2009年7月18日更新(2009年7月26日ページ移動。2013年9月17日一部写真削除)

──2009年7月第3週のニュース──

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7月18日(土) センセイのオーディオシステムはこれで、劇的に変化するかもしれない

 ネット上でオーディオ機器の新製品情報を読んでいて、びっくりする機器に出くわしました。

 第一通信工業(同名称の別会社あり)という放送局用の機器などを設計製作している会社があります。
 同社が“McAUDI”ブランドで新しいDAコンバータとDクラスアンプを発表したのですが、とても高価なので買えないことはわかっていつつも、面白そうだったので同社のサイトを訪問したのです。

 するとそれらに並んで「CD/デジタルオーディオトランスポートのジッター低減」(!!)を謳う「デジタル信号分配器“MD550”」というマシンが販売されているではありませんか。
 当該機のページを開いてみると、右のグラフが!!
(同社サイトより引用。原図を縮小)

 ちょっと解説が必要でしょう。

 センセイの自宅書斎には、イヤースピーカー(ヘッドホン)で聴く限り、古めだけどかなり高品位の機器が揃えられています。
 各機器からのデジタル音声出力はいずれも、改造済デジタル−アナログコンバータで音声信号に変換されます。

 デジタル信号が完全ならどの機器で再生しても同じ音がするはずなのですが、実際の音質はかなり異なります。
 年季の入ったポータブルCDプレーヤや、こちらも古い据え置き型CDプレーヤでご紹介したように、基準となる信号(「クロック」)の揺らぎ(「ジッター」)で音声が変調されてしまうのです。

 具体的には、質の悪い機器ほど音が平板になって前後の奥行きがなくなり、しかもざらついた音がします。
 センセイのDAコンバータはかなりの実力なのですが、クロックの部分が弱点だったのです。

 このジッター(揺らぎ)に関してこれまで、センセイのシステムのような場合は、ジッターが一度発生すると除去はほぼ不可能と聞いていました。
 別なマスタークロックで打ち直す方法もあるのですが、クロックの純度が上がるとは限らないし、最悪の場合は信号を伝送できなくなってしまう(シンクロが取れなくなる)のです。

 何度か使ったことがある富士通の「バリメガ・モジュール」もその対策の一つなのですが、クロックの純度を上げるという点ではイマイチ。要するに西村センセイ、ジッターの改善については、すっかり諦めていたのです。

 ところが、富士山のような形をしたこのグラフは、DAコンバータの前にこの機器を「挿入するだけ」で、クロックの純度が上がることを示しているのです!!
 音質の改善も大いが期待されます。現物を見たことすらないのに......。

 というわけで実機が今朝、自宅に配達されてきました。
 メーカーに問い合わせたところ、近くに販売代理店がないとのことで、消費税と送料をおまけして、直接販売してくださりました。(感謝感謝)

 DAコンバータの上に仮設して撮影したのが写真。
 実際はずいぶん小さくて軽い機械です。これでホントに音が良くなるのかしら?

 さて、肝心の音質はというと、実は「門前払い」と「劇的」の両極端。たぶん予想外だったのでは?

 センセイとしては古い据え置き型CDプレーヤの音質改善 をまず期待したのですが、意外にも静止時はともかく、CDの再生が始まると同期しなくなり再生が途切れてしまいます。
 もちろん音声は正常に再生されません。というわけで、こちらは評価以前。

 でも、これまで一顧だにしていなかったパソコンの音質は劇的に改善しました。

 もちろんパソコンの貧弱な音をそのまま聴いていたのではなく、圧縮していない無加工のデジタル出力をそのままこのDAコンバータに接続していたのに、です。
 この“MD550”マシンを挟んだ途端、前述した奥行き、音の高さ、濁りといったものが劇的に改善されます。何よりも「ずっと聴いていることができる」のです(この感覚は、本物とまがい物を見分けるとても大切な点なのです)。

 こうなるとパソコンなどHDD(およびSSD)を利用したオーディオ機器の評価が劇的に変わる可能性があります。

 センセイはこれまで、劣化が避けられず、そもそも再生機器がなくなりつつあるアナログおよびデジタルテープの内容を保存するためにデジタル化、特にCD化を進めてきましたが、CD(正確にはCD-R)の寿命も長くはありません。
 CDの場合、1枚当たり約80分という記録の上限がありますし、そもそもCDは非常に古い規格であるため、オーディオデータをぶった切りにして「チャプター」とし、その間を数秒の無音で繋ぐ構造になっており、問題が多すぎます。

 このマシンの導入で音質がこれだけ改善されるのなら、今後はむしろデータをHDD上でAIFFのまま保存し、そこにインデックスを打つことによって保存性と操作性(頭出し)の両立を図ることができるんじゃないかと思うのです。
 これまでCD化した分についてはいわば再度デジタル化──仮想ディスク化──しようかと考えています。



7月17日(金) 廃止された日本たばこ産業金沢工場の解体工事が始まったようです

 お伝えしたように、昨日の晩からセンセイは新潟の自宅に存在していますが、今日は戻る前の金沢のお話。

 金沢始発の特急に乗車すべく、いつものように大学近くの「野々市工大前駅」から北陸鉄道石川線に乗り込み、3駅目の「新西金沢」駅で降りて、JR北陸線との乗換駅「西金沢駅」へ。
 学生で混雑した改札を抜けてホームに降りると、線路の向こう側(北西側)での工事に気づきました。

 以前ご紹介したことがあります(こちらこちら)が、このJR西金沢駅には本線に平行して軌道や架線、踏切施設などの保守訓練設備があります。
 どうやらその訓練設備の一部を改修しているようです。

 ふ〜ん、と思っていると、写真左奥でも何かの工事をしているような。
 JRとの境界を示す金網、そして工事用フェンスの向こう側ですから、明らかにこれはJRの工事ではありません。

 ここでやっと、JT日本たばこ産業株式会社金沢工場解体工事が始まったらしいということに気づきました。
 跨線橋の上から撮影したのが右の写真。

 需要の減少に対応して、去年の春に、この広い工場の閉鎖が決定されたのだそうです。
 センセイがこの西金沢駅を利用し始めた時は、まだ工場への引き込み線の跡があったように記憶していますし、地元紙の報道によると、この3月までは製造を続けていたようです。

 センセイ自身は非喫煙者ですし、あの煙と臭いがひどく苦手なのですが、社会全体にとってはまた話は別。

 親戚でもある実家の向かいの家は、タバコの葉を栽培していただけでなくそれを燻す(?)小屋もあって、子供の頃は従姉妹や弟たちとよくその中で遊んでいました。
 高校時代は越後線の車内から、現在柏崎刈羽原子力発電所が位置する砂丘に延々と広がった、あの巨大な「芭蕉扇
(ばしょうせん)」のようなタバコの葉を見ながら通学していました。

 個人的な経験はともかく、時代は変わっているんだなぁーという感じがします。



7月16日(木) 新潟県中越沖地震から2年。柏崎市で合同追悼式が開かれました

 講義を終えてから新潟の自宅へ戻りました。明日、ちょっと私事があるのです。

 いみじくも今日は7月16日。つまり2年前の今日、新潟県中越沖地震が発生した日です。

 報道(『新潟日報』やローカル紙『柏崎日報』)によると今朝、市内のホールで国および県、柏崎市、刈羽村の合同追悼式が開かれ、地震発生時刻の10時13分には15名の犠牲者──高校時代の恩師を含む──の冥福を祈って黙祷したそうです。
 センセイはまだ金沢で、大学院の講義の最中でしたが。
((c)柏崎日報社)

 暗くなってから柏崎市に戻ったので市内の様子は良くわかりませんでしたが、それでもテレビ中継やそれを支援する車を見かけました。
 夜のニュースで中継するのでしょう。

 電気、ガス、水道、そして道路や河川など、あれだけの被害を受けたインフラはほぼ復旧しています。
 市内には家屋を取り壊した跡の更地が目立ちますが、知らない人が見たら気づかないんじゃないかと思います。

 でも、ここ柏崎地域では経済状況の悪化が進行しています。

 さらにこの地域を代表する企業「リケン」が非正規社員370名を解雇しましたし、市内の有力企業の倒産によって、今後は雇用情勢がさらに悪化することが予想されています。

 センセイの家族や一族もそうでしたが、程度の差こそあれ、この地域の住人で地震の被害を受けなかった者はいないと思います。
 全国からの理解と援助によって、衣食住という生活の基盤は復旧しました──たぶん「復旧していただいた」というのが実態──が、雇用など経済を含めて、この地域の再生と自立をどうするのか。

 被災後から2年目の今日は、それを考える一つの節目の日なんだろうと思います。



7月15日(水) 大学近くの「はなまるうどん」に初めて入ってみました!!

 長引くかなぁーと密かに心配していた朝の会議はあっさりと終了。今週はちょっと変則的な日程だということもあって、この機会にお医者さんへ行くことにしました。
 毎日服用している薬が、もうすぐ切れてしまうのです。

 薬局の角を曲がるとクリニックが見えてきて、駐車場の車の様子で混み具合がわかるのですが、今日はわずか数台。
 中に入ってみると、患者さんはみな診察を終えていたようで、センセイはそのまま中待合室へ通されました。いつもならたっぷり1時間位は待たされるのに。

 珍しくあれもこれもそれも順調に片づいた──オマケに往路の交通信号はすべて青だった!! ──ので、ちょっと早いけど帰り道、お昼を食べることにしました。

 お医者さんの近く、幸楽苑が撤退した場所に昨年末オープンした讃岐うどんの「はなまるうどん」に入ってみようと思ったのです。
 この辺は通院する時以外は通らないので、なかなかチャンスがないのですね。

 写真は店内の様子ですが、右手の入口を入ると、自動的にトレイを取り、天麩羅類のトッピングを選んで最後に麺を選択します。
 通路の幅やお客の動線などがきちんと設計してあって、勝手な行動は許されない仕組みになっています。

 写真中央のレジで代金を支払ってから、やっと店内の全貌を把握できるようになりました。
 建物そのものは幸楽苑の時と同じなのですが、厨房が奥に引っ込んだためか、客席がかなり広くなっています。

 要するに、オーダーする部分(写真中央奥)だけがストレスを高めるべく意図的に窮屈に作られており、ストレスを解消するために「過剰に注文する」という行動を取りさえすれば、後はゆったりとくつろいで満足感を味わうことができるようになっているのです。

 気持ちを切り替えて、一番大切なうどんに挑戦します。今日はとにかく暑かったのでざるうどんをお願いしました。

 オーダーを受けてから茹でる──その場合はかなり時間がかかる──のかなと思ったのですが、少なくともセンセイの場合は「すでに茹でてある麺」を盛りつけていました。
 だからすぐにうどんが提供されたのですが、センセイとしては半信半疑。「ホントに美味しいのかなぁー」。

 食べてみると意外にも、それほど「すでに茹でてある」感はなくって、腰のあるうどんを頂戴することができました。
 ただしこれはめんつゆの力も大きいと思います。特に秀でいているというわけではないのですが、特に破綻もありません。よく造り込まれたつゆだと思います。

 このお店の近くには、地元では有名な「粉太(こた)製麺」などのお店があります。
 もちろん味だけを考えるとこちらの方が美味しいのですが、でも、お店の暖簾をくぐる前に、ちょっと覚悟を決めなければいけない──金額の問題ではない──ようなところがあります。

 この「はなまるうどん」対照的に、本場の讃岐うどんと比べるわけにはいきませんが、でも、「このところ油っぽいものが続いたから、今日は...」などという時に、抵抗感なしに入ることができる、そんな感じ。

 現在は牛丼の吉野家グループの一員ですが、そのコンセプトを含めてやはり「きちんとコントロールされ(/すぎ)ているなぁ」という印象を持ちました。



7月14日(火) どうして違うんだろう...。 ──関東甲信地方が梅雨明けした日に気づいたこと──

 本日、関東甲信地方が梅雨明けしたとのこと。

 北陸地方は曇りや雨の天気が続いており、もうしばらく時間がかかりそうです。
 とにかく湿っぽくて、気温も高い──今日は各地で30℃を越えた──ので少し動くと、全身が汗っぽくなります。夜は気温が下がらないので、本当に寝苦しいし。

 出勤途中、あることに初めて気づきました。

 写真は、駐輪場からセンセイらの研究室がある1号館(本館:写真奥)へ向かう時に撮影したもの。
 手前の二つの建物の間、渡り廊下──実際には使用されていない──の下を通り抜けます。

 1号館と右手の建物はたぶん同時期に建てられ、写真左側の6号館は少し遅れて建築されたはず。
 これらの建物、ちょっと見ただけではとてもよく似ているので、初めて見た方はおそらくすべての建物が一緒に建てられたと思うのではないでしょうか。

 でも今日、渡り廊下を下から眺めていて、二つの建物の天井──というべきなのかな──の処理が違うことに気づきました。

 右の建物の2階部分の下は茶色。ここには木の板が張られています。でも左側はグレー。
 コンクリートにモルタル(?)が吹き付けられているだけです。よく似ていますが、ちょっとだけ違うのです。

 たぶん二つの建物を建設する間に大学側、あるいは建築する側の担当者が替わったか、建築の思想がちょっと変化したんだと思います。コストの問題があったのかもしれません。

 それがどうした、と問われれば返答に窮するのですが......。



7月12日(日) 夏本番 柏崎市の海水浴場がオープンしました!!

 所用で柏崎市内を車で走っていて、ふと、海を見たくなりました。

 JR信越本線柏崎−柿崎間は海岸沿いを走っている──だから荒波で護岸が浸食されることもある──ので車窓からも見えるのですが、鉄道から離れた海水浴場がどうなっているか見てみたかったのです。

 小さなヨットハーバーの脇を通り、短いトンネルを抜けるといきなり、若い男女の顔が飛び込んできました(ホントに)。

 ちょっとびっくりしたのですが、それがすぐに海岸に店を構えた浜茶屋の呼び込みであることに気づきました。
 彼ら彼女らは家族連れだろうが、センセイのようにたまたま通っただけだろうが、とにかく車が通りかかると駐車場へ、そして浜茶屋に呼び込もうとするのです。

 柏崎市の海水浴場は7月最初の週末にオープンしたそうです。

 写真は海岸沿いの丘の上から撮影したもの。
 手前から道路、公共の駐車場、浜茶屋の私営駐車場(白線が引いてない部分)、白い何軒かの浜茶屋という具合。

 まだそんなに暑くないし、小中学校が夏休みに入っていないので海水浴客の姿はまばら。
 でも来週、再来週の週末は相当混雑するんじゃないかと思います。

 柏崎市民は浜茶屋をほとんど使いません。自宅からすぐのところに海岸があるからです。
 浜茶屋を利用するのは海岸からちょっと離れたところに住んでいる人々、特に他県の方々です。

 ここ柏崎は群馬県の方が多く利用しますし、直江津近辺は長野県北部の方がやってきます。いずれも高速道路の出口に近いのです。

 でもご存じのように一昨年の新潟県中越沖地震で状況は一変。

 地震は夏休み直前だったので、2007年はインフラ全体が被害を受けて営業どころじゃなかったし、柏崎刈羽原子力発電所の火災や放射能漏れの風評被害で、実態以上に影響を受けてしまいました。
 昨年度の段階では、お客さんは地震前の数割くらいしか戻りませんでした。でも、今年は手応えがかなり良いようです。

 写真は北東方向を撮影したものですが、柏崎市街地や柏崎刈羽原子力発電所は右端の小さな岬の陰に隠れています。その奥、微かに青白く岬──椎谷(しいや)岬──が見えますが、その左側が新潟県中越沖地震の震源地です。

 今週木曜日、つまり7月16日に地震から2年を迎えます。9月の期限までには仮設住宅から市営住宅等への転居も完了する見込みです。

 何度もお伝えしていますが、いろんなことを考えると、2年目のこの夏が大きな区切りになるんだろうなぁーと思います。そしてそれを再確認するかのように、今月末には柏崎の夏祭り「ぎおん柏崎まつり」を迎えます。
 残念ながらセンセイは公務出張で、それを見ることはできないのですが。



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