2015年9月26日更新(2015年10月4日ページ移動。2018年1月6日一部写真削除)
■9月26日(土) 600名もの学生が集まっているのに、私語がない... ──オリエンテーションを行いました──
ある意味、センセイが一番楽しみにしている、そして最も怖い日がやって来ました。オリエンテーションです。
といっても金沢工大は昨日、後期(「後学期」)のオリエンテーションがあり、今日から一部科目の授業が始まりました。だからセンセイが説明を担当したのは普通の科目ではありません。
1年次学生が後学期に受講する放送大学科目のオリエンテーションです。立場上、4年前から約1,700名の学生を対象に、事務の助けをお借りしながら、センセイが一人で実施しています。
でも、ただ説明してもつまらない。そこで、中高一貫校での講演用に作成した『星の王子さま』──この書名は誤訳──のプレゼンテーションを、手を入れながら使い続けています。
学生諸君の反応が、実に興味深い。“Keynote”によるプレゼンを始めた途端、約600名の学生で一杯になったホールが静寂に包まれます。
授業を担当している先生方には、ちょっと信じてもらえないかもしれない。今日は3回同じ話をしたのですが、2組の私語があったのは2回目の時だけでした。彼らとは別に、寝ている男子学生が1人いましたが。
自宅への帰り道、何故だろうと考えていたのです。一つの理由は、今年はまだ授業が本格的に始まっていないからではないかと思うようになりました。今までは講義が始まり、それに慣れた後でオリエンテーションを実施したのです。
でも今年は曜日まわりの関係で、長い夏休みを挟んで昨日久しぶりに集まったばかり。気持ちは新鮮です。思い当たる節があるのです。最初に「1日の始まりだし、新学期の始まりでもあるので、きちんとご挨拶から」と言い、実際お互いに挨拶をしてから始めたのですが、とても反応が良い。
正確には、学部学科によって様子は少し違いますが。学生諸君は間違いなく、どこかで、しかし本心から「勉強したい!!」と希求(ききゅう)しているんですね。
■9月25日(金) センセイは今回、なぜ日本海側を北上したのか ──傷心の北海道鉄道旅行(3)──
お伝えしたように、今回の出張では日曜と月曜日の2日間かけて、日本海縦貫線を札幌まで北上しました。
新幹線だとなかなか車窓からの景色を楽しむことができないので、美しい日本海側を在来線で見てみたかったからなのですが、実はもう一つ、「土崎工場」の現在の様子を確かめたかったという理由も。
秋田駅を発車した特急「つがる」はグングンとスピードを上げます。各駅停車だと次の土崎駅までかなり時間がかかるのでのんびりしていたのですが、特急だとずいぶん印象が違います。
急いでカメラを用意。土崎駅の手前で右側(東側)に線路が分岐したかと思うと、すぐに広い「秋田総合車両センター」。やっぱり。
連写モードにしたカメラで構内を撮影します。特急「北越」や「いなほ」として使用されていた485系交直両用電車(3000番台)です。ここ土崎工場で解体作業中なのです。
とても遠くに置いてあるので、編成番号まではわかりませんでした。よく見ると、左奥には赤とクリーム色の車両が見えます。こちらは廃車になった国鉄色T-18編成の1〜5号車。
6号車は新津鉄道資料館で静態保存されています(工事中のため、現在は非公開)。この他にも、485系TおよびR編成の車両がかなりの数、留置されていました。僅かな時間でしたが、もう乗ることがないこれらの列車に別れを告げます。
センセイが土崎工場に来ることは、もうないだろうなぁ。
■9月24日(木) かの地で、思いがけない列車に出くわしました ──傷心の北海道鉄道旅行(2)──
もうお分かりと思いますが今回の北海道出張、個人的には鉄分補給の旅。しかも弔いの旅です。
その目的は達成されたのですが、実際に旅に出ると、程度はともかく必ず予想外の事態に陥ります。例えば帰路の昨日は、乗り換えの可否でかなりハラハラされたのです。
原因は新幹線の遅れ。お伝えしたように、昨日はごく短い時間で列車を乗り換える必要がありました。函館の乗り換え時間はわずか6分。その間にホーム上をかなり移動して昨日485系の写真を撮影しています。
次のポイントは大宮。こちらも接続が良く、12分待つだけで東北新幹線幹線から北陸新幹線に乗り換えることができます。新幹線はあまり遅れることがないので......と思っていたら、これが甘かった。盛岡駅に到着した「はやぶさ」が、なかなか発車しないのです。
ここで連結する秋田からの特急「こまち」が踏切の安全確認のために約10分遅れで走行しているというのです。大宮駅は上りと下りの新幹線ホームがかなり離れているので、12-10=2分での乗り換えはほぼ不可。困った。
「こまち」は確かに10分遅れで到着して「はやぶさ」と連結。ただし乗客の乗り降りに時間がかかり、盛岡を12分遅れで発車。このままなら完全にアウトです。
大宮で次の北陸新幹線に乗せてもらえるのですが、昨日は連休の最終日。空席なんてあるわけがない。しかしここが鉄道の面白いところ。列車が遅れている場合、「回復運転」と言って本来のスピード以上で走行し、文字通り遅れを「回復」してしまう場合があるのです。
今回は停車駅が少ない列車だったこともあって相当飛ばしたらしく、仙台駅には10分遅れで、そして大宮には7分遅れで到着しました。北陸新幹線「かがやき」が3分待ってくれたこともあって、センセイを含めた全員が無事に移乗。
実は往路も同じようなことがあったのです。連休で乗客が多いためかダイヤが全般的に乱れており、函館からの特急「スーパー北斗」は最終的に12分遅れで札幌到着。
到着番線も臨時に変更されました。その日は行程に余裕があったので、特に何とも思わずに札幌駅ホームに降り立ったのですが......何だか様子が変。緊張感が漂っています。
そういえば、札幌までの間に「撮り鉄」がかなりいたような。あ"。少し離れたホームに、夜行寝台特急「カシオペア」が。近くで見るのは初めてです。どうやら出発間際らしい。
列車先頭部へ急いで移動したところでちょうど発車時刻になりました。センセイにとって、北海道への夜行寝台特急といったら自宅前の線路を走っていた「トワイライトエクスプレス」か「日本海」。特に前者は、頭の中に「函館山を愛でながらのカニ」という図式ができあがっています。
「北斗星」まではまだ理解できるのです。実際8回乗車していますし。ただし、「カシオペア」はセンセイの眼中にはありませんでした。その理由の一つが「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」のA個室にあるシャワー室兼トイレ。「カシオペア」にはないはず......と思っていたら、個室トイレは全室装備とのこと。
上級の部屋にはシャワー室もあるらしい。う〜ん、乗っておくべきだったかも。
■9月23日(水:祝日) 12時間かけて、485系特急電車と江差線、津軽線に別れを告げる旅を終えました
西村センセイ、札幌での出張を終えて、夜7時に金沢へ到着しました。
正確には金沢駅で在来線に乗り換え、アパート最寄り駅の西金沢駅で7時半頃に下車。札幌からの特急は7時半に出発したので、乗り換え時間を含めて約12時間乗車していたことになります。
今回は乗り換え時間の少ない、非常に効率的な移動だったのです。ちなみに、今年の3月に廃止された夜行寝台特急「トワイライトエクスプレス」は、札幌─金沢間を約19時間で走っていましたから、時間だけなら新幹線を使って約7時間短縮されたことになります。
でも、個人的にはやっぱり夜行寝台特急の方がいいなぁ。実は今回の北海道行きは、センセイにとってはお別れの旅だったのです。「弔い」と言った方がいいかも知れません。
もちろん来年3月26日(こちらに写っている)の北海道新幹線開業に関係しています。新幹線開業後、青函トンネル内を走行する列車は新幹線と貨物列車に限られます。
在来線の旅客列車は運行されません。これに伴い、新青森・青森と函館を結んでいる特急「スーパー白鳥」(789系)および「白鳥」(485系)は廃止されます。
車両については、789系は道内の転属が決定しているので、これからも乗るチャンスはあると思います。しかし特急「北越」が廃止された現在、485系「白鳥」は特急としての最後の運用。新幹線開業後は間違いなく、廃車。
これはもう、行くしかない。路線について言えば、津軽線と江差線は特急が走らなくなるものの、在来規格の貨物列車を運行する必要があるので、廃止はあり得ません。
ただし、もう乗客として乗る機会はないんじゃないかと思います。今回、往路は789系に、帰路は485系に乗車しました。
写真は僅かな乗り換え時間に撮影した特急「白鳥」。疲れ切った車体でしたが、今となっては在来線では珍しい8両もの編成でした。
ちゃんと弔うためにはやはり、時間と、きちんとした作法を踏む必要があります。そのためにも、明日からの仕事がなければ、本当はもっと時間をかけて在来線で戻りたかったところです。
■9月22日(火:休日) 西村センセイ、約1,100名もが参加する「全国保育士養成セミナー」で働く
とういうわけで、北海道滞在中のセンセイは、今日が本番。
ちゃんとお伝えしていなかったと思いますが、この春、大学を通じて、一般社団法人全国保育士養成協議会の「全国保育士養成セミナー・研究会」で話をしてもらえないかという依頼があったのです。
正直なところ、その段階ではどのような団体からの、そしてどんな依頼なのか良く分かりませんでした。話を持って来た方は立場上、センセイに断られると困るので、「若い女性の前でお話しできるんですから...」。何か、違うよなぁ。
でも、まぁ、頼まれた仕事は断らない主義(+北海道へ行くことができる)ので、謹んでご依頼を引き受けました。
途中、センセイの病気によるトラブルなどもあったのですが、無事、今日の発表に漕ぎつけました。センセイの出番は「分科会」という午後からの会議だったので、午前中はサボっても良かったのです。
でもせっかくの機会なので、午前のシンポジウムに出席してみました。会場に入ってびっくりしたのがその広さ。用意された席の数を数えたらざっと1,200席。アナウンスによると約1,100名が参加しているそうです。
会場の後ろからだとステージが見えないので、途中に大きなスクリーンを二つ置いて、様子を投影しているほどです。西村センセイ、保育士養成とはあまりご縁がなかったのですが、報告を拝聴していると、センセイらの高等教育に非常に近いものがあります。
内容的にも興味深く聴かせていただきました。午後からは会場を移して、分科会。約60名の参加者を相手に、センセイを含めた3名――他の2名は保育関係者――が講演し、その後はグループに分かれて討議、そして発表。最後は全員で討議して、会を閉じました。
この間、相当活発な議論と質疑応答が行われています。大きく考えると同じ教育という枠で括ることができるのですが、監督官庁の相違に象徴されるように、保育は厚生的な要素が入ります。もちろん対象年齢層も異なります。
それでも人と人とが顔を突き合わせて話し合えば、得るもの、教えられるものがたくさんあります。明日は早朝に札幌を発ち、ごく普通のコースを利用して、夜、金沢へ着く予定です。
■9月21日(月:祝日) 札幌といえば、サッポロ・ビアガーデン!!
センセイは現在、仕事先での打ち合わせを終えて札幌市内のホテルに滞在戻ったところ。
青森から札幌までの列車の旅は基本的には順調。「基本的」というのは、連休中なので一部車両の自由席に乗客が押し寄せ、少なくない人が着席できなかったからです。
大半の方が札幌まで立ったままだったんじゃないかと思います。約6時間ですよ。センセイは歳なのでちゃんと指定席を確保しておきましたが、発車間際、3歳くらいの女の子を連れたお母さんが席を見つけられずに困っていたので、センセイの席を譲りました。
彼女の場合は函館まで。それでも約2時間かかりますから、子供には無理だったと思います。たいていは夜行列車の個室で抜けた北海道。寝台列車の場合、窓が片方だけに向いているので、眺めが固定されます。
そこで今日は、いろいろ考えて席を選択しました。だから初めての風景が多いし、知っている場所でも印象がかなり異なることに驚かされます。
北海道新幹線の工事も最終段階に近づいているようでした。列車に乗る時は、窓から差し込む太陽光線を考えて席を選ぶ必要があります。日差しを遮るためにカーテンを閉めなければならないかもしれないからです。
ただし函館―札幌間は、微妙。内浦湾(噴火湾)をぐるりと1周するような格好になるので、左右どちらからも太陽が差し込むし、沼ノ端からの千歳線は大きく方向を変えます。
今日は左側の席に座ったので西日を覚悟したのですが、どんどん雲が増えてきたと思ったら、雨に。とくに札幌付近は一時的にかなり降ったようです。駅前ではなぜか、銀座ライオンの「オータムビヤガーデン」が営業中。もちろんビールはサッポロ。
雨は止んでいたのですが、かなり寒いこともあって、お客さんはごく僅か。センセイはというと、美味しいビールをいただきたい気持ちも強いのですが、明日の仕事の最終調整が優先されます。
というわけで西村センセイ、明日は一生懸命働きます。
■9月20日(日) センセイはE653系特急電車を3回乗り継いで(?)、青森に到着しました
というわけでセンセイは、札幌へ向けて移動中。今晩は青森駅前に宿泊しています。
上越/北陸新幹線・東北新幹線を乗り継げば夕方までに札幌に到着することは可能。でも何だかつまらないので、今回、往路は日本海に沿って在来線(日本海縦貫線:信越本線・羽越線・奥羽本線)で北上することにしました。
余分な出費はもちろん自己負担です。このルートでも、今日中に無理せず函館まで行くことができます。翌日の移動を考えるとこちらの方がはるかに合理的。でも春に患った病気のおかげで、ホテルを予約し損ねてしまいました。
実は青森のホテルも、やっと空室を見つけました。計画を立てるに当たりネックにだったのが、羽越線の特急の少なさ。新潟発の特急「いなほ」の大半は酒田止まり。奥羽本線乗り換え駅の秋田まで行く列車は僅かなのです。
今朝は早起きをして、快速列車「おはよう信越」でまず長岡駅へ出て、上越新幹線で新潟駅へ急ぎます。
本当は昨晩新潟駅前に泊まれば、ゆっくりできたのです。でもこちらも空室がありませんでした。新潟からは初めて乗車するE653系7両編成の「いなほ1号」に乗車。連休初日なので、酒田まで自由席は満席でした。
沿線の前任校、笹川流れ、粟島、飛島などを眺めながら、正午過ぎに秋田到着。駅の外へは出ずに、お弁当とお土産だけ買って、ホームで次の「つがる5号」(写真)を待ちます。
青森から到着したのはE751系。(左奥はE6系秋田新幹線)このE751系交流特急電車は、E653系を交流専用に置き換えたような車両。3編成しか存在しない貴重な列車です。
実は今朝乗った「おはよう信越」も、特急「しらゆき」用のE653系なので、同じ列車に3回乗車したような気分になります。秋田には秋田新幹線が、青森(新青森)には東北新幹線が通じているので、かつての奥羽本線の栄華を想像することは難しくなっています。「つがる」も本来は6両編成だったのですが4両に短縮。
それでも乗車率は40%くらいでした。今回は意識して東側の席に座り、午後4時前に青森到着。新潟や金沢より気温が5℃ほど低いので、肌寒く感じます。改めて一般の家屋を見直すと、北海道に似た耐寒構造になっています。
日曜日だというのに、駅前や物産店などを除くと通りを歩く人はまばら。車も多くありません。道路も、降雪時に備えて幅が広く取られています。以前から感じていたことですが、やはり青森は違う。
ホテルに荷物を置き、食料を調達するためスーパーへ出かけたのですが、何と弁当や惣菜を販売していませんでした。そこで「デパ地下」へ。利用客の主体は上品なお婆様たち。
その数については、「まばら」と表現するのが適切。スーパーは午後6時半、デパートは7時閉店。駅前だというのに、シャッターを閉じたお店が目立ちます。
威勢だけが良い誰かが笛を吹いても、それについていくことができない現実がここに(も)存在します。