2016年4月16日更新(2016年4月24日ページ移動。2018目年5月27日写真削除)
■4月16日(土) 西村センセイ、お土産を買う ──里山の駅 つるぎの味蔵──
もう1日だけお土産のお話を。
何度もお伝えしているように、去年3月の北陸新幹線金沢延伸でセンセイの行動パターンは一変してしまいました。このページからも鉄道ネタが激減。対象がほぼ消滅してしまっているので。
代わりに増えているのが、自動車あるいはその運転に関する情報。実際、毎週約250kmを、しかもその大半を自動車で安全に運転するとなると、かなり気を使わなくてはならない。お土産の購入場所も関心事の一つです。
休憩も兼ねています。昨日の「きんつば」は特別ですが、センセイは全国へ出張する時は必ず、ふだんでも2週に1回くらいはちょっとしたお土産を購入しているのです。
主に、実家と、年老いた伯母宅を訪れる時の口実。老人のためものなので、洒落たお菓子などではなく、加工済の農産物や和風のお菓子など。
歯が悪い伯母のことを考える必要もあります。国道沿い──例えば新潟・富山県境──にもお店はあるのですが、最近のお気に入りは富山県西部森林組合の「もりもりハウス」など。
最近、新顔が加わりました。富山県上市町の農産物加工研修施設「里山の駅 つるぎの味蔵」です。以前からその存在は知っていたのですが、今まではその手前で高速道路に乗ったため、入る機会がなかったのです。
「おやたま食堂」に似て、メインは飲食。でも地元農産物を加工した食品も扱っています。個人的には残念ながら、いちごのジェラートなど若い人向けのものが主ですが。
今回は山菜の水煮を購入。値段はちょっと高めでした。施設の背後には、北アルプス。
上市町からだと、高い峰々が本当に眼前に迫ります。写真は夕方の順光下で撮影していますが、朝、東に位置する剣岳、そしてその前に控える山々を逆光で拝むと、その神々しさに圧倒されます。
一週間前は、そのさらに手前に満開の桜。車をゆっくりと走らせながら、富山の空気と人々の心を感じています。
九州地方の連続地震は残念ながら、怖れていた、そしてほぼ最悪の展開となっています。東日本大震災直前の前震と、あるいは5年前の岩手宮城内陸地震を想起させます。
東京で大震災に遭遇したセンセイは、翌日、東海道新幹線、北陸本線経由で帰宅しました。敦賀から乗車した特急「サンダーバード」の乗客の大半はその時点で、地震の意味を理解してはいませんでした。彼らが話していたのはこれから訪れる和倉温泉について。
あの日の彼らを、批判しているわけではありません。問うて、あるいは問われているのは、逆の立場に立たされた我々の今の姿なのです。
■4月15日(金) 西村センセイ、お土産を買う ──中田屋有松店──
お伝えしているように西村センセイ、新年度に入ってから猛烈に忙しい。
学内での新しい立場という特殊事情と、新年度の始まりという状況が二つが重なっているからなのですが、正直なところ、記憶が飛んでしまいそう。TVニュースすら見ることができません。
夜のニュースは録画はしているのですが...。そんなセンセイが熊本の地震を知ったのは、昨日の深夜。同僚からの、共通の知人は無事であるというメールによってです。被害のタイプは2004年秋に発生した新潟県中越地震に近い。
実は、学部と大学院(HP未解説)の初回の講義で、中越地震や中越沖地震、そして東日本大震災の経験を踏まえた授業をしたばかり。「記憶につられていろんなことを思い出し、少々つらいものがあった」という受講生の反応を思い出します。
気持ちは、わかる。しかしセンセイが為さなければならないのは、為すべきこと。完全なトートロジーですね。日付が替わる頃までかかって授業の記録を打ち込みます。
今日の午前中は引き続き、個人面接。一人あたりの時間については、通常のクラスの倍以上を確保しているのですが、それでも時間が足りない。学生によっては1時間くらいかけて話を聴かせてもらうことも。
予定していた時刻を大幅に過ぎて、面接終了。今日は新潟の自宅に帰宅します。センセイらは「裁量労働制」という、法律に基づいた働き方。それに、明らかに働き過ぎだし。
というわけで午後、事務に挨拶して大学を離れます。挨拶には理由があります。事務方がセンセイの行動を把握していないと、いざという時に彼ら彼女らが困ってしまうから。
実際、センセイの1日の行動は、朝のミーティングで関係者に確認、共有されているのです。今日はちょっと寄り道を。家人に頼まれて金沢名物、中田屋の「きんつば」を購入しなくてはならないのです。
幸いにも数年前、近くの「有松三軒屋」内に中田屋有松店(一番奥)が開店。決して甘党とは言えないセンセイですが、中田屋の「きんつば」は確かに上品。ご覧のように今日の北陸は好天。
雪がかなり融けた立山連峰を愛でながらゆっくりと富山県内を走行します。目に入るもの、そしてドライブレコーダーに記録される光景は、いつもの、それ。
しかし被災した者には、日常の光景の向こうに非日常が、そして今現在は何が必要なのかすら十分に把握できず──見下しているわけではないので、念のため──に、右往左往する人々の姿が皮膚感覚で見えてしまう。
鬱病、あるいは抑鬱状態を経験したことがある人にとって、群衆の中の同族の姿が丸見えであるように。やはり為すべきことは、為さなければならないこと......あ"、逆転してますね。同義反復だから、問題はないのですが。
■4月14日(木) 吸い込まれてしまう場所 ──奈落の底までこのまま落ちていきそうな...──
ピークを乗り切ることはできたものの、センセイに課せられた仕事の内容と量は高止まり。
今日も昨日と同じ時刻にご出勤。午前中に講義が二つ続くのです。しかも午後は夜まで面接が続くので、他の用を片づけておく必要があります。
2時間ほどせっせと働いてから、朝イチの授業の教室へ。少し慌てていたので必要な書類を取りに、研究室へ戻ったりしているうちに講義開始の時刻。前回、気合を入れてスタートを切ったので、講義そのものは概ね順調。
2時間目も同じ教室で講義をします。おそらく事務局の配慮。科目担当者の動きを減らすように配置した、ということなのでしょう。
いずれにせよ、効率は良い。ありがたや、ありがたや。次の時間の学生諸君が集まるまで教室の前でフラフラしていて、初めて気づいた場所──光景、と言うべきか──に気づきました。
それが写真の場所。講義棟(8号館)の端に大きな回り階段があるのですが、中央に少しだけ、隙間があるのです。
4階から1階をほぼ垂直に見下ろしています。脚立やちり取り、掃除機などが見えます。暗い場所なのでシャッターを長めに開放。歩行中の人間(右上)はぶれています。
現場に立つと何だか、妙に吸い込まれてしまいそうになります。個人的には、この写真ですらそう感じます。何よりも現場を思い出します。しかも現場の上下方向を、写真の遠近に無理に置き換えていることが関係しているのかもしれません。
でもそれは、あくまでセンセイ個人の感想。現場を知らない方がこの写真をどう感じるのか、正直なところ、良く分かりません。
■4月13日(水) 大学裏にあるのは、「高橋セボネ遺跡」 ──西村センセイ、ヘビーな1日を乗り切る──
というわけで今朝は、昨日よりもさらに早く起床。
窓の外は快晴。天気予報は微妙で、下り坂ではあるものの、夜の降雨確率は30%。迷ったのですが、予報を信じて自転車で出発しました。
結果的にはこれが、悪い方へ外れるのですが。今日は食堂へ行ったりお弁当を買う時間がないはずなので、珍しくコンビニで朝食のサンドウィッチとお昼のお寿司を購入。さっそく仕事に取りかかります。
ここで肝心なのが、仕事の順番。スケジュールが混んでいる日は、最後のイベントから片づけるのがコツ。具体的には午後に二つの講義があるので、それから、しかも最後のものから着手します。
作業を始めると見通しの甘さを思い知らされることになるのですが、それでも何とかします。午前の会議の資料を読み込み始めると、事務から電話があり、「打合せにお伺いしたいのですが...」。ベクトルの先が1点に集約するようなイメージ。
リズムを掴むことができたので、臨時の会議とそれに続く割と大きな会議を乗り切ります。後で聴いたら、「いつものセンセイじゃなかった......」とのこと。ふーん。
この調子で午後の講義を乗り切ります。続いて会議に参加し、その後は関係者で濃密な打合せ。
なるほど、そうだったんだぁ。周囲はすっかり暗くなっています。雨が降り始めたのです。スーパーに立ち寄り、値下げされたお刺身を購入。
冷凍しておいた地元産の美味しいコシヒカリを温めて頂きます。ご飯も、お刺身も美味しい。センセイが元気な証拠、と解すべきでしょう。倖いなことに。
というわけで今日は写真を撮影できなかったので、右のものは昨日撮りました。昼食のついでに、大学裏へ行ってみたのです。
見慣れない看板があって、そこには「高橋セボネ遺跡」。高橋というのはここの地名。「セボネ」の意味はわかりません。弥生時代後半(200年頃)の遺跡だそうです。
時間があったら、ですが、もっとあちこち散策したくなってきます。
■4月12日(火) ふぅ〜ん、これが今年の新入生のやり方かぁ... ──構内のあちこちでスケッチが──
当面の仕事の忙しさはどうやら、明日がピーク。
朝から相当ヘビーな、しかも手間取りそうな立場上の会議が二つ。センセイの説明でそれを乗り切る必要があります。しかもお昼を挟んで、午後はこちらも重い講義が二つ。
しかも初回。教員経験をお持ちの方ならきっと賛同していただけると思いますが、初回の講義でその後の半年とか1年間の講義の勢いが決着してしまう傾向があるように思えます。
どうでしょう。実はさらに夕方、別な会議が開かれるのですが、幸いにも新年度から、そちらの主宰から外れました。有能な若手教員が組織の今後を仕切ってくださります。
というわけで、今日も早朝にご出勤。仕事を絞って取り組みます。午後に講義──こちらも初回──があるので、早めに昼食を取る必要があります。校舎を出たところで、あ"っ......。
構内のあちこちで、学生がスケッチ帳を開いています。この時期恒例の風景ですが、おやっと思ったのが中央の男子学生。白いヘッドホンを使用しています。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが。センセイら古い世代からすると、音楽か何かを聴きながら作業するなんて......ということになるのです。
でも良く考えると、脇に指導の先生が立って話しかけているわけではない。もっと大切なことがあって、彼の表情はそれなりに真剣。これが今どきの学生のやり方なんですね。
ちなみにこの写真、コンパクトデジタルカメラの望遠端で撮影しました。F5.9、約135mmで撮影しています。
注目していただきたいのは、中央の2人の男子学生の奥。やはり2名の男子学生が座り込んでスケッチに取り組んでいます。肉眼でははっきりと、しかもかなり大きく見えるので、手前と奥の対比を際立たせたくて撮影したのです。
でも奥の2人、この写真ではほとんど点のようなもの。撮影テクニックがない、ということに尽きるのでしょうが。
■4月11日(月) し、知らなかった。金沢工大キャンパスの周囲に、遺跡がこんなに存在するなんて...
今日は見たままのお話。
週が始まったばかりだというのに、あまりに忙しすぎる。早朝に出勤したこともあり、お昼前にはもうヘトヘト。実は今日の最後に立場上の緊急会議が飛び込み、完全に消耗し尽くすことになります。
でもその時のセンセイはまだ、その後の運命を知らない。午後は別な仕事と面接が入っているため、早めにお弁当屋さんへ向かったのですが、途中でほっかほっか亭を断念。それほどまでに疲れ果てていたのです。
大学脇を流れる高橋川、そこに架かった荒川橋を渡ったところで進路をコンビニへ変更。食欲がなかったため、おにぎり2個を買って大学へ戻ります。ふと気づくと見知らぬ表示(写真)が。
左奥に大学の図書館棟(ライブラリーセンター)が見えています。表示はごく最近設置されたようなのですが、それによると高橋川の、大学に隣接する部分は「扇が丘ゴショ遺跡」。
表示の右下の部分に位置関係が図示されています。解説によるとこの場所、弥生時代、奈良〜平安時代、そして鎌倉〜室町時代に渡って、その時代の人間が活動の中心として使っていたらしい。
場所を少し移動させながら、です。知らなかった鎌倉時代には有力者が住んでいたようで、表示の中央上に写真が掲出されている「土師器(はじき)皿」が大量に出土したそうです。
実はこの話、2週間くらい前に同僚のT先生からうかがっていたのです。でもその時は、大学の北側にある場所──現在は小さな公園になっている──のことだと思ったのです。でも表示の右上にある地図によると、それは別な遺跡。
キャンパスの南側、少し離れた場所にはさらに別の遺跡があるらしい。要するに、遺跡に包囲されているのです。金沢工大野々市キャンパスは。
考えてみれば、一定数の人間が集団で生きていくためには、安定した水の供給が必要。大学脇の高橋川は何千年も前からその供給源としての役目を果たしていたんですね。
余裕ができたら、ちょっと探索をしてみようかと思っています。あまりに忙しすぎて、今は無理ですが。
■4月10日(日) 富山産のホタルイカはやはり、富山で茹でたものの方が美味しいと思う
センセイらの業界で近年変わったことの一つが、原稿の締切。
業界関係者はお互いに忙しいので、例えば「4月10日締切」なら、翌日の朝イチに原稿が届いていれば、まぁ、許してもらえる。「週末の締切」は事実上、「土日を使って、翌週の頭には出してくださいね」という意味。
でもWebを活用したシステムの普及で、そんな悠長なことは言っていられなくなりました。先日の「締切」にも関係するのですが、ある原稿の提出期限が4月10日──つまり今日──の23時59分59秒。それを1秒でも過ぎると、Webシステムがファイルを受け付けてくれなくなります。
というわけで自宅に21時間だけ滞在して、金沢へトンボ帰り。渋滞もなく順調に走行したので、10時半前に「うなづき 五叉路」前まで来てしまいました。当初、ここで早めのお昼を食べようと思っていたのです。普通ならまだ営業していない時間。
でもセンセイはお店が10時半頃に営業していたことを知っています。しかも今日の看板は、「営業中」。恐る恐る自動ドアを手で開けて店内に入ってみると、厨房と確認の上で、いいですよ、とのお返事。本当はまだ準備中だったようですが。(深謝、深謝)
お礼を言ってからお店を出て、向かいにあるスーパーへ。金沢では大学に籠もって原稿書きに取り組む予定です。いつ終わるかわからないので、今のうちに夕食あるいは食材を確保しておこうと思ったのです。食材はというと意外に、どこでも買えるものばかり。
野菜について言えば、地元産は少ない。でも、ここは富山県。お昼前だというのに、海産物とそれを加工したものが豊富に並んでいます。
ここ旧宇奈月町は、その名を冠した温泉地で知られます。だから山間部と思いがち──それは間違いではない──ですが、宇奈月は同時に、海のすぐそばに位置しています。
だから山の幸と海の幸に恵まれているのです。センセイはホタルイカの塩茹でを買いました。もちろん富山県産。しかも本場中の本場、滑川産です。
ホタルイカのおかげか、原稿執筆は比較的順調に進みました。早めに仕事から解放されたので、入浴後、改めてホタルイカとご対面。ごく普通のスーパーで売っている、ごく普通の商品です。
......違う。少し前に自宅で頂いた新潟で茹でた富山県産のホタルイカ──ちょっとややこしい──とは、やっぱり違う。
最初に感じたのは塩分の差。富山の方が塩分濃度が高いのです。健康面を考えると、ちょっと厳しいかも。でも塩分だけではありません。歯ごたえが違う。
身がキュッと締まっていて、舌触りがプリプリしています。塩茹でするだけなんだろうと思いますが、その地で育った方にしかわからないコツがあるのでしょう。そしてそれは、とても大切なこどだと思うのです。
ホントに美味しかったです。