2025年2月29日更新(2025年3月9日ページ移動)
■3月1日(土) 38年前に敬意を表して ──西村センセイ、100円ショップで色画用紙を買う──
今日から3月。
先月初めに前任校で実施した集中講義では、事前準備への取りかかりの遅さが目立ちました。だから...と直結するわけではないのですが、新年度は早めに準備することに。もともと10年以上前から「何とかしなくちゃ...」と考えていたことがあるのです。
センセイは長年、書き込み式の教材を印刷して配布。今年度、かなり手間をかけてそれを提示資料──縮小版を配布する──に変換。こちらについては大半の作業を終えているので、今後は部分的な修正で対応できます。講義では映画やクイズ番組などの視聴覚教材も多用しますが、これらはそのまま使用可能。
今年度、一部を制作し直したし。センセイの講義は文字や画像、動画で説明するだけではありません。歴史上大きな役割を果たした実験を教室内で再現することも。例えばカーテンレールとゴルフボールを使えば、ガリレオの有名な「斜面の実験」の出来上がり。(「研究室から」4日目)
教室内の雰囲気が一変します。
他にも難しい話をわかりやすくするために、手作りのもの(写真はその一例)を含めた教材を用いて演示したり。でも、その一部が経年劣化しているのです。
写真は教材の一例ですが、さて、何を表しているのでしょう?これは、最近コミックおよびアニメ「チ。―地球の運動について―」で再注目されている(正しい)「地動説」と、(誤った)「天動説」の関係を説明するためのもの。
一般的には、どちらが正しいのか問う必要すらないと受け止められています。(「チ。」もそう解釈している)改めて教材に注目すると、基本的にはDIYショップ(ホームセンター)で購入した材料で作った平行四辺形。良く見ると、向かい合う頂点の一つが細いヒゴで結ばれています。
お察しかと思いますが右側の青い円が地球で、手前の黄色は太陽。(今回、オレンジ色に変えようか迷った)赤色の円──太陽および地球より少し小さい──は火星。ただし本来の位置(左端)にありません。昨夏の集中講義で使用した際、外れてしまったのです。円はただの厚紙なので当然、傷みます。
そもそもこれは、修士論文の一環として38年前(!!)の冬に製作したもの。これを用いて「青い地球から見た赤い火星の複雑な運動」(「順行」および「逆行」)を説明しようというのです。
「なるほどね」とか「そりゃそうかもしれないけど...」とお感じになったあなた。ここから先の展開は、おそらく貴方/貴女の予想を裏切るはず。(かつての受講生を除く)
もちろん黄色い太陽を中心にしても、「地球から見た火星の動き」(「地動説」)を説明することが可能。ところが右端の青い地球を基準に考えると、別な世界(「天動説」)が見えてきます。赤い紙および円が置かれている辺を最初の円の半径と考え、そこから先の折れ曲がった部分を第二の円の半径とする。
実は、これで火星の複雑な運動を完璧に説明できるのです。数学のセンスをお持ちの方はお気づきになっているでしょうが、地球から見た火星の動きは「地球の公転運動+火星の公転運動」。簡略化すると二つの円運動を重ねたものでしかなく、まったく等価。
数理天文学的には、どちらも「正しい」(!!)のです。根本的には太陽(「地動説」)/と地球(「天動説」)どちらを基準に表現するかという問題(「研究室から」4日目参照)。「多義図形」あるいは「ルビンの図形」と呼ばれているものに似ています。
ちなみに、日本語のいわゆる「天動説」および「地動説」はどちらも誤訳です。どうでしょう、目からウロコが...ま、これだけの説明なら無理でしょうから、ご希望の方は来年度、聴講生あるいはモグリで講義にご参加を。
センセイの講義のハイライトの一つ──他にもいくつもの仕掛けがある──なのですが、さすがに約40年が経過するとマジックインクは褪色し、あちこちが傷んできます。
そこで今回、少なくとも厚紙の部分を作り直すことに。有色アクリル板などでの新造も考えたのですが、最低でも2,000円弱掛かります(非常勤なので自腹)。しかもセンセイの講義は長くても、あと3年間。
もっと大切なことが。29歳のセンセイは事前に準備した上で、この教材を一晩で製作しています。数年後の機器改造などもそうですが今と違って、この頃のセンセイは才気と行動力に溢れていた。そんな約40年前のセンセイに経緯を表して補修しつつも、傷んだ部品をそのまま使用することに。
今日は天気が良かったので、ちょっと離れた100円ショップへ。改めて使えそうな素材を探したのですが、やはり補修で対応することにします。購入したのは色画用紙。まず傷んだ「惑星」──中世までは太陽も「惑星」扱い──の裏に厚紙を糊付け。
さらに色画用紙を貼ります。糊が乾いた後にこれを綺麗に切断すれば出来上がり...と期待しているのですが、今日はその手前で止めます。原紙が傷んでいるので、現時点ではしっかりとした糊付けを最優先。3枚の「惑星」の上に重しを置きます。
たまたま前任校の卒業アルバムを用いましたが、特別な意味はありません。明日中に作業を完了させたいと思っているのですが、当然のことながら色紙の方が鮮やかなので表面にはそちらを使用。色褪せた古い方は、「人知れず裏から支える」という形で裏面に配置したいと考えています。
山のような失敗を含めて、過去が現在のセンセイや貴方/貴女を形づくっているので。ご迷惑をおかけした当時の関係者にお詫びの気持ちをを込めて、です。
■2月28日(金) 本当に見えてるのかは、わからない ──旧市街地での移動販売に出くわしました──
雪が融け切る前にお伝えせねば...と、少し焦っていたお話。実際、この場所にもう雪はありません。
写真は先日、旧市街地中心部で撮影したもの。(一部加工)
所用で右奥から左手前に歩いて来た時、母校の入口に当たるこの場所で写真の移動販売車に出くわしたのです。経緯を要約すると、写真の左側にあった旧市街地唯一のスーパーが一昨年の秋に撤退。
お察しの通り、スーパー閉店の影響を最も強く受けるのは高齢者を中心とした旧市街地の住民。社会的弱者と表現することもできるでしょう。そこで市が音頭を取り、この場所で移動販売を開始。冬季(2枚目の写真)はスーパーが入っていたビル内駐車場で販売する時もあります。どうなるかずっと注意していたのです。(明日の)センセイ自身の問題なので。
移動販売開始直後にここを訪れる人はあまり多くありませんでした。しかも人の動きが不安定で、一部業者は程なく撤退。
旧市街地の「買い物難民」がどこで食料を調達しているかというと、移動手段のある人は頑張って郊外のスーパーへ。もちろん以前からこれがメインだったのです。
だからこそ旧市街地のお店が撤退に追い込まれたのですから。高齢者夫婦、あるいは老女が単身で軽自動車を何とか(!!)運転して...というパターン。ごく一部の方はタクシーで訪れます。
予想外だったのは、ほぼ同時期に市が開始したオンデマンド(乗り合い型)バス「あいくる」の利用者が非常に少ないこと。スマートフォンだけでなく電話でも申込みできるのですが...。
やはり高齢者には敷居が高過ぎるらしい。次に多いのが雨の日も風の日もリュックを背負って徒歩でという形。高齢者用の歩行器(「手押し車」)を押してゆっくりと歩いてくる方もいらっしゃいます。
こうなると天気の悪い日は無理。どうしていらっしゃるんだろう...。写真の旧市街地に戻ると、業者や営業日の変遷はあったものの現在の移動販売は割と安定しているようで、週の後半に地元スーパーが運営する写真のとくし丸と郊外の食料品店が交互に開店。
少なくとも前者は以前から市内で活動(2枚目の写真)していました。スーパー撤退後約1年半が経過し、落ち着くべきところに落ち着いたということなのでしょう。見方を変えるとスーパーの撤退判断が適切だった──むしろ遅すぎた──ということ。ただし今回の観察と考察には致命的な欠点が。
おわかりでしょうか?見えているものしか観ていないのです。
身内の経験からすると現在、人生の最後の最後は病院あるいは高齢者用の福祉施設で迎える方が大半。ごく稀にご自宅で最後を迎えることができる方もいらっしゃいますが。いずれにせよ、こうなると誰かの助けを借りるしかありません。
問題はその一歩手前。歩行器を押して何とか食料を調達している方がどのような暮らしをしていらっしゃるのか、見えていないのです。間もなく95歳になるセンセイの父親がこの範疇に入るのですが、彼の妻つまりセンセイの母親はある程度元気だし、買い物や銀行その他の世話はセンセイが看ています。
彼からそれらを不意に取り去ったら...。偉そうなことを言っていても、センセイにはまだまだ見えていないんだろうなぁ...。
■2月27日(木) 北の国が恋しくて声が高くなる? ──当地で越冬したハクチョウは北帰行の準備中──
当地の雨がやっと止みました。
まだ風は吹いていたのですがいくつかの用を片付けるべく、お昼に旧市街地を含めてグルッと1周。。スーパーを出て農道を歩いていると突然、得も言われぬ違和感が。割と大きな生き物の気配です。
後ろを振り返りましたが何も存在せず。まだ寒く風が吹いていたのでセンセイは防寒具のフードを被っていました。そのためかと思ってフードを外したその時、「クァーッ」。即座に、鳥の鳴き声であることを理解。でもハクチョウ(コハクチョウ)にしては高く、細い。
一瞬、カラスかと思ったほど。
慌てて頭を上げると、上空の非常に高いところを50羽弱のハクチョウの群れが綺麗な“V”字型(こんな感じ。ただしこちらはカモの群)を作って編隊飛行中。
実に見事だったのですが、持参していた「梅」望遠レンズだと撮影までにいくつかのステップを踏む必要があり、間に合わず。仮に間に合ったとしても非常に大きな編隊だったので、「梅」の広角端約29mmでは入りきらなかったかも。やはり即応可能なコンパクトデジカメおよび広角との併用が必要なようです。
それはともかくハクチョウは餌場への飛行ではなく、どうやら北帰行の練習中らしい。それならば...というわけで鞄の中から「梅」セットを取り出し、神出鬼没(?)のハクチョウの群に備えました。程なく鳴き声とともに現れたのが約10羽の2グループ。
写真はその中の一つ。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960)は原寸切り出しです。実際にカメラを構えて撮影しようとすると、これが本当に難しい。まず1回ではカメラの視界の中に入らないのが普通。収めることができたとしても激しく動いているのでピントが合わず、シャッターを押せない。(拒絶される)
そもそも「何を撮りたいのか」そのものが問われています。広角で群れ全体を押さえたいのか、一羽(あるいはその周囲)の表情を捉えたいのか。要するに、技量のなさを白状しているようなものなのですが...。加えて、どうしても高い位置を見上げるような格好になります。
だから被写体の影の側ばかりを撮影することに。じゃぁ、と、すぐ近くの割と高いビルの屋上駐車場まで歩いたのですが、今度は待てど暮らせど──実際はそんなに滞在していない──ハクチョウがやって来ない。目立った成果を挙げられないまま、ひとまず帰宅。
秋から冬のハクチョウの鳴き声は「グワーッ」と、驚くほど低い。楽器ならチェロのイメージ。でも今日の大編隊の泣き声は予想外に高かった。こちらを楽器に当てはめるとビオラ。春になると嬉しくて鳴き声が高くなるのかなぁなどと考えてみたのですが、まさかねぇ。
生殖器官ならともかく、発声器官が季節で大きく変化する可能性は極めて低いので。調べてみると鳴き声の高低は種類の違いによるものらしい。イメージと相違しますが大型のオオハクチョウが高いビオラで、一回り小型のコハクチョウがチェロということのようです。知らなかった...。
それにしても、最初に遭遇したオオハクチョウの大編隊のリーダーは、本当に嬉しそうに鳴いていたのです。報道によると、本州に渡ってきたハクチョウの一部はすでにシベリアに向けて飛び立ちつつあるとのこと。今日の「大編隊」は風上の西南西へ向かって飛行していたのですが、もしかするとそのまま北へ転向したのかも。
他方、写真の練習中の編隊はまだ落第点でしょう。それでも「春に向けて何かしたいっ!!」という意欲がしっかり伝わってきます。偉そうなことを言っていても、DNAのかなりの部分は共通なんでしょうねぇ。
「三寒四温」──これは春の天気の特徴──を繰り返しながら、季節は着実に進んでいます。
■2月26日(水) 当然存在すべきものが...ない ──積もった雪が突きつけてくる、不都合な現実──
昨日とは打って変わり、今日の当地は大荒れの天気。
例によってお昼前に外出したのですが、写真は1枚も撮影できませんでした。というわけで写真は、先日スーパーからの帰りに写したもの。この日は雪が吹き付けたかと思えば、ご覧のように青空が見える時も。
さて、何かお気づきでしょうか...。ヒントは、タイトルにある通り「普通なら存在するはずのものが、ない」。
ご覧になっている時間を利用して、少々解説(?)を。ここは時々通る道。道は細く、しかも曲がっているので幹線道路ではありません。
柏崎市中心部と南東地域を結ぶ、現在の国道252号線に相当する旧道です。つまり割と古くから存在する小さな集落を核にして、その周囲に新興住宅地が広がっている場所。沿道の住宅の築年数はバラバラですが、築約10年から40年くらいがメイン。
海岸沿いですからあまり雪は降らず、積もった雪は約20cm。重機で除雪済です。センセイは奥から歩いてきたのですが、途中、あることに気づきました。さらに進むと数軒先で、おぉ、同じことが(以上は写真には入っていない)。そして写真中央付近に来た時、またまた同一の事象が。
しかも、その先の斜向かいでも。縮小しているのでわかりにくいと思いますが、左側のお宅に人が入った気配がないのです。玄関前は除雪されておらず、足跡もありません。右手前のお宅も同様。
位置の関係で写っているのはカーポートだけ(その奥は別なお宅)ですが、積もった雪がそのまま残されています。つまり小さな集落(+新興住宅地)なのに、空き家あるいは少なくとも入院その他等の理由により長期不在のお宅が何軒も存在するのです。その比率は20〜30%くらいに達するはず。びっくりしました。
もちろん、そもそも世代は交替するもの。このような事象が起きることそのものは当然なのです。加えて、都合/不都合はそれだけで存在するものではなく、必ず何かの目的に対する適否で語られるもの。つまり基準を明確にする必要があります。
そこでここでは、「その地域を維持できるか」という観点から考えることに。正直なところ、ここは便の良い場所なので住民は入れ替わりつつも、地域はそれなりに維持できるでしょう。でもそれは「こんなに恵まれた場所だから...」という面が。つまりこの背後に、何倍もの「維持できなくなる」地域が存在するはず。
実家近辺を含めてです。以前もお伝えしました(こちら、こちらやこちら)が、積もった雪は地方で急速に進行する残酷な現実──実は都市部の方が深刻──を突きつけています。
でも、ま、これが事実。
■2月25日(火) まるで「JRに乗らないで...」と言われているような... ──改正『時刻表』、発売──
予定を変更して、季節の話題を。
...といっても、毎年恒例のJRダイヤ改正に関してです。3月15日(土)からの新ダイヤを掲載した『時刻表』(写真上)は明日26日発売予定。でも、もしかするとと考えて書店を訪れると、おぉ、すでに平積み。((c)JTBパブリッシング)
さっそく購入して「読み」始めました。何回かご紹介していますが、辞書と『時刻表』は読む物。対照的に、参考書は調べる物なのです。
1年前(写真下)は北陸新幹線の延伸に伴い、金沢以西の鉄道交通体系が一新されました。経済、文化的に深く結び付いた関西─北陸間の移動に大きな影響が。ただし今回、大きな変更はありません。
また改正内容については昨年末その概要が公表されていいるので、驚くような発見もありません。ただし細かく読んでいくと違いも。まずは鉄道旅行あるいは観光に関して。お伝えしたように特急「あずさ」の南小谷駅乗り入れが終了します。
今回初めて知ったのですが、「あずさ」に乗車すべく糸魚川から白馬まで各駅停車に乗ろうとしても、接続する南小谷─白馬間の列車は何と、土日のみ(!!)の運転。
もしかすると、もう南小谷以南の大糸線に乗ることはないかも。次はお仕事に関して。来年度前半は金沢工大大学院を、そしてこちらは年度を通して、前任校で先日集中講義を実施したばかりの学部講義を担当します。
安全を考えて、できれば電車で移動したい。(特に後者)金沢への移動については、細かい変更こそあるものの基本的には従来と同一。そして新幹線と高速道路をあまり好まないというセンセイの感覚も相変わらず。
ただし今までと違うことが、一つだけ。現役時代を含めて大学院の講義はずっと水曜1限だったのです。でも移動のことを考えて新年度からは火曜の午後にして頂きました。つまり金沢移動後に、大人数の講義を実施。
準備は大変──初日は一番列車に乗る必要がある──ですが、翌日は移動だけなので全体の負担はかなり減るはず。他方、前任校は木曜2限。便利だった朝の特急「しらゆき」が今回の「改正」で廃止(正確には夜へ移動した)。代わりに設定された快速列車は長岡止まりなので、センセイには無意味。(ただし新幹線に乗り換えて上京する方には便利かつ安くなる)
適当な列車があれば長岡─新潟間は上越新幹線にしてもいいのです。でも見事なまでに、ない。ないものは乗りようがない。というわけで、毎週木曜日は早起きをして7時台前半の列車に乗るしかありません。
帰路は、もっと悲惨。講義を終えて30分ほどしてから学バスで最寄りの佐々木駅へ。この時間を利用して、食堂でお昼を頂くことができます。ただし地域柄からか学食で提供される料理はかなり塩分が多いため、センセイには無理ですが。
それはともかく最寄り駅から新潟駅までは便利。ところがそこから先が、ない。本当に、ない。新幹線を含めてまったく接続していません。講義は12:20に終了しますが、柏崎駅到着は16:30ころ。時間距離で言うと柏崎駅─富山駅くらいに相当。
これって、高齢者に自動車で通勤しろ──つまりJRの収入はない──ってことかぁ?でも、ま、たぶん前任校についてはほとんど電車を利用すると思います。また、以上はセンセイ個人にとっての利便性ですので、決して誤解なきよう。
最後に、少し「通」受けの情報を。
『JR時刻表』──駅の窓口に置いてあるもの──派の方々には申し訳ないのですが、センセイは写真の『JTB時刻表』派。こちらは昨年の北陸新幹線敦賀延伸以降、北陸地方の表記がやや見にくくなっていました。
実物を手にして初めて知ったのですが、それが大幅に変更。大阪方面からだと「大阪─敦賀」/「敦賀─福井─金沢─富山─直江津」に整理されています。まるで、かつての北陸本線の表記方法にほぼ戻ったかのよう。(正確には、「大阪─福井─金沢─富山」/「富山─直江津─新潟」だった)
前述したように経済、文化の繋がりを重視するならば、こちらの方が自然。だからといって列車ダイヤがセンセイの都合の良いように変わるわけではないのですが、少なくとも個人的にはずいぶん見やすくなりました。
■2月24日(月:休日) 目がしっかりと合っています ──雪が積もっている間、サギは何を食べている?
──
予定を変更してお伝えします。
何だか定点観察状態ですが、悪しからず。当地は今日も雪が降っています。
ただし今月上旬の、あの延々と降り続く感じではなく、先週末からは「降る時は降るけど長続きせず、時には青空すら...」という降り方。ここ数日の写真からも、その違いを感じていただけるのでは?
いくつかの用があったので、今日はまず実家と親戚宅へ。帰宅後、雨雲レーダーで降雪の予想を確認してから徒歩で外出。1時間ちょっとで雪が再び降り始めるので、短時間で効率良く行動する必要があります。当然、目的地を絞る必要が出てきますし、経路も決まってきます。
何のことはなく、ここ数日歩いているルートそのもの。トホホ...でも、ま、しかたない。休日なので高齢者を含めて多くの方が買い物などをしていらっしゃいます。外出の後半は一昨日、昨日とお伝えした細い生活道路に入ります...うんっ?!
前方の少し離れた田圃に、大型の白い鳥が舞い降りたのです。ただし構造物の陰になったので、詳細を確認できません。一瞬、ハクチョウかと思ったのですが、違います。まず一回り小柄で体躯(たいく)も細い。
そしてハクチョウなら群れで行動する──ホントに群れて飛ぶ──はずですが、今回は一羽。
決め手はその長い頸。遠かったので少し不明瞭でしたが、少なくともハクチョウのように伸ばしてはいなかった。“Z”字型に折り畳んでいたような...。サギの可能性が高い。
金沢工大近辺ではサギをよく見かけましたが、当地では珍しい。(理由は不明)鞄の中からカメラを取り出し、準備しながら進みます。やがて農業用構造物の陰から姿を現したのは、写真のサギ。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
この状態で「身長」は50cmくらい。
帰宅後に調べたところ、全体の形状および目の周囲の若草色からして「チュウサギ」の可能性が高いように思われます。ただし動植物に疎いセンセイのことですから、間違えている可能性も高いのですが。
悟られないように接近したつもりですが、サギは直立不動。警戒感丸出しです。真横を向いているので人間はどうしても「そっぽを向いている」と感じてしまいますが、鳥類にとってはこれが相手を凝視して警戒している状態。ここで昨日同様、不意に踏切の警報音が。
当地の西側では局地的に大雪だったようで、運転見合わせが発生するなどダイヤが混乱しているのです。1時間近く遅れた上り列車をバックに撮影したのが写真。やはり他の人間と違う行動に危険性を感じたようで、この直後、サギは100m程離れた場所へ飛んでいってしまいました。今度は頸をしっかりと折り畳んでいます。
降りた場所ははっきりしているのですが民家の位置との関係で、サギとのご縁はこれっきり。それにしても雪が積もっている間、サギは何を食べて命を繋いでいるんだろう。ハクチョウの場合は割とはっきりしていて、餌付けされていないハクチョウは雪が消えた/少ない田圃で、必死に餌を探しています。
何度かお伝えしましたが、それができない場合は餓死も発生するほど。サギは肉食性とのことですが、ご覧のように田圃などの餌場は雪で覆われています。食餌(しょくじ)の可能性があるとしたら用水路や小河川などでしょうが、個人的には冬季に、そのような場所でサギの姿を見かけたことはないと思う。
残念ながら、わからないものはわからない。ここは、「わかりません」とお伝えするしかありません。
悪しからず。
■2月23日(日:祝日) 当地では珍しく、(少し)雪煙を上げて... ──西村センセイは机上で鉄分補給──
写真は昨日のお昼前に撮影したもの。
時系列的には昨日の1枚目の写真、人力での除雪の様子を撮影した直後です。お伝えしたように轍の上を歩いていたのですが、不意に踏切の警報音が聞こえてきました。ここは二つの踏切のほぼ中間地点。
どちらが先に鳴ったかで、列車の進行方向がわかります。そもそもこの時間帯はこの付近で下り特急「しらゆき3号」と上り「4060レ」貨物列車が離合するはずなのです(今回、それを狙っていたわけではない)。されどこの雪で相当混乱しているだろうと予想していたため、すっかり拍子抜け。
間もなく、約5分遅れの「しらゆき」が目の前を通過します。ご覧のように、雪は止んでいた──雪が降っているとカメラが濡れる──のでミラーレスカメラを取り出しました。装着していたレンズは年末に買った望遠(中古)。困ったことに、周囲に電柱など撮影の障害になる物が多すぎます。
他方、「しらゆき」は刻一刻と高速で接近中。そこで道路から外れ、誰も歩いていない農道を線路に向かって可能な限り前進することに。長靴なので25cmくらいの雪なら何とかなります。ちなみにここは昨秋、道路脇に倒れていた男性を救護した、まさにその場所。
雪をかき分けながら10mくらい進む間にカメラの設定を確認、変更します。センセイは通常、カメラを絞り優先の設定にして、レンズの開放(絞り全開)端で撮影しています。右の写真のように縮小することが多いので、主役を際立たせるべく背景がぼけるようにするためです。
でも今日は、「疾走感」をテーマにしたい。
そのためには、程度はともかく「流し撮り」が相応しいはず(ただし前回以降、まったく練習していない)。というわけで急遽、設定をシャッター速度優先に変更。
速度を確かめると、たまたま1/50s。すでに「しらゆき」が視界に入っています。シャッター速度はそのままに、ズームだけを変更しながら2枚撮影したのが写真。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
撮影中に気づいたのですが当地では珍しく、少しですが雪煙が上がっています。標高が高く気温が低い場所では、車体後面を含めて全体が真っ白になります。乗っていても窓の外に氷が付いてしまうのと雪煙で、外の景色はほとんど見えません。
ただし当地、特にJR信越本線沿いは海岸に近く、標高が低い。(この地点で標高約5m)標高が低いと気温が相対的に高くなるので、降る雪はほとんど大きく重い「ぼた雪」。そのため、雪煙を目にする機会は少ない。列車の前面に雪が付着することはありますが、たいていこんな感じ。
でも、お伝えしたように昨日の午前中は気温が低かったため、降った雪は粒が小さく、サラサラ。
それ故に出現した雪煙。今日も断続的に雪が降ったのですが昨日より気温は2℃くらい高い。各駅停車の走行しか見ていませんが、雪煙は上がっていませんでした。
今回はほぼ完全に、カメラ任せの撮影。肝心の出来映えは...というと、レンズおよびカメラのおかげで、以前より少ない抵抗感あるいは罪悪感でお見せできるようになったかな、という感じ。
右の写真はトリミングすらしていません。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))「流し撮り」に成功しているかどうかはともかく、写真の印象はこれまでとかなり違います。
絞り優先だと、たとえばこちらやこちらのように「綺麗かもしれないけど、止まっている」感じになりがち。でも、シャッター速度優先だと何か動物のような「動き」、あるいは生命感が出てきます。(出来映えは問わぬよう)
ただし、特に撮影時のシャッター速度には反省すべき点が多い。割とロングで撮った1枚目はもう少し「動き」が欲しい。されど右の写真だとちょうど良いくらい。これ以上だと撮影も難しくなるし、何より周囲の存在意義が薄れてしまいます。
やはりここはバランスが大切で、修行を重ねるしかないようです。先週末、金沢工大と前任校から連絡が届きました。すでに少しお伝えしたように、来年度つまり4月以降は両大学において科目を(集中講義ではなく)毎週担当──ただし金沢工大は「前学期」の大学院科目のみ──します。
それ自体は決まっていたのです。でも今回の連絡で講義日程がほぼ確定。お伝えしたように前任校については特別な場合を除き、電車で通勤するつもり。諸般の事情により、金沢工大については未定ですが少なくとも初回は電車にする予定です。
こちらは新年度から、火曜日夕方の講義に。(+金沢宿泊)おぉ年度の前半は火曜から木曜日(日帰り)まで、自宅を基準として、約350km離れた金沢と新潟県北部の新発田(しばた)市の間を電車(および気動車)で行ったり来たり。当然、移動ダイヤと経費が問題になります。
というわけでセンセイはこの週末、『時刻表』と睨めっこ中。本当は来月半ばのダイヤ改正前に1泊2日のエクスカーションを計画したのですが、ホテルを予約したにもかかわらずこの雪と、車の整備(後輪ブレーキパッドの交換)で、改正前の実現は極めて危うい状態。
となると、机上で鉄分を補給するしかない。それはそれで楽しい作業なのですが...。