2010年7月3日更新(2010年7月11日ページ移動。2014年5月25日一部写真削除)
■7月3日(土) 西村センセイ、旅の終わりは女性運転士の堅実な運転で、ぐっすりとお休み
朝、京都市内のホテルを出ようとすると、激しい雨。府内には大雨警報も出されたようです。昨晩は遅くまで関係者と飲んでいたため、天気予報をチェックしておらず、ちょっとびっくり。
かなり濡れながら「キャンプラ」こと「キャンパスプラザ京都」で学会の会議に出席しました。3時間ちょっとほどでしたが、気を使う立場と内容だったので、かなり疲れてしまいました。お昼過ぎに会議を終えて外へ出ると、まだ雨が降っています。
本当はもう少し残って関係者の皆さんと情報を交換したかったのですが、特急「サンダーバード」と「北越」の乗り継ぎの関係──後者は本数が限られている──で、目の前の京都駅へ急ぎます。5時間以上かけて自宅へもどったのですが、金沢や富山では雨が降っていたものの、新潟県内の道路は乾いています。
つくづくと日本の広さを思い知らされます。昨晩はやはり飲み過ぎたようで、この間、特急北越の適度な揺れでかなり眠ってしまいました。
JR西日本と東日本の境界駅である直江津で、全乗務員が交替するのですが、ホームに進入するとJR東日本の女性車掌の姿が見えました。
ふーん、と思っていると、おぉ、停止した列車から降りた運転手も女性。何度かご紹介(こちらやこちら)しましたが、JR西日本ではずいぶん女性運転士が増えているんですね。
自動車の運転と違って、車体が重い鉄道は運転士の技量による差が出にくいのですが、それでも違いはあります。
今日の運転手はとても堅実な運転、という感じ。乗務を終えた列車を見送る視線の先には、JR東日本の車掌の姿があるはず。でも彼女は同時に、ホーム全体の安全にも気を配っています。
男性だから、女性だから、という問題ではないんですね。
■7月2日(金) 新潟市の家具販売会社「水澤家具」が自己破産!!
新潟県民(特に新潟市民)にとってはショックなニュースが入ってきました。
報道によると、新潟の家具販売会社「水澤家具」が先月末で事業を停止し、自己破産したというのです。((c)新潟日報社)
残念ながらセンセイは現在、学会の仕事で京都に滞在しており、詳細については把握できていないのですが。水澤家具は新潟市西部、新潟大学のすぐそばに根拠地があります。
下越地方を中心に、家具店だけでなくディスカウントストアやドラッグストアを手広く展開していたので、新潟市民には日頃から馴染み深いお店。
新潟市の家具店には比較的低価格の同店とちょっと高めの山下家具店があって、東京から新潟に引っ越してからのセンセイは、家具のすべてをそのどちらかで購入しています。
娘のために義父母が買った雛飾りも水澤家具だったし。先週末、たまたま本社兼本店の前を車で通ったのですが、お客が誰もいなくて、変だなぁーと思っていたのです。
ただし、まさか倒産するとは。確かにセンセイが柏崎市に引っ越す前後から全国資本の、しかも超低価格をアピールする家具店が、交通の便が良い郊外に進出してきたので、地元資本の両店はともに、厳しい状況に置かれていたはず。
水澤の場合、ドラッグストアも北陸資本のお店と競合していたので、余計大変だったんでしょう。店舗をどんどん閉鎖していきましたから。新潟に戻ったら、ちょっと状況を確認してみようと思っています。
■7月1日(木) 「二代目つけ蔵」の対極は、幸楽苑「和風つけめん」
結果的に4日続けての食べ物ネタになってしまいました(今日のお話は本来、週末にご紹介するつもりだったのです)。辟易(へきえき)している方もいらっしゃるでしょうが、「つけめん」つながりということで、もう一晩だけお付き合いを。
その方が、酸味でお口直しになるかもしれませんし。センセイの行動範囲内では、という限定つきですが、中華そばの「つけめん」がかなり流行っています。その典型は先日ご紹介した「二代目つけ蔵 TSUKEZO」。
太麺で、スープは魚介類、特に青物系のエキスが「これでもか」というほど入った濃厚さが特徴。つけめんをご紹介したことはないのですが、柏崎市内にも似たようなお店があります。確かに、それはそれでひとまず美味しいのだけれど、若い人はともかく、年老いたセンセイはこれを毎日食べるわけにはいきません。物理的、生理的に不可能ですし、それにそもそも、食べるってことには節度や敬意が必要。
というわけで、センセイとしてはドロドロ、コテコテ系ではない「つけめん」もご紹介したい。センセイが暮らす柏崎市に「つけめん」が持ち込まれたのは、実はずいぶん昔のこと。
記憶がやや曖昧なのですが、初代「そばよし」(現在の「うれっ子」)が約30年位も前に、メニューに加えたのが最初じゃないかと思います。
この系統の「つけめん」は細麺で、スープは淡白。ただし酸味はお店によって異なります。「そばよし」系列と血縁(?)は別なのに、細めんさっぱり系でつけめんを提供しているのが福島県を根拠地とする幸楽苑。
柏崎市内にもお店があります。「中華そば」(税別290円)など、低価格がポイントなので、味も価格相応ということになるのですが、値段に比べれば頑張っていると思います。
特に写真の「和風つけめん」(写真は大盛り)は、麺の素性の良さとスープの酸味が上手くマッチしているので、ラーメンが苦手な人にも好評です(実話)。これでスープの味にもう少し奥深さがあれば、センセイはきっと夏場、毎日のように通うんだろうけどなぁ。
少なくとも柏崎の幸楽苑は、いつ行っても幅広い年齢層のお客がコンスタントに入っています。何度も繰り返していますが、「安心できる」んですね。
この感覚が、一生懸命に頑張っている“TERRA”のスタッフへ伝わるといいのですが。
■6月30日(水) 豚骨らーめん 二代目つけ蔵 TSUKEZOで「つけめん」を食べてみました
今日の授業のカードで「ワールドカップ見ました?」と尋ねられた西村センセイ、実はまったく観戦していません。
面白そうだなぁーと思ったのですが、翌朝、つまり今日は朝イチから講義があるので体調を整えておく必要があるし、さらにその授業の前に、溜まっている仕事を片づけたい。
「近日中に...」と言いながら未送信のメールがたくさん残っているのです。1ヶ月以上も待たされている関係者の皆様、ゴメンナサイ。冗談抜きで記憶の一部が吹っ飛びそうなほど忙しいセンセイですが、でも、どうも食べ物の話となると事情がちょっと異なるらしい。
加齢に伴って、他に楽しみがなくなっているからでしょうか、いつの間にか、 「一度行ってみようかな」と思った「豚骨らーめん 二代目つけ蔵 TSUKEZO」に入っていたのです。
言っていることとやっていることが一致していませんねぇ。お店に到着したのは正午前。L字形カウンターだけの店内はほぼ満席。
センセイよりも前にアベックが待っています。控えの席に案内されて差し出されたメニューを見ると、おぉ、選択できるのは「つけめん」(および温かい「あつもり」)だけ。
豚骨ラーメンのお店じゃないんですね。席が一つ空いたのでアベックを追い越す形でカウンターへ。改めて店内を見渡すと、いかにも「流行りの」という感じ。少し待って届いたのが、「つけめん」(750円)。
麺は太く、うどんに近い感じです。標準でも200gもありますから、かなり量があります。
つけ汁は濁っており、表面に浮かんだ──というか沈みかけた──海苔以外は何が何だかわかりません。つけ汁だけを少し味わうと、やはり基本は魚介類。それに玉葱などの野菜が入っています。
濃厚で、しかも粉っぽい感じ。予想外に、酸味は少ない。店名の一部にある豚骨と何の関係があるのかよくわからないのですが、小さくサイコロ状に刻まれた厚切りチャーシューは多い。
麺は、「もちっ」とした感じで、表面はちょっとザラザラしています。つけ汁に入れると、スープがよくからみます。
この辺の仕掛けは教科書通りという感じ。他店をよく研究しているんでしょうね。麺を食べ終えた人が店員にぼそぼそと話して、その店員は醤油差しのようなものを持ってきます。何だろうとメニューをよく見ると、「スープ割り」らしい。
説明によると「麺を食べ終えた後、残ったつけ汁に加えお好みの濃さにしてお飲み下さい」とのこと。なるほどね。全体として、いかにも優等生という印象のお店で、お客さんの方も、どこかの雑誌で記事を見て、という感じ。人づてに話題を聞いたじいちゃんばあちゃんが、などという感じではありません。
大学から少し離れているし、学生諸君には価格設定が高め──ただし、最近の平均はこれくらい──なので、学生の姿もありません。漠然とですが、しばらくはこの調子で繁盛するんだろうなぁーと思えてきます。でもどうも、「この地に根付く気はないんじゃないかなぁー」という意志も感じます。
世の中の風向きがちょっとでも変化したら、すぐに次の事業形態に適応して......という具合。センセイ個人としては、約束通り(?)一度は入ったから、ま、いっかー。
■6月29日(火) 「金沢○○」 ──ご当地ブランドに目覚めた金沢の飲食店はどうなる?! ──
いつもの晩のようにスーパーで値引きされた惣菜を買い求めてアパートへ戻ろうとすると、あれ?! 帰路からちょっとだけ離れたところにあるうどん屋さんが変化しています。
店名も「金澤うどん 麺てん」と全面的に替わっています。ここはもともと「めん房 本陣」という金沢にいくつかの店舗を展開するうどん店の本店。その晩はちょっと用があったので、別な日のお昼に出かけてみました。
流行りの讃岐うどんのような太麺ではなく、割と細くて柔らかい麺。出汁は関西風にしてはちょっと醤油が入った印象の薄い味。
好意的に解釈すれば「奥深さがある」とも言えますが。アパートの割と近くにあるのですが、センセイが利用するのは、年に1度あるかないか。
最初は経営母体から全てが変わったのかと思ったのですが、どうもそうではないらしい。店舗隣の製麺所には「(株)味一番フードサービス」の看板がそのまま。
その陰で男の人が椅子に座り、丼を持ったまま、ぼんやりとこちらを見ています。「本陣」時代の店内は、よくあるうどん店のそれだったのですが、新しいお店はセルフサービス式。
かけうどんの並盛りなら280円。以前よりずっと安い。お昼時だったのですが、お客は男性客とセンセイだけ。そのせいか天麩羅などのトッピングも少なかったので、センセイが選んだのはかき揚げ天麩羅のみ。
前のお店はパートのオバさんがたくさん働いていたのですが、全員、若者に入れ替わっています。じゃあ麺はどう変わったんだろうと期待していると、おぉ、この前までとまるで同じ......。
コシがある、とは言えないんじゃないかなぁ。出汁もそのままだと思います。察するにどうやら、セルフ店を含めた讃岐うどんのお店にお客が流れ始め、また低価格化が進行しているので、他店はそのままにしてこの本店だけを新しい業態に切り替えてみたようです。
もう一つ新しいことがあってそれは「金澤うどん」と、金沢というご当地色を前面に打ち出していること。
店内の看板には「地元金沢で親しまれてきた、細くしなってコシのある麺に、極上のダシが...」とあります。
実は最近、金沢の飲食業がこの「ご当地」に目覚めた節があるのです。先駆けはもちろん金沢カレー。どのお店が元祖あるいは本舗かという点については諸説あるのですが。
例えば右上のの「チャンカレ」ことカレーのチャンピオン。「金沢カレー」と染め抜かれた幟旗のバリエーションが以前よりも増えています。
右の写真は、その近くにある「ジャンCURRY」──センセイは数年入っていない──の看板。
いつの間にか、「金沢カレー」の文字が入っています。確かにカレーの場合は何店かが個性を発揮し合って全国はおろかアメリカまで進出するだけのパワーがあります。
でも「金沢うどん」はどうなんだろう。ターゲットとする客層がよくわからない──「花まる」は老人から家族連れまで入っている──し、「やっぱりこれだよね」という何かが、少なくともセンセイにはよく見えない。
そしてセンセイには、製麺所の奥に座っていた男性の、あの、ぼんやりとした表情が印象的だったのです。
■6月28日(月) ネタは塩ラーメン。写真は「元」かつ丼?! ──大学近辺の飲食店がどんどん交代へ──
受講生に貴重な情報を教えてもらったからには、少なくとももう一度は行かねばならない“TERRA”。木曜日は定休日だったので、ちょっと遅くなりましたが今日、訪問してみました。
だから本来はTERRAの様子が掲載されるべきなのですが今日の写真は、そのすぐそば、福井ソースかつ丼「かつ平衛」。ご覧のように完全に閉店しており、中の什器備品はすべて撤去されています。
先週閉店したらしいという情報が入ったのです。ほぼ1ヶ月前には、わりとおいしい「越前おろしそば」を食べたのですが、お店を訪れるのはそれが最後になってしまいました。
やっぱりお客が少なかったし、単価も低かったから、儲かっていなかったんだろうなぁー。さて、本来の目的地TERRAへ。お店の前には“OPEN”という看板が掲出されています。
以前よりも少しだけ、入りやすい。「あれっ?」と思ったのは、入口付近の表示で、それによると定休日は金曜日とのこと。情報を提供してくれた学生さんを疑っているのではなくて、お店が定休日を変更したんですね。
ちょっと不安になります。12時前だったのですが、店内に先客は男性が1人。それも食べ終わるところ。女性の店員が1人増えています。ご夫婦(?)+パート(?)で運営、という感じ。
味がどう変わったのかを確かめたかったので、前回と同じあっさり味の塩ラーメンをお願いします。改めて店内を見渡すと、自然食のお米が飾られています。また店内の一角に「製麺室」なるものが存在することに初めて気づきました。気合は十分に感じられるのです。
さて、届いたの塩ラーメン。前回と共通する部分もあれば、ずいぶん違うところもあります。共通なのはあっさり味であるにもかかわらず油──たぶん香味油──が多いところ。
でもその下のスープは以前より濁っています。もちろん澄んでいようが濁っていようが美味しければいいのですが、魚介類、特にお魚の粉っぽさが増えており、見た目以上に味も濁っています。
全体としてはそれなりに美味しさも覚えるのですが、一番感じるのは不安定さ。「ここのお店は価格重視だからこうだよね」とか、「やっぱり○○はここじゃないとね」というラベルを貼りにくいのです。相変わらず明日はどうなってしまうのか......という感じ。
センセイのDNAにはすでにしっかりと「醤油+甘さの東男(あずまおとこ)」と書き込まれているので、塩味、つまり西日本系のこのお店に足繁く通うことは考えにくい。
でもその一方で、センセイとしては新しいものに挑戦し続ける若夫婦(?)に、ホントに頑張ってもらいたいと願っているのです。
■6月27日(日) 糸魚川駅にある煉瓦造り車庫の解体工事が間もなく完了します
珍しく2週続けて車で金沢へ「出勤した西村センセイも、さすがに今日は電車で移動。今日はほぼ全国的に荒れた天気となりましたが、新潟も例外ではなく、雨雲レーダーで晴れ間を見はからって最寄り駅まで徒歩で移動。
やっぱりこういう時は車が便利だ。いつものように各駅停車に乗ったので、まず直江津駅で乗り換え。東京方面行きの特急「はくたか」のホームでは、自由席車両の乗車口に長い列ができていました。
到着した列車は、指定席にまで溢れたお客を乗せて、重そうに出発。お客が溢れています。糸魚川駅で金沢行きの特急に追い越されるため6分ほど停車します。何度かご紹介した煉瓦造り車庫の解体工事の様子を確かめるために、センセイもホームに出ました。
現場に近づくと、最初は何が何だかよくわかりませんでした。要するに建物がもう存在しないのです。
それでもよく見ると、2台の重機が建物を解体している途中。もっとも今日は日曜日なので、解体工事そのものはお休みのようでしたが。
この写真だけだとまだ建物が残っているような感じを受けますが、実はこの場所、もともと存在した車庫の一番奥の部分。
要するにもうほとんど全てが解体、撤去されてしまっているのです。煉瓦の一部をモニュメントとして新駅舎で残すと聞いていますが、実際の現場は瓦礫の山。
再生や再利用といった理念には賛同するものの、それがいかに難しいかということを思い知らされます。一つの時代が確実に終わっていきます。