2014年8月1日更新(2014年8月10日ページ移動。2017年3月13日一部写真削除)

──2014年7月第5週〜8月第1週のニュース──

バックナンバーはこちら

8月1日(金) 富山・石川県内の北陸新幹線を、試験車両が初めて走行しました

 正確に言うと、今回試験走行が開始されたのは、北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅以西の富山駅や金沢駅、そして白山総合車両所までの区間です。
 
長野駅ー黒部宇奈月温泉駅ではすでに、昨年12月から試験走行が行われています。

 午後3時過ぎに仕事に区切りをつけ、炎天下──金沢の今日の最高気温は34.7℃!! ──の中をアパートへ。荷物をまとめて路線バスで金沢駅へ向かいます。
 あまりの暑さにバスの乗客も、通りを歩く人もまばら。上空を民間のヘリコプターが通り過ぎます。

 ほぼ予定通りにホームへ登り、特急を待っていると、カメラを構えた鉄道ファンに気づきました。いつもより多い。最初は「夏休みに入ったから...」と思ったのです。実際その影響はあると思います。
 でも彼らの動きがいつもとちょっと違う。

 上空を通過するヘリコプターの音......あ"っ。映像取材のためのヘリだ。

 在来線に隣接し、工事中のためまだよく見えない新幹線駅舎を見ていると、赤いものがすぅーっと通り過ぎました。もう間違いありません。センセイが乗る特急も、ちょうど赤い物体を追いかける格好で金沢駅を出発。
 果たしてどうなるか......。

 センセイは下りの列車に乗っています。覆い被さるように写っているのは、上り本線の高架。
 本線と、車庫からの線路(写真中央)を立体で交差させるためのものです。

 その奥、真新しい高架橋の上で折り返し運転のために停止しているのは、JR東日本の試験車両、通称“East i”。
 赤色はその前面部(および側面部帯)の色。

 太平洋側ではJR東西の新幹線は直接繋がっておらず、西日本の検査車両を回送することはできません。
 そこで北陸新幹線では、東日本の検査車両を借り受けることにしたようです。

 特殊で高価な車両なので、“East i”がJR北海道の各路線を検測するなど、ごく普通に行われていることです。
 センセイが目撃した時は、折り返し運転を重ねて、金沢駅の各番線の線路の様子を計測していたようです。

 鉄道ファンを除けば、金沢駅や特急の車内で“East i”に気づいた人はいませんでした。でも地元の方の新幹線への関心はとても高く、富山や金沢では今日のトップニュースだったようです。
 そりゃそうだろうなぁ。

 個人的には、北陸新幹線にあまり興味はないのですが、新幹線/在来電化区間在来非電化区間用に3編成存在する“East i”には惹かれるものがあります。
 実物はものすごくカッコイイですよ。



7月31日(木) 残念ながら「夏休み」には間に合わなかった ──前期の講義が終了しました──

 気がつけば今日は31日。つまり晦日(つごもり:月末のこと)。明日からは8月です。

 センセイは明日から二つの出張を挟んでお盆休みに入ります。この間に大学、つまり金沢には一晩立ち寄るだけ。平たく言うと、明日から夏休み(仕事はしているのですが)。
 今学期(「前学期」)受け持っている4つの講義も、今日のお昼までにすべて終了しました。

 立場上会議その他が多すぎるため、受け持つ科目を減らさざるを得ません。減らした分は、他の先生に負担がかかっています。素直に、ゴメンなさい。
 しかしその分、少なくなった受け持ちの科目には気合を入れて臨んでいるつもり。

 気が重くなる会議──このところ連続しているのです──を終えてアパートへ戻る前に、工事現場反対側)へ。
 数日前にかなり大規模な工事をしていたのです。

 その時に確認したのですが、やはりここは左奥の書店駐車場その他を潰して、幅の広い道路にするようです。
 そろそろ完成したんじゃないかなぁーと思ったのです。月末なので。

 残念ながら、期待に反して現場は工事中のまま。

 でも新たに道路になる場所は、きれいに整地されています。素人目には、舗装工事その他を残すだけのように思われます。
 写真奥に見えるのは、背は少し低いものの入道雲。

 山が迫る金沢の南側では今日、局地的にかなり強い夕立があったようです。センセイや学生諸君が戻るのは、お盆休み明け。
 その頃には道路も整備され、ここに「アールドリーム」が存在したなんて絶対にわからなくなっているんだろうなぁ。

 更地は、有無を言わせず人々から記憶を消し去る力を持っています。



7月30日(水) 前学期最後の大学院講義で、改めて気づいたこと

 金沢工大では、昨日から前期(「前学期」)講義の最終回が始まっています。各科目16週目となるこの講義は、暫定的な評価(成績)をお互いに確認し合うのが主目的。
 センセイは午前に大学院の、午後に学部のクラスがあります。

 しかも他に割と大きな会議が二つ。だからお日様と競争しながら出勤します。

 大学院の講義を終えて、ふと、黒板に気づきました。ここは2年前に供用が開始された新講義棟一室
 室内の二酸化炭素濃度に応じて自動で適切に換気するというハイテク教室です。

 写真を撮影したのは昼休み。テストを終えた男子学生諸君がのんびりと、カードゲームに興じていました。
 右上の枠内は、黒板の左下隅を拡大(接写)したもの。

 教師が黒板に図形やグラフを描く時に便利なように、目安となる直線が引かれているのです。
 他の教室の黒板にも線は引かれています。

 ただしこの新講義棟は最新のものなので、単なる直線ではなく、目盛りまでが描かれています。
 おわかりになりますでしょうか。

 まぁ確かに、例えば2次、3次曲線のようなカーブを描くには便利な機能だと思います。センセイらが板書する時にもまっすぐに書くことができるし。

 でも普通、ここまでやるかなぁ。



7月29日(火) 産婦人科医院の建て替え?! ──地域ラジオ局「えふえむ・エヌ・ワン」が隣接地に新築移転──

 結論から言うと、違います。ただし、まったくの間違いというわけでもないのです。

 今日は午後の講義に続いてとてもヘビーな会議が開かれることになっていた──終わったのは夜8時だった──ので、とにかくお昼を食べてパワーをつけることにします。
 ここしばらく、さっぱりしたものばかりだったのです。

 ただし今日は時間がない。全然ない。というわけで午前中の講義を終えると、大学の裏門からそのままお弁当屋へ。学生アパートの角を曲がると......。
 あれ?!

 ご覧の通り、工事中。センセイのすぐ脇を通って、空のダンプカーがバックで現場に入り、土砂を運び出び始めました。
 始まったんだぁ......。

 ある会議の際に、関係する部長から新築工事をする、という話を聞いていたのです。中央奥のビルです。
 実はこの建物、元産婦人科医医院。

 たぶん少子化の影響なのでしょうが、センセイが金沢工大に赴任した時にはすでに廃業し、金沢工大の施設になっていました。
 3階と4階はたぶん入院患者の個室だったのでしょう。

 その元産婦人科医院に入ったのが、地域と金沢工大が連携して運営する、コミュニティ・FM局「えふえむ・エヌ・ワン」(FM-N1)。
 お察しの通り、“N1”は「野々市
(ののいち)」という意味でしょうね(確認してないけど)。

 曲がりなりにも公共放送局なので、局舎建設のために放送電波を停波──業界用語──させることはできません。そのため沈設するこの場所に建て替えるんだそうです。
 食堂従業員のために駐車場として使っていた場所です。

 センセイも「えふえむ・エヌ・ワン」何度か出演させていただいたのですが、局舎は、荷重がかかる柱の位置など、産婦人科医院だった時の基本構造をそのまま引き継いでいます。
 だから内部は摩訶
(まか)不思議な構造になっていました。

 新局舎はそのような制限がありません。出演するつもりはないけれど、どんな施設になるのか、興味津々(しんしん)です。



7月28日(月) 北陸・東北地方に梅雨明け宣言!! 合わせたかのように、アパートのエアコンは故障を宣言!!

 昨晩の天気予報によると、北陸地方はもう数日、曇りか雨のとのこと。

 でも今朝になるとそれが晴れマークに入れ替わっていました。だから、というわけではないのでしょうが、新潟地方気象台は北陸地方の梅雨明けを宣言。
 幸いにも、上空にやや冷たい空気が残っているためか、それほど暑いわけではありません。

 いよいよ夏本番。木々から伝わってくる生命力が、昨日までとちょっと違うような気がします。
 外へ出たついでに、大学構内のニュートンのりんごの木を訪れてみました。

 びっくりしたのがりんごの実の大きさ。本来は紅玉(こうぎょく)くらいのサイズなのです。でもここでは、富士くらいのものもあります。写真の2玉は小さい方。
 今年は花と実が少なかったので、その数少ない実に栄養が集中したのかもしれません。

 ヘビーないくつかの会議を何とか乗り切り、テストと課題の採点に区切りをつけて帰宅しました。
 ところが室内はムンムンしたまま。

 もっと暑くなるという予報だったので、帰宅1時間前くらいからエアコンが動作するように設定しておいたのです。
 アパートのエアコンは製造後19年も経過しています。3年前も、ちょうど同じ時期に故障してしまいました。

 1週間後に修理してもらったのですが、今度はリモコンが故障。それでもリセットボタンを使うと数回に1回は動作するので、騙しだまし使っていたのです。
 しかしどうやら、今回は電源部以外の本体の、しかも致命的な故障らしい。

 ......困った。



7月27日(日) 在来特急「はくたか」が走る北越急行線、意外にも北陸新幹線より格が上!?

 来春の開業を控えて、北陸新幹線の工事はほぼ最終段階を迎えようとしています。

 何度もお伝えしているように、センセイは金沢工大へ移籍してからの12年間、土木工事レールの敷設、そして最近では車両の搬入など、その様子を電車の車窓から、あるいは車を走らせながら見守ってきました。
 その中の一つに、あれっと思ったことがあります。

 気づいたのは去年の秋。日曜日の夜に各駅停車で金沢駅へ到着する際のこと。上りの北陸本線は、車両基地との関係で金沢駅手前(北東側)でかなり高い位置の高架を渡ります。
 その脇を走る北陸新幹線を見下ろすような格好になります。

 レールが敷設され、やがて架線が張られたのですが、その架線に関して気づいたことがあったのです。
 その時は上手く撮影できなかったので、先週車で金沢に来た時に高架橋を見上げながら撮影したのが写真。

 新幹線は電車ですから、架線とパンタグラフなどの集電装置を使って外部から電力を供給する必要があります。
 電力を渡す架線を「トロリ線」と言い、その下部に電車のパンタグラフが接します。

 写真は東に向かって撮影したのですが、下り線(東京方向)のトロリ線だけが見えており、上り線のものは高架橋の側壁の陰になって見えていません。
 でもトロリ線だけでは重さで垂れてしまうので、吊架
(ちょうか)線という線を渡して、「ハンガー線」という縦方向の線でトロリ線を吊るのが普通。

 要するに写真は、電車ではごく普通の架線なのです。

 専門的には「シンプル架線」(シンプルカテナリー吊架式)と呼ぶそうで、在来線での列車速度は100km/h程度とのこと。強度と張力をを高めたものだと130km/h位まで速度を上げることができるそうです。
 「それがどうした、当たり前だろ」というお叱りの言葉を頂きそうですが、もう少々お付き合いを。

 右の写真は自宅へ戻る時にJR信越本線犀潟(さいがた)駅当方で撮影したもの。同駅で信越本線と北越急行線が分岐します。

 写真ではわかりませんが、写真左側の外に信越本線下り線があり、一番奥に上り線があります。
 信越本線・北陸本線で新潟と金沢を結ぶ特急「北越」がちょうど、上り線を走行しています。

 信越本線上下線の間を、写真中央の北越急行線が走っており、ここから高架橋で信越線と分岐します。
 その架線をよぉーく見ると......少し違いますよね、北陸新幹線の架線と。

 吊架線とトロリ線の間にもう1本、線(「補助吊架線」)が入っています。

 パンタグラフによるトロリー線の押し上げ量を平均化するため、「コンパウンド架線」(コンパウンドカテナリー吊架式)という方式。
 これこそが新幹線用の架線なのです。(実際の新幹線では張力を増した「ヘビーコンパウンド架線」を使用。)

 北越急行線は、特急「はくたか」在来線では国内最高速の160km/hで走行しています。そのため線路や分岐などのメカニズム、そして架線もほぼ新幹線規格。
 すると、北陸新幹線はなぜ普通の架線なのか、という疑問が浮かびます。

 キーワードは「整備新幹線」。

 東海道、山陽新幹線、あるいは盛岡までの東北新幹線などと異なり、北陸新幹線は整備新幹線。資金の出所や求められる性能も異なるのです。
 たとえば最高速度は260km/h。

 東海道新幹線や東北新幹線と比べるとかなり見劣りします(実際にかなり遅く感じる)。建設費用を抑えるためにも通常の架線が採用されているようです。
 正直なところ、ちょっとがっかり。

 しかしその反面、電力に比較的余裕があるので、全席に電源コンセントが装備されるなどのメリットもあります。
 右の写真は何かって?

 先週、車を走らせていてたまたま越後線の電車(115系)に出くわしたので撮影したものです。
 トロリ線を直接吊す「直接吊架式」であることがわかります。(上の太い線は電力を伝える電力線。)

 路面電車などでは普通に見られる方式ですが、JRでの採用例はごく僅か。越後線は国鉄末期の財政難の時期に電化されたので、コストダウンのために採用されました。

 新潟県中越地震の際には上越新幹線、上越線、そして信越線が長期間不通になりました。そのため、首都圏との人の移動を可能にすべく、この越後線経由で新潟と長野を結ぶ臨時快速を走らせました。
 しかしこの直接吊架式では最高速度が85km/hに制限されます。

 信越本線を120km/hで走行できる485系特急電車が越後線をのんびりと走る姿は、何だかとても不思議な感じがしました。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る