2016年1月2日更新(2016年1月10日ページ移動。2018年5月27日写真削除)
お正月なので、起きたまま見たままの話題を手短に。
昨日は予定通り、午後に実家へ移動し、母親とともに菩提寺へ。今年は93歳で亡くなった祖母の三十三回忌なので、お堂で確認します。堂内に対象となる故人の一覧が掲出されているのです。
現在はワープロ書きです...あれ?!一覧の最後に、お寺を訪れた人間なら誰でも閲覧できるこのような形での掲出は今回を最後にするとのこと。
個人情報保護のためで、総持寺──我が家は曹洞宗──から通達があったんだそうです。最初は「そこまで必要なのかなぁ」と思ったのですが、たとえ故人であっても例えば住んでいた集落などが記載されています。
場合によっては知られたくないことがあるかもしれない。一つ上のご住職に新年のご挨拶をして、その場所から最寄りのスーパーへ。店内はものすごい混雑です。
まず、座る時に足を曲げられなくなった母が専用の座布団を購入。たくさんのご馳走を買って実家へ戻り、あちこちを整理していると弟一家が到着したので、そのまま大宴会に突入。
今回は義理の妹としみじみとお話をしました。すっかり飲み過ぎてしまったので今朝はゆっくりと起床し、お雑煮を食べてから皆に別れを告げます。
大人数、しかも酒乱気味の2名を含む家族サービスなので、やはり疲れました。帰りは自分の買い物をするために昨日訪れたばかりのスーパーへ立ち寄ったのですが、店内はガラガラ。昨日の混雑がまるで嘘のようです。
もっとも午後はきっとお客さんが集まったんだろうと思いますが。でもまぁ、これで一区切り。明日からは仕事に戻ろうと思っています。皆様のお正月はいかがだったのでしょうか。
■1月1日(金:祝日) 歴史の証人 ──明けまして、おめでとうございます──
明けましておめでとうございます。
昨年はたいへんお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。
元旦の当地は予報ほど天気は崩れず、朝は雲の切れ間から初日を見ることができました。これから実家へ移動して、菩提寺に参り、また弟一家を迎えます。
写真は昨日撮影したもの。国道8号線(右、手前から奥)沿いの土地が2区画更地になり、売り出されていました。
奥には販売中であることを知らせる旗が立っています。ここ(手前)にはかつて、木造平屋建ての横山商店という食料品兼雑貨店がありました。田舎の、古いタイプのお店です。
約30年くらい前に奥の場所にも別棟を建設したのですが、その直後にお店は閉鎖されました。買い物の中心が地元小売店からスーパーへ移行し、されにそれが淘汰され始めた時代の出来事。
経営不振が原因なのか、お店の人に健康上の問題など何かが発生したのか。建物は放置され、最近は屋根が一部抜けるなど、悲惨な状態に置かれていました。
センセイの同級生など関係者が横山商店の名前を思い出したのは13年前。北朝鮮に拉致されていた高校時代の同級生、蓮池薫君が、北朝鮮での本人確認の際、このお店の名前を出したのです。実は蓮池君の実家は、国道を挟んだ真向かいにあります(公知の事実)。
その意味で横山商店は歴史の証人。ただしそれも、いつまでもそのまま存在し続けるわけではありません。生き物なら寿命があるし、そうでなかったとしても手入れその他が必要だったりします。
考えてみれば、われわれ一人ひとりも歴史の証人。しかも大きな地殻変動に立ち会っているらしい。目先のことに振り回されず、しかし細部に注意しながら、大きな視点で今年を乗り切りたいと思っています。
何しろ、残り時間が少なくなってきたので。
■12月31日(木) いろいろあったこの1年の終わりは、生真面目な、そして美味しいあのお店
「柏崎市ラーメン店の現在」シリーズ最終回。
西村センセイ、昨日と明日は実家で家族および親族サービス。つまり今日の大晦日は自宅に留まります。帰省している大学生の娘にお昼の希望を尋ねたら、「三宝(さんぽう)」のラーメンを食べたいとのこと。
なるほど、そう来たか。三宝はセンセイが柏崎にいる時によく行く旧「そばよし」(現「うれっ子」)から独立したお店。現「そばよし」と市内にあるもう1店、そして十日町市内にあるお店の兄弟店にあたります。
遠いので食べたことがない十日町「うれっ子」を除くと、オリジナルの味に一番近く、そして最も美味しいのは三宝。自宅から少し離れているので、久しぶりに入ります。お願いしたのは写真のラーメン。(620円)
「そばよし」の系統は醤油がベースですが、塩味もかなり入っています、スープは澄み切っています。
一口頂きましたが、やはり美味しい。コクがあります。麺が細いので、急いで食べる必要があります。すぐに伸びてしまうのです。味だけではありません。
キビキビとしたお店の雰囲気も良い。ご夫婦で経営していらっしゃるのですが、途中、新潟県中越沖地震で店舗兼自宅がかなり被災するなど、苦労が絶えなかったはず。
でもそんなことは微塵も感じさせません。ご夫婦ともに、とにかく実直、そして厳しい。味に、そしてご自身に。美味しさを可能にしているその厳しさ。
しかしそれが少しお客さんにプレッシャーになっている面も否定できません。味も雰囲気もです。とにかく美味しいのですが、真面目すぎるので何だか毎日通うわけにはいかない。その点、旧「そばよし」(現「うれっ子」)は毎日通ってしまう「何か」があります。
実際、センセイは高校生の時、事情は覚えていませんが1日に3回通ったことがあります。でも、今年の最後に一番美味しいラーメンを頂くことができました。いろいろな事情で食べたいものを食べられない人もいます。世の中、強い立場の人だけではないんです。
センセイだって入院したし。例えば入院中の講義を代講していただいたように、直接・間接的にいろいろな方に助けていただいて、おかげ様で何とか年を越すことができました。
皆様には感謝しております。来年もよろしくお願いいたします。良い年をお迎えください。
■12月30日(水) かと思うと、こちらのお店は一度も入らないうちに閉店していた
西村センセイ、金沢にいる時は現在、月に1回くらいしかラーメンを食べません。
忙しいし、大学食堂あるいは大学の近くに行きたいと思うお店が少ないし。本当の理由は、加齢で油っぽいものを食べられなくなっているからだろうと考えていますが。
でも金沢を離れると話は別。一昨々日の富山(黒部市)、昨日の柏崎市とラーメンの話題をご紹介したら、あるお店の「その後」が気になってきました。
このような場合、普通ならお昼にお店へ行ってみるのです。でも今日は、センセイが娘とともにお寿司を買って実家へ行き、実家で両親らと昼食を取ることにしています。
甥と姪が弟の自宅へ帰省しており、弟とともに実家へやって来るのです。そこで、娘の年賀状を投函するついでに、少し回り道をしてそのお店を尋ねてみました。
......やっぱり。(2階は別なお店)ここは「嵐」、「飛雄馬」、「のろし」そして「なおじ」と、この地域でそれなりに知られているお店が入ったのですが、なかなか長続きしない。
「のろし」は一度も入店しないうちに「なおじ」に替わってしまいました。北陸新幹線の開業に伴ってセンセイの行動パターンが変わったこともあり、久しくこの場所を通ることがありませんでした。嫌な予感がしていたのです。
そう言えば、車を走らせている時に新規にオープンしたお店を見かけました。年末年始は家族サービスで無理ですが、少し落ち着いたら探検してみようと思っています。
■12月29日(火) それでもどっこい、生きている ──ちょっと気になる中華料理店が移転していた──
昨日は所用を片付けるために朝から車を走らせ、あちこちへ。
多くの用は概ね予定通り済んだのですが、通い始めた──でも、イマイチ慣れない──理容院だけは予想外に混んでいました。このままではいつものラーメン店に間に合わない。
柏崎市では良く知られたお店だし、帰省客も増えつつあるので、早く行かないと入れなくなってしまうのです。しかし今回は散髪を優先。すっきりした髪で急いで「売れっ子」へ急ぐと、やはりもうやはり駐車場は一杯。もともとあまり余裕のない駐車場なのです。
待ってお店に入るという選択肢もあったのですが、別な場所を目指します。柏崎市役所の向かいにある雑居ビルの1階が空室(写真)になっていることに気づいたのです。数年前からここには「中華食堂 竜王」というお店が営業していました。
このお店を知ったのは地元紙の記事。関東圏でよく見かける「熱烈 中華食堂 日高屋」(運営はハイデイ日高)で修行を積んだご主人が独立。
奥さんの地元である当地でお店を開いたというのです。日高屋は低価格ではあるものの、そこそこの品質と調理のスピードが売り物。基本的に大外れはありません。
そのため、急いでいる時などセンセイも時々利用します。この竜王にはこれまでに2回入ったことがあると思います。やはり日高屋の味とスピード。
特別美味しいわけではない──申し訳ないけど「イマイチ」が正確か──のですが、価格を考えたら十分納得できます。似たコンセプトのお店に、当地にもお店を構える「幸楽苑」があります。こちらは福島県会津若松市にあったお店からスタート。
東日本を中心に店舗を展開しています。日高屋は定食類など中華一般を取り扱うのに対して、幸楽苑はほぼラーメン(+チャーハン)のみ。しかも現在、両社の勢いにはずいぶん差があります。
幸楽苑は味も経営もやや迷走気味なのです。竜王、柏崎にはなかったタイプのお店なので、ずっと気にはしていたのです。ただしいつも行くのは別なお店でしたが。
だから閉店かと思って調べてみると、おぉ、市内で移転したらしい。というわけで情報を元に昨日、旧店舗から約1km離れ、幹線道路沿いにある新しいお店に入ってみました。
中に入ってみると、見覚えのある店主が......2人?!見間違いではありません。どうやらご兄弟のようです。仕事が忙しい、つまりうまく行っているので呼び寄せたのでしょうか。
一番ベーシックな中華そば(490円)をお願いします。改めて店内を見渡すと、どうやら飲み屋だった店舗を改装したらしい。数隻のカウンターと小上がりが数席。
以前と違って、夜の営業がメインらしい。奥さん(?)が中華そばを運んでくださりました。写真など撮らずに頂きます。ごく普通のラーメン。そして予想通り、(申し訳ないのですが)ちょっとイマイチ。
麺は少し柔らかくなり始めているし、スープにも締まりがないし。ただし夜の営業、つまりお酒を飲んだ後のシメにラーメンを食べたい時などはこちらの方が良いのかもしれません。それにそもそも、センセイの感覚や考え方がいつも正しいなんて思っていません。
この味とお店を求めている人が少なからず存在するのです。竜王はそういったお客さんの心──と言うより「胃袋」か──をしっかり掴んだんだろうと思います。その意味では大成功。だからこれからもちゃんとやっていけるんじゃないかと思います。
ぜひぜひ奥様の地に根を下ろして、これからも頑張って欲しいものです。
■12月28日(月) これが、大都市圏以外の現実 ──久しぶりに柏崎市内を散策してみました──
何度かお伝えしているように、今年3月の北陸新幹線開業でセンセイの行動パターンが大きく変化しました。
振り返ってみるとやはりこれは、センセイに大きな影響を与えているように思えます。問題の本質は移動手段として何を利用するかではないのです。
個人的には、電車とBMW 318i(E46)のどっちも好きだし。ポイントは、行動パターンの変化つまり物理的な問題が、人間の思考に影響を及ぼしてしまうことなのです。
3月までセンセイは、金沢への移動に在来線の各駅停車を使っていました。駅間だけでも約4.5時間。ドア・ツゥー・ドアなら5.5時間かかります。物理的にはとても長い時間。
でも、意外に思われるかもしれませんが、それが毎週だとさほど苦痛ではなくなります。車中では落ち着いていろんなことができます。それだけではありません。窓の外、季節の変化を確かながら、慌ただしい生活で見逃しがちな、しかし大切なことを考えたり。
しかし北陸新幹線開業で、移動手段は車が中心になりました。3月までは、帰宅した土曜日から日曜日のお昼過ぎまではプライベート+家族サービスの時間。でも車で長距離を移動するとなると、話は別。加齢で視力や判断力、瞬発的な反応が低下しています。
安全のために、暗い時間帯の運転は避けたい。必然的に、日曜日の午前中──実際には交通量が少ない朝──に自宅を出発することになります。最近はかなり落ち着いてきた──だから野生の猿の姿に気づいたのかも──のですが、最初はけっこう大変でした。5月の発病は無理が祟っていたから、と言われても一概には否定できません。
「行動パターンが安定しないこと」が心身ともに負担だったんだと思います。
倖いなことに、それ以降は行動パターンも比較的安定し、少しずつですが余裕も出てきました。さらに来年度からは、非常に気を使わざるを得なかった学内の二つの仕事から解放されます。
またすでに、学会の事務作業からはひとまず外れています(残務は残っていますが)。というわけで昨日と今日は、雪が舞う中、久しぶりに柏崎市内の気になっていた場所を訪れてみました。その一つが写真の放置された民家。
扉に警告の文書が貼付されています。出雲崎の廃屋のように過疎地に存在しているのではありません。左側の構造物は信越本線の架線。
左奥に少し見えているのは柏崎駅。線路脇なので、数年前から電車で移動する際に気になっていたのですが、そのままになっていました。
正面はそれなりに見えますが、後ろ側は崩壊し始めています。ここ10年くらい、意識して日本各地をまわってきましたが、このような光景はごく普通のことになっています。
首都圏などの大都市以外で進行している現実。否、実は大都市ではこれ以上に問題は深刻化しているのですが、廃屋を解体するなどして表面的には見えなくなっている──というより、自分の目で見たくない──だけ。
いわば自分の中の、認めたくないダークサイド。寄贈していただいたある本を週末に読んだのですが、著者らはまさにこのダークサイドを指摘していました。学者らしく、その表現は抑えられたものでしたが。
しかし指導的な立場にある人を含めて、知性を否定する人たちにはまったく理解できないだろうと思います。ちなみにセンセイ、この廃屋を「醜い」と主張しているのではありません。朽ちていくものにはその歴史と物語──ラテン語では同じ“historia”──があります。
一種の美しさと尊厳。センセイが主張したいのは、それを丁寧に弔う一連の手続きが必要だということなのです。ただし、こんな拙い表現で、次の世代の人たちにどこまで分かってもらえるだろうか。
自身の無能さを思い知らされます。
■12月27日(日) 「彼」は、富山県魚津市、早月霊園脇の道路をゆったりと歩いていた
会議など、どうしても大学でしなければならない仕事は一昨日の金曜日の夕方に終了。
だからその気になれば、その日のうちに新潟の自宅へ戻ることも可能だったのです。でも季節は冬。雪が心配です。しかも道路が一番混雑する時間帯──おまけにクリスマスの夜!! ──に金沢市街地を走行することになります。
というわけで、安全を最優先して金曜は金沢にもう一泊し、翌朝、大学に立ち寄ってから車で新潟へ戻りました。9時過ぎに大学を出たのですが、土曜日だから道路はそんなに混雑していないし、早朝ではないので無理な追い越しなど暴走する車もいません。
このところ慌ただしい日が続いたので、ゆっくりと考える時間がなかったなぁ......。安全運転を心がけながら一般道で富山県内に入り、いつも通り富山西ICから北陸自動車道へ。交通量が多い富山市近辺のみ高速道路を使うようにしているのです。
そのまま高速に乗っていても良かったのです。でも滑川ICで降りることに。ご縁の最後が迫ってきたBMW 318iはやはり、走る、曲がる、止まるが楽しい。一般道を右折します。富山は北アルプスその他が日本海に接しており、高台(段丘面)と大きな川で削られた低地が続きます。
その境目は段丘崖(だんきゅうがい)と呼ばれる、要するに崖。前後に車はいなかったので、低速で発進します。この先は険しい段丘崖を下るため、加速しなくても坂の途中で制限速度を越えるくらいの速度になるのです。
ふとその時、「彼」の姿が目に入りました。周囲は高台(段丘面)になっており、南側に早月(はやつき)霊園があるのですが、「彼」はそこへ繋がる道路を悠然と歩いていました。日の光を受けた彼は、銀色に光り輝いています。
逆光だったためでしょう。「彼」は手を地面に置いて、つまり四つ足で歩いています。
野生の猿です。体躯(たいく)は小学校低学年の子供くらい。そしてたぶん雄。初めて見ました。
突然だったので撮影はできませんでしたが、あの凛々しい姿、たぶん一生忘れないだろうなぁ。11時半頃、「うなづき 五叉路」に至ったので、お昼を取ることに。年内最後の訪問です。このお店は何でも美味しい。
今日は「味噌煮込みラーメン」(830円)。ご覧のようにバターが乗っています。西村センセイ、加齢でふだんは油っぽいものや肉類は食べなくなっているのですが、やはり美味しい。
野菜とスープの甘さを味わいながら、いろいろあった今年を振り返ります。いろいろ反省しながら引き続き安全運転を心がけ、約5時間かけて自宅に戻った昨日のセンセイだったのです。
顔つきや身振りから、「彼」は中年だったんじゃないかなぁ。......おお、それってセンセイそのものじゃないかぁ。