2016年6月18日更新(2016年6月26日ページ移動。2018年5月27日写真削除)
■6月18日(土) 北千住に移転した東京電機大学を、初めて訪問しました
昨日の会合を終えた西村センセイは翌日、つまり今日の移動に便利な都内に宿泊。
用務は午後からなので、午前中は娘の家へ。この春就職したのですが、研修を終えて6月に配属先が決まり、近くに社宅扱いのアパートを借りたのです。愚女宅を訪れるのは初めて。
まぁ、何とかやっている様子だったので、お昼を一緒に食べてから電車に乗り、JR総武線、山手線、常磐線と乗り継ぎます。この辺の常磐線――常磐線は完全乗車――に乗るのは何年ぶりだろう。数駅で北千住に到着。
目的地は駅南側の“TDU”こと東京電機大学です右手前のビルが大きなホールになっており、そこでPBL(プロブレム/プロジェクト・ベースド・ラーニング)に関するシンポジウムが開かれたのです。
駅前を歩いていると前から知った顔。ほぼ同僚――正式な所属は隣の課程――のN先生です。手を振ります。「こんな所で...」と心底驚いていらっしゃいましたが、時間と場所を考えれば目的地は同じはず。ほぼ定刻通りにシンポジウム開始。
受付の段階から参加者に学生が多いことに気づいていました。たとえば卒業論文に取り組んでいるとか、就職活動に入った4年生を間近で見ている顔ではありません。たぶん2年生。
後半の電機大学の先生の発表でその理由を知ったのですが、彼の受講クラスの学生が参加していたんですね。今日のメインはこの分野の権威である京都大学の溝上(みぞかみ)教授による講演。
先生の講演は珍しく言い訳から始まりました。それで初めて知ったのですが、今日は小中学校の関係者も多く参加しているとのこと。
それでいつもの研究会と雰囲気が違うんだ。実はPBLを含むアクティブ・ラーニング(AL)は国の施策として採用されたこともあり、対応が急務なのは初等中等教育。
つまり小中学校と高校。大学は比較的柔軟に対応できますが、数年後にはALに慣れ親しんだ生徒を学生として受け入れることになります。
申し訳ないのですが、若葉マーク付の入試部長、中等教育の現状と課題を少し見落としていました。
いろいろ考えされられて帰りの電車に乗ります。センセイらの世代にとって、東京電機大学といえば神田錦町の風情のある校舎。高校の同級生が在籍しており、センセイも入館したことがあります。「アキバ」と一心同体のような存在(というイメージ)。
その後、東京に住んでいる時に、たぶん学会で高層ビル化された校舎を訪れていると思います。でも、今回初めて知ったのですが、約15年前に神田錦町は全て引き払い、この北千住その他に再編成されていたんですね。最初の写真は駅前から撮影したもの。
「学園通り」はその時に命名されたのでしょうか。ちなみに上の写真手前はロータリー兼用の広い広場になっており、ホール1階にあるコーヒー店も一般に開放されていました。先日訪れた立命館大学同様、地域との共存が最近の大学のトレンドのようです。
入試を離れていた約15年の間に、この辺の事情が一変してしまったことを思い知らされます。
■6月17日(金) 決め手は“MEC”の後ろ姿 ――明星大学の初年次教育科目を見学しました――
ホテルから最寄りの立川北駅に移動。JR立川駅脇、多摩モノレールの駅です。
ほどなく到着した多摩センター行きの列車に乗車。今日は平日。通勤のピークは過ぎているので、乗客は登校する学生や途中にある多摩動物公園へ向かう親子連れなど。
動物園の次の駅で下車し、山を登ります。目的地は明星大学。同大学は教育力で知られているのですが、その秘密の一つ、初年次教育科目「自立と体験1」の公開授業が行われるのです。明星大学を訪れるのは9ヵ月ぶり。
関係者に挨拶してから説明を受け、グループに分かれて移動。90分の授業の前半と後半を、違ったクラスで見学させていただきます。センセイの前半は図書館見学。
中央やや右奥の男性が担任の先生。学部学科を意図的に混在させた約30名の1年生を受け持ちます。説明してくださるのは中央奥の図書館司書。
お気づきでしょうが、どう見ても一人だけ違う後ろ姿が。(大学の許可を得て撮影)もちろん大きく“MEC”と書かれたシャツを着用している女子学生です。彼女は新入生ではありません。
授業を手伝ってくれるSA(スチューデント・アシスタント)という上級生。ちなみに、“MEC”は「明星教育センター」の愛称。初年次教育だけでなく、入学前教育や自校教育、キャリア教育など、学部学科を越えた教育を担う部署です。
後半は小教室へ移動し、セクシャルハラスメントやアカデミックハラスメントなどを防止して、他人も自分も大切にすることを学ぶ演習。
こちらも写真を撮影させていただいたのですが、どうしても受講生の顔が少し見えてしまうので、掲載は省略します。で、ここにも“MEC”が2人。
どのSAも、授業に過度に介入することなく、でも学生が困っている時には(解答を教えるのではなく)、狭くなっている見方をちょっと変えるようにアドバイス。
その絶妙な立ち位置が素晴らしい。今回は公費で訪れた――ただし関係者への差し入れは自腹――なので、この成果を持ち帰って担当者に情報を提供したいと思います。決め手は“MEC”の後ろ姿。
頼りになる存在です。
■6月16日(木) 北陸新幹線で新呉羽山トンネルを抜けると、ビルの向こうに突如、高い山々の壁が...
センセイは現在、東京都西部(立川市)に滞在しています。
都内で明日と明後日開かれる会合に出席するためです。明日のイベントは午前10時半開始。会場は八王子の山の中――山の頂上と言うべきか――にあります。
当日朝、どんなに早く金沢を出発しても間に合わないので、今日は都内で前泊。要するに今日は移動日。移動だけなので、遅くなってから出発してもいいのですが、そうすると都内での帰宅ラッシュと重なります。るので、午後2時前の北陸新幹線「はくたか」で上京しました。便利な速達タイプの「かがやき」はこの時間帯には運行されていないのです。
午前中に2コマの講義があるので、それを終えてから出発するのですが、大学前から出発するバスの、ちょうど良い便がありません。そこで先々週同様、北陸鉄道とJR西日本在来線、そして北陸新幹線を乗り継ぐことに。
講義を終えるとひとまず研究室へ戻り、SA(スチューデント・アシスタント)に手伝っていただきながら、最低限の後片付け。
時刻を見計らって、最寄りの北陸鉄道野々市工大前駅へ。でも時計を見ると、要領良く行動したおかげで電車の到着まであと10分弱あります。そこで、隣の野々市駅まで歩きます。
すぐ近くにあるのですが、料金が違うのです。駅のホームで数分待っていると、2両編成の列車が車輪のフランジとレールが擦れる「キキキ」という音を盛大に立てながら、間近に迫った家々の僅かな間隙を縫うようにして到着。
音を立てるのは、この付近が急カーブになっているからです。やってきたのは、おぉ懐かしや、京王井の頭線で使われていた車両。東京に在住している時に東大(駒場)へ行く時に良く利用しました。
ちなみに、右奥にはるコンクリート製の古い建物は、北陸鉄道の変電所。北陸鉄道の新西金沢駅とJR西日本の西金沢駅は接しており、ほんの少し歩いてJR線に乗り換えました。今日はセンセイを含めて10名弱の乗り換え客がいました。
接続は良く、数分で到着した列車で金沢駅に到着。立川までの乗車券を持っているので金沢駅で途中下車扱いにして、訪問先へのお土産を購入します。やはり中田屋の「きんつば」を購入。
他に訪れる場所もありません。新幹線ホームに上り、ぼんやりと待っていると「はくたか」到着。指定席はそれなりの乗車率。でもこれまでの経験から、そしてホームの並び具合から、自由席はガラガラだっただろう思います。
自由席車両を直接確認したわけではありませんが。それはともかく、あまり好きではない北陸新幹線ですが、仕事をするにはとても便利。足元の電源プラグにACアダプターを繋ぎ、受講生の反応とセンセイのコメントを入力。
新幹線は富山駅直前にある、短い新呉羽山トンネルを抜けます。在来線も新幹線も呉羽山のトンネルを出ると市街地の向こうに立山連峰が見えます。在来線も絶景なので、ぜひ体験していただきたい光景。
でも今日初めて気づいたのですが、新幹線はより高い位置に、そして在来線の南側にトンネルがあるので、より迫力があります。写真はそれに驚いて、慌ててカメラを取り出して撮影したもの。撮影するのなら、呉羽山を抜けたばかりの時がお勧めです。本当は遠くに位置しているのに、立山連峰が、あたかも壁か屏風のように迫ってきます。
こういう恵まれた場所で育った人は、立山に対して特別な感情を抱くんだろうなぁー。ホントに、そう、思い知らされます。
■6月15日(水) 疲れたなぁ...と思って見上げたら、鷲が二羽 ──14年勤務していて初めて気づいたこと──
何度もお伝えしていますが、センセイは1週間の中で水曜日が一番辛い。
午後は大学院の講義に続いて特別な授業。そもそも講義は気力と体力を使う真剣勝負──学生の皆さん、知ってました?──ですが、この2科目は別格。
それでも授業の疲れ方は心地良い。(教師ならわかってもらえると思う)でも問題は午前中のヘビーな会議。去年までは隔週だったのですが、今年度からは2種類の会議のどちらかを毎週開催。こちらは、激しく消耗する疲れ方。
今日も早朝に出勤し、まず午後の講義の準備。それを終えてから、午前中の会議の対策を練ります。この順番が、肝心。目先のことから始めると、どこかで辻褄が合わなくなるんですね。
予想以上に消耗しながら会議を終えます。研究室に戻って、朝のうちに購入しておいた助六寿司を食べます。
会議に同席していた幹部が来室して、う〜ん、どうしよう。この打合せの影響で、いつもより遅く、15分前に教室へ到着。
でも、こちらの言葉に絶妙に反応する院生諸君に助けられて、最初の講義は無事終了。深謝、深謝。
そのまま別棟に移動し、特別クラスの授業。先ほどとは別な意味で、学生諸君に助けられます。彼ら彼女らはセンセイを信用してくれているのです。講義の後半は演習。
そのため今日は流れ解散にしたので、学生は順々に教室から去ります。オトナの会議と違って後を引くものはないのですが、体力を使ったことに違いはありません。老体にはこたえます。
下りのエスカレーターに乗りながら、疲れたなぁ......。いつもなら足元を見るのです。でも今日は何故か上を見上げて、建物内の一番高い場所に、鷲。初めて知りました。
金沢工大に移籍してから14年ちょっと。この建物はそれ以前から存在しています。世の中、わかっているようで、知らないことばかりだ。
■6月14日(火) やはり動きが、良い。もちろん、味も ──富山駅に「立山そば」のお店が復活していました──
富山駅ビル内、年老いた両親や伯母への簡単なお土産を買って、さてどうしよう。
自宅に到着するのは10時半。それからビールを飲むので、おつまみは用意してもらっています。でも夕食は富山駅か列車の中で食べなければなりません。
お土産コーナーを取り囲む形で飲食店が数店入っていました。でも居酒屋に入るつもりはないし、本格的なお寿司もちょっと......。かといってコンビニのお弁当は、ちょっと悲しい。
どうしようか迷ったのは、富山名物白えび天丼のお店。たぶん古い富山駅駅ビルの2階にあったお店です。とても美味しいし、富山でしか食べられない。
でも天丼は1,200円。そもそも老体のセンセイにとって夕食に油っぽいもの──実際はそれほどしつこくない──はかなりきつい。というわけで今回は断念。
いったん駅舎の外へ出て駅の様子を確かめていると、おぉ、何と、「立山そば」のお店が。富山駅の新築工事に伴う一時的な営業休止で、数年前に1番線ホームのお店で食べ納めをして以来。
要するに立ち食いそばのお店。でも夜8時過ぎだというのに、店内は老若男女で混雑しています。観光客もいますが、大半は地元の方。これはもう、入るしかない。
センセイは例によって素うどん。白えびかき揚げうどんがあったらそれをお願いしたかもしれない──さっきの説明は何だったんだ──のですが、幸か不幸か品切れ。
写真中央、年季の入った職人さん(写真中央の男性)の動きが、良い。味と、「立山」のかまぼこは以前の記憶通りでしたが、やはり美味しい。ただし以前と比べて、一つだけ違いがあるかも。それはお店ではなく、センセイの側。
以前ならちょっと塩味がきつなぁーと思いながら出汁を飲み干したのです。でもが、今回は最初と最後に一口頂いただけ。もちろん1ヶ月ほど前から気をつけている塩分の摂取制限です。今回もかなり塩分を感じました。「富山ブラックラーメン」も相当塩分が強い。
富山の方々が高血圧に耐性を持っているとは思えないんだけど。お店の外へ出て看板を見直すと、その看板の右端には「源」とあります。「ますのすし」で有名な株式会社源が運営するお店なのですね。
■6月13日(月) 西村センセイ、新築された富山駅に初めて降り立つ
「......どうしよう」の回答が、新築された富山駅で降りること。
金沢到着時刻が迫る特急「サンダーバード」の車内で、スマートフォンだけで良い代案がないか調べてみました。解の一つが、富山まで在来線で移動し、そこから所定の新幹線に乗り換えること。
金沢到着後切符売り場に急いで、乗車変更していただきました。北陸新幹線開業後も、富山駅に全く来なかったわけではなく、新幹線で何度も通過している──ただし降りたことはない──し、先月も在来線上りホームで乗り換え。そもそも1週間前に、富山駅で下車しています。
つまり字面だけだと事実ではありません。でも1週間前は後述する在来線高架ホームで下車して迷路のような通路を通り抜け、やっとで北口にたどり着きました。
入試説明会会場へ急ぐ必要があったのです。新幹線の開業で大きく変わったのは、駅の南側。こちらはまったく訪れていません。IRいしかわ鉄道の各駅停車は下りホームに到着。
在来線改札口(2枚目写真奥)から、天井の高いコンコースに出ます。狭い金沢駅とは対照的にとても広々しているので、一瞥(いちべつ)しただけでは全貌を掴むことができません。そこで様子を確かめると、あれっ?!
何故か駅舎内右手(2枚目の写真左)に路面電車が。富山市中心部の移動には路面電車が便利なのですが、かつて駅前にあった停車場が駅舎内に引き込まれているのです。
これなら雨の日も雪の日も濡れずに利用することができます。便利だぁ。改めて周囲を見渡していると、コンコース中央の床が、ぼんやりと銀白色に輝いていることに気づきました。
上方からの照明によるものではありません。表面が透明な床の下に、大きな貝のような銀色の物体が埋め込まれていて、そのさらに下から、照明されているようです。
センセイの予想では、富山湾の深さと、そこからの恵みをイメージしたオブジェ。写真中央のご夫婦のお子さん──たぶん1歳ちょっと──それを見てはしゃいでいる時、たまたま出くわした女子大生と思われる数人も床面の輝きに興味を持ちました。
すると女の子は、女子学生に反応して彼女たちの方へよちよちと歩き始めました。ご想像の通り、たちまちワーワーキャーキャー状態。当たり前ですが、彼女たちは未婚で、出産を経験したことがありません。
もし出産していたらこのように腰を曲げて上から見るのではなく、膝を曲げて、できるだけ子供と目線を揃えるようにするはず。彼女たちを批判しているのではありません。
ご両親も様子を暖かく見守っているでしょ?新しい富山駅のコンコースはとても広いので、正直なところ、どこに何があるのか、すぐにはわかりません。
新幹線改札口(右手)すら、良くわからないほど。そこでひとまず駅舎内を歩き、土産物店などの位置を確認してから駅の外へ。こちらもびっくり。駅前がとても広々としているのです。
古い富山駅は駅舎内も駅前も割とゴチャゴチャしていて、非常に狭かったのですが、それが一変しています。写真を見ていて気づいたのですが、新幹線ホームに金沢行の列車が停車していますね。
実は富山駅の建設工事は未完成。新幹線関係はひとまず片づいたようですが、売店の工事は継続中。在来線についてはまだまだ、という感じです。
完了したのは上りホームだけ。センセイが降りた下りホームはまだ古い駅のままで、高架化工事が継続されています。そのとばっちりを受けるのが、立派な南口と、古い北口間の移動。
あっちへ行ったりこっちに曲がったり、上ったり、降りたり。金沢駅とは違い、良くできた駅だと思いますが、一つ気づいたことがあります。金沢と比べて観光客は少なく、地域の方もどこか醒めている。
金沢の、開業1年を経ても続くあの現実離れした高揚感が、ここにはありません。待望の新幹線開通ですから嬉しいには違いないのですが、それ以外のことも冷静に考えている。
富山県民の堅実さを再確認させられます。ネガティブな意味ではありません。......お腹が空いてきたなぁ。
■6月12日(日) 学会はちゃんと仕事したのだけど、帰りをどうしよう...
大会2日目の今日は自由研究発表がメイン。センセイの発表は午後の最初。つまり「露払い」です。
午前中は興味を持った発表を自由に聴くことができます。ただし会場は通常、テーマごと。たまたまセンセイの発表と同じ会場で関心のあるセッションが行われたので、左手前方に陣取りました。
座った場所から撮影したのが写真。本当は会場の後ろからカメラを構えたかったのですが、実は満席。右手前の席が空いていますが、これは発表中の方の席。
それどころではありません。立ち見の聴衆が教室から溢れてしまうほどの盛況。センセイを含めて、座っている人は机と椅子を前に詰める(!!)事態に。それほど人気のセッションだったのです。
ちなみに、右奥にチラリと見えている司会の先生は、京大のY先生と早稲田のO先生。しかし白熱した議論も、昼食の魅力にはかないません。お昼休みにはセンセイも関係する特別なセッションが、お弁当を食べながら開かれました。
ただし早めに会場へ戻ります。今回は大学院の講義について報告しました。お伝えし損ねた点が2、3点あったのは反省材料ですが、基本的には熱く、しかし冷静に発表することができました。
何しろ、ふだんやっていることなので。いろいろ教えていただきながら無事セッションを終えたのですが、さて、帰りはどうしよう......。良い接続の特急サンダーバードを予約してあるのです。
でもその後、予定が変わって、今日中に新潟の自宅へ戻ることになりました。一番楽で早いのは京都から東海道新幹線と上越新幹線、そして在来線を乗り継ぐこと。しかし西村センセイ、新幹線はあまり好きではないし、この方法だと料金も高い。(本来の区間以外の運賃や料金は自己負担)
そこで予定通り金沢まで戻り、その後北陸新幹線と特急を乗り継ぐことにしたのですが、接続が悪く、金沢で2時間近く待ってしまう。......どうしよう。