2011年1月8日更新(2011年1月16日ページ移動。2014年9月23日一部写真削除)
■1月8日(土) 外はこの冬一番の冷え込みですが、教室の中は、熱い
朝7時、雲の切れ間からお日様が差し込んできました。
外の様子を確かめると一面、真っ白。風はなく、北陸地方にしては珍しく乾いた雪の様子から冷え切っていることがわかります。幸いにもたいした雪の量ではなかったので、自転車でご出勤。
今日、明日と放送大学で講義をするのです。放送大学といっても放送の方ではありません。各県にある学習センターでの面接授業です。石川県のセンターは他ならぬ金沢工大構内にあるのですが、新厚生棟に伴う移転後、初の講義。
昨日の午前中はその配布資料を作成していたのでした。ガリレオの望遠鏡(自作)や「斜面の実験」に使うカーテンレール、天動説を説明するための傘や器具、それにパソコン2台をかかえての大移動。
一度で運びきれずに2往復しました。ずいぶん早く作業に取りかかったのですが、準備が完了したのは講義開始直前。受講生の様子をよく見る余裕はありません。
話ながら確かめると、受講生は30歳くらいの人から、センセイの父親と同じくらい年代の方まで。
お互いの自己紹介を兼ねて、いつものクイズ(例)を出して全員に一言ずつ回答していただきました。センセイは学部から大学院まですべて、この同じ質問で講義を始めています。回答の様子でクラスの雰囲気がわかるからです。
放送大学は特に、ユニークな回答をする人や、貴重な経験を述べられる方がいらっしゃいます。
これでお互いに打ち解けたところで午前、午後と実質6時間の講義。もちろんとても疲れてしまいましたがmこの面接授業、とても得るものが多い。
金沢工大の講義でもちゃんとやっているつもりなのですが、放送大学の場合、目の前にいる受講生の反応が全然違うのです。
質問もたくさん寄せられる──このあたりはアメリカ人学生相手の講義と雰囲気が似ている──のですが、その中には、はっとさせられるものがあります。そしてもう一つ。今回は科学技術の歴史をお話ししているのですが、センセイは現在、金沢工大では歴史の講義をごく僅かしか担当していません。
その意味でも、自分のベースとなる考え方──たいしたものではないけれど──を再確認することができるのです。世の中は三連休だし、外はこの冬一番の冷え込みですが、教室の中ではそんなこと全然関係ありません。熱いです。ホントに。
■1月7日(金) どのファイルも最後は“.doc”になっていく?! ──Mac OS 9は静かに消えゆくのか──
今朝は早起きをし、雪がうっすらと積もり、冷え切った道を急いで大学へ。
お昼までに教材の原稿を約100ページ(!!)作成しなくてはならないのですが、昨日の午後、Macの古いソフトで作業中にファイルが開けなくなったのです。
センセイがMacでずっと使っていたワープロは写真左上のMacWORDという製品。出始めの頃から縦書きに対応しており、図や表、タブやインデントを柔軟に使うことができたからです。ただしすでに開発は終了しており、サポートもされていません。((C)ダイナウェア)
メモリを最大限に当てても認識できないらしく──図中にその数字が見える──大きな図を挿入してデータが重くなると、開けなくなってしまいました。
どうしようかと思って次に用意したのが右側のAdobe PageMaker。((C)Adobe Systems Incorporated)業務用のソフトなので仕事は正確だし、重い作業もへっちゃら。でも作業を始めてみると、柔軟性が求められる仕事には向かない......。
というわけで、昨日から今日にかけてWindows版Word 2000で最初から作業をやり直しています。
教材ですからたくさんの図版を使うのですが、そのほぼすべてがMac用。“.PICT”などの拡張子はつけてありません。でもセンセイのWordには図形コンバータをきちんと組み込んであるので拡張子がなくてもちゃんと認識してくれます。
使い勝手は悪いし融通が利かないソフトではありますが、ここは機嫌を損ねないようにずっと耐えます。どうにかこうにか教材を印刷したのは正午前。
もうヘトヘトですが、原稿を提出して食堂でうどんを食べると再び研究室で学会の仕事。
「午後にはファイルを配信する」と伝えてしまっているのです。こちらはまずWinodws版のExcel 2000でデータを整理し、MacとWindowsを使い分けてデータを加工します。それを最終的にはMac版のPageMaker 6.5Jに流し込んで、細部を修正。
最後は業務用のソフトを使ってPDFに加工。印刷業者にデータを渡すことができるレベルの品質です。4時間ほどかけて夕方には作業完了。読者のほとんどは気づかないだろう──むしろ気づいてもらいたくない──けど、約1/100mmの精度で文字を制御しています。でも良く考えてみると、西村センセイ、最近はMacWORDもPageMakerも全然使っていません。
後者はWindows版も含めて最終バージョンの7.0まで持っているのに。もちろん仕事の中身と深く関係するのですが、センセイを含めて最近はほとんどがWordのファイル。実際、印刷の現場ではWordのままの入稿も増えていて、印刷物の品質はどんどん低下しています。
さらにWebベースの仕事が主流になるともう、体裁なんてどうでも良くなります。「中身が良ければ」という意見もあるでしょうが、果たして実際のところはどうなんでしょう。
PageMakerはもろもと、活版印刷の立役者アルドゥス・マヌティウス(Aldus Manutius)の名前にちなんだ──名前を英語読みして会社の名前にした──アルダス社から開発、販売され、コンピュータの原稿で入稿するDTPという画期的なシステムを確立したソフト。
もっともその後、商品としてはクォーク・エクスプレスに負けたし、会社もソフトもアドビに吸収されてしまいました。OSもアプリケーションもメンテナンスされていないだけでなく、旧Mac OSの出番はどんどんなくなっていきます。国道沿いのお店がどんどんコンビニになるように、文書ファイルに関して「最後はみんなWord」というこの状態。
へそ曲がりのセンセイは「でも、その陰で失うものもあるんじゃ...」などと小声で呟きたくなってしまうのです。
■1月6日(木) 元気を出そうとお昼にチャンカレへ行ったら、勢い余って...
...といっても、凍結した道路で転倒したなどということではないので、ご安心を。(ある意味では似てるんだけど。)
今日は要するに「仕事始め」なので、午前中の式典を終えるとほとんどの教職員は帰宅します。残っているのは仕事熱心な先生方か、普段からのツケが溜まっている人間だけ。
後者の見本のようなセンセイ、式典で頭のいつもとは違う部分を使いすぎたのか、とてもお腹が空いてきました。珍しいことです。もちろん大学食堂は営業していないので、外へ出る必要があります。 急ぎの仕事が溜まっているので、ここは元気をつけたいところ。
天気予報とは違って雪もほとんど降っていなかったので、今日のお昼は久しぶり──たぶん、半年ぶりくらい──にチャンカレへ。
「金沢カレー」の旗が新しくなっていますね。店員の大きな「いらっしゃいませ」に迎えられて「さぁ、Lカツを...」と思ったのですが、いざ券売機の前に立ってみると、ジューシーな、しかしいかにもカロリーが高そうなトンカツの写真がLカツのボタンを押そうとする指を押しとどめます。
結局、センセイの指は、当初の意図に反してウィンナー・カレーのボタンを押しました。油の量もカロリーも同じくらいだろうし、白状すると全部食べることはできなかったのですが。
店内は活気に溢れています。学校はまだ冬休みなので、子供を連れた家族連れが目立ちます。
やはり美味しい。年に一度はチャンカレだな。割と元気になって研究室へ戻ったのですが、急ぎの仕事がどうにもこうにもうまく行かない。Macで既存のファイルを加工していたのですが、トラブルが続きます。
先方には今日中に打ち出して渡す約束だったのですが、お詫びのメールを入れて明日のお昼まで待ってもらうことにしました。怒ってるだろうなぁー。チャンカレで気持ちはずいぶん元気になったのですが、カラダの方がどうもついていかない......。
そんな、あたかも老齢期に入ったかのような、今日のセンセイなのでした。
■1月5日(水) 竣工したばかりの橋を渡って、新年の金沢へやって来ました
というわけで西村センセイ、明日からの始業に備えて午後の電車で金沢へ移動しました。不安材料だった歯科医院の件は、幸いにも朝イチで駆けつけて傷んだ詰め物を治してもらうことができたのです。
その代わり(?)、新たな虫歯も発見されてしまい、しばらく通院することになったのですが......トホホ。以前お伝えしたように、センセイが自宅から最寄の柏崎駅へ徒歩で移動する場合、自宅近くで小さな橋を渡る必要があります。ところが2ヶ月くらい前からその橋が大規模な改修工事に入ってしまいました。
年末までには工事を終わり、先日は車で、そして今日は自分の足で新築されたその橋を通りました。もともとここには細い川が流れていて、脇の道路の行き止まりを「工」の字型――行き止まりなので「ユ」の字型に近い――で渡っていました。
狭い橋なので行き違いができないどころか、通り抜けるのもやっと。白状するとセンセイも前の車で曲がり損ねて、車体の側面を欄干の保護材(ゴム製)で軽くこすったことがあります。
市民のそんな苦情が寄せられたのか、ご覧のようにずいぶん広い橋になり、しかも道路がゆっくりとカーブしているため、とても通りやすくなりました。
近隣住民としてはとてもありがたいことです。もっとも、地震のおかげで市の財政が逼迫している状況下で、これだけ立派なはしばらく必要だったのかどうかはちょっとよくわからないところがあるのですが。
柏崎駅からいつもの電車に乗ったのですが、到着ホームには、いつも以上にお客さんがいます。最初に乗った快速列車の中も、普段以上の乗客。
やはり新年が開けたばかりだからでしょうか。それでも新潟県内はまだ「混雑」というほどではなかったものの、富山県に入ると3両編成の各駅停車の席が全部埋まり、立っている人も増えてきました。
例によって各駅停車を乗り継いだのですが、ある駅からは空席がなく、荷物を抱えてしばらく通路で立っていたほど。
西村センセイ、ここでやっと気づいたのですが、今日は平日なんですね。昨日、あるいは今日から平常通りに通勤している方々なのです(だからまだ冬休み中の学生や生徒の姿はほとんど見なかった)。
日本海側(海岸部)は「雨か雪亅との予報だったのですが、新潟は曇っていたものの、富山と金沢は雨。
雪にならなかったのは、まだ寒気が入り込んでいなかったからのようです。今日はいつもと違ってお米──ただし徒歩なので2Kgの袋──を運んでいるので、金沢駅で降りて路線バスに乗り込みました。写真は香林坊のイルミネーション。
本来はクリスマス用のものですが、年明けもしばらくの間点灯しているようです。年末年始も、そして今日の移動もいろいろありましたが、やはり新しい年の始まり。
少しだけでも気を引き締めてかかりたい、と、ささやかな年始の抱負を確認した今日のセンセイなのでした。
■1月4日(火) 仕事始めの日にセンセイが向かったのは、工務店!?
と言っても、金沢工大の仕事始め「新年互礼会」は明後日の6日なので、センセイはまだ新潟の自宅に留まっています。
明日、歯医者さんへ行かなければならなくなった──加齢+センセイは歯が弱い──のですが、大きな問題がなければ午後には金沢へ移動する予定です。
街へ出てみるとやはり、仕事が始まったような、でも本格的には始動してないような、とても中途半端な雰囲気。スーパーなどは年末31日の狂乱が嘘のよう。売れ残った商品が割引されて並んでいます。センセイのお目当てであるお刺身コーナーも、やっといつもの状態に戻りました。
もっとも、鮮魚はまだ入荷していないので、並んでいるのは解凍ものだけなのですが。そんな仕事始め(?)にセンセイが向かったのは、工務店。
柏崎は日本海を超えてくる北風(+雪)がまともに吹き付ける場所なのですが、その北風をまともに受ける西側で再び雨漏りし始めたのです。
「再び」というの、は去年の春に修理してもらったばかりだからです。金沢にいたので去年の工事の様子を自分の目で見たわけではないのですが、写真で見る限り、外壁を取り外してずいぶん丁寧に作業をしてもらったはず。
電灯が点いていたのでお店の前に車を止め、中に入ろうとすると「5日からの営業」。
でも明日の予定はかなり流動的なので、無礼を詫びてお店に入ります。社長に原因を推測してもらうと、工事そのものの問題ではなく、修理部分のさらに上からの漏れではないかとのこと。
誤解していただきたくはないのですが、工事のあら探しをしているわけではありません。もともとの大工さんはもちろん、修理してくれたこの工務店はとても信頼できるお店です。そんな業者でも、やはり想定外の事態は起こり得るんですね。
ここはやはり、「雨降って、地固まる」といきましょう。何てたって、年の初めですからね。
■1月3日(月) 今年の正月三が日は、比較的平穏に終えることができそうです
年末の天気予報では、新潟を含む日本海側年越しは大荒れとのことだったのですが、少なくとも新潟地方は確かに強風が吹き荒れて雪も舞ったものの、「大雪」というほどではありません。
今回の大雪で大きな被害を受けた地域には申し訳ないのですが、年末年始の雪はやはり山陰地方と東北部に集中的に降ったようです。金沢もそうですが、あまり備えのない地域にドカ雪が降ったので、本当に大変だっただろうと思います。
今日は所用で実家へ行ったのですが、少し寄り道をしてみました。実家へ行くためには数本の経路があるのですが、その一つが、年末に親会社が倒産した柏崎シルバー精工株式会社前を通るのです。
走り慣れた道の右手に、かなり大きな建物が見えてきます。本社兼工場です。車を止めて初めて気づいたのですが、建物前にバス停があって、その名もズバリ「シルバー精工前」。
それほどこの地域では重要だ、ということです。もちろんまだ年末年始の休暇中で車や人の出入りはありません。とにかく、とても静か。
明日4日ないし5日には活動を再開するのでしょうが、正直なところ本当にどうなるかわかりません。実家で話を聞く──両親は倒産のことを知らなかった──と、知り合いでここに勤務している人もいるとか。
少なくとも正月三が日は大きな事件、事故もなく、いろんな意味で平穏でしたが、今後はどうなるかわからない柏崎市なのです。
■1月2日(日) 明けましておめでとうございます ──今年は甥や姪が全員勢揃いしました──
明けましておめでとうございます。皆様にはお世話になるばかりですが、本年もよろしくお願いいたします。
さて、12月31日の午後に実家へ移動したセンセイの最初の任務は買い出し。この新年は二人いる弟家族が31日、1日と分かれて実家へ来ることになっているのです。
母親その他を連れて近くのスーパーへ行ったのですが、店内は大混雑。普段の人出の20倍くらいだろうと思います。センセイらはあらかじめ料理を予約しておいたので、ちょっと待っただけで受け取ることができたのですが、予約していなかった人は店内で長い列を作って料理を待っていました。
たくさんの料理を車に積み込んで帰宅。夕食や寝具、お風呂などの準備を整えて待っているのですが......来ない。変だなと思って電話すると、弟一家はまだ自宅にいて、今晩は自宅で新年を迎えるとのこと!!
連絡ミスです。仕方ないので、お刺身など傷みやすい8人分もの料理を4人で食べることになりました。
白状すると、「さすがにお刺身はもう...」という感じ。とてももったいないですね。その分、静かに紅白歌合戦を見ることができました。センセイは酔っぱらって途中から眠ってしまったのですが。
1日はご覧のように総勢14人もが集結。甥や姪もどんどん大きくなっているので、買い出しの量も半端ではありません。
最近は大学生の海外留学などで全員揃うことはなかったのですが、今回は甥や姪8人が全員揃いました。一番上の大学生は地元にUターンして大手企業に内定し、春からは社会人。
その下には就職活動本番の大学生が続き、以下、大学、高校受験組がいて、一番下は中学一年生。来年、つまり学年が一つ進むとずいぶん様子が違うことになるでしょう。しかも、幸いにも両親ともに健在であるものの、やはり老いは否めません。
車がないと生活できない田舎ですが、父親は81歳の誕生日を機に、運転免許証を返納するつもり、とのこと。高齢化が進む新潟県内では、被害者、加害者ともに高齢者という交通事故が増えているので、これは歓迎すべきでしょう。
子供たちはこうやって成長し、老人は静かに退場していくんだということを改めて考えさせられた元日だったのです。