2013年3月9日更新(2013年3月17日ページ移動。2016年5月30日写真削除)
■3月9日(土) 主役交代の季節 ──新入生が親子連れでキャンパスを訪れています──
今日は見たままのお話を手短に。
春休みに入ったので講義はないし、しかも今日は土曜日なので研究室はひっそりとしています。昨晩、二次会、三次会へ突入した連中はまだ白河夜船だろうし。
センセイは急ぎの仕事に区切りをつけて──ただしまだ完了はしていない──新潟の自宅へ戻ります。めっきり減った学生諸君と入れ替わるように、半月くらい前から新入生の姿が目立つようになりました。
もちろん宿所を手配するためです。平日は本人と母親、今日のような週末は本人と両親というパターンが多いようです。
写真は朝早くに撮影したもの。卒業生はというと、今ごろはたぶん、就職先で研修に入っているんでしょうね。
それがどこの、そしてどんな種類のものであっても、「学校」の主役は児童、生徒、そして学生。
主役交代の季節が目の前に迫っています。センセイはというと、彼ら彼女らが半ば勝手に成長していく姿をぼんやりと見守る立場。
言い換えると、いつも置いてけぼり。でも、ま、いっかー。
■3月8日(金) なるほど、こうやって強風から身を守る方法もありますよね
職務上参加しなければならない夜の会合があったので、今日は徒歩でのご出勤。
お伝えし損ねましたが、今週は318iで金沢へ来ているのです。スピーカーを買い求めて、数キロ離れたハードオフへ行くことができたのはそのためです。
今は会合から戻ったところ。朝早くに出発しようとしたら急に雲行きが怪しくなってきて、雨が降り始めました。止むまで出勤を見合わせます。寒冷前線の通過だったようでじきに雨はあがり、再出発。
まだ風は強いままで、しかもかなり乱れています。ふと気づくと、離れた民家の屋根の上で、鳥が、お尻をこちらに向けて一列に整列しています。
鳩です。風は屋根の向こうからこちら側に吹いています。
小舟と同じで、鳥は風上に向かっている時には身体を安定させることができます。だからこうやって風が収まるのを待っているんでしょうね。
でも、よぉーく見ると、屋根の途中であらぬ方向を向いて休息(?)している鳩が一羽。まぁ、確かにこうやって風から身を守る方法もあるかも。
西村センセイ、個人的には金沢工大近辺で鳥が増えている、という印象を持っています。
昨日はゴミ出しの日だったのですが、集積場所の近くで最近減少していると伝えられる──センセイもそう感じている──雀の群を見ました。でも、あれだけうるさかった鳶の姿を、最近は全く見かけません。ここ数年、雉(こちらやこちら)も見ていません。
鳥の世界にも勢力争いがあるのでしょうか。
■3月7日(木) 「言っとくけど、小さい音すら出んよ」 → いえ。スピーカーをそれなりに鳴らすことができます
「こういうのがあったらいいなぁ...」と思ってWeb上で検索していたら、急に不快な気分になりました。ちゃんと読んでいたわけではないのですが、嫌な気分にさせられる文字が目に入ってきたのです。
以下、冒頭はそのご紹介ですので、悪しからず。検索に使ったキーワードは「パッシブスピーカー」。要するに普通のスピーカーのことです。小さくて安い物をMacに接続できないかなぁーと思ったのです。
ガンガン鳴らす必要はなく、BGM的にちょっと音楽を聴くことができればいいのです。同じようなことを考える人がいるようで、Webに質問が掲載されていました。すると回答者の一人が質問者を見下しながら、「そんなことできるわけないでしょ」。
でもこの「回答」、まったく間違っています。それを証明するために......というわけではないのですが、西村センセイ、近くのハードオフへ行って適当なスピーカーを探してみました。
それが2枚目の写真の右下にあるもの。パイオニア製で、もともとはウーハー(低音専用のスピーカー)と組み合わせ、4個+ウーハーでサラウンドを実現するためのものだったようです。
それが2個ずつに分けられていて、2個セットで780円。框体はプラスチック製でしたが、かなり重量があってしっかり作られているので買い求めました。
で、使っていないパソコン用の音声ケーブルを取り出し、(金沢にはちゃんとした工具を置いていないので)古い鋏とカッターで芯線を取り出してスピーカーに繋ぎます。
それを昨日ご紹介したSRC2496のヘッドホン出力に繋ぐと、おぉ、それなりの音量で良い音が!!周囲にあった機器を繋いでみたのですが、2番目に良い音だったのが、iPhone 5。意外なほどの音量でスピーカーをしっかりと駆動します。
栄えある1位に輝いたのは、Mac mini。こちらは出力が大きすぎるので、最大音量まで上げることができませんでした。
知恵袋の「回答」、部分的にはその通り。でも全体としては大間違い。「アンプ」と呼ぶものの多くは、(1)信号そのものを必要な振幅(=大きさ)まで増幅する部分(「電圧増幅」)と、(2)その信号を使って電源から供給される電力を制御してスピーカーやヘッドホンを動かす「電力増幅」という二つの部分から構成されています。
ここまでは「回答」にある通り。でも実は、ヘッドホンとスピーカーは基本的には同じものなので、ヘッドホンを鳴らすことができればスピーカも鳴らせるのです。
スピーカー用には設計されていないので、大音量は無理ですが。質問者は最後に「・・・いいのを見つけたので。僕はこれで満足してます」(原文ママ)とコメントしています。
たぶんセンセイと同じように接続して、それなりに鳴らしているんだろうと思います。先日ご紹介したコペルニクスに関するWikipediaの誤りといい、昨日の音響機器の音質評価──ただし評者は本当にそう感じている──といい、Web上の情報って、玉石混淆だなぁ。
当たり前のことを再確認しただけ、といえばそれまでなのですが。ホントかどうか、自分で見て、聴いて、そして自分の手を使って実際に試してみればいいんです。
■3月6日(水) 自分の目で、耳で、手で確かめることが大切だと思う ──SRC2496をもう1台購入しました──
相変わらず急ぎの案件が溜まっているけれど、講義はないので、こういう機会でないと片づけられない仕事(?)に取り組みます。やや現実逃避気味ですが。
その一つが研究室内のAV機器の再編成。写真は作業が完了した際に記念撮影したものです。下からパイオニアのDVD/HDDレコーダ、ソニーのS-VHS/DVレコーダ、棚の上はソニー製DVD/HDDレコーダ、パッシブAVセレクタ、サンプリングレートコンバータ“SRC2496”、TASCAM(TEACの業務用ブランド)のライン・ミキサー、そして天辺(左側)に小さく乗っているのが、カノープス製アナログ/DVコンバータです。
これだけ並ぶと、まるで音楽スタジオ。SRC2496のみが私物です。最近購入しました。自分で制作したDVDなどから音声を抜き出す際にサンプリング周波数(Fs)をCDと同じ44.1kHzに変換したい時があるのと、各機器からのデジタル音声出力を良い音で聴きたいなーと思ったのですが、適当な機器がない。
おまけに予算もない。ずっと続いていた円高でSRC2496が前回購入時の15,800円から13,200円に値下げされていたこともあって、今回、私費でもう一台買ったのです。
今回もサウンドハウスから購入したのですが、商品レビューには「50万円でも安いのではないか」などと、ベタ褒めの文章が並んでいます。
でも音質に関してのセンセイの評価は、可もなく不可もなく、という感じ。(もちろんこの値段なら費用対効果は抜群です。)金沢のアパートで使い始めてすぐにそう感じたのですが、アパートでも自宅書斎と同等の、高性能スタックス製イヤースピーカー(コンデンサー型)を導入して、自分の評価が正しいことを確認しました。
バランス接続に変えても、“BDZ-V9”の方が格上。特に問題なのがハイサンプリング。ちょっと聴く分には確かに心地良く、きめ細かく感じます。
ところが、ずっと聴き続けることができません。耳が異常に疲れてしまいます。いろいろ考えたのですが、このマシンでのハイサンプリング音声は、加工され、もともと持っていないものを色づけされた、原音から遠い音なのでしょう。
だからセンセイはFs変換の場合を除き、オリジナルのサンプリング周波数で聴いています。このSRC2496高音質神話、もともとはオーディオ誌で紹介されて広まったようです。ただし現在のところ、センセイはまだ原典を確認できていません。
オーディオ誌なんだから「耳が良い」とされている人が執筆したのでしょうが。ところで写真ではよくわかりませんが、SRC2496の左側にはヘッドホン端子があり、黒色のコードが写真の左へ伸びています。その先にあるのは、しかし、ヘッドホンではなく......。(続く)
■3月5日(火) グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」新盤、古い録音なのになぜ良い音質なのだろう
1ヶ月ほど前、手持ちの音源を整理している過程で、古いCDのリマスタリング盤がたくさん販売されていることを知りました。興味はあるのですが、お金がかかるし収納スペースの問題もあるので、今回は2枚だけ購入。
先日ご紹介した坂本龍一のデビュー・アルバムと、写真(旧盤)のグレン・グールド「ゴールドベルグ変奏曲」。((c)SONY)確かにどちらも音質が良いのですが、坂本龍一の“HQCD”に対して、グールドの方は「Blu-ray Disc製造技術のすべてをCD製造に投入した」“Blu-spec CD2”とのこと。
高品位の再生機器で繰り返し聴いたのですが、両者ともリマスタリングの効果の方がずっと大きいと思うのです。グールドの新盤の音質の良さにはたくさんの謎が残ります。
もともとの音源は1981年でニューヨークでのデジタル録音。当時の録音機(A/Dコンバータ)は2ch入力のソニーのPCM-1630しかない(はずな)ので、ずっと「一発録り」だと思っていました。
もちろん約48分の演奏を通して録音しているわけではなく、少なくともいくつかの部分に分けて収録しています。アナログ時代は「マルチトラック」という何chも録音可能なデッキを走らせ、(聴く人にはわからないように)良い部分だけを継ぎ接ぎ(つぎはぎ)することが可能でした。
というより、それが普通。でもこの録音時にはデジタル版のマルチトラック(“DASH”フォーマット)レコーダーは市場には出回っていません。
「ゴールドベルグ変奏曲」は最初と最後のアリアと、中間の30の変奏曲から構成されるのですが、旧盤はすべてを1曲と見なし、変奏部分は「インデックス」で頭出しするようになっています。
現在の機器ではたぶん対応できないと思います。新盤は全32曲という取り扱いにしているので、このままiPhone用に取り込むと管理しにくくなります。
そこで新盤のデジタル出力をMacに読み込み、改めて全体を1曲としてからAACフォーマットに変換。その作業中、スペクトラムアナライザ(高速フーリエ解析)見ていていくつかのことに気づきました。
まずノイズ分布の様子から、A/D変換そのものは明らかに当時のマシン。たぶんPCM-1630。ここまでは予想通りだったのですが、驚いたことに、曲の中でとても細かい編集作業を行っています。ピアノの倍音とは無関係な信号の出具合で、それがわかります。
まるでマルチトラック機でのデータをコンソール(音響調整卓)で細かく調整しているような状況なのですが、前述したように、当時はまだマシンが存在しないはず。
それとも、“DASH”フォーマットの録音機はほとんどがソニー製なので、開発途中の試作機を使用したのだろうか。他にも謎は残っています。デジタルのマスターデータが同じだとしたら、どうしてこんなに音質が違うのだろう。旧盤はエンファシスがかかっており、新盤はフラット。
でもそれだけでは音質の差を説明できません。新盤は、旧盤の硬い感じがかなり取れているのでずっと聞きやすく、何より演奏内容に入り込みやすくなっています。ですから、結果オーライではあるのですが
■3月4日(月) やはりお店には、不向きな構造があると思う ──やまや柏崎店が回転寿司跡へ移転──
一昨日に続いての店舗ネタです。悪しからず。
新潟県内での他の所用を済ませて帰宅した昨日の午後、ビールを買いに近くの「やまや」へ行きました。実は柏崎店、10日ほど前に市内の別な場所へ移転したのです。
もともとは柏崎市中心部に「こたや」という地元独立資本ながら堅実な経営のスーパーがあったのですが、創業者夫妻が年老いたため、営業していた2店舗を店員ごと上越地方のスーパー「ナルス」へ移譲。
後にナルスの店舗再編成で、建物が空いたのですが、そこへやまやが入ったのです。しかし、どうやら店舗の老朽化が進んだために立ち退きを迫られたようで、かつて「すしおんど」(元気寿司)として新築され、去年、競合店に追われる形で撤退した店舗跡へ移転したのです。
白抜きの「やまや」の文字の左側に、「元気寿司」の文字跡が残っています。車を止めて20本入り空き瓶ケースを持ったセンセイ、まず、空き瓶の回収場所がわからない。
それと思しき場所に降ろして、店内の店員に伝えようと思ったのですが、二重のドアは「すしおんど」の時のものをそのまま使用しており、手動式。
しかも、とても狭い。回転寿司なら問題ないのですが、両手に荷物を持ったり、大きなカートを押している時はとても不便。
そのようなお客のために、店員がレジのところからぐるーっと回って、ドアを開けてくださります。
つまり仕事は増えるばかり。7年しか使っていない建物なのでピカピカなのですが、でもお客さんを迎え入れる「お店」としてはどうなんだろう。
センセイとしてはずっとお世話になっているので、こんなことで経営に躓いてもらいたくないのです。
■3月3日(日) 直江津駅でご対面できるかと思ったのだけど... ──特急「白山」が1日だけのリバイバル運転──
昨日は午後の特急「北越」で帰宅したのですが、自由席車両の海側に座ろうか山側にしようか、ずいぶん迷いました。金沢駅出発時点で6号車の乗客はセンセイともう一人だけ。
自由に座席を選択できるのですが。センセイは通常、車窓に迫る日本海を堪能できる海側に座ります。ぼんやりと、ずーっと海を見ています。センセイのDNAの中の、かつて海洋生物だった記憶がそうさせるのでしょうか。
でも今回は事情があります。反対側、つまり山側の上り線を15年ぶりに復活した特急「白山」が走るのです。うまく行けば新潟県内でその姿を見ることができるかもしれない......。
写真はそのパンフレットですが、日本旅行が企画した団体旅行扱いなので、JR各駅での一般の販売はありません。もちろんすでに「ご好評につき完売いたしました!」((c)日本旅行)
「白山」は、北陸新幹線(長野新幹線)開業まで上野駅と北陸地方を信越線経由で結んでいた特急電車です。
富山や金沢の人にはとてもなじみ深い列車(のはず)。センセイも何回か乗りましたが、軽井沢−横川間の機関車を接続しての運行を実際に目にして、本当に驚かされました。
それが今回、JRから切り離されて第三セクター化されたしなの鉄道開業15周年と、そこで用いられていた旧国鉄急行型車両169系引退を記念して、走行可能な軽井沢−金沢間で運行することになったのです。
ただし当時の車両(489系)は現存していないため、新潟車両センター所属のK-2編成(旧国鉄色)での運行。詳細な運行情報は掲載されていませんが、お昼に軽井沢を出発して金沢には「18時頃」到着とのこと。
逆算すると、センセイが乗る「北越」と直江津駅付近ですれ違う可能性があるのです。いずれにせよ「撮り鉄」で凄いことになるんだろうなぁーと思っていたら、案の定、金沢駅のホームからすでに、ここにも、そこにも、あそこにも.....。
特急「北越」は定刻通りに金沢駅を出発。ところが、昨日午後に北陸本線上り線の松任駅付近で発生した停電──金沢駅はかなり混乱していた──の影響が広がり、下り列車も徐々に遅れ始めました。
おまけに新潟県内は強風で、ダイヤはグチャグチャ状態。で、肝心の直江津駅はというと、一般の乗客は僅かで、ほとんどは撮り鉄。でも肝心のK-2編成は見当たりません。センセイは自宅に1時間遅れて到着しました。
どうなったのか気になっていた──信越線は大雪だったし──のですが、今晩になってやっと鉄道ニュースにその様子が掲載されました。鉄道ファンの掲示板に掲載された情報からすると、どうやら17:45頃に金沢駅に到着したようです。今から考えてみると、途中ですれ違った列車が「白山」だったのかなぁー。
ま、個人的にはよく乗っている編成なので、いいんですけど。