2010年10月23日更新(2010年10月31日ページ移動。2014年9月23日一部写真削除)
■10月23日(土) 刺身が醤油に負けてしまう!? ――金澤醤油「大野紫」を手に入れました――
車で金沢へ来ている機会を利用して、金沢市大野を再訪しました。もちろん、この時期しか販売していない幻(?)の醤油「大野紫」を手に入れるためです。
目的地は直源醤油(株)の「醤油処直江屋源兵衛」。ここは工場内の蔵を改装したショールーム兼直営販売店。ほのかに「もろみ」の香りがする、風情のある不思議な空間。不思議さの理由は、天井がとても高いことかも。
前回は社長が対応してくださったのですが、今回は年配の女性店員です。「白い紙の筒に入っている」と聞いていたので店内を見渡すと、おぉ、ポツンと1本。
金沢工大とこの大野は金沢駅を挟んで反対側にあるので、なかなか来ることができません。
この機会に複数本ほしいことを告げると店員さん、センセイの説明を聞き終えないうちに裏へ行ってしまいました。彼女の行動を仕事熱心と言うべきか、ちょっとせっかちと考えるべきか......いずれにせよ時間がかかりそうだったので店内を再探検。
いろんなお醤油が並んでいます。味を比べられるように100mLくらいの小瓶と、その詰め合わせも。最近の流行なのでしょうか。
中にはこのお店の「もろみ」を使用したせんべいや、ここの醤油と能登産の塩を使った「ベビースター・ラーメン」も。
もちろん1セットずつ買って帰ります(センセイは食べないけど)。かなり待ってからお店の人が戻ってきました。奥の倉庫まで取りに行ってくださったのだそうです。
社長もそうでしたが、店員の方も自社の醤油、特にこの大野紫に惚れ込んでいるようで、楽しそうにいろいろと教えてくださります。新米が出回り始めたこの季節、炊き立てのご飯に烏骨鶏(うこっけい)などの神聖な生卵を乗せ、この大野紫をちょっとかけると絶品だとか、挙句の果てには(?)、「白黒ご飯というか、ご飯にこのお醤油を少しかけるだけで・・・」とのこと。
自宅に持ち帰っり、全体の包装を開けたところが2枚目の写真。300mLですから割と小ぶりです。瓶の封――封と注ぎ口そのものは、ごく普通のタイプ――を切った瞬間、え”!?
全然違います。とにかく違います。封を切ると「ブシュッ!!」と中から液体と生物学的なエネルギーが溢れそうな勢い。
少し遅れて、とても濃密な醤油の香りが周囲を制圧していきます。まだ全然味わっていないんですよ。恐る恐る大野紫を舐め、次いで刺身にこの醤油をつけて頂きます。
醤油はとても美味しい。でも意外なことに、刺身はそうではない。醤油の力にスーパーで買ったお刺身が負けてしまっているのです!!
初めての経験です。センセイがふだんスーパーで購入しているお刺身――決してレベルは低くない――なら、勝負にならず全滅、という感じです。
例えて言うなら、子供たちが新聞紙を丸めてチャンバラ・ゲームをやっているところに、時空をワープしてきた素浪人がいきなり真剣で切りかかってきた、というところでしょうか。物理的にも不思議な醤油で、普通のサラサラ感はなく、物体としてもとにかく濃密。コロコロ、プリプリと丸まっています(信じてもらえないかもしれない)。
さてこのお醤油騒動、センセイはというとちょっと微妙。その価値は良く分るつもりなのですが、センセイのふだんの生活の中で必要なのは、スーパーのお刺身、特に白身魚を美味しくいただけるもの。
センセイのレベルは丸めた紙新聞よりは上ででしょうが、それでもせいぜい竹光どまり。決して真剣には届かないのは確実なので、いくつかのお醤油を組みあわせることになるのかもしれません。
大野紫、大野醤油醸造協同組合のサイトから購入可能です。興味を持たれた方はサイトをのぞいてみてください。
■10月22日(金) もしあの時、角を左に曲がっていたら...。 ──アパート近くのスーパーが廃業、自己破産申立へ──
本当は昨日お伝えする予定だった話題。(新MacBook Airに吹っ飛ばされてしまったのです。)
お伝えしたように一昨日は、帰宅する時にいつものスーパーで総菜がほぼ売り切れていました。食材を蓄えていないセンセイとしては、ちょっと困ったことに。
空っぽの買い物かごを返して、お店を出たものの、さて左に曲がろうか、右へ行こうか......。それぞれ、自転車でちょっと走ったところにスーパーがあるのです。結果的には右手へ向かい、かろうじて売れ残っていたお刺身を買って帰ったのですが、もしあの時、左へ曲がっていたら、センセイは目指すスーパーの前で絶句していたはず。
まさにその日、地元資本のスーパー「無量井(むりょうい)ストアー」が事業を停止したのです。写真は大学の近くの、かつてはセンセイも時々使っていたお店。工大生も相手にするためか、低価格が売り物。
入口には廃業と自己破産申立を告げる文書が張り出されています。このような文書は何度も目にしています。通常は弁護士が起案した事務的な書面です。
しかしこのお店のものは明らかに経営者が書いたもので、行間に無念さが溢れています。報道によると、経営を続けられなくなった理由の一つはメインバンクだった旧石川銀行の破綻とのこと。
しかし一番大きな理由は新聞報道にもあるように、県外資本を含めた過当競争のようです。
センセイも地元新潟(柏崎市)以上の、激しい消耗戦であると感じています。でも金沢のスーパーで経過を見ていると、金沢の人はあまり商売が上手くないのかもしれない、と思う場面に出くわすことがあります。
目の前にある現実、経済学の教科書では決して説明しきれないのですね。今回の廃業、経済学をかじった人は自然淘汰と片付けるかもしれません。でも自転車で行動するセンセイにとって生活圏内のスーパー閉店は切実な出来事。
ましてや自動車を利用できない高齢者にとっては、冗談抜きで死活問題なのです。ところで西村センセイ、このスーパーだけはポイントカードを持っているんですよね。もう使うことはないけど。
■10月21日(木) PowerBook 2400c、再臨 ──11/13インチMacBook
Air 新発売!! ──
アップルは本日11インチおよび13インチの新MacBook Airを発表、発売しました。11インチモデルは全くの新製品。13インチも大幅に改良され、薄型化、軽量化されています。(写真はアップルのサイトより。(c)アップル)
センセイの第一印象は、おぉ、名機PowerBook 2400cが再び......というもの。実際、11インチモデルは、2400cを横に少し引き延ばし、縦(奥行き)は縮めた感じ。本体の投影面積と液晶の面積は2400cとほぼ同じはずです。
横方向に広がっているので、2400cと違って無理なくフルキーボードを装備。全モデルではHDDが基本でSSDも選択できたのですが、新モデルはSSDだけの完全な0スピンドル。可動部分はありません。
ディスクの容量は数桁違いますが、2400cでRAM DISCを使っていた時の感覚ですね。便利だろうなぁ。ディスクドライブはおろか、外部ディスプレイやEthernet(有線)のアダプターが外付けというのも2400cと同じ。
画素数は1366×768ドット表示ですから、800×600だった2400cの倍以上。まぁ、十数年違いますからね。質量は(約1Kg)は従来のMacBook(Pro)のほぼ半分。とにかく外へ持ち出すためのマシン、という感じです。
センセイのMacBook(White)は、Mac、Windows二つの領域を合わせてすでに220G使用していますが、今回、SSDの容量の上限は128G(11インチモデル)。
その他にOSが使用する領域も必要ですから、すでに容量不足ということになります。しかもCPU(Core 2 Duo)の性能はやや低め。それならやはり、256Gまで選択できる13インチモデル......。
他にも問題があって、外付けドライブや電源アダプタ──センセイは数カ所でパソコンを使う──、そしてWindows 7と最低限必要なソフト(Mac OSのバージョンが異なるため)を購入すると、軽く20万円を超えてしまいます。
う〜ん、これならディスクドライブを内蔵したMacBook Proの方がいいかも。FireWire端子があるで外部ディスクから起動できるし。いずれにせよ、センセイの冬のボーナスはBDレコーダーに化ける運命にあるので、Macは買えないのですが、久しぶりにドキッとさせられたモデルであることは確かです。
いいなぁ。
■10月20日(水) どこもかしこも、最後はコンビニになっていく?!
今日はいつもよりちょっと遅くまで大学でお仕事。そのためか、帰りに立ち寄ったスーパーに、もう惣菜は残っていませんでした。仕方ないので普段はあまり利用しないお店へ回ることにします。
自転車で角を曲がった時、目の前に突然、写真のコンビニが現れました。
アパート近くのこの場所、以前はガソリンスタンドと消費者金融の無人端末があったのですが、この春、それぞれ解体、撤去されてしまいました。
工事が2週間ほどずれていたので、センセイは両者が無関係だと思い込んでいました。
でもどうやら、このあたり一帯が誰かの所有で、一括して用途を変更したらしいのです。割と大きな構造物を建て始めたので、何になるんだろうと思っていたら、出来上がったのはご覧のセブン・イレブン。
店の周りには駐車場が広く取られています。新潟の自宅付近でもそうなのですが、あまり使っていない倉庫や潰れたパチンコ屋の駐車場、あるいはここのようにガソリンスタンドだった場所など、ちょっとまとまった土地があると、すぐにコンビニになってしまうような気がします。
以前なら、すぐに使わない場所は賃貸駐車場にしていたのに。あちこちにコンビニが乱立して過当競争になっているので、駐車場が狭いお店はすぐに撤退してしまうし、かろうじて生き延びているお店も弁当などの品揃えがどんどん悪くなっていきます。
もちろんコンビニがあれば最低限何とかなるので、ありがたいのですが。家庭的な駅前商店街が寂れ、ちょっと気の利いたお店がいつの間にか閉店してしまい、まるで最後はどこへ行っても同じものばかりが並んでいるコンビニになるかのようです。
■10月19日(火) いつもとは、一味違う写真 ──西村センセイ、金沢工大を見学する!? ──
西村センセイは今日も早朝からのご出勤。
でもいつもと違って、授業の準備を整えると微妙な問題を片づけるためにあっちへ行ったり、こっちでお偉いさんと話したり。2時間位でほぼ調整を終えたのですが、午前中の授業が始まる頃には、少々お疲れのご様子。
それでも講義は気合で乗り切り、授業に必要な道具を抱えたまま食堂へ。とにかく何かを食べます。これから夕方まで働きずくめなのです。授業の時間割は教員も昼休みを取ることができるように考えられているのですが、今日はお昼からお客様を迎えることになっているのです。しかもセンセイは引き続いて講義。
ここでどうにかしないと夕方まで何も食べられない!!予定通りにお客様が到着しました。
今回はお偉いさんが学内を紹介してくださるので、この機会にセンセイもご一緒させていただきます。良く考えてみると、こうやって学内を見学するのは金沢工大赴任の頃以来じゃないだろうか。
お客様の要望は、学生諸君を支えるシステムの調査、研究。もちろんセンセイらも一生懸命働いていますが、実はセンセイらがあまりよく知らない仕組みも存在します(関係者の皆様、ごめんなさい)。その一つがライティングセンター。
新入生に訊いてみると「本を読んだり文章を書くのが嫌だから工学部に来た」と言い切る学生がかなりいます。でもやがて、彼/彼女は勉強したり、就職活動をしたり、社会人として働くためにはそれなりの文章を書かなければならないことを思い知らされます。
もっとも、この期(ご)に及んで、それを認識できない学生に将来はありません。(きっぱり)でも、やっぱり、書くのは苦手......というわけで、ここライティングセンターでは、正規の授業外で文章の書き方を丁寧に指導しています。
もちろんセンセイはその存在を知っていましたが、白状すると指導している場面に立ち会うのは初めて。
手前の3年生は就職のためのエントリーシートの書き方を教わっていました。次は物理や数学が苦手な学生のためのセンター。
センセイは何度も来ていますが、責任ある立場の人から、しかも現場で詳細な説明を受けているのです。
ふ〜ん、こうなっているんだぁ。続いてグループ学習の様子を教室の中で見学させていただき、また、ある学科の就職対策指導の講演を一部だけですが聴かせていただきました。
組織の内部にいても、なかなかわからないことがあるんですね。もちろんお客様は、ホントにびっくりした様子。その分野の専門家なんですよ。
午後の講義が迫ってきたので、応接室のある建物へ戻ります。ただし、寄り道をして。
ここは学生の自主組織、学友会の学生支援推進委員会が立ち上げた「はてな相談コーナー」。
学生が、学生(特に1年生)──を助けるための仕組みです。何かわからないことがあっても気兼ねしてしまい、先生や職員に訊けないことってありますよね。
それを先輩役の学生が教えてくれるという「ピア・サポート」のシステムです。手前の4年生に尋ねると、最近の利用率は1日あたりh30人で、一番多い質問は「先生の研究室はどこですか」というものだそうです。
それにしても彼の表情が良い。お気づきでしょうが、センセイは人物の撮影が、ちょっと苦手。撮影の了解を得るのが難しいからです。でも今日は、まるで外部からの訪問者の気分。
頭を切り換えて撮影の許可をもらいます。金沢工大って、外部からのお客様にはこういう風に見えているんですねぇ。今日は勉強になりました。
■10月18日(月) 工事が終われば便利になるんだろう、と思うと...。 ──仮橋の向こうでは市民会館を建設中──
今日もセンセイの地元、自宅がある柏崎市のお話。
仮橋を渡ると、駅──昨日の写真奥──に向かって進みます。お伝えしたことがありますが、以前は川沿いに便利な近道が駅付近まで通じていたのです。
でも現在はフェンスで覆われており、仮設住宅が置かれていた駅前公園は立入りできなくなっています。2ヶ月くらい前のことなのですが、駅前公園に隣接した石油精製所跡地で動きがありました。
ご覧のように、一角がフェンスで覆われ、写真右手のプレハブの事務所が建設されたのです。(写真は昨日撮影。中央奥は地域のシンボル、米山)センセイは金沢にいたので現場を見ていないのですが、報道によると9月1日、ここに新市民会館を建設する安全祈願祭が行われたそうです。
そういえば確かに直前、白い大きなテントが設置されていました。新市民会館の建設は3年前の新潟県中越沖地震からの復興の象徴。防災拠点も兼ねています。
個人的には財政難を考えると、こんな立派な建物じゃなくても、と思うのですが、それはともかく、完成予想図によると、右脇を道路が走っています。図は南西から東北を見ており、手前が駅になりますから、センセイの自宅は右奥になります。
竣工は2012年とのことですが、この道路が使えるようになればセンセイはとても便利になります。
もちろん、その頃には自宅近くの橋の工事も終わっているし。センセイくらいの年齢になると、未来に希望を持つのが難しくなるのですが、少なくともこの場合は完成後をいろいろ予想できます。
早く便利にならないかなぁ、と思うと、不思議と、日々の不便もそれほど苦にならなくなるのです。
■10月17日(日) まるで出口の半分を塞がれたような感じ ──自宅付近では土木工事が続いています──
先週末に金沢から車で戻ろうとして、自宅そばまで来たところ、工事中で通行止め......というか、渡るべき橋(写真奥の重機付近)がそもそも存在しない。
写真中央、手前から奥──奥は柏崎駅付近──へ流れる川に架かっていた橋が撤去されているのです。もちろん以前から工事は予告されていたのですが、まさか架け掛け替え工事だなんて思ってもいませんでした。センセイの自宅は住宅地の真ん中(隣は倒産した工場跡だけど)。通学や買い物、実家など所用先は東西南北に分散しています。自宅近辺の道路そのものは碁盤の目状。
でも西半分については、その先の鉄道や道路、河川の関係で、この橋を通らざるを得ない。要するに、自宅からの出口の半分を塞がれたようなものなのです。
もちろん自動車なら迂回すれば済むこと。手間と時間はかかりますが、たいした問題ではありません。
でも、徒歩となると話はまったく別。今日は午後に電車に乗って金沢へ移動する予定だったため、あらかじめ現場を確認してみました。車で来た時は、何だか良くわからなかったのです。
幸いなことに、歩行者と自転車が通行できる仮の橋が架設されていました。やれやれ。地域住民としては正直なところ、「なぜ今ごろになって、これまで問題なく利用できていた橋を架け替えるのか」という疑問がわきます。
でも、これ、おそらく地震の復旧工事なのです。この川は、実際は大きなU字溝を使用した排水路。3年前の新潟県中越沖地震では何とか持ちこたえたのですが、U字溝の一部は欠け、また相互に少しずれた部分も見受けられました。
その上に橋が架かっていたのです。だから不安定さを残す川と橋をきちんと整備し直す、ということなのでしょう。
そうならばもちろん、2、3ヶ月の不便はたいしたことはありません。ありがたいことです。