2021年3月6日更新(2021年3月14日ページ移動)

──2021年2月第5週〜3月第1週のニュース──

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3月6日(土) 上越市内の海岸部から、越後駒ヶ岳の撮影に初めて成功しました

 週末なので新潟の自宅へ戻りました。

 新潟県内の天気はあまり良くなかったのですが、糸魚川を過ぎると北西方向約100km先に、微かにですが弥彦山(634m)と角田山(482m)の稜線を確認することができました。非常に珍しい。
 見えない日の方がはるかに多いのです。

 もちろん、晴れていれば視界を遮るものはありません。でも不思議なもので、快晴だからといって遠くまで見通せるわけではないのです。ふだんは約60km先の椎谷岬(柏崎市)が見えるかどうか。花粉や黄砂、水蒸気量などによるではないかと考えています。
 これなら今日は、期待が持てます。

 国道8号線は海岸線に沿っています。糸魚川市から上越市(旧名立町)に入り、「鳥ヶ首岬」のカーブを曲がると、そこから先は旧上越市との境界だった茶屋ヶ原。以前ご紹介した「丹原(たんばら)休憩所」の前(リンク先の写真中央奥)です。
 ...おぉ。

 車を道路脇の駐車スペースへ移動させ、細い雨が降る中、望遠レンズを着装したカメラを手に外へ出ます。

 「鳥ヶ首岬」からだと、東の上越市(旧直江津市)から北東方向にかけて柏崎市の一部を見ることができます。例えば写真左側の紅白の鉄塔は、NTT東日本上越ビルの屋上に建っているもの。直江津駅のすぐ近くです。
 旧高田市は右側の山の陰となり、ここから見ることはできません。

 写真中央やや右、奥にうっすらとですが真っ白な高い山が見えます。これは約80km先にある越後駒ヶ岳(2.003m)。通常は見ることができません。
 何度もお伝えしているように北陸新幹線開業後、センセイは金沢への移動手段を自動車に切り替えました。

 年に50回弱往復していますが、駒ヶ岳を見ることができるのは年に2回程度。数年前の冬に初めて気づきました。カーブを曲がったら、青く澄み渡った青空を背景に、真っ白な山が目に飛び込んできたのです。
 本当にびっくりしました。

 最初は何の山かさっぱりわからなかったのです。白状すると、幻覚や見間違いじゃないかと思ったほど。(実話)

 何度かその姿を確認するうちに、山の形から越後駒ヶ岳か隣の八海山(1,778m)らしいとわかりました。後者は大河ドラマ「天地人」の冒頭の映像に登場する、主人公役の妻夫木聡さんが立っていた山。
 日本酒の銘柄でも有名です。

 でも地図を調べてみると、八海山は右側の山の陰に隠れてしまう格好になるようです。ちなみに、八海山はJR在来線(上越線)からだ全貌を愛でることが見えますが、上越新幹線はトンネル区間。
 新幹線車内から八海山をちゃんと見ることはできません。

 国道8号線は右側の山を郷津(ごうづ)トンネルで越えます。北陸本線旧線郷津駅(廃止)があった場所です。そこを抜ければ、そして条件が良ければ、正面やや東に越後駒ヶ岳を見ることができるのです。
 しかし不思議なもので、そこでの越後駒ヶ岳は奥に居並ぶ高い山々の一つでしかありません。

 本当はもっと良い写真をご紹介したいのです。でもそもそも、滅多にしか見ることができません。そしてもう一つ、決定的な理由があります。センセイの退職のタイミングとの関係です。センセイは現在63歳。
 幸いにも、センセイは70歳までは現役のまま在職することができます。

 しかも学生諸君や良い同僚に恵まれて教育と研究ができるできるという希有(けう)で恵まれた立場。されどセンセイには、私人としての立場もあります。特に問題となるのが体力の低下と、高齢の両親の面倒を見る必要があること。
 前者に関しては特に、交通事故が怖い。

 諸般の事情を勘案すると、早ければ2年後に金沢を退職する可能性──未確定──があります。金沢との移動回数に換算すれば100回弱。その場合、ここから駒ヶ岳を見ることができるのは数回しかないことになります。
 だから今回はある意味、ちゃんと見えますよ、という証拠写真。

 果たして、越後駒ヶ岳のもっと良い写真を残すことができるだろうか...。



3月5日(金) 実用性はともかく... ──“iPad Pro”(11")がやっと、インターネットに繋がりました──

 一時的な突発性難聴などでお伝えし損ねていたお話を。研究室整理の続きです。

 お伝えしたように、今回は相当な量の不要書類を整理しました。「処分した」というのが適切ですが。学者としてそれに続くべきは当然、各種資料や図書など、研究および教育コンテンツの整理...のはず。
 でもセンセイが取り組んだのは、電子機器やその付属品類。トホホ。

 それはともかく、今まで書類を入れていた棚がかなり空きました。取り出しやすい場所なので、まず、そこに引き出しの奥にしまっておいた電源アダプターやケーブルなどの付属品を、要不要を判別した上で収納。
 とても使いやすくなりました。

 でも、まだ一つだけ余裕が。思い出したのは“iPad Pro”(11")。収納場所に困っていたのです。で、入れてみるとこれがぴったりと収まる。
 こうなると欲が湧きます。 

 この“iPad Pro”は、採択された「科学研究費補助金」で助成を受けた研究遂行のために購入したもの。大学の所有物であり、センセイの私物ではありませんので、念のため。
 残念ながら実は、これまでほとんど出番がなかったのです。

 最大の問題は学内LANおよびインターネット網に繋がらないこと。理由は良くわからないのですが、とにかく接続できない。“iPhone SE(第2世代)”経由なら確実に繋がるのです。
 でもこれはセンセイの私物。

 “iPad Pro”を久しぶりに充電しながら、ふと、有線で接続したらどうだろう、と思いつきました。そこで有線LAN端子を備えたハブを繋いでみました。
 勢いでUSBマウスも接続します。

 おぉ、設定画面に有線LANの項目が新たに加わりました。必要な設定を終えて実際にインターネット網に接続すると、まるで何事もなかったのように繋がります。写真は最近更新された気象庁のホームページの、アメダス画面。
 ちなみに、マウスを接続するとポインタは大きさを持ったグレーの点になります。

 操作感覚にさほどの不満はありません。でもこの使い方はやはり、邪道なんだろうなぁ...。

 センセイは古い人間なので、どうしてもパソコン──しかも古い概念の──感覚で考えようとしてしまいます。でもタブレットは、そもそも基本概念から異なります。画面上のオブジェクトにタッチして操作。
 接続はワイヤレス──文字通り、物理的な「線」に拘束されない──で、システムの駆動もバッテリー。

 頭ではわかるのですが、高齢者にはどうしてもついていけない。それに何より、ネットに繋がらないままだし。今回だって、これじゃまるで“MacBook Pro Pad”のようなもの。

 う〜ん、ご縁はどうなんだろう...。



3月4日(木) 引っ越しの日に ──校舎裏の日本庭園は、整備がほぼ終わったようです──

 締切が迫った仕事への現実逃避からか、このところちょっと長い話題が続いています。というわけで今日は、見たままのお話を手短に。

 「引っ越し」と言ってもセンセイのことではありません。3月は卒業から入学、就職、そして会社など組織内では異動が続きます。今朝、自転車で出勤中、あるお宅の玄関でお母さんが一眼レフを手にしていました。
 あれっと思って彼女を良く見ると、おぉ、正装。

 カメラの先には高校生のお嬢さん。今日が卒業式なんでしょう。

 金沢工大ではここ数年、センセイら教養教育担当教員の退職や転出が続きました。その結果、センセイらの研究室付近には空室が6室発生。
 その中の5室で先月、業者による大規模な清掃が行われました。

 昨日、そこに別棟に研究室を構えていた同僚──やはり教養教育担当──のセンセイが引っ越していらっしゃったのです。基本的な作業は専門業者に任せますが、実際の片付けは各自が行います。
 挨拶を兼ねて、お部屋を訪ねます。

 写真はその際に、窓の外を撮影させていただいたもの。先生方の研究室は北向き。センセイらは南向きなので、風景はもちろん、光の加減がまったく違います。
 ちなみに学者としては、本が日焼けしにくいため、北向きの部屋の方が嬉しい。

 建物の構造上、どうしても陰が強く出てしまい、ちょっとわかりにくい──「ガンマ」と呼ばれる明るさのカーブを調整しています──と思いますが、眼下庭が広がっています。
 今年に入ってから整備が進んでいた日本庭園(こちらこちら)です。

 これまでは写真右下方向から撮影していました。別な角度からも試したのですが、どうしても全体を収めることができません。この位置からなら全貌を見ることができることはわかっていたのですが、昨日まで入室する機会がありませんでした。
 ご紹介後も作業を進めていたのですが、ご覧のように、整備をほぼ終えたようです。

 ここからではわかりませんが、このところ暖かい日が続いている──2月の金沢の気温は、明治15年以来の高い気温とのこと──こともあり、木々の蕾が膨らみ、そして緑色が目立つようになっています。
 NHK金沢放送局の気象担当キャスターによると、今年の桜は3月26日(金)に開花するとの予想。早い。

 本格的な春はもうすぐ...ですが、今日も全然短くないですねぇ。ペコリ。



3月3日(水) 仮釈放、というわけです ──西村センセイ、右耳が一時的に聞こえなくなる──

 現在のところ、ひとまず症状は治まっておりますので、ご安心を。

 昨日、勤務を終えたセンセイが徒歩で向かったのはかかりつけの耳鼻咽喉科医院。あらかじめ予約しておいたのです。

 異変が起きたのは、金沢へ移動した月曜日。8時過ぎに自宅を発ったのですが、程なく右耳に違和感を覚えたのです。エレベータで上下した時や航空機に乗った時などに起きる耳が詰まった感じ(耳閉感)。
 それ自体は良くあることですが、唾液を飲み込んだりしても一向に改善されない。

 注意して観察すると、気持ち悪さや目眩(めまい)、痛みはまったくありません。ただし耳鳴りがします。正確に言うと、加齢に伴い、センセイはいつも高域での耳鳴りがしているのですが、右身に右耳については初めて経験する歪んだ音。
 主たる周波数も200Hzくらいと、非常に低い。

 放っておけば自然に...と思った──「願った」が実態──のですが、前年ながら状態はみるみる悪化。30分ほどで、右耳はほぼまったく聞こえなくなってしまいました。冗談抜きです。
 ヤバイ。

 センセイは尋常性乾癬(かんせん)という、かなり特殊な皮膚病を患っています。本質的には自己免疫疾患で、それが皮膚のトラブルとして顕れているものです。
 その関係で何度か、外耳道を詰まらせて片耳がまったく聞こえなくなったことがあります。

 いずれもこの耳鼻咽喉科で治療していただき、すぐに治ったのですが、その時の聞こえ方とも異なります。内耳部分でトラブルが起きているのです。最も懸念されるのが、突発性難聴。
 文字通り、片耳──稀に両耳──が突然聞こえなくなる病気です。

 急いで診断、治療しないと回復不能の状態に陥ってしまいます。ただしセンセイは現在、田舎道を運転中。結局、そのまま運転を継続して、1時半頃金沢入りしました。
 アパートで荷物を降ろし、すぐに車で出発。

 ところが何と、この頃から右耳が少しずつ聞こえるようになってきました。ただし聞こえ方は異常で、200Hz前後のバンドパスフィルター──ある周波数帯域だけを通過させ、他の帯域を遮(さえぎ)るフィルター──を通したような音。
 トイレットペーパーの芯のような紙筒を耳に当てて、外の音を聞いている状態をイメージしてください。

 しかも音が歪んでいるし、初めて聞くエコー(木霊)がかかっています。後から調べてみるとこれは、突発性難聴の典型的な症状らしい。

 急ぎの用を終えたのが2時。ちょうど耳鼻科医院が診療を再開する時刻です。ただし予想外に、この頃には割と聞こえるようになってきた──聞こえ方は相変わらずおかしい──のと、医院は基本的に予約制。
 今回は文字通りの急患なので、診てもらえることはわかっていたのですが...。

 躊躇した最大の理由が、ちょっと情けない。実は、夕方締切の仕事があったのです。いろいろ迷った末、まず(休暇を取得している)大学に「出勤」して、研究室でその仕事をすることにしました。
 締切というゴールは動かないので、早くから取り組んでさえいれば、こんなことにはならなかったのですが...。

 その仕事を終えた頃には、違和感はまだ残るものの、聞こえ方はほぼ平常に。もちろん言祝(ことほ)ぐべきこと。耳鼻科医院がますます遠くなります。

 で、昨日、ほぼ同い年のドクターに事情を説明すると、「それだったら今、検査しても何も出ないよ」。もちろん同意し、その旨を伝えます。「様子を見ましょう。何かあったらまた来て」と、問診だけで終了。
 会計すら不要とのこと。

 ちゃんと診て頂いたんだから、当然支払うべきだと思うんだけど...。なお、ドクターとは20年近くのつき合いで、お互いを良く識っています。だからこその会話で、決してぞんざいに扱われたわけではありません。
 決して誤解なきよう。

 結局、今回はやはり、突発性難聴だったようです。

 この病気は、内耳の蝸牛(かぎゅう)部分にある、音圧の変化を電気信号に変換する「有毛細胞」が損傷することによって起きるもの。原因はまだ完全に解明されていないようですが、血流障害や、ウイルス感染が考えられています。
 またストレスや過労、睡眠不足、糖尿病があると起こりやすいとのこと。

 今回、最も可能性が高いのはウイルス感染。有毛細胞がダメージを受けたものの幸い、免疫機構が早期に機能して大事には至らなかった。

 西村センセイ、残念ながらオツムはイマイチですが、耳は非常に優秀。たぶん身体の中で図抜けて優れている。下手をすると今回、それが取り返しのつかないことになっていたかもしれません。
 やはり、当日のうちに受診すべきだったなぁ。

 そしてそのためには、ふだんからの心がけが大切なのですが、こちらはどうも...。トホホ。



3月2日(火) 「ブライトバンド」 ──西村センセイ、強い雨の中を(?)外出する──

 今朝は5時過ぎに目が覚めました。というより、起こされたのです。

 その主は人間ではなく、アパートに吹き付ける強い風の音。冬場でもめったに吹かないほどの強い風がアパートの壁に押し寄せているのです。安普請の建物が壊れるんじゃないかと思ったほど。
 外を確かめてみると意外にも、雨はまったく降っておらず、道路は乾いています。

 現在、寒冷前線が通過中。それに伴い、今日の日中はかなり強い風雨が予想されていました。後日お伝えしますが、勤務を終えた後のことも考えて、今日の予定を練り直します。いろいろ考えた結果、今日は自動車で出勤することに。
 夕方には雨が弱まる見込みだったので、自転車にするか判断は微妙だったのですが、風の強さを考慮した結果です。

 外に出ると、ムッとする暑さ。室内より戸外が気温が高いのです。気象庁のアメダスによると当地の最高気温は早朝に記録した22.1℃。初夏の温度です。キャンパスに入ると、あちこちに折れた木の枝や落ち葉の山。
 朝はそれほど風が強かったのです。

 職員が勤務を始める頃、強い風とともにいよいよ雨が降り始めました。今日の日中は遠くへ出かけることはできません。お昼をどうしよう...。今週の大学食堂にはセンセイが食べられそうなメニューはありません。
 近くで頂くしかないのですが、問題は雨が弱くなるタイミング。

 お伝えしたように気象庁のホームページが最近、全面更新されました。新しいサイトの使い勝手については賛否両論あると思いますが、今は降雨情報の取得が先。
 雨雲レーダーで現在の降雨状況と今後の予想を確認します。

 残念ながらお昼過ぎまでずっとかなり強い雨が続くはず...なのですが、何だか変。研究室から外を見ると、雨こそ降っているものの、細く、弱い。
 雨雲レーダーの情報と必ずしも一致していません。

 その時はそれ以上考えなかったのですが、しばらくしてから再度確認すると、やっぱりおかしい。写真はその時のキャプチャ画面です。
 海岸線が良く見えないのでわかりづらいと思いますが、中央が金沢。左下が福井県で、右上が富山県。右下に岐阜県高山付近が見えています。

 当地を含めて、かなり強い降りを示す黄色が見えますが、実際にはそれほどでもありません。それより何より、黄色い部分が金沢市付近および東尋坊付近を中心として、ドーナッツ状に並んでいます。
 あり得ない...。

 調べてみると、これはどうやら「ブライトバンド」と呼ばれる偽のエコーのようです。雨雲の実態は小さな氷の粒なのですが、周囲の気温が上昇してそれが融け始め、氷の周囲に水の膜が形成され始めると、レーダーからの電波を強く反射してしまうのだそうです。
 なるほど。

 ただし計算してみると、良くわからないことも。雨雲は通常、高度2,000m以上とのこと。現在の地上の気温を5℃とし、大気の水蒸気が飽和していると仮定すると、上空の気温は100mあたり0.5℃の割合で低下します。
 つまり高度2,000mの気温は、-5℃程度。

 この温度で、氷が融け始めるだろうか...。

 でも、ま、ここはお昼が優先。今日は11時前に、傘を手にしてすぐ近くの松屋へ出かけ、久しぶりに「ソーセージエッグ定食」(420円)を頂きました。この間、傘は畳んだまま。ただし気温はグッと下がっています。
 午後には2.7℃を記録。何と、朝から20℃近く低下しています。

 夕方、勤務を終えてから再び外出しました。交通量が多くなっており、今日はかなり薄暗い。交通事故のリスクを考慮して、ここは徒歩で。雨も弱くなっているし。

 で、センセイが向かったのは...。(続く)



3月1日(月) プレハブの営業所が重さで潰れてしまった... ──今シーズンの雪は、場所によって降り方が大きく異なります──

 今日から3月。

 お伝えしたようにセンセイは今日、金沢へ移動しました。北陸地方は昨日に引き続きとても良い天気。ただし昨日のように快晴とはいかず、うっすらと雲がかかり始めていましたが。気温は低かったものの湿度が低いことはわかっていたので、終始エアコンをOFFにして走行。
 その影響もあり、今日はトータルで22.5L/kmの燃費を記録しました。

 上越市東部(旧大潟町)の土底浜(どそこはま)で撮影したのが写真。プレハブの建物が歪んでいます。もちろんゴジラが押し潰したのではなく、年初の大雪によるもの。年末までは、まともな形状だったのです。
 今シーズン、1月上旬2月中旬の降り方にはかなり特徴がありました。

 そもそも北陸地方全体が多かったのですが加えて、局所的には「これでもか」という程の降り方、そして積もり方。雪国育ちのセンセイも久しぶりに経験する降り方でした。
 この土底浜もその一つ。

 雪が多く積もった地域では、綺麗に植林された杉があちこちで折れています。ご存じないと思いますが、生木が雪の重さで折れる際には、この世のものとは思えない音を立てます。
 まさに断末魔。

 このプレハブも悲しい音をさせたのでしょうが、通常ならば崩壊する前に除雪するところ。しかもこの痛々しい姿をずっと晒しています。
 不思議に思って調べてみたら、意外なことが。

 このプレハブ、実は柏崎市内に本拠地を置くK瓦店の「上越営業所」だったのです。なぜ覚えていたかというと、K瓦店はセンセイの実家の屋根を葺いた業者だから。
 少なくともセンセイはそう聞かされました。

 それほど大きなお店でもないのに、約40km離れたこの場所に営業所があるので、良く覚えていたのです。でも改めて確認すると、掛かっていた営業所の看板が見当たりません。それもそのはず。
 何と、K瓦店は4年前に倒産。今回、初めて知りました。

 先日実家を訪れた際、母親が屋根瓦のメンテナンスについて話していました。その際、彼女は淡々と、「雪が融けたら、今年も瓦屋さんに点検していただくつもり...」。いつの間にか業者を変えたんだろうか。

 それとも、K瓦店にお世話になっていたというのは、センセイの勘違いあるいは記憶違いだったんだろうか。



2月28日(日) 習作にすらなっていない...トホホ ──EF64「霜取り列車」──

 今日は日曜日。

 いつもなら朝のうちに金沢向けて発つところですが、都合で今日はまだ新潟に留まっています。明日は休暇を頂戴しており、明朝出発します。午後には研究室に存在しているので、お休みを頂く必要はないのですが...。
 それはともかく、今日の新潟は快晴。

 起床して自宅書斎から外を見ると、おぉ、地域のシンボル「(よね)」(993m)が綺麗に朝日を浴び、真っ白に輝いています。年に数日しか見られない光景。残念ながら数年前に3階建てのアパートができたので、書斎から米山を一望することができなくなりました。
 望遠レンズのついたカメラを手に、外へ出ます。

 気象庁のアメダス──最近、トラブルもあったが、大幅リニューアルされた──によると当地の最低気温は-3.9℃。こちらも年に数度あるかないかの冷え込みです。雪の日はともかく、晴れた日の放射冷却でこの記録は珍しい。
 センセイにはほとんど記憶がありません。忘れているだけかもしれませんが。

 駅前公園まで歩き、公園に接した跨線橋の上から米山を撮影することにします。ちょうど越後線の上り列車が、センセイを追い越すような格好で柏崎駅に進入していきます...あれっ?!

 柏崎駅構内に列車の前照灯が見えます。発車を待っている列車がいるのです。遠くだったし、架線の柱の陰となり良く見えないのですが、センセイの脇を通過したE129系など最近の車両に装備されているLED灯ではありません。
 タングステンを用いた従来の白熱電球。

 廃車が進んで現役は残り少なくなり、全国から撮り鉄が集まる115系かと思ったのですが、車体の一部が青色。やはり115系旧新潟色かと思ったのですが、ちょっと違う。
 近づいて良く見ると、電車ではありません。

 JR東日本長岡車両センター所属のEF64型電気機関車が、単機で発車を待っているのです。すぐに思い出したのが、先日の「新潟鉄道記II」のこちらのページ
 1週間ほど前の記事ですが、それによればこれは「霜取り」。

 もちろん鉄っちゃん用語なのでお分かりにならないと思いますが、通称「霜取り列車」あるいは「カッター列車」。それでもわかりませんよねぇ。当然です。
 お伝えしたように、今日はとても冷え込んでいます。自動車のフロントガラスなどはバキバキに凍結していました。

 かように冷え込んだ日は、鉄道の施設も凍結します。注意しなければならないのが架線の凍結。架線についた氷は、電車のパンタグラフからの電力取得を遮断します。
 それだけでなく、通常型のパンタグラフを破損してしますこともあるそうです。

 そこで登場するのがこの「霜取り列車」。写真を良く見るとわかりますが、EF64は前後のパンタグラフを上げています。いずれも通常のものより強化されているそうで、前方で霜を取り除き、自走用に後方で集電。
 新潟地区では、1月のセンター試験(現「大学入学共通テスト」)の当日に必ず走行させることが知られています。

 ただしセンセイが意識して実機を見るのは初めて。

 米山を撮影していると跨線橋の下を新潟行の特急「しらゆき1号」が通過していきました。EF64は先行する快速と、この「しらゆき」を待避していたんですね。
 まだ発車しなかったので地上に降りて、記憶を頼りに撮影してみたのが1枚目。
(主要部分のみトリミング)

 実際にやってみてわかったのですが鉄道、特に電化区間は架線を支える電柱や各種の柱が多く、それを回避するのが難しい。例えば写真中央やや左の黄色いポール。
 センセイはそれを避けて撮影したのですが、記事ではEF64の尾灯と重ねて目立たないようにしています。

 お気づきでしょうが、相当な望遠──ただし手持ち──で撮影しているので、線路がかなり歪んで見えます。これは望遠レンズの圧縮効果によるもので、列車の運行には問題ないのです。
 でも印象はずいぶん違います。

 締め切りのある仕事が待っているので自宅へ向けて移動し始めたところ、後方から汽笛が。もちろんEF64が発車を告げているのです。振り向くような格好で撮影したのが写真。
 今日の霜取りは1031号機でした。

 実は、JR貨物以外の電気機関車はそう遠くない将来、博物館以外で目にすることが難しくなりそうです。例えばJR東日本の場合、砕石輸送用には新型電気式気動車を、廃車などの際に使用する機関車に替えて事業用電車を開発、投入
 機関車は別免許が必要なのと、電車あるいは電気式気動車することで電車との部品を共用化するためです。

 実はすでに、多くの私鉄が採用している方法。

 自宅に戻って「新潟鉄道記II」の内容を再確認し、お昼に外出した際に撮影し直したのが写真(別ウィンドウ)。天地(上下)のサイズは揃え、左右については、記事に入っていない部分をそのまま残しています。
 朝の撮影時から3時間ほど経過し、気温が約9℃上昇しているため、大気の揺らぎが増えています。

 比較していただくとわかりますが、やはり概ねこの位置から撮影されたものと考えられます。ただし左端の電柱がどうしても邪魔。もっと線路側に寄る必要があります。どうやって回避しているんだろう。
 またどうやら、もう少し高い位置から撮影しているようです。まぁ、これは脚立等で何とかなるかも。

 それにしても、習作にすらなっていません。(昨日に引き続き)トホホ。

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