2008年4月12日更新(2008年4月20日ページ移動。2012年9月20日一部写真削除)

──2008年4月第2週のニュース──

バックナンバーはこちら


4月12日(土) PCM-2300 DATレコーダーの謎 ──師匠の講演記録(+α)を救出しました──

 新潟の自宅に戻ると、先日購入したDATレコーダが無事に届いていました。

 何度もお伝えしているように、センセイは自分が所有するAV資産のデジタル化を進めているのですが、DATのコピーが特に急がれるため、宅急便で発送しておいたのです。
 購入したDATで、問題のあるテープでも何とか再生できる(=アナログ出力できる)ことは金沢でも確かめまています。

 でも、現在は必要なAV機器を自宅に引き揚げているため、ちゃんとデジタルも出力しているか、データがMacまできちんと送られているかどうかは、写真の自宅のシステムでないと確認できません。
 もちろん肝心の編集作業も自宅で行います。

 新しい機器をセッティングする前に、念のため、従来のDATデッキで問題のテープを再生できないことを確かめると、やはりノイズだらけで実用になりません。

 ふと気づいて、「問題はないはず」のテープをかけると、え"っ!?

 何とこちらも正常に再生できません!! 少なくとも去年の夏にはきちんと再生できたのに......。

 DATは実使用まで考えるとかなりクリティカルなフォーマットで、録音・再生機器間の互換性はイマイチ。(センセイはほとんど使っていませんが)特に長時間モード(Fs=32kHz)での互換性は諦めた方が良いと思います。
 またソニーのデッキは正常なテープパスの維持に問題があり、1〜2年おきに点検修理に出す必要があります。

 センセイのDATに関しては、本当に瀬戸際だったわけです。

 さて使えなくなったDATを外して、購入したPCM-2300をその後に設置します。
 PCM-2300は同軸デジタル出力しかないので、同軸−光コンバータを挟んで出力を分岐し、光ファイバーをその上のMDレコーダーに、同軸は写真右側のDAコンバータに接続します。

 金沢のアパートでもほぼ同じ接続だったのですが、さまざまな再生機器からの48/44.1/44.056/34kHzのS/PDIFフォーマットデジタル音声信号を、とにかくMDレコーダーに入れます。

 MDレコーダーは録音機として使うのではなく、Fs(サンプリング周波数)を44.1kHzに統一した上で、エンファシス──録音時に高音を強調し、再生時に減衰させることで聴覚上のSN比を稼ぐ──がかかっているものについてはデジタル的に除去させるために使います。
 この処理済信号は右側のDAコンバータに伝えられて音声信号に変えられると同時に、SCMSシステムが解除されます(そのように改造済)。

 その信号はさらにUSBへのコンバータを介してMacに取り込まれ、保存され、CDなどに焼かれる、というシステムです。現在のところは、とにかくHDD上にAIFFファイルで保存している状態ですが。

 さて、と思ってテープを再生すると、あれ?!

 MDレコーダが新しいDATからの信号を認識しません。(写真の“Unlock”)

 接続を何度も確かめても問題ありませんし、念のために別な機器に接続しても、こちらもダメ。
 ゲッ!!

 でも不思議なことに、DAコンバータはDATから同軸で直結した信号を認識して、きちんと再生しています。Macも信号を正常に取り込んでいます。
 何故だ?

 改めてDATの表示(右の写真)をよぉーく見てみます。

 こちらはアナログ衛星放送(「Aモード」:Fs=32kHz、12bit非直線量子化、エンファシスON)の信号を再生しているのですが、DAコンバータ(下の写真)の認識は44.1kHz、エンファシスON......。

 もちろんホントに44.1kHzで動作していますから、新しいDATはデジタルフィルタを用い、内部でサンプリング周波数を変換していることになります。
 調べてみると、素材がどのFs周波数であっても44.1kHzで出力しています。

 センセイの使用目的では全然問題ないのですが、でも、何故なんだろう......。

 一つだけ問題があって、デジタルフィルタを用いているにもかかわらず、エンファシスについては原信号のままで除去されていません。

 ちょっと専門的になって申し訳ないのですが、CDにするなど、最後まで管理できるのなら、エンファシス(録音時の強調)・ディエンファイシス(再生時の減衰)のON/OFFはあまり問題ではありません。
 ただし、音声信号(PCM信号)そのものは振幅情報の連続にすぎず、エンファシスのON/OFFを誰かが管理する必要があります。

 例えばCDを焼くならば、CDの中の音楽信号にはエンファシスに関する情報がないので、最後にディスクの形にまとめる段階で、制御信号を書き込みます。
 ところが最近の音源にはエンファシス入りのものはほとんどないために、CDのオーサリングソフトには、この制御が省かれているものが多いのです。
 センセイも、エンファシス情報を制御できる古いのソフト“Toast”と“Jam”(いずれも自己所有)を捨てちゃったんじゃないかなぁー。

 しかも信号をそのままアナログ化すると──信号の中にはエンファシスの情報が入っていないから──高音がキンキンして、まともに再生できません。
 そのような音源はすでに前のDATを使って処理しているはずなのですが、万一残っていたらどうしよう。

 それはともかく、今日、新しいシステムで亡くなられた師匠の、前の大学での開学記念講演と、さらに一つ前の勤務校、ICU(国際基督教大学)での講演(村上陽一郎先生も一緒にご講演)の記録を無事に救出しました。
 後者は、やはりかなり傷んでいました。

 そして、センセイが顧問をしていたサークルをけしかけて(?)、1993年4月に開いたコンサート、そしてその中でのセンセイのピアノ演奏もあわせて救出されました。
 その時は聴き手がいたので、気合いを入れて演奏しているのがわかります。

 まぁ、それだけでもいろいろ格闘しただけの価値はあったかな。



4月11日(金) 葉桜にも意外な美しさが...。 ──春学期の授業が始まりました!! ──

 金沢工大では昨日から新年度の講義が始まっているのですが、たまたまセンセイは今日から講義。

 でもその分(?)、今日は朝イチから夕方まで講義があります。

 しかもそのいくつかは、今年度から10分間に短縮された休憩時間を挟んで、違う建物を渡り歩きながらの講義。
 早めに「次の次の」講義の準備をする必要があります。

 初日だということもあり、今朝は早くから準備をしていたのですが、講義の資料を運んでいて、ふと中庭の桜の木が目に入りました。

 キャンパス内の桜は先週末から今週前半がピーク。もうすでに花の色がずいぶん薄くなって、枝の先端部では葉が出始めています。
 また昨日は天気が悪く、風も吹いたので花びらがかなり散ってしまいました。

 こうなると、いつもは桜への関心も薄れてしまうのですが、逆光だったせいでしょうか、桜の花の薄紅色と、若葉のホントに若い緑色が不思議な按配でバランスを取っていることに気づいたのです。

 ついつい「葉桜」と決めつけがちだったのですが、ちょっと反省しました。

 講義はずいぶん久しぶりだったので、センセイも学生さんも絶好調というわけにはいきませんでしたが、漫然と話を聞くのではなく、「センセイは何をするんだろう」という学生さんの顔が印象的でした。
 それなりに期待を込めて「ご対面」できたのではないかと思います。

 こらからの講義が、とても楽しみです。



4月10日(木) がんばれ、Macなブロガーたち!!

 以前、Macの世界では有名な“EGWord”のエルゴソフト社が業務を終了したこと、そしてEGWord開発者のブログと、彼がAppleのインタビューに答えていることをご紹介しました。

 あれから2ヶ月。

 “norihito”氏は3月末でエルゴソフト社を退職して、ソフト開発会社「物書堂」を新たに設立し、代表取締役を務められています。もっとも、しばらくは無給だそうですが。

 彼のブログを読むとご自身の仕事への厳しさがよく伝わってきます。それに引きかえ、我が身の情けないこと。
 学生さんをとやかく言えませんね。

 一方、Macに関して「エーラボ」もブログ「Mac屋のつぶやき」を開設していらっしゃいます。((c)alab)
 エーラボは修理や改造が専門のお店で、時々『Mac Fan』誌でも紹介されています。

 “norihito”氏が大学院を修了した理性派なら、エーラボにはこつこつと着実に仕事を続けている「渋さ」があります。
 記憶に間違いがなければご兄弟で堅実に経営されていらっしゃるはず。

 エーラボのブログはあまり更新されないのですが、Mac、特にMac OS 9に関する貴重な情報がたくさん掲載されています。
 PowerMac G4 Cubeにも造詣が深い──『Mac Fan』最新号でも紹介されている──ので、G4 Cubeを所有するセンセイとしては、万一に備えてかなりの頻度でブログをチェックしていました。

 ところがつい先日、ご主人が急病に襲われ仕事がストップしているというニュースが。
 幸いにも、どうやら無事に退院されたようですが、仕事の再開までにはもう少し時間がかかるようです。

 Mac文化のために(も、センセイ個人のためにも)、早く良くなっていただきたいものです。



4月9日(水) このスルスル感がたまらない!! ──BD用のリモコンを買い足しました──

 家電量販店をフラフラしていたら、ブルーレイのコーナーに出ました。年末は品薄だった機種も、それなりに在庫があるようです。

 センセイが2台(こちらこちら)所有するブルーレイは1世代前のもの。ちょっと気になって、昨年末に発売されたソニーの現行機種──今月末に最新機種が追加発売されます──を触ってみました。

 センセイの機種と比べて再生画質の違いはわかりません。店頭の液晶画面では差は出ないのです。ただし、新機種は早見画面がパラパラ漫画風でちょっと違和感があります。

 操作性はかなり違います。

 まずお気に入りだったクロス・メディア・バーの動きがイマイチ。

 前の世代の機種はスゴ録、BDともに、リモコン上部のスティックで選択対象をこちらの意図した通りにスルスルと動かすことができました。

 ところが新機種での動きはぎこちないし、そもそもスティックがない......。コスト削減のせいでしょうか。
 新機種はボタンを使うのですが、ボタンも画面の動きもしっくり来ません。

 もう一つ気づいた、というかびっくりしたことがあります。
 リモコン下部の蓋を開けると、従来の機種にはチャプターマーク打ち込みと消去のボタンがあったのですが、新機種では後者がなくなっているのです。

 音楽番組なんかだと、とにかく素材を編集してから、曲の頭などで改めてチャプターを打ち込みます。
 リハーサル機能がない──DATにはあったが、とても便利だった──ので、チャプターを打って、具合が悪ければすぐに消して......という作業を繰り返します。
 メニューからプルダウンを繰り返すとインデックスを消去できるのですが、とても不便。

 実はリモコンって、メーカー内ではほぼ共通です。(OEMを除く)
 あちこち調べてみるとビックカメラに、僅かながら前の機種のリモコンの在庫があったので、予備に1台取り寄せました。2,500円くらいでした。
 数年後にブルーレイを買い足した時に使えるからです。

 たぶん、世の中の人はセンセイのような使い方はせずに、チャプターの必要のないドラマとか映画とかを記録しているんでしょうねぇ。

 やっぱりセンセイは、何をやっても少数派なんだろうなぁー。



4月8日(火) (バルタン星人の声色〔こわいろ〕で)「フォッ、フォッ、フォッ。まだ修行が足りぬようじゃのぅ」

 新入生が金沢で暮らし始めて、ほぼ一週間。

 彼ら──受け持ちクラスは男子学生だけなので──の表情を見ていると、新しい環境にある程度に慣れてきて、意識しているレベルでは緊張が緩んできたものの、その裏では密かに一人暮らしの疲れが溜まっていて......という感じ。

 大学のオリエンテーションも最終段階に近づいた今日、そんな新入生を見計らって(?)、学友会、つまりクラブやサークル活動など、学生の自主的な活動の勧誘会が開かれました。

 会場入口には主催者である学友会執行部のブース。初めて見ました。

 執行部委員へ勧誘しているのでしょうが、勧誘している彼ら/彼女らの表情がとてもいいんですよね。
 (ちょっと青いけど)「何かやりたい」ということを持っている顔です。

 「へぇー。今時の学生には珍しく...」などと思いながら、一般のクラブやサークルへの勧誘会場へ到着すると、これがもう、大変な大混雑。
 本当に身動きできません。

 身体の自由が利かないまま周囲の様子を見ていると、何としてでも新入生を獲得したい上級生が、「○○部はいかがっスかぁー」。
 ......オイオイ。

 意気込みは買うけど、今日は学園祭で焼きそばを売っているんじゃないんだぞぉ。
 お客が買ってくれないからって、無理矢理に売り込めば売り込むほど、相手は尻込みしてしまい、さし当たりの取引を、そして商売の機会そのもののを失ってしまうんですよ。

 (バルタン星人の声で)「フォッ、フォッ、フォッ、まだまだ修行が足りぬのう」。

 押せば引き、引けば押す。恋愛の駆け引きと同じです......まだ無理かなぁ。

 金沢工大は男子学生が圧倒的に多いので、本格的な駆け引きの場面──ちょっとパラメータが変化すると「修羅場」と呼ばれる──を見たことがないんだろうなぁ。

 それはともかく、何とかして人混みをかき分けて進むと、あちこちから「あ、どうも」とか「あ、センセイ!!」と声をかけられます。

 センセイのお返事は、「よっ!!」 ウムウム、みんな何とか生き延びているようじゃのう。

 人口密集地をぬけて、密度が少し低くなった教室で軽音楽部の渋い演奏に出くわしました。新入生はみんな、自分から音を、メロディーを、そして陰から支えるパートを聴き取ろうとしていています。
 少なくとも軽音楽部に関する限り、先ほどのセンセイのアドヴァイスは不必要だったようですね。

 新入生も、そして先輩も、頑張れ!!



4月7日(月) 仲が良すぎて(?)、北の国へ帰り損ねた白鳥の家族

 昨日の午後、金沢へ移動するために電車に乗りました。

 乗り換えの直江津駅の手前、JR信越線潟町駅に接して小さな池があるのですが、ご覧のように白鳥の親子が仲良さそうに休んで......あれ?!
 密集しすぎているし、羽を広げているのに波が起きていないし、それにそもそもこの季節、白鳥はもう北の国に帰ったはず。

 実はこれ、作り物の白鳥なのです。

 水に浮かんでいますが、鎖か何かで湖底に繋がれているらしく、ある程度移動することはできるものの、自由に動けるわけではありません。
 いつも3羽、寄り添っているのですが、鎖がからまってきたのか、最近はずっと密集したままです。

 この白鳥の家族、センセイが金沢と行き来するようになった6年前の、さらにその前からこの池で暮らして(?)います。
 どのような経緯で設置されることになったのかは不明です。

 この白鳥はちょっと特殊かもしれませんが、列車に乗っていると車窓に不思議なものを見つけることがあります。
 何のためか、なぜそこにあるのかさっぱりわからない記念碑(?)だとか、人が通った跡のある廃トンネルだとか。

 時々ほぼ並行する国道8号線を車で走るので、機会があったら車を停めて確かめてみようと思うのですが、運転していると余裕がなくなっているのか、気がついていても車を止める気がなくなってしまいます。
 ちょっと人格が変わるのかもしれません。

 ちなみにこの池は小さいので、本物の白鳥は降りてきません。鴨なんかはよく飛来するのですが、彼ら/彼女らは紛い物の白鳥をまったく無視しています。

 目に入っていないのか、人工物だと見抜いているのかは、尋ねたことがないので判断できないのですが。



4月6日(日) たぶん、今年の桜は特別な桜...

 昨日の夕方、自宅に戻るために柏崎駅からの近道を歩いていると、駅前公園で遊んでいる数人の子どもたちを見つけました。幼稚園の年長さんくらいだと思います。

 公園で子供達が遊んでいるのは当たり前だろうと思うかもしれませんが、センセイが「あれっ?」と思ったのにはちょっと事情があります。

 柏崎市の駅前公園はかなり広く、そして細長い形をしています。

 この場所の反対側には遊戯器具があって、よく子どもだけで遊んでいます。
 でもここには遊技施設の類
(たぐい)は何もなく、芝生が続いているだけ。(写真左手の建物は公衆トイレ)

 だから子連れの家族がキャッチボールをしていることはあっても、子どもたちだけで遊んでいる姿はとても珍しいのです。
 たぶんこの子供達は写真奥の仮設住宅で生活しており、今日は「家のまわり」で遊んでいるのでしょう。

 何回かお伝えしているように、市内での住宅の再建は比較的順調に進んでいます。
 仮設住宅の中には、夜になっても電灯の点かない家もあります。

 手前にある桜の木、蕾がずいぶん膨らんでいるのがおわかりでしょうか。新潟と金沢の気象台は数日前、それぞれ開花宣言を出しました。
 電車に乗っていると、富山市内中心部の松川沿いの桜は満開となっています。でも、魚津市、小杉市、高岡市などはまだ咲き始めたばかり。
 大きな都市は廃熱で高温化が進んでいるのかもしれません。

 ご覧のように柏崎市はこれから咲き始めるところで、週の後半から週末が見頃になると思います。

 仮設住宅での生活を強いられている方々には、今年の桜は特別なものになるんでしょうね。

 一日も早く、以前の生活を取り戻していただきたいものです。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る