2019年11月30日更新(2019年12月8日ページ移動)
■11月30日(土) 早稲田がそうなら、東工大は... ──東京工業大学のキャンパスでセンセイが感じたこと──
というわけで、土曜日ですがセンセイは立場上のご出勤。例によってそちらへのコメントはありません。
昨日、東京工業大学の最寄り駅「大岡山」に到着したのは正午前。乗り継ぎが良かったので、早めのご到着。駅前の「門前町」、つまり商店街で軽めの昼食を済ませました。交差点を渡り、東工大キャンパスへ。
主催者から頂戴した開場に関する案内は、誤りとは言えないまでもやや配慮が不足気味。結果的に、広い東工大のキャンパスをグルッと一周するような格好で、正門近くの会場に到着。
写真奥は本館。どうやら正午前後に午前最後の講義が終わるようで、校舎からどっと、沢山の学生が出てきました。もちろん楽しみにしていたお昼を頂くため。
職業柄、どうしても金沢工大その他の学生と表情を比較してしまいます。先日訪れた早稲田の学生がいかにも「大学生生活を謳歌(おうか)していますぅ」という感じだったのに対して、東工大は真面目。ひたすら真面目。
女子学生、そして中国を中心とした留学生を含めて、「私たち、勉強しています」という感じ。もちろん、早稲田の学生も学ぶ意欲に溢れているのです。でも、その表現方法がとても異なるのです。さて改めて、金沢工大の学生諸君はどうだろう...。
キャンパスに出入りしているのは学生だけではありません。地域の方も。もちろん留学生の家族など、関係者も多いのでしょうが、散歩はもちろん、ランニングやストレッチをしている方も。
写真の場所の近くには、勉学の場なので、騒音などに配慮して欲しい旨の掲示。金沢工大はどうだろう...。最近では大学食堂などで来客や、高齢者を中心とした地域の方の利用を見かけるようになりましたが、大学関係者を除けば、キャンパスを散策している姿を見たことはほとんどない。
よそ様の大学を見学して、我が身を振り返った昨日のセンセイなのでした。
■11月29日(金) 西村センセイ、語りかける ――東京工業大学で開かれたワークショップに参加しました――
今日は見たまま、というより起きたままのお話。
月曜日に引き続き、センセイは日帰りで都内へ出張しました。東京工業大学で開かれた関係する学会のワークショップに参加したのです。
写真はその冒頭の様子。ただし今回はお客さんではなく、会に参加するよう主催者から要請があったため、後半で登壇して報告を行いました。ワークショップは通常、個人あるいはグループで作業(「ワーク」)をします。
ただし今回は特別に講演や報告。もちろん全体討議を行いましたが。
往復ともに、月曜日と同じ新幹線。ただし今日は大井町でJRから東急線に乗り換えました。報告者が遅刻したらシャレにならないので、早めに到着しました。
今回は学会の中でも、センセイらの専門分野の会合。だから参加者の半分くらいは良く存じ上げている方。今回は専門家が対象なので前提部分はかなり省略し、聴衆の表情を見ながら、ほぼいきなり本題。それもあってか、アクセルはほぼ前回。ついつい熱く語りかけてしまいます。
アルコールは入っていないんだけどなぁ。ワークショップは明日まで。ただし明日は大学院の入学試験が実施されるので、プログラムを終えるとセンセイは大岡山駅へ。他の方はこれから懇親会。う〜ん、残念。
関係者の皆様、次回はぜひ懇親会までご一緒させてください。
■11月28日(木) ...いつ雪が降ってもおかしくない ──金沢は急に冷え込んでいます──
忙しい。まだ「師走」に入っていないのに...。
サボっているつもりはないのだけど、仕事は溜まる一方。未読のメールはついに1,000通を超えてしまいました。これって要するに、読んでいないのと同じこと。
困った...。金沢でのセンセイの行いも単純化されてしまい、講義か、会議か、疲れ果ててダウンしているか。キンエン生活もあって、昼食はごく簡単に済ませます。
行動範囲も教室か会議室か廊下。出勤するとキャンパスの外へは出ない。...オイオイ、学者様なのに研究はどこへ行った?
これではいけないと思ったのと、たまたま所用があったので、午後の講義の前にキャンパスの外へ少しだけ出てみました。雨が降っていなかったこともあります。
右側の校舎を出ると、造園業者の方が低い木の雪囲いの作業中。作業はここ1週間ほど続いており、高い木はすでに、北陸特有の円錐型をした「雪吊り」を終えています。紅葉はすでに終盤。葉が落ち尽くそうかという状況。加えて昨日からは猛烈な寒さ。
上空に寒気が入り込んでいるのです。いつ雪が舞っても不思議ではない。良く考えてみたら11月下旬。というか11月も、晦日(みそか/つごもり)。
そんなことすら忘れているセンセイなのでした。
■11月27日(水) ここではない場所... ──西村センセイ、早稲田大学の学生さんを見て考える──
もう1日だけ早稲田のお話を。なお、「考える」より「感じる」の方が、より適切な表現かも。
第一文学部に不合格になったからか、西村センセイは早稲田大学にあまりご縁がない。都内に3年間住んでいた時も早稲田は滅多に訪れませんでした。大学人になってからですら、数年に1回、学会等で訪れるだけ。
加齢で無理ができないのため、今回は余裕のある行程で移動しました。シンポジウムは13時開場だったのですが、30分ほど前にキャンパスに到着。お昼は途中で頂いているので、大熊講堂前で少し待たせてもらいました。
いろんな人が行き交います。もちろん大学生が主ですが、いかにも大学教授という感じのオフな格好の男性や、観光客、そして地域の方も。
学生の内訳はというと、日本人が多い──やはり区別がつく──のですが、アジア系を中心に留学生も多い。どうやら13時から午後の講義が始まるようで、学生諸君がこの坂を次々と登ってきて、講義棟へ消えていきます。通りがかりの西村センセイは、ぼんやりと人の流れを追っています。
...やっぱり、ご縁はなかったなぁ。慶應義塾大学と並んで「私学の雄」と呼ばれる早稲田大学。目にしたのは低学年が主だったようですが、学力は低くない。国際性もある。でもどこか、個人的にはご縁がなかった。
母校、国際基督教大学との決定的な違いです。背伸びしすぎず、かといって卑下(ひげ)もせず、次の自分に相応しい居場所やパートナーを自分の力で探す。男女を問わず、青年期に為すべきことはこれに尽きます。
もちろん、とても難しいし、唯一絶対の正解もない(たぶん)。で、センセイの場合、それはこの地ではなかった...。
なお、早稲田大学の教育内容やレベルがどうこうと言っているわけではありませんので、誤解なきよう。
■11月26日(火) 長野市内、颱風19号で甚大な被害を受けた地域ではひとまず、復旧工事が本格化していました
お伝えしたようにセンセイらは先週、採択された研究ブランディング事業の一環として、学内でセミナーを開催しました。
講師のお二人は東京から、そして北陸新幹線でお越しになりました。そこでこの機会に、雑談の中で「長野付近の、颱風19号による水害の現場はどうでしたか?」と尋ねました。お二人ともまったく気がつかなかった、とのこと。
そりゃそうでしょう。長野市付近の事情に詳しくなければ、北陸新幹線が洪水現場を、しかもそのど真ん中を走行しているなんて考えることは難しい。たとえ北陸新幹線水没という、あのショッキングな映像を見ていたとしても、です。
年度後半の大学は、学部および大学院の入学試験が毎週のように実施されます。センセイは入試部長。つまり入学試験の責任者。立場上、研究会などがあってもこの期間、なかなか金沢を離れることができませんでした。首都圏については、昨日が颱風19号後通過後、初めての出張となります。
センセイのことですから1ヶ月前に特急券を確保。しかし今回は敢えて、太陽光が射し込むものの、車両基地が見える右側2人掛けの席を予約しました。加えて、長野県内に入ってから、右側の乗降ドア前まで移動。座席の窓は相対的に低い位置にあり、ドアの窓の方が、より高い位置から外を見ることができるのです。
速達型の「かがやき」は飯山駅を通過。程なく、千曲川(新潟県に入ると「信濃川」)と交差します。おぉ...。今回の水害でおわかりになったかと思いますが、長野市付近は巨大な盆地。要するに、溜め池のようなもの。出口に当たる飯山市付近では、千曲川の川幅が急に狭くなっています。付近はかろうじて氾濫を免れたようですが、河川敷の様子から、想像を絶する水量が集中したことがわかります。
再びトンネルを抜けると、千曲川は右側から左側へ。ここから先が水害の被災地区です。すぐに被害現場だとわかったのですが、しばらくは写真を撮ることができませんでした。千曲川は建物の奥を、右から左へ流れています。
以前ご紹介しましたが、この辺は子供の頃、毎年秋になるとなぜか家族総出で「りんご狩り」に来ていた場所。しかし実ったりんごの実は、放置されたまま。商品価値がないのです。
他の商売を含めて、経済活動の気配は皆無。それが延々と続きます。写真は何とか撮影した1枚。良く見えませんが、中央を左右に幹線道路が走っています。左奥はホームセンターで、右側は衣料品店その他。建物そのものは何ともないようですが、アスファルト舗装されていると思われる右側の駐車場は、土に覆われたまま。
所々、土が盛り上げられています。ホームセンターはというと、なぜかドラム缶が整然と配置されています。こちらは土砂ではなく、店内で被災して廃棄するしかない商品その他を一時的に詰め、搬出するためのものではないかと思うのですが...。
外れているかもしれません。道路の手前には、住宅ないしは店舗が。屋根の上、道路側に看板がありますから、飲食店か何かだと思います。写真では良くわかりませんが、屋根のすぐ下まで汚れが...。
千曲川からの濁流が、この高さまで押し寄せたのです。呆気に取られているうちに、長野新幹線車両センターに差しかかっていました。慌てて右側へ移動し、かろうじて撮影したのが右の写真。右側の跨線橋は、報道機関が水没した新幹線の様子を伝えた場所。
センセイを乗せた北陸新幹線は現在、かつて数mの高さまで浸水した現場を走行しています。不思議な気分。写真の場所には被災当時、数編成の新幹線が水没していました。新幹線は気密性が高く、ドアを閉めた状態では水に浮かんでしまいます。そのため、一部車両が脱線。
脱線した車両は現在、ジャッキを使って、線路上に戻す作業が進められています。被災した新幹線についてはすでに、廃車が決定しています。脱線しなかった車両は解体のため、写真のように奥の線路まで移動されています。
写真左側を見ていただくとわかりますが、すでに連結が解かれています。帰路、真っ暗闇の中、左側の車窓から長野新幹線車両センターの様子を確かめました。ごく僅かに明かりが。ただしそれは全くの例外で、場内全体が暗闇に包まれています。
受電設備その他が浸水被災したので、電気を止めているのです。つまりセンターの機能回復より、被災新幹線の撤去が先。設備の再建は、新製車両の投入と歩調を合わせてということになるようです。その意味で、センセイの読みは合格点。だからといって、問題が解決したわけではない。
資金力に恵まれた、つまり「力」のある企業や個人の復旧は、ご覧のように進み始めているらしい。でも最初の写真、飲食店(?)には動きがない。他の中古車販売店や中古DVD販売店も、そしてりんご農家も同様。
何度もの大きな地震(例えばこちらやこちら)、そして水害──ホームページ開設以前の出来事なので、ここではご紹介していません──に襲われたセンセイには、彼ら彼女らの声なき声と苦悩が、ひしひしと伝わってくるのです。
■11月25日(月) 早稲田大学で開かれた高年次教養教育シンポジウムに参加しました
今日はタイトル通り、そして見たままのお話。
センセイは今日、日帰りで早稲田大学を訪問しました。9月上旬の慶応義塾大学訪問以来、久しぶりの出張です。目的は、高年次教養教育に関するシンポジウムへの参加。写真は最後の、総合討論での一場面です。
ここでの「高年次教養教育」 とは、大学3、4年生や大学院での教養教育のこと。まだ定着した言葉ではなく、今日の発表者の間でも「後期教養教育」とか「高度教養教育」という表現も用いられていました。
大学の「教養教育」といえば、一般的には入学直後の1年生や2年生が対象。しかし現在、オランダを中心として、イギリスそしてドイツなどでは研究大学を中心としたヨーロッパで、学部後半から大学院での教養教育の必要性が強く認識されるようになっているんだそうです。
でもこの話題、実は、日本の大学が第二次世界大戦後に経験したこと。その意味で、日本の高等教育の経験と挫折、そして再生は、世界の先進事例だったんですね。
会場に到着してみると、発表者を含めてあちこちに見知った顔。この企画を提案されたのは早稲田大学のY先生(写真左)。実は6月に金沢で開かれた学会で、センセイが主催者の一員としてお世話したセッションの座長です。
発表者は大阪大学、東京大学、そして岡山大学の先生。(発表順かつ左から並び順)絹川正吉国際基督教大学元学長とご挨拶することもできました。お目にかかったのは、1年半ぶり。90歳か91歳になられたはずですが、本当にお元気。
肝心の内容はというと、知り合いの多寡(たか:多い/少ない)にはまったく無関係。非常に興味深い内容で、個人的にも現在直面している問題について、解決の糸口となる可能性となるものでした。
このところでたらめに忙しいのですが、参加した甲斐が。ところで、母校の国際基督教大学はリベラルアーツ(教養教育)に力を注いでいることで有名。でもそれだけでなく、理学部に相当する理学科では、学部高年次の、専門科目を学んだ後で「科学史」と「科学哲学」を必修科目として受講と単位修得を義務付けていました。(現在の状況は不明)
こらはまさに高年次教養教育。「温故知新」ならぬ、「新しきを温(たず)ねて古き(ものの良さ)を識る」というわけです。
それだけではありません。センセイらが金沢工大で担当している大学院の研究倫理科目はもちろん、学部3年生の倫理科目も、今回の考え方に照らし合わせれば、立派な高年次教養教育。
センセイは最近、意気消沈気味だったのですが、そう考えたら急に元気になってきました。そしてもう一つ。久しぶりの東京出張ということは、颱風19号通過後初めて北陸新幹線に乗車した、ということです。実際、このページは帰路、長野駅付近から更新できると思います。
つまり...。
■11月24日(日) 「銭形 寺地店」は「暫くの間、臨時休業」。「らぁめん 古潭」は店舗解体後、更地に...
ある意味、昨日および先日ご紹介した話題の続き。実は、センセイの行動範囲内で、飲食店がいくつか閉店してしまったのです。
右の写真は、先々週帰宅した際に撮影したもの。糸魚川市内、国道8号線で姫川を渡ったところにある「銭形寺島店」で、変化に気づきました。まず営業していない。
ただしこのお店、しばしばイレギュラーに休業するのです。ふだんから、糸魚川市から姫川沿いに延び、長野県大町市や松本市へ繋がる国道148号線脇に「銭形大野店」があり、そちらは営業しているのでご利用くださいという、やや不思議な看板が掲げられています。
でも今日はちょっと違う。玄関脇には「弊社諸事情により、暫くの間、臨時休業とさせていただきます。・・・店主 営業開始予定=12月中旬頃」とあります。記されている内容については、理解できないではない。
でも、それだったらなぜ、看板を消しているんだろう...。このお店は、ボリュームのあるトンカツやエビフライで割と知られたお店。入ってみたいと思っていたのですが、加齢で油っぽいものを食べられなくなったセンセイが、このお店を訪れる日は来るんだろうか。
アレで「かつや」とのご縁は切れてしまったし...。ちなみに、同じ看板を使った「柏崎店」も同じ国道8号線沿いに存在します。センセイは食が細いので入ったことはありませんが、下の弟一家は割と利用するようです。
右の写真は今朝、金沢へ移動する際に撮影したもの。時刻は8時半過ぎなのですが、冬で太陽高度が低いため、影が長く伸びています。目に飛び込むのは、真新しい「売物件」の看板。
その先には、雑草の類が存在しません。明らかに、更地になったばかり。JR信越本線上下浜駅前、かつ国道8号線沿いの好立地であるここにはかつて、ラーメン店がありました。でも、なぜか流行らずにひとまず閉店。その後、3年半前に「らぁめん 古潭(こたん)」がオープン。
旧巻町(現新潟市西蒲区)に存在した有名な「古潭」──こちらも現在は閉店とのこと──は無関係のお店です。センセイは両店とも1回ずつ入ったことがあるのですが、ご縁はそれきり。「古潭」の店主が「美味しいだろう?」と同意を求めてきたのですが...申し訳ない。
ここは信号機が連続する場所。右手奥には学校があり、中央奥にあるコンクリート二階建ての建物は、以前ご紹介した「なべや」。こちらは相変わらず繁盛しています。ただしその後、センセイは入っていませんが。
潟町駅前の「しげはら」閉店とあわせて、なぜか閉店が続いています。全くの偶然なのか、たとえば不景気と人口減少が続く地方で進行している問題が顕在化しつつあるなど、少しでも関連や必然性があるのか...。
現時点では、何とも申し上げられません。