2014年11月8更新(2014年11月16日ページ移動。2017年7月15日写真削除)
■11月8日(土) 見方を変えると、これも歳を取ったということなのかも... ──見取り図の有無──
というわけでセンセイは、法政大学を再訪しました。わずか4ヶ月前に来たばかり。一見すると同じ教室のように見えますが、別な部屋です。
極秘情報(?)を記した手帳をホテルに忘れてきたんじゃないか──実は研究室に残したままだった──と、気もそぞろだった前回の研究会。改めてその時の内容を振り返ると、う〜ん、イマイチ。申し訳ないのですが。
だから今回も、案内を頂戴した当初は逡巡したのです。でもセンセイが書いた本──何と、2刷が出版されました──の中で参考にさせていただいた方が出席されるというので、参加してみました。
その方にはこれまで2回、お話をうかがっています。でも、本の中で引用させていただいた本当の理由は、単に「話を聞いたことがあるから」というようなものではありません。
この人の言うことなら大丈夫、という独特の感覚です。正直なところ、今日の発表は玉石混淆。名前だけは存じ上げていた長老の基調講演の内容に愕然──ただし部分的には評価できる点も存在する──とし、立場上よく存じ上げている方の発表には、忍の一字。
耐えながら「どこが違うんだろう」、とセンセイは考えていました。最後に、センセイが多数引用させていただいた方が登壇。お話にどんどん引き込まれていくセンセイに気づきます。
「やっぱりそうだよね」。違いを一言で表現すれば、大局的な視点。俯瞰図。あるいは見取り図......。う〜ん、一言になっていませんね。全然。
発表者の所属や学問的な背景はバラバラ。もちろんそんなことは問題ではありません。でもそこから普遍的な何かを掴もうとして、どれだけ見取り図の範囲を広げることができるか。
その差は歴然。比較することが痛々しくなってきます。念のために申し添えておきますが、見取り図を描くことができたとしても、否、それができればできるほど、我々一人ひとりにできることが限られていることを思い知らされます。
だから優秀な学生ほど、状況を理解した上で、現状を追認しがち......という議論が展開されるほど有意義な会。う〜ん、でもこれって、世の中がやっとわかるほど、トロいセンセイも歳を取ったってことかぁ。
■11月7日(金) かに解禁。出札窓口の新設移転。金沢で季節がまた一つ、進みました
センセイは明日、都内へ出張することになっています。移動が楽だということもあって、仕事に区切りをつけた午後、新潟の自宅へ移動しました。
アパートに戻って荷物をまとめ、路線バスで金沢駅へ向かいます。中心部の武蔵ヶ辻バス停で止まると、おぉ、目の前には近江町市場。そして看板には大きく「かに解禁」。
忘れてました。金沢市民ならあり得ないことだと思います。富山以西の日本海では、昨6日午前0時にカニ漁が解禁され、昨日のうちに初物が水揚げされました。
そして今日、看板にある通りお店に並ぶのです。センセイも夜のローカルニュースで見たし、スーパーにもデカデカとポスターが掲げられていました。
この地の人々にとっての初物のカニは、関東の人の土用の丑の日や、センセイにとっての新米のようなものらしいというのはわかるのです。
でもセンセイには、なかなか実感として伝わってこない。金沢ネイティブの人によると今日は、帰宅するとごく当たり前のように「コウバコガニ」という小ぶりの子持ちメスガニが茹でられているんだそうです。
東西の食文化の違いを再認識させられます。ちなみに看板上の「エムザ口"」というのは、近江町市場にいくつかある出入り口の名前。
通りを挟んだ反対側に近鉄エムザというビルがあるのです。「口"」の部分は以前お伝えした「むさし口"」同様、よく見ると「口」の字の上に「ぐち」と書かれています。
バスは程なく終点の金沢駅に到着。気になっていた場所へ行ってみます。きっぷうりば、出札窓口です。北陸新幹線開業工事に伴い、ごく最近、駅舎内で移転したのです。
訪れるのは初めて。でも、駅そのものを含めて、最近の施設はどこも似たようなもの。特別な印象は持ちませんでした。そういえば、今日は立冬。
季節が一つ進んだことになります。金沢では特に、それが際だちます。写真中央の女性が手にしているのは発泡スチロール製の保冷箱。その中には初物のカニと保冷剤が......と半ば決めつけてしまうセンセイなのでした。
■11月6日(木) 最後はなぜか沖縄料理のお店になって、そして「突然の閉店のお知らせ」
今日は見たままのお話。
昨日の天気予報が一変し、今日の金沢は雨がち。このところこんな天気が続いています。
北陸地方の冬が近づいているということなのでしょう。センセイは相変わらずアパートと大学とスーパーを行き来するだけなのですが、雨の日、つまり徒歩の日は経路が少し変わります。
いつもと違う道を歩いていると......あれっ?!どうも営業している気配がない。ほぼ1年前に開店し、この場所にしては珍しく営業が続いていたお店です。
ドアの内側には「突然の閉店のお知らせという無礼をお詫び申し上げます」。このお店の客層は以前とまったく違い、比較的時間に余裕がある(と思われる)ご婦人たちばかり。
だから意外と長持ちするのかなぁーと思っていたのです。でも数ヶ月前から少しずつお店の雰囲気が替わっていました。なぜか沖縄料理の旗が出ていたり。最後の努力ということだったんだろうか。
正確に言うと、センセイは講義や会議が続くので、小松空港へ行くことはできなかったのですが。
それはともかく昨晩、金沢市の繁華街にあるイタリアンレストランを借り切って、台湾からの学生訪問団のお別れ会が開かれました。
写真は最後に、日本側の代表学生が挨拶をしているところ。歓迎会と違って台湾、日本ともに学生諸君は完全な私服。顔を覚えたいる人を除くと、どちらの国の人かまったくわかりません。
英語で話しかけたら(ネイティブの)日本語で返事が戻ってきました。台湾では18歳以上なら飲酒が許されているとのこと。つまり全員がお酒を飲むことができるのですが、ソフトドリンクを飲んでいる人もかなりいました。
反対に、少しのお酒で顔を真っ赤にしている男子学生がいたり。総じて、やはり活力は台湾の学生が勝っているという印象を受けます。日本人は男子学生がちょっと......。
女子は決して負けていないのですが。前回も感じたことですが、台湾と日本の両方の学生が、センセイらの存在なんてほぼ完全に無視してお互いに刺激し合い、勝手に成長している、という印象を受けます。
ビア・タンブラーを手にして、少し離れた場所で彼ら彼女らを静かに見守る。そういう役回りの年齢になったようです。
■11月4日(火) イベント盤 ──無事に終わった工大祭を、陰で支えていたもの──
今日は見たままのお話。
昨晩、というか今日の未明まで時折激しい雨が続いていました。さすがにここまで酷いとは、センセイも想定外。
昨日は真っ暗になってから帰宅したのですが、その後も午後9時頃まで工大祭は続いていました。
相当悲惨なことになっていたんだろうな。お伝えしたように工大祭のために今日の授業はありません。でもセンセイは仕事が溜まっているのでご出勤。
キャンパス内のあちこち、特に屋台があった場所で、で学生が働いています。写真は正午ころ、お弁当を買うために外出した際に撮影したもの。大学正門付近からキャンパス内を見ています。
左手前は学友会本部。奥で屋台の最終的な片づけを行っています。写真では良くわかりませんが、デッキブラシで地面を清掃しています。
一般の屋台はすでに、午前中に片づけを終えています。学生諸君は良くやってる──そして実際、その通り──で終わらせたいところなのですが、世の中それほど甘くはない。
写真は工大祭の数日前、別な建物の外側で撮影したもの。お弁当を買って帰る時、ある校舎の脇を歩いていて分電盤──正確にはそのカバー──に気づいたのです。
上部には「イベント盤」。単にそれだけだったら何とも思わなかったかもしれません。でもその下を見ると......電力線が下水溝にまで伸びています。
実はこれ、文字通り大学祭などのイベントのために電力を供給するための装置。形態は異なりますが、この種の設備は大学のあちこちに設置されています。設置はイベントの直前。
今朝センセイが出勤した時、つまり普通の学生諸君が後片づけに登校した時には、これらの設備はすべて撤去されていました。もちろんプロフェッショナルの手によってです。その意味を学生諸君が理解するまでには、卒業後数年を要するんだろうなぁーと思います。
■11月3日(月:祝日) 時折激しく降る雨の中、工大祭が行われました
というわけで、今日のセンセイはご出勤。
今日11月3日は晴れの特異日として知られる文化の日ですが、残念ながら今年は雨になりました。
北陸地方は、昨日の午前中は南からの空気が入り込んでいたため、かなり暖かかったのです。ところがお昼に強い寒冷前線が通過すると、様相は一変。特に全線の背後に季節外れの寒気が入っていたため、気温は急降下しました。
しかも上空の寒気は比重が大きく、要するに重い。地表付近に残っていた暖かく、軽い空気と釣り合いが取れません。両者が入れ替わるために強い雨と雷の荒れた天気になりました。
今日は昨日ほどではなかったのですが、それでも晴れ間がのぞいたかと思うとすぐに驟雨に襲われます。
しかも気温は低いまま。学生の話によると昨日は風雨が強かったため、メイン会場以外のテント内演奏は断念したり、屋台の営業時間を短縮したりしたそうです。
それでも学生は、今日は思い思いの格好で屋台に取り組んでいます。センセイも少林寺拳法部のお店で焼きそばを買ってお昼にしました。その悪条件の中を昨日から歩き通した「100km歩行」完歩者が夕方、キャンパスに到着。写真は一番乗りが誇らしげな2名。
中央の学生は伴走者です。左の学生はこの格好で100km歩いたのではなく、最終チェックポイントで着替えたとのこと。
二人に証書を手交するのがセンセイの仕事。メイン会場(写真左上)では、地元学童倶楽部の出し物から、学生のバンド演奏やダンスなどが連続して行われています。
年老いたセンセイの好みではありませんが、ヒップホップダンスなどはかなり上手いと思います。
客席からも驚嘆の声と大きな拍手をもらっていました。センセイが見た──「居合わせた」がより正確──今年のプログラム中で、一番観客を集めていたのはお笑いのグループ。
プロを招いたようで、広い会場の外にも立ち見客が出るほどでした。というわけで、初めての場所から工大祭を撮影してみたのが写真。実際より少し明るく見えていると思います。
関係者ならどこから撮ったか、想像はつきますよね。雨で大変だった工大祭ですが、これで大学の季節がまた一つ進みます。明日は片づけのため、講義はありません。
センセイらは通常勤務ですが。
■11月2日(日) 新造気動車のお披露目など、開業へ向けたえちごトキめき鉄道の準備が着々と進んでいます
連休はまだ終わっていませんが、センセイは立場上の仕事があるので、今日のうちに金沢へ電車で移動しました。
昨晩自宅でNHKのローカルニュースを見ていたら、2番目にえちごトキめき鉄道の話題が取り上げられました。先日お伝えした新造ET122型車両見学会の様子です。((c)NHK。現在サイト上から記事は削除)
鉄道ファン向けのニュースでもその様子が伝えられています。
見学会が開かれた場所は、糸魚川駅から少し離れています。トラックで運んできた線路の砂利(バラスト)を専用貨物車両に積み込むための場所。
写真手前は低くなっていますが、そこから先は斜面になっていて、奥はホームとほぼ同じ高さ。今回展示されたのは1両だけですが、ET122型はすでに2両が落成しており、最終的には6両が納入されます。
先週の日曜日に車窓から見ていたら、その2両は糸魚川駅構内のJR車庫に、本来の主であるラッセル車を追い出す形で格納されていました。イベントが終わった今日はどうなっているんだろうと目を凝らしていたら、近くに、2両編成で留置されていました。
かつて関西からの583系夜行スキー列車が日中、のんびりと昼寝をしていた場所です。暗くて撮影できなかったのですが、実物を見ると、車体下部の波のイラストは、個人的にはスピード感を減殺してしまうように思えました。
それはともかく、えちごトキめき鉄道の開業に向けた準備は着々と進んでいます。写真は糸魚川より手前の直江津駅で今日撮影したもの。列車内から駅の南東側を見ています。ここはJR東日本およびJR貨物の車両基地。
その一部の線路を取り払い、写真右側の施設を建設しています。2、3ヶ月前から工事が始まったのですが、基礎工事が終わったと思ったら、あれよあれよという間にご覧の建物が姿を現しました。
もちろん、えちごトキめき鉄道の車両整備工場になるはずです。新造車両などはとてもわかりやすい例ですが、お伝えしたように、高性能除雪車──今日は犀潟駅にいませんでした──も導入済。
鉄道事業は典型的なシステムワーク。ここに至るまではいろいろありましたが、「次」の姿を最初はぼんやりと、そして徐々に具体的に描くことができるようになると、動きはとても早いんですね。
センセイも、それに合わせて動くことにします。