2025年3月8日更新(2025年3月16日ページ移動)
■3月8日(土) 最後の最後は、血税でどうにか... ──本格的な「春」に向けた準備が進んでいます──
もちろん暦の上ではすでに春。ここでは「新年度に向けて...」程度の意味。
予報より悪い方に傾いたものの、それでも当地は久しぶりにまあまあの天気。仕事に一区切りついたこともあり、お昼に旧市街地中心部を含めて歩いてみました。このところの悪天候で運動量が足りず、身体が鈍(なま)っているし。
荒れてはいないものの、気温は低い。タイトル通り、今日気づいたのは本格的な春あるいは新年度に向けた人間の活動。例えば市役所近くにある、市の南北を結ぶ跨線橋の冬囲いが取り外されていました。構造上、冬季はどうしても風雪が入り込むのです。
写真は、旧市街地中心部で撮影したもの。なぜか前方の歩道に大型トラックが乗り入れているのです。何だろうと思って見ていると、ご覧のように大型の部材を建物の中に運び入れています。ここは「柏崎ショッピングモール フォンジェ」の前。
旧市街地を再活性化するために1998年、鳴り物入りでオープンした施設です。
されどお察しの通り、最初はともかく利用客はどんどん減少し、それに対応してテナントも次々と撤退。店舗の核となっていたスーパーも、一昨年秋に閉店してしまいました。
旧市街地の買い物難民については先日お伝えしたように、現在は移動販売等で対応。時間的な順番が前後しますが、お客は少なくお店もなくなるのですから当然、採算は取れません。開店からわずか3年後、「フォンジェ」は民事再生法の適用(≒倒産)に。
そしてこちらも容易に想像できるよう、誰も責任を取らない。問題は、その後の対応。純然たる民間企業だったらそのまま破綻ですが、困ったことに「フォンジェ」を運営する「柏崎ショッピングモール」は第三セクター。
撤退したゲームセンターの後に入ったのは、市の高齢者用健康施設「コツコツ貯筋体操センター」と関連施設。他にも「フォンジェ」には公的機関がいくつか入っています。要するに、「(広い意味での)税金で何とかしましょう」ということ。注目すべきは館内にある児童遊戯施設「キッズマジック」。
「フォンジェ」オープンとともに営業を始めました。これまでは有料だったのですが、市は「キッズマジック」を市営化することに。館内の空きスペースを活用して規模を大幅に拡大し、4月に再オープンする予定。今回はそのための什器(じゅうき)備品を搬入しているのです。
このような物品は本来、業務用搬入口から持ち込むべきもの。地下1階にある搬入口との関係と、物品のサイズの問題があるのでしょうが、その場合は通常、人通りの少ない営業時間外に搬入します。穿(うが)った見方をすれば、お客が多数行き交うはずの昼間に堂々と正面玄関から入れることができる(!!)ほど、利用客および歩行者が少ない。
ま、いいんですけど。誤解されると困るのですが、センセイは決して児童および高齢者用の施設に意義がないと主張しているのではありません。センセイも子供だった時がある──物質的には、これほど恵まれていなかった──し、現在は高齢者の仲間入り。
高齢者の最優先課題は体調管理で、実家向かいの従姉も「コツコツ貯筋体操センター」を利用。ただし仮にそのような個人的事情がなかったとしても、子供の健全な成長と高齢者の健康や介護そして福祉は、可能な限り優先すべき。
問題は、「フォンジェ」の件がなければコスト面を含めて、もっと合理的な方法で同等あるいはそれ以上の機能を達成できただろうということです。言い換えると、不適切な判断のために、これから先、多くの人が不必要だったはずの支出を延々と強(し)いられることに。
現時点での市および第三セクターの論理は簡単で、「良くしようと、みんなで頑張ったんだから...」。なお、旧市街地再活性化の議論と当時の判断を過度に責めるつもりはありません。誰だって誤ることはあります(センセイなんて、そのオンパレード)。肝心なのは、誤りだと気づいてからの情報収集と判断、行動。
傷は浅いうちに治した方が軽く済む。このままだと明らかに負け戦だとわかってからも、誰もそれを口に出せなかった第二次世界大戦末期と同じような状況に陥りそう...。
この件に関して、柏崎市民が迎えようとしているのは生命の息吹に溢れた春なのか、その陰に潜む冬なのか。ただし意外に思われるかもしれませんが、事情を十分理解した上で実は、「ま、いっかー」と、見なかったことにすることも可能。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」──ほぼ死語か──もまた、一面の真実なので。
■3月7日(金) あの低い鳴き声がしなくなったので、みんな寒い国へ帰ったのかと思ったら、案外...
...まだハクチョウがかなり池に残っていたという、見たままのお話。
今日は金曜日。
センセイにとっては家族サービスの日なので、お昼に実家へ。ただし、いつもより少し早く自宅を発って寄り道をすることに。実は一週間くらい前にハクチョウの群を見て以来、「グワーッ」というあの鳴き声をまったく聞かなくなったのです。
本当に、ピタッと耳にしなくなりました。また一羽の姿も見かけていません。所用があって車で出かけた時も、餌場──概ね決まっている──にその姿はありませんでした。みんな寒い国へ帰ってしまったのでしょうか。そこで実家へ行く前に、以前ご紹介した「長峰大池」を訪れてみることに。
途中、あちこち注意していたのですが、やはりハクチョウの姿はなし。ところが現地に到着すると、ご覧の通り。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
30羽くらいがまだ池に滞在中。周囲を飛んでいるハクチョウはいません。緊張感はなく、本当に「休んでいる」という感じ。センセイが到着した時は無観客だったのです。
そこに、女性が運転する小型車がやってきました。どうやら誰でも使える餌の置き場があるらしく、慣れた手つきでそこから餌を取り出すと、ひとまずビニール袋へ。ハクチョウやカモは学習しているようで、彼女の様子を見てザワザワと岸の方へ集まってきます。
すぐに給餌(きゅうじ)をするのかなぁと思ったら、ちょっと違う。どうやら本当の目的は餌をネタにして、ハクチョウをスマートフォンで撮影することらしい。センセイだって同族ですから、偉そうなことは言いません。
現在、ハクチョウを含めて野生動物への給餌を避けるのが標準になりつつありますが、ここではまだOKだし。思わせぶりな行動でハクチョウを引きつけ、そこで餌を...というわけでもなく、彼女はあっちへブラブラ、こっちへブラブラという感じ。
他方、ハクチョウの方もあまり飢えていないようで、鳴いて餌を催促するようなことはありませんでした。右の写真では良くわかりませんが、この時は大降りではないものの横殴りの雪。また連絡済の実家到着時刻が迫ってきたため、ここで撮影終了。
栄養と休息と取ったハクチョウは間もなく北へ向かい、「長峰大池」もふだんの静かな姿に戻るのでしょう。帰路、ハクチョウがねぐらにしていた別な池──ご紹介していない──の前を通ったのですが、こちらにも姿はなし。
行きつ戻りつしつつも、季節は確実に進んでいます。なお、今回はハクチョウの飛行を想定して「松」望遠レンズを持参。ただしご覧のように、実際には割と近距離で撮影しています(35mm換算約110mm)。見返した最初は「狙い通り、手前のハクチョウやカモがボケているなぁ」と思ったのです。
でも良く見ると、狙ったはずの中央のハクチョウがボケている。(女性の顔も無加工)優秀な「松」望遠レンズ、どこに焦点が合っているかというと、後ろの枯れ草。これがいわゆる「後ピン」。
センセイの実力なんて、この程度です。トホホ。
■3月6日(木) 頭では理解できるけれど、目の前の現実の「重さ」をなかなか受け止められない...
お伝えし損ねていた話題。
先日、雪が舞う中を歩いていたら、国道(写真左側)沿いの駐車場に置かれたホイールローダーに気づきました。塀の陰になっていたため良く見えなかったのです。通り過ぎようとして...何だか違和感。
少し後戻りして良く見ると、おぉ。ご覧のように左後ろの大きなゴム製タイヤが激しく変形してしまっています。ものすごい迫力です。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
個人的にはここまで大きなタイヤを相手にしたことはありません。チューブありなのかチューブレスなのかも不明。バーストなのか、あるいはそれ以外の理由による変形なのかも。
でも基本的には自転車やバイク、自動車と同じ構造だろうと推測されます。総重量が何百トンもある大型旅客機を支えるタイヤですら稀にパンクすることがあるのですから、重機や大型トラックのタイヤが変形しても何ら不思議ではありません。
頭ではわかるのです。でも実物を目の当たりにすると、現実の「重さ」を素直に受け入れることができない...。
個人的には、早くから講義に静止画や動画、CGなどの視聴覚教材、あるいは演示実験などを取り入れて、「わかりやすい講義」をめざしてきたつもり。(「研究室から」3日目)
評判は悪くなかった(と思う/思いたい)。でも常々、「わかったつもりになる(だけ)の授業」に陥っているのではないか、という懸念を抱いていました。
もちろん学習者の立場に立てば、そのような一種の疑似体験を積み重ねることによって初めて、「もしかすると今日学んだコレって、アレと...」と、自身の他の知識や経験との連鎖を獲得したり、従来とは異なった視点を持つことができるようになります。
これが学習者の内在す的な「能力」の顕在化。まさに「教育」が持つ二つの側面、つまり「古い世代が次世代に知識や経験を伝える」という意味と並ぶ、「学習者の潜在的能力を引き出す」という重要な面そのものなので、決して無意味だとは考えていません。
されどドカンと存在する、文字通りヘビーなこの現実の前では、ちょっと自信喪失気味...。まぁ、前に進むしかないのですが。
■3月5日(水) あそこのお店が、また... ──西村センセイ、連続して自動車に轢かれそうになる──
予定を変更して昨日に引き続き、センセイが出くわした災厄(さいやく)について。
今日の当地は雨。されどお昼前に1時間ほど止む見込みだったため徒歩で外出しました。センセイは国道沿いにあるドラッグを目指して進行方向左側の歩道を歩いており、信号機のある交差点(こちら。進行方向も同じ)を渡ろうとしていたのです。
こちら側の信号はもちろん青で、センセイが歩いていたのは横断歩道。写真は雪が積もってるため判然としませんが、交差点近くの国道には右折専用のレーンが設置されています。交差点に差し掛かった時点で、対向方向からの車が2台、すでにレーンで待機。
ただし対向車(=センセイと同じ進行方向)が続いていたので、まだ発進できない状態。それを確認して横断歩道を渡りかけた時、え"っ...。
右折レーンの先頭の軽自動車が突然発進して、交差点に進入してきたのです。よくある右折車両と直進車両(特にバイク)との衝突パターン。ドライバーは70歳代の女性。明らかに前方、つまり対向車「しか」見ていない。
だから逆に、センセイはこの車の動きに注意していたのです。もちろん、即座に退きました。(ただしこちらは歩行者なので、たいしたことはできない)
車を発進させる前──この段階で十分注意する必要がある──はともかく実際に右折させ始めれば当然、歩行者に気がつくはず...と考えたのですが彼女は、いつになってもこちらを認識しません。さすがに、マズい。
30年くらい前のこと。高速道路上でハイドロプレーニング現象により自損事故を起こした時もそうでしたが、危険を察知した瞬間、脳みそが信じ難いスピードで活動し始め、一連の出来事をまるでスローモーションを観ているかのように観察、記録。
衝突寸前、高齢女性はやっとセンセイを認識。ぽかんとした表情。
普通ならここで急ブレーキ...と思ったのが甘かった。まったっく減速しない──ただし高齢者ということもあってか、さほどスピードは出ていなかった──まま、ヨロヨロと進路を内側に変えてセンセイのすぐ目の前を通過。
すれ違う瞬間、彼女は微(かす)かに頭を傾けました。正直なところ、詫びる(それを求めているわけではない)以前に、その瞬間は何が起きかけていたのかすら十分に把握できていなかったのでしょう。助手席には80歳くらいの黒っぽい眼鏡を掛けた男性高齢者。
もちろんご主人と思われます。彼は前を向いたまま、まったく無表情。センセイを無視しているのではなく、何も気づいていないないのです。でも、まぁ、これで...と思ったセンセイが甘かった。僅かに進み始めたところ、何と、今度は後続の大型SUVが曲がってきたのです。
こちらは40歳代の男性。
もちろん対向車の切れ目から右折したい気持ちはわかる。でも、まず交差点周囲の状況を確認すべきだし、何より先に曲がった軽自動車の動きに注意するはず。
進路を妙に変えているのですから。ただし偉そうなことを言っていても、もはやセンセイに選択肢はほとんど残されていません。黒っぽいSUV──ただしこちらもそんなにスピードは出ていない──はすぐ目の前、それも真正面に迫っているので。
修羅場をいくつもくぐってきたけど、さすがにここまで厳しい状況は初めて。「恐怖で身動きできなかった...」ということはなかったのです。でもセンセイはスーパーマンではありません。もう何をしても絶対に間に合わないのです。万事休す。
この間、センセイはずっとドライバーの顔を見ていました。表情は不変。今度こそ急ブレーキを予想(/期待)したのですが、それはなし(スピードは不変)。そしてヨロヨロと進路を外側に変えて、センセイの右側を通過。表情は相変わらず。
たぶん彼は、状況を十分に理解できないまま、かろうじて人身事故の危機を回避したはず。どうやら今回、内側か外側かなど僅かな違いを除けば、高齢女性と働き盛りの男性──性差を強調する意図はない──は非常に似た認識と、それに基づいた判断、行動を選択しているように思われます。
つまり程度や様態はともかく、誰でも同じように振る舞う傾向が。で、写真は外出の途中で撮影したもの。以前、時々アヤシイお店として使用され、ここ半年くらいは空き店舗になっていた建物が、今月10日(月)の開店に向けて準備に入っていたのです。
経営者は以前のお店とまったく別。ただしビジネス内容は同種らしい。言い換えると、こちらについても売買する人間の習性はあまり変わらないらしい。
ところで、今日の衝突未遂事件で最も恐怖を覚えたのはどなたでしょう。
正解はおそらく、国道と交差する道で赤信号で待っていた車のドライバー。数台が並んでいたのですが、少なくとも先頭車両のドライバーは、(前を見ていれば)成り行きのすべてを猛烈な恐怖感とともに目撃することを強いられたはず。
心中、お察しいたします。センセイはというと意外に冷静で、「あ"、もしかすると、約2tあるSUVにこのまま...」。
信用するかどうかはご自由です。
■3月4日(火) 「こちらはNTTです。この電話はあと2時間で使えなくなります。オペレーターとの...」
予定を変更してお伝えします。内容は、お察しの通り。
今日の午後は書斎でちょっと気を使う物理的な作業。区切りがついたので机の前から離れていた時、不意に電話のベルが。まぁ電話は普通、心の準備ができていない時に鳴動(めいどう)するものですが。
それはともかく、さて、どっちだろう...。実は、書斎に2台の電話があるのです。このサイトのトップページに写っているのが初代。現在は2台とも写真の機種に交替しています。右側の白い方が私用で、この番号にかかると家中の電話が鳴ります。
左側は仕事用。(FAX兼用)こちらの回線の電話機はこの1台だけ。学生募集他の仕事を担当していた前任校時代、連絡手段が電話とFAX中心だった名残です。当時は帰宅すると、FAXから校正用の長〜い原稿──ロール紙なので──がぶら下がっているのが日常の光景。
ちなみに返信は通常、手書き原稿ではなくMacと接続したFAXモデムで電子的に送信していました。インターネットでデータそのものを送受信できるようになった現在、当時の様子を正確に思い出すことが難しくなっています。
2台の電話、それぞれの電話番号は相手に応じてお伝えしています。当時は合理的な方法だったのですが、現在はマイナス面が目立つように。
FAXや仕事用の電話の必要性が減じても、なかなかそちらの回線を廃止できないのです。西村センセイ、一昨年の退職を機会に「年賀状じまい」を大胆に実施。ただし、なぜかこの副回線については踏ん切りがつかず、今に至っています。
電話はともかくFAXなんて、去年の冬に義理の叔母宛に送信したきりなのに...。ちなみに、システム的には独立した「2回線」を引いているのではなく主回線に副回線を上乗せしており、費用は月300円。微妙な金額です。
で、電話の呼び出し音。良く聴くと違いがあるのですが、鳴動した瞬間は今日のように一瞬、区別がつかないのが普通。電話機に近づくと、やはり仕事用。受話器を取ると、2秒くらいのやや長い間があって「こちらはNTTです」。
え"っ?!記憶に間違いがなければ、当地を管轄する「NTT東日本」ではなかったはず。続いて、録音済の淡々とした女性の音声で「この電話はあと2時間で使えなくなります。オペレーターとの通話を希望される方は...」。
ここで受話器を置きました。もちろん特殊詐欺の電話なので。こう書くと、センセイが冷静に対応したかのように思われるかもしれません。実際、「この電話はあと2時間...」のあたりで詐欺を確信しました。されどそれまでは、え"っ、何っ?!
実は先週末、母親が話していたことが。首都圏に住む孫(センセイにとっては姪)から曾孫(ひまご)の様子を伝える電話があったそうなのですが、その最後は「おばあちゃんも気をつけてね」。彼女の知り合いが特殊詐欺に遭い、相当な被害を受けたとのこと。
正直なところ今日の電話を受けるまでのセンセイは、「まさか、自分が...」。何だか、すっかり自信がなくなってしまいました。
トホホ。
■3月3日(月) 今朝の当地は冬景色に逆戻り。でも旧市街地では、「季節」がずいぶん進んでいました
もちろん、後半の「季節」は自然そのものではありません。
タイトルにある通り、目を覚ますと外は再び雪景色。それも、3月に入ったというのにかなりしっかり降っています。積雪は最終的に10cmくらいで、予報よりも多い。午前中は書斎でお仕事。(後日、ご紹介できるかも)
でもやはり、お昼は運動を兼ねて外へ。
ただしその前に自宅前進入路を除雪します。春の雪なので水っぽく、とても重い。頑張って20分ほどで終わらせ、ドラッグストア経由でスーパーへ。
この頃になると雪は弱くなり、やがて止みました。足元には雪が積もっていますが、それでも傘を差さなくて済むので、少なくとも気分的には歩きやすくなります。今日は珍しく、駅まで足を伸ばしました。
用件を済ませれば、基本的には戻るだけ。最短経路で帰ろうかと考えていたのですが、天気がある程度回復してきたこともあり、久しぶりに駅前から旧市街地中心部を通って帰宅することにします。
最初に気づいたのは、人の動きがいつもより少しだけ活発だということ。まず目についたのが、若いビジネスマンたち。こちらはそれぞれご事情があるでしょうから、これ以上のことはわかりません。続いて気づいたのが男子高校生の動き。
平日の正午過ぎなので、下校にはまだ早いと思うのですが...。
駅前にある郵便局を過ぎた時、道路の反対側の「変化」に気づいて撮影したのが1枚目の写真。2軒の飲食店が並んでいます。右側は昨年「鶏の唐揚げ定食」を頂いた「ラーメンハウス アスター」。
ただし今日の主役は、左隣の「田辺食堂」。古くからあるお店で、地元では割と良く知られたお店。センセイも何十年か前、1回だけ入ったことがあります。「アスター」開店まではこの地域の数少ない飲食店だったのですが、2ヶ月くらい前から臨時休業。
だから気になっていたのです。おそらく高齢のご主人のご都合によるものだろうと推測していたのですが...。詳しいことはわからないものの無事、再開に漕ぎ着けることができたようです。
開店を待っていた方も多いようで、今日はお客さんがかなり入っていました。旧市街地「東/西本町」は駅前通から右左折します。センセイは右折して東本町に入ったところ、再び男子高校生のグループ。表情と声が、いやに晴れやか。
テンションが高過ぎるなぁ...と思ったら、あ"っ。
道路の反対側を、女子生徒3名を先頭にして15名くらいの高校生が歩いてきます。女子高校生の1名は、艶(あで)やかな袴姿。人通りが少なく、しかもくすんだ色ばかりの東本町で際立っています。
高校の卒業式が催されたのです。私服ですからセンセイの母校、柏崎高等学校の卒業生に違いありません。ただし遠景ならともかく、本人の承諾を得ずに個人を特定できるような写真を撮影することはできません。
そこで後ろ姿を撮ろうと思っていたら、え"っ?!不意に右折。あっけに取られていると、全員が2、3枚目の「市民プラザ」に入っていきました。卒業式後、ここで開かれる何かの行事に参加するようです。
(小学校を除いて)センセイの時は謝恩会なんてなかった。また女子生徒が3名だけというのも不思議。考えられるのはクラス──たとえば理系クラス──での集まりとか、あるいはもっと小さなクラブ単位の集会とか。
いずれにせよ公式行事ではないのかと思われます。帰宅後に調べたところ、母校の卒業式はやはり今日。
細かく見ると季節は行きつ戻りつしていますが、それでも大きな流れは不変。先日、菩提寺から実家に「彼岸会」の案内が送られてきたので、高齢の両親に代わって出席する旨の返信をしました。
完全に一致するわけではありませんが、人間の方も「季節」が進んでいます。それにしても「田辺食堂」さん、無事に再開できて何より。
■3月2日(日) これで、あと20年使えるかな... ──惑星の動きを説明する教材の補修を終えました──
予定を変更して昨日の続き、つまり自製教材の補修のお話を。
厚紙その他を貼り重ねた部品「惑星」は、重しを置いて一晩そのままにしたら糊が効いてしっかり硬くなりました。1枚目の写真は不要部分を切り取ったもの。厚すぎて普通の鋏では切れないので、キッチン用の丈夫な鋏を使いました。
この状態で、すでに使用可能。
ただしこのままだと汚れや水に弱そうなので、お昼に外出した際、100円ショップに立ち寄ってラミネートフィルムを購入。部品の両面に貼り付け、器具を用いて上から強く擦ります。
色画用紙の側は綺麗に接着できました。ただし裏面、つまり昔からの厚紙の方は表面が劣化していたため、しっかりと貼ることは不可能。でも、まぁ、こちらは一種の儀式のようなものなので、先へ進みます。
はみ出たフィルムを鋏で切り落として、「惑星」完成。教材の組み立てに入ったのですが、ここで問題発生。「惑星」の厚さが厚紙1枚から、厚紙3枚+色画用紙+ラミネートフィルムと4倍くらい厚くなっているため、部品を繋ぐボルト(ネジ)の長さが足りないのです。
この点は想定済。そもそも38年前にこの教材を製作した時も、厚紙1枚の設定に合わせてボルトを購入しているのです。下手に余分が出ると何かに引っかけたり...と、事故の原因になる可能性があったため。
ただし今回、教材全体の厚さが最終的にどれだけになるかは昨日製作した「惑星」の厚さ次第。
というわけで今日、仮組みして必要な長さを割り出して再度外出。近くのホームセンターでボルトを購入しようというのです。ただし適当なものがあるかどうかは別。
結論からすると、長め──つまり余分がかなり出る──ではあるものの、使用可能なボルト2種類を170円で購入しました。念のためボルトの現物も持参したのですが、ネジの寸法や規格などはちゃんと覚えていました。旧JIS規格のものも流通しているので、十分注意する必要があるのです。
ボルトの長さに余裕があるので、部材間の滑りを考えて手持ちのワッシャーを多数使用。また、ネジが緩むと最終的にはボルトが脱落してしまいます。そこで2カ所にスプリングワッシャー(ばね座金)を挿入しました。(ただし今回、緩みを完全に防ぐことは不可能)
最終的に組み立てた状態が右の写真。今回、ご説明のために少し書き込んでみました。古い「天動説」──「地動説」も等価です。説明を元に、ご自分で考えてみてください──の立場では、宇宙の中心は青い地球。
その周りを黄色の太陽(内側。1年(=地球の公転周期)で1周)と赤い火星(外側。約1.88年(=火星の公転周期)で一周)が回っています。ただし火星は単純に回転しているのではなく、まず割と大きく(=火星の公転軌道半径)、相対的にゆっくり(1.88年=火星の公転周期)回転する一つ目の「導円」(“deferent”(タイプミスではない)=火星の公転運動)上の、二つ目の円の上にあります。
確かに、ちょっとややこしい(と感じられる)。「周転円」(“epicycle”)と呼ばれる二つ目の円(=地球の公転軌道半径)は相対的に小さく、「外惑星」(当時の表現は「上位惑星」)は必ず1年で1回転(=地球の公転運動)。(ただし「内惑星」(水星および金星。当時の表現は太陽より下という意味の「下位惑星」)では「導円」および「周転円」の関係が反転)
教材に戻りましょう。写真は、右から太陽─地球─火星の順で並び始めている状態。この時、火星は必ず深夜に南の空にあります。二つ目の「周転円」の回転が速いので、地球から見ると火星が少し後戻りして見える期間が。
これが「チ。」で繰り返し取り上げられる「逆行」(“retrograde”)。太陽─地球─火星の順で並ぶ「衝(しょう)」(“opposition”)の前後、火星は地球に近いので星空でひときわ大きく、しかも「赤く」輝きます。実際の色は不変なのですが、人間の視覚細胞の関係で、星が暗い時には色を感じにくいためです。
そのため赤く輝く火星は古代から戦争、あるいは不吉の象徴と考えられがち、なお、写真は強調していますが、惑星が実際に戻る幅(角度)は僅かです。
惑星が赤径(せきけい/せっけい)上で一時的に静止、つまり止まっているように見える「留(りゅう)」(“stationary”)を挟んで、それ以外の期間は多少の速度変化を伴いながらも東へ単調に進みます。これが「順行」(“prograde”)。
このような現象を説明するための教材なのですが...実は、致命的な欠点が。構造上の制約から、肝心要の「戻る」状態を表現できないのです(ほぼ写真の状態が限度)。設計時からわかっていたのですが、逆行を実現しようとするとかなり複雑な構造に。しかも強度の問題が発生します。
正直なところ、製作当時は修士論文の提出期限が迫っていたし。その後、何度か新規に製作し直そうと考えたこともあるのですが、そのまま現在に至っています。その最大の理由はおそらく、「最後の詰めの甘さ」がセンセイの特徴だから。
それはともかく、例えば「約1,900年前に『天動説』を完成させたプトレマイオスが実は、その約1,450年後に発見される『ケプラーの第二法則』(面積速度の法則)をほぼ完全に近似していた(!!)など、学ぶ意欲がある方には興味を持っていただけそうな内容がてんこ盛り。(のつもり)
専門は天文学史ですが、もちろんそれ以外の話題も。もし関心をお持ちいただけたら4月以降に、ぜひ。
今回、補修に要した費用は390円(税込)。これで今後20年くらいは使えると思います...が、すでにお伝えした通り、講義を担当できるのはあと3年。それにそもそも、いつまでセンセイが物理的に存在できるかどうか不明。
でも、ま、ここは為すべきことを為すしかありません。