです。
 金沢では有名なチャンカレことカレーのチャンピオン本店跡に入ったお店です。

 その名の通り坦々麺が専門で、一杯は390円と安いのですが、「マニアックゾーン」を過ぎて「急性胃炎に注意」と記された10度の辛さは180円増し。

 繁盛している、というほどでもなかったのですが、工大生を中心にそれなりにお客が入っていたお店です。
 それが今月末で「当店舗での営業を終了」とのこと。

 そういえば最初は月に1回くらいは来ていたセンセイも、たぶん半年、もしすると1年近くご無沙汰していたのでは。

 不思議なのは、やはり幟。

 一般のお店なら閉店の際に不良在庫を一掃すべく利益を無視して原価以下で販売することもあるでしょう。
 でも飲食店の場合は基本的に、仕入れるのは日持ちのしない材料なので、経営のことだけを考えたらすぐに閉店するのが得策。
 まして「閉店セール」の幟まで購入するのはおかしい。

 その幟、よぉーく見ると「閉店に伴い格安で販売致しております」。

 ここでやっと気づいたのですが、この幟は一般商店用のものを流用しているんですね。何が格安販売かというと、辛さの割増料金を取らないんだそうです。
 確かに──よく知らないけど──赤唐辛子なんかは、一度仕入れたら在庫を使い切るしかないはず。

 でも実は、もう一つの可能性があります。値引きをしても(しなくても)利益が上がっている時です。この場合は営業を続ければ続けるほど、利幅はともかく、とにかく儲かる。
 う〜ん、でもこれは考えにくい。

 いずれにせよ、こういう商売の仕方をしているようだったら、やっぱり長続きしないかも、と感じてしまうセンセイなのでした。



6月15日(火) Appleが、まったく新しいMac miniを発表しました

 夜になって予想外のニュースが飛び込んできました。Appleがまったく新しいMac miniを発表したのです。(写真はアップルのサイトより。(c)Apple)

 もっとも、Mac miniも順当に進化してきたので「まったく新しい」と言えるかどうかは微妙。

 でも少なくとも框体は全く異なります。従来のものは一辺16.5cmほどの樹脂製でコロコロした感じだったのですが、新型は19.7cmで高さは3.6cm。
 これまでのものを無理に押し潰したような感じです。どちらを好むかは、ちょっと微妙。

 その框体はMacBook Pro同様、アルミ製とのこと。

 従来の機種はACアダプターを外付けしたのですが、新型はAC100Vを直接接続します。
 アルミの視覚効果と周辺の配線がかなりすっきりすることで、印象はかなり変わるんじゃないかと思います。

 性能に関してはまだ良く分からない部分がありますが、スペックを読む限り、ノート機を追いかける格好で性能が向上しています。

 一番違うのはHDMIポートをサポートしたこと。

 従来、パソコン上の映像をHDMI入力を備えたモニタに接続しようとすると、映像信号そのものは簡単に変換できる──DVIとHDMIは兄弟の規格だから──のですが、音声をHDMI側に供給することができませんでした。(ただし、それを可能にするアダプタは存在します。)

 今回、HDMIをサポートしたことで、ホントにコード1本で最新のテレビにデジタルで接続できます(こちらもWindowsマシンには存在)。従来のAV機器とパソコンとの垣根をぐっと下げることになります。
 確かに便利だぁー。

 でもセンセイ個人としてはどうかというと、う〜ん......。

 センセイのように古い発想の人間にとっては、パソコンとAV機器は──それがたとえ相互に乗り入れることがあっても──別なカテゴリーに属するんだろうなぁー。

 新しいMac miniの価格は68,800から。さて、どうでしょう。

追伸:
 昨日ご紹介した惑星探査機「はやぶさ」の記事に関して、大気圏突入前のはやぶさに宛てた矢野氏のメッセージを読むことができます。



6月14日(月) 「はやぶさ」の奇跡的な帰還は、西村先生個人としても、とてもうれしい

 昨晩の西村センセイ、ホントはずっと起きていたかったのです。

 でも今日の朝イチから授業があるし、さらにその2時間以上前に大学へ出勤しなければ仕事に区切りがつかない──実は、終わらせることができなかった!! ──ことがわかっていたので、早めに就寝。

 サッカーを見たかったわけではありません。惑星探査機「はやぶさ」の帰還が成功したかどうかが心配だったのです。

 残された難関の一つ、回収カプセル分離成功を確認したので、最後の最後の関門パラシュートが無事に開くかどうかは天に任せてパソコンを閉じます。
 起床してニュースを確認すると、完璧すぎるほどの成功!!
((c)朝日新聞社)

 午後には小惑星「イトカワ」の砂が入っている可能性があるカプセルを回収したそうです。
 暗いことばかりが目立つこのご時世、センセイを含めた日本中の(にわか)科学ファンが盛り上がった、そんな一日でした。

 でもセンセイにとって、今回のはやぶさ帰還は特別な意味を持っています。はやぶさミッションの中心で、ICU時代の教え子が活躍しているのです。

 ずっと以前にお伝えしたことがありますが、センセイが助手──だから「教え子」というのはおこがましいのですが──をしていた時に、亡くなられた師匠とセンセイの研究室に、1人の小柄な男子学生が出入りしていました。
 矢野創
(はじめ)氏です。

 とても利発な青年で、しかも行動力があり、休みを利用して北京と台北の故宮博物館を調べたりしていました。
 ICUに入学する前からアメリカ留学を経験していたのですが、在学中もバークレーに留学し、ICU卒業後は渡英しケント大学で学位を取得。
 文部省宇宙科学研究所勤務を経てNASAへ移籍し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の助手として着任します。

 このころセンセイは、獅子座流星雨を報じたNHKニュースと続く「クローズアップ現代」で、ブラウン管の中の矢野氏に出くわすことになります。

 JAXA着任後は他ならぬこの「はやぶさ」ミッション、そして先日成功した宇宙に帆を掲げて推進力を得る「イカロス」計画──当時はまだ名前がなかったらしい──の立案に従事することになります。
 故障など、多難なはやぶさの飛行中は、本当に心配でした。何度諦めかけたことか。だから西村「先生」、今回の帰還は、素直にうれしい。

 もっとも、そのセンセイはというと、こちらは情けないばかり。

 どうやら公私ともに、「世の中、順風満帆ばかりじゃないよね」と慰め、そこからその人自身の復活力を育てるのがセンセイの仕事らしいのですが、人にはそれぞれ為すべきミッションがあるのでしょう。
 考えてみれば、後者に属する人の方がずっと多くて、そういった人がこの社会を支えているんだし。

 だからこそ、はやぶさの帰還と矢野氏の活躍を再び、素直に喜んじゃうのです。



6月13日(日) 柏崎では、梅雨入りに合わせるかのように「えんま市」が始まります

 新潟市内と柏崎市内での所用を済ませると、今日は早めに車で金沢へ移動します。公私ともにバタバタしていて、金沢に仕事を残したままなのです。
 締切は先週末。関係者の皆様、ごめんなさい。

 富山市を過ぎて金沢県境が近づくと、フロントガラスに雨が当たり始めました。新潟や石川など北陸地方が梅雨入りしたんですね。

 柏崎市民にとって梅雨入りは、明日から3日間続く地域最大のイベント「えんま市」と重なります。

 もともとは馬の市として始まり、その後、農繁期後の農民の慰労という性格を強めた「えんま市」。

 大雨に降られた記憶はないはない──あるいはそういう日には出かけなかったということかも──のですが、小雨だったり、あるいは、雨は降らないけれど、とにかくムシムシして......という印象。
 柏崎を発つ前に、ちょっと回り道をして、その閻魔堂へ行ってみました。

 明日からは一般道を閉鎖して屋台が出店するのですが、今日はまだ電気工事が行われているだけ。
 しかし閻魔堂周囲は右奥のように、もう屋台の準備ができています。

 堂の反対側には今年もお化け屋敷。まだ工事中で、その中の様子がよく見えます。
 ふ〜ん、こうなっているのね。(営業を妨害する意図はないので、写真は載せません。)

 「えんま市」は、老若男女を問わずというか、むしろ老人ほどはしゃぎ出し(?)、地域の全人口の2〜3倍(!!)もの人間が集まってきます。

 直接参加できず、う〜ん、残念。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る