2006年7月15日更新(2006年7月23日ページ移動。2011年5月3日一部写真削除)

──2006年7月第3週のニュース──

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7月15日(土) 次は、Macのフラグメンテーション解消!! でも、なぜか...。

 その昔、Macユーザーには万一の時、とても頼りになる「ノートン先生」こと「ノートン・ユーティリティー」というメインテナンスソフトがありました。

 ディスクのトラブルへの対処や、誤消去してしてしまったファイルの復活、ファイルのフラグメンテーション(断片化)の解消など、お世話にならなかった人はいないのではないかと思うくらいです。

 でもMacのシェアが低下するにつれてメーカーはだんだんやる気をなくして販路をWindowsへシフトし、現在、Mac版は販売されていません。

 かといってトラブルがなくなったわけではないので、Macユーザーは、例えばディスクのトラブルは「ディスクウォーリア」といったように、他のソフトをいくつか使い分けているはずです。(何もしていない人も多いだろうけど。)

 「ディスクウォーリア」はとても優秀なソフトで、センセイもお勧めしますが、このソフトでファイルの断片化を解消することはできません。

 そこで初めて、「i・デフラグ」というイギリス生まれ──めずらしい!!──のソフトを使ってみました。
 かつてノートン・ユーティリティーに含まれていた“Speed Disk”の現代版、というわけです。

 右の写真はその時のものなのですが、左側コラム内、何種類かの色の点が入り乱れたり、あるいは白色になっているのがわかるかと思います。
 本来は同じ色の部分(ファイル)が連続しているのが好ましいのですが、読み書き作業の結果、このような不連続と空白部分(白色)が生じてしまったのです。
 「起動が遅くなったなぁー」と思う時は、たいていこの断片化が原因だとか。

 で、断片化解消作業にはいくつかのモードがあり、簡単で比較的短時間で終わるもの──完全な解消はできない──から時間のかかるものまであります。

 何回かやってみて、割と簡単で、しかもうまく行ったので、最後に時間をかけて完璧に作業するモードを試してみたのですが、こちらは100Gのディスクで、何と4時間半(!!)もかかってしまいました。
 まぁ、こちらは他のMacで仕事をしながら様子を見ているだけで実害はないのですが、アルゴリズムは“Speed Disk”の方が優れているんじゃないかなぁー。
 完璧なモードは、夜、セットしてから眠るのが良い使い方ではないかと思います。

 とはいえ、この「i・デフラグ」、DVDを焼いたりして大きなファイルを扱う人にはお勧めのソフトです。(それに、結構お手ごろ価格。)

 週末なので新潟の自宅に戻り、この勢いで自宅のMac mini──現在はDVD±RW(/RAM)ドライブの上に載っている──をメンテナンスすることにしました。
 目立った異常はないのですが、時々、起動がやたら遅いのです。

 で、まずApple純正のメンテナンスソフト「ディスク・ユーティリティ」中の“First Aid”を動かすと、おぉ何と、「有効なパッケージ[アプリケーションソフトのこと]がありません」とのご宣託。

 何故だ?

 思い当たる節はないけど、必要なファイルを不用意に削除してしまったのかなぁーなどと思いながら、外部ハードディスクから起動しました。
 これなら必ずうまく行くはずだからです。

 ところが、結果は同じ。何故だ......。

 仕方がないので、購入時のシステムディスクを取り出しました。DVDだから絶対に書き込みできないディスクからの起動です。

 しかしこれが、甘かった。同じ画面にしかならないのです。

 読み出し専用ディスクから起動しているのに、ホントに何故なんだろう。

 わからない。



7月14日(金) インテル・マック用ATOK、本日新発売!! で、なぜか巻き取りホルダーをゲット!!

 午前中、事務から電話連絡があって、宅配便が届いたとのこと。

 そう言えば昨日、ジャストシステムから新しいATOKを発送したとのメールが届いていたんだっけ。

 パソコンの日本語入力システム(IMまたはFEP)は、人によって好き嫌いがはっきり分かれます。

 センセイの場合、実は「一太郎」の前身、MS-DOS上の「jX-WORD太郎」──知っている人は少ないだろうなぁー──の時代からATOK派。
 1993年にMacに乗り換えたため、そこでご縁が一度切れたのですが、最初のMac版(ATOK8)が販売されてからは、再びATOKを使い続けています。

 何故かというと、Mac標準の「ことえり」があまりに○○だからです。(それに比べてWindowsのIMEは、はるかに利口です。)

 で、そのATOK。

 システム上、他のアプリケーションとは違って、CPU(≒システム)に近い部分で働くので、これまでのATOKは新Macのインテル製CPUではまったく使えませんでした。
 インテル・マックの登場から少し時間が経ちましたが、待望のジャストシステム初のインテル・マック対応版ATOKが登場したというわけです。

 案内と予約申込みはかなり前だったのですが、割引価格だったのと、近日中にインテル・マック(つまりMacBook)を買うかもしれないと考えていたので、とりあえず私費で予約しておきました。(申し込んだことすら、忘れてましたけど。)

 白状すると、現行のATOK2005には何の不満もないので、しばらく新しいATOKをインストールするつもりはありません。
 でも大きな箱が邪魔なので、整理のために開封すると......これ、何?

 そういえば、予約者にはケーブルの巻き取りホルダーがオマケについていたのでした。(もちろん、忘れてましたけど。)

 似たようなサードパーティー製品(たとえばこちら)があるのは知っていたのですが、買うまでの必要性は感じていませんでした。
 でも、せっかくなので、WindowsとMac OS Xで使っているマイクロソフト製のミニマウス(写真中、右下)に使ってみました。

 このミニマウスは割と使い勝手が良いので、西村センセイ、実は4個も──隠れマイクロソフト派か?!──使っています。
 しかし、何故かケーブルが1.8m(実測)もあるため、他のものとよく絡まってしまうという難点もあるのです。

 で、写真のようにして使ってみると、これがとても良い具合。今までの苦労は何だったんだ、という感じです。(ちょっとオーバーだけど。)

 う〜ん、でもよく考えてみると、高いお金を出して買ったのは、巻き取りホルダーだったような......。



7月13日(木) 小津安二郎的交友関係 ──真理は滅びの側に?──

 この前東京に出張した際、前任校の元同僚と集まって4人で飲みました。うち2人とは年に2、3度会っているのですが、なかなか会えないもう一人とは6年ぶりくらいの再会になります。
 もちろんみんな大学の先生です。

 会はとても面白くて、場所を変えて飲み直すくらい盛り上がったのですが、飲みながら西村センセイ、何故かふと小津安二郎の映画を思い出しました。

 小津の映画──若い人は知らないだろうなぁー──にはよく、初老の友人が割烹やバーで飲んでいる場面が出てくるのです。

 写真はその一つ「秋刀魚の味」(1962)の1シーン。左から中村伸郎、佐田啓二(後姿)、笠智衆です。(c)松竹

 例えば笠智衆が演ずる主人公に婚期を逃しそうな一人娘がいて、何だかんだで嫁がせた後、友人が集まって飲む、という感じです。

 登場するのは(知的ではあるが)ごく普通の人々で、描かれているのはその日常生活です。

 話の展開もすべてが丸く収まるというようなものでは決してなく、最初とあまり変わらない状況で、違いは娘がいなくなっただけだったりします。

 よく考えてみると、小津の映画のテーマは、滅びるものかすでに滅びたものをめぐっています。
 途中で奥さんを失ったり、主要人物が初めから欠けていたり!!

 でも小津は、そのあまり変わり映えのしない毎日の中の、滅び行くもの、失われていくものを取り上げて、人間の明暗の真実をきちんと描き出しました。
 その力量ゆえに、小津の映画は、最初のものからだと70年くらい経つなのに、支持され続けています。(最近は海外で再評価されています。)

 要するに、小津は渋く、そして先日集まった面子も相当渋かったのです。でも彼らは、表面しか見えない人とは違った実力があります。元同僚はそれぞれの勤務先、あるいは家庭でとても重要な働きをしていました。

 若い学生さんに理解は難しいかもしれませんが、渋い中年のオジさんの魅力もあるんですよ。西村センセイ、最近になって「歳を取ることは必ずしも悪いことだけじゃないなぁー」と思うようになりました。

 なお残念ながら、歳を取っても渋みの出ない人もいます。ちょっと見ただけでは区別しにくいですけど。

※初期の習作作品はアメリカ映画の影響が強く、上記の説明に当てはまらない部分もかなり見られます。



7月12日(水) 真理は弱者の側にこそ......かも。 ──金沢は不安定なお天気です──

 昨日から金沢はとても不安定なお天気です。

 今朝もいつも通りに早く起きたのですが、アパートを出ようとした途端に大雨になって、40分ほど出勤を遅らせました。時々外の様子を見ていたのですが、その雨の中、黄色い傘を差して通学する小学生は偉い。

 自動車なら雨も何も関係ないし、むしろ雨の日ほどありがたいと感じますが、自転車はそうもいかない。

 だって、自転車は弱いもん。(時々、暴走する乱暴自転車もあるけど。)

 このごろ考えているのですが、強い立場の人は、でも結局、大切なものを見失いがちなんではないかと思います。
 権力に自分を乗っ取られて身動きできなくなるからです。

 その点、自転車なんて弱いから、風向きと雲の動きを読んで、雨が降らない15分間の間に大学までたどり着く必要があります。(今日は到着した途端に再び大雨になりました。)

 世の中の動き、派手な表面の陰に隠れがちな大切なものを識(し)るためには、弱い立場もいいのかなぁー、などと思うのです。
 もちろん、表面的には強い立場にかなわないのですが。

 で、今日は急に飛び込んできた校正の仕事──それも2本!! いつ書いたんだっけ──をしていたのですが、その間、パソコンはそれぞれ単純な仕事をしています。
 大きなファイルのコピーだとか、ディスクを焼いているとか......。

 気が付くと、机の上には4台ものキーボードが並んでしまっている(!!)という信じられない状況なのですが、4台を同時に駆使している訳ではありませんので、ご安心を。

 雨雲の様子をレーダーで見ながら、スーパーの値引きの時間考えて、(雨の合間に)帰宅したのですが、日本海側は明日も大雨のようです。



7月11日(火) Windowsとの二重生活には便利だと思いますよぉー。“MacDrive”

 今日もMacintoshのお話です。申し訳ありません。

 自宅、アパートおよび大学でのMacintoshおよびWindowsノート機の役割分担が整理されてとても使いやすくなると、目立ってくるのが旅先での不便さです。
 新潟−金沢間の移動など、時間が短い場合は問題ないのですが、数日に渡る出張となると、Macを使えないと効率が悪いので本当に不便です。

 ここ数年はWindowsノート機だけを持ち出しているのですが、正直なところ、やっぱりWindowsはクリエイティブな仕事には向かない......。
(Windowsユーザの皆様、ゴメンナサイ。定型業務、あるいは「仕事をしている気分」になるには、とても向いていると思います。決して、イヤミではありません。ちなみに、Mac OS Xは、はるかに非効率的です。)

 そこで、先日の学会出張などの機会に、大学から貸与されたPowerBook G4 12"を持ち出してみました。2台あわせて重さは3kgなのですが、意外とそれ程荷物ではありません。
 ちょっと大きなノートパソコンを運んでいるような感じです。

 で、Mac同士はイーサーネットケーブル1本でネットを組めるので、同じように、出先でも簡単にMacとWindowsを繋ぐことができると思ったのですが、うまくいかない......。
 もちろんPowerBookそのものは、(画面が狭いことを除けば)OS 9が使えるのでとても便利なのですが。

 困ったなぁーと思っていたら、Macの雑誌で“MacDrive”というソフトを知りました。
 Windowsマシンにインストールすると、Macのドライブを認識できるようになるというものです。

 で、発注していたものが今日届いたので、さっそくインストールしてみました。

 右の写真はインストール後、MacのDVDディスクを読ませているところですが、ちゃんと内容を認識しています。
 もちろんMacのソフトをWindowsにインストールできる訳ではありません。

 では、具体的にどう使うのか。

 まず、例えばUSBメモリをMac用にフォーマットします。

 センセイの場合、最新のデータはWindows機の中に入っています。
 で、Macフォ−マットのUSBメモリを使えば、ネットを利用できなくてもMac−Windows間でデータを自由にやりとりできるようになるのです。

 「そんな面倒なことしないでも、何で普通のMS-DOSフォーマットメモリを使わないの?」という疑問が聞こえてきそうですが、MS-DOSのメモリだと、Macのファイルを完全な形で運ぶことはできず、壊してしまうことが多いのです。(ファイルの種類によります。)
 Macユーザーの悲哀ですね。

 ちょっと難しかったかもしれませんが、このMacDrive。個人的にはとても便利なソフトです。

 ちなみに、ちょっと厭きかけた人のために、とっておきのの情報を。

 インテル・マックを買ってブートキャンプをインストールし、MacOSとWindows XPを切り替えながら使っているとします。実は、二つのOS間の窓口は狭く、情報のやりとりは相当不便です。

 で、インテル・マック上のWindows XP──何とややこしい──にこのMacDriveをインストールすると、Mac本来のドライブが認識され、(一部制限付きながら)Macのファイルを、自由に読み書きできるようになります。

 例えばMac側に文書の入ったフォルダがあったとすると、Windows側からも読み書きできるようになるので、わざわざWindows側に文書フォルダを置く必要がありません。(Windows側に文書フォルダを置いたら、どれが最新のデータだったかなど、混乱するのは必定ですからね。)

 どうです? MacBookを買ってWindowsとの二重生活をしようと思っている貴方(/貴女)。

 二重生活には便利だと思いますよぉー。



7月10日(月) (ソフトにもよりますけど)CPUって、けっこうサボっているんですね。

 先日もお伝えしたように、このところ仕事の合間──というより「傍(かたわ)ら」ですね──に、自宅とアパートのMacを整理しています。

 すでにシステムの再編成は完了し、とても使いやすく、そしてわかりやすいものになりました。

 この週末はその一環として、調子を崩し始めた半年ほど前から放ってあった、DVD用の素材を整理しました。
 ビデオのファイル(DVやMpeg)はサイズが大きく、そのままにしておくとやっかいだからです。

 で、その中の一つ。

 NHKの“TOP RUNNER”という番組──ぼかし処理をかけているのは著作権の関係──のMpegファイルを、自宅のMac miniで“CaptyDVD”というソフトを使ってDVD化したのですが、これがとにかく時間がかかる。

 この録画は2.5GBくらいなのですが、DVDを焼き終えるまでに3時間位かかります。

 このソフトを使う時、いつも疑問に思っていたのですが、上の写真中2カ所に見えるプログレスバー(作業の進行状況を示す棒グラフ)が、グッと動いたり、全然動かなくてフリーズしたような感じになったりして、要するに一定ではありません。

 こういことって、ありますよね。

 ふと思いついて、Mac OS X標準の“アクティビティモニタ”(右図)という、CPUやハードディスクなどの使用状況を示すソフトを同時に立ち上げてみました。

 右図はCPUの使用率を示しており、上半分に動作中のソフトの一覧があります。
 現在、上から二つ目の“CaptyDVD”ソフトが、CPU能力の73.5%を使っていることがわかります。

 CPUは一生懸命がんばっているわけで、その様子は右下のグラフ、緑色の部分にも表れています。(横軸が時間、縦軸がCPU使用率)

 ところが、プログレスバーがどんどん伸びるのにCPUもハードディスクも全然使っていない場面があります。
 そしてプログレスバーも伸びなければ、CPUもサボったまま......というのも、けっこうあります。

 要するに、システム全体がお昼寝しているわけです。

 CPUは頭脳そのものなんだから、お昼寝の時間をなくすようなプログラムにすれば、全体の作業時間はずっと短縮されると思うのですが......。

 なぜそういうプログラムになっていないのか、理由はさっぱりわかりません。



7月9日(日) 残念!! 夏休みの寝台特急券の確保に失敗する!!

 朝9時半前、雨が降る中を、車で外出しました。

 JRの駅──ただし、最寄り駅ではない──へ行って、夏休みの寝台特急券を手に入れようというのです。

 2001年以来(SLの旅を入れると2000年以来)、センセイは夏休み、娘とともに鉄道旅行に出かけています。これまで、片道ないしは往復に個室寝台特急を使って、遠く北海道、四国そして九州へ出かけました。
 子供の成長は速く、いつまでも一緒にいられるわけではないので、せめて小学生の時は......と思ったのです。

 さて、その娘が中学生になり、どうしようかと思ったのですが、娘の方はあまり乗り気ではないらしい。勉強が忙しいとか理由を挙げていますが、どうもホントは、出かけるのがあまり好きではないようです。
 う〜ん、夏休みという機会に、いろんな所を見て欲しいと思ったのだけど、お父さんだけの片想いだったようだねぇ......。

 今年は、家族旅行をするには勤務校の日程がうまくあわず、どうやっても効率が悪い。でも、もし出かけるとすれば、もう動かなければなりません。

 それが今日、だったのです。

 来月の今日、大学教職員が夏休みに入ります。仕事を終えて、金沢から個室寝台に乗ったらどこへ行けるだろう......。

 大都会で暮らす人が競争率の高い個室寝台券を手に入れるのは困難だと思います。朝の10時に全国一斉に窓口(マルス・システム)が開くのですが、その人だけ特別扱いするわけにはいきませんからね。

 でも、マルスを備えた地方の小さな駅だと話は別。

 小さな駅の窓口で、恐る恐る用件を記したメモを差し出すと、それを受け取った駅員さん、最初はみんな不思議そうな顔をします。一瞬あって、ギョッと仰け反り、二呼吸おいてから、たいてい「わかりました。やりましょう」というニコニコ顔になります。
 どこでもそうで、ホントに張り切ってくれます。その切符を手配するためだけに窓口をしばらく閉鎖した駅もあったくらいです。

 そして、本当に特別な切符を手に入れたかったら、複数の駅に手配しておくのです。

 昨年は上野から北斗星の最上等個室で北海道最北端まで行ったのですが、その時もこの方法で、北斗星とトワイライト・エクスプレスの最上等個室(右の写真)を確保しました。(顛末はこちらへ)

 今年は目的地すらはっきりしていないのですが、金沢から出発して遠いところまで行ける夜行、しかも暑くない所、というわけで、大阪発札幌行のトワイライト・エクスプレスを、金沢市内の駅で予約しておきました。

 この切符は競争率が激しいので、新潟の自宅近くの駅でも申し込むために出かけた、というわけです。
 どちらかででも手に入れば、御の字。

 10時10分前にその駅に着いて、事情を説明すると駅員さん、俄然張り切り出しました。いかにも旧国鉄マンという感じの方です。

 今日もすでに時報に合わせておいたに違いない腕時計とにらめっこしながら、10時ちょうどに送信ボタンを押したのですが、その瞬間、言葉にならない音がこぼれました。
 もちろん満室で手に入らなかったのです。

 すぐに声がかかって事情説明がありました。もちろん何一つ不満はありません。ベストな対応だったと思います。

 駅前に止めた車に戻ると、携帯電話がかかりました。金沢の駅からに違いありません。

 通話ボタンを押し、こちらから名前名乗る前に、受話器の向こうから申し訳なさそうな様子が伝わってきます。雰囲気を伝えにくいデジタル携帯電話なのに。
 もちろんこちらもダメでした。

 趣味の世界に走っているお客なのに、二人の駅員さんは良くやってくれたと思います。

 娘との二人旅が可能──というか二人用を前提に造られている──な、トワイライト・エクスプレス「ロイヤル」個室が手に入らなかったのは、「もう、そういう時期じゃないんだよ」という天の思し召しだったのかもしれません。(センセイはクリスチャンじゃないけど。)

 というわけで、トワイライト・エクスプレスが手に入らなかったのは残念ですが、全県を行脚した(ただしJRのない沖縄を除く。長崎県と佐賀県は2004年に再訪)西村センセイ、でも、これまで十分に行ったことがない東北北部の日本海側、太平洋側(三陸側)をフラフラしようかな、などと思っているのでした。

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