2017年6月3日更新(2017年6月12日ページ移動。2019年5月1日写真削除)
■6月3日(土) 修理を終えたヘッドバンド部が納品されました ──センセイが自宅に戻ったら(1)──
週末なので新潟の自宅へ戻りました。
相手のある仕事が溜まっていて、非常にまずいことになっているのですが、家長としては家族や親族の面倒も見なければならない。今風に言うなら、ワーク・ライフ・バランス。
ちなみにこの言葉、和製英語だと思っていたのですが、現在では“work-life balance”という言い方があるんですね。ちょっと前の、しかし大きな辞書には載っていませんでしたが。自宅書斎にはヘッドバンド部が折損したため、メーカーに修理を依頼していたイヤースピーカーの部品が置いてありました。
メーカーのSTAXにお願いして“ARC”という部品を送付していただいたものの、“ARC Pin”という、要となる部品を抜いて各部品に分解することができなかったため、改めて修理していただいたものです。
しかしこの再依頼の段階で問題が。写真左側の発泡スチロール製のケースは、もともとこのイヤースピーカーが収められていたもの。
センセイのことですから外箱を含めて、ちゃんと保存しておきました。これにドライブ・ユニットを含めたイヤースピーカー全体を入れて送るつもりだったのですが、まずケーブルがうまく収まらない。
そしてもう一つ。それが何とかなったとしても、送っていただいた“ARC”を入れることができない。もともと存在しない部品をケースに突っこもうというのですから、当然ですよね。
イヤースピーカー全体を送っての点検、修理は断念。写真は修理完了後のもの。右側のドライブ・ユニットと専用ケーブルを外して発送し、新品の“ARC”に交換したヘッドバンド部(「ARCアッセンブリ」)を送り返していただきました。
左側の下は、折損した“ARC”という背骨に当たる部品。届いたヘッドバンド部にドライブ・ユニットを嵌めて、専用の真空管式ドライブユニット(写真:6年前に点検整備済)に接続します。問題はありません。
ドライブ・ユニットには触っていないのですから、当然なのですが。仕事をしながらOPPOの“BDP-105D JAPAN LIMITED”を中心にCDおよびPCM音源を聴いていたのですが、やはり良い。金沢に置いてあるシステムほどの「太さ」はありませんが、筋の良さがあります。
それにそもそも、音の「太さ」に関しては“MDR-CD900ST”のようなダイナミック型に敵うはずもないし。今回の修理については、売上高僅か数千円──利益はほとんどない──の仕事にもかかわらず、メーカーの営業とサービスの方に本当にお世話になりました。
改めてお礼申し上げます。
■6月2日(金) 大学の近くにもある「麺屋 達」、お店によってメニューや味がずいぶん違うらしい
時間的には昨日の続き。ただし内容は自動車の話ではありません。
お伝えしたように昨日は、学園の創立記念式典終了後の11時半頃に石川BMWを訪れました。ふだん使わないGPSで走行したら、かえって遠回りして時間がかかってしまったのです。(実話)
その場で点検整備していただけることになったのは有り難い。でもまったく予想外のことだったので、仕事道具は持参していません。持ってきたのは運転免許証その他だけ。この状態で約1時間待たなければなりません。
気を使う式典に、しかも指定された前の方の席で参加していたからか、妙にお腹が空いてきました。考えてみたら、朝から何も食べていない。そこで、ここでお昼を食べることにしたのですが、この辺はセンセイの行動範囲ではないのでどこに何のお店があるか分かりません。受付の女性に近くの飲食店を尋ねます。
彼女が最初に口にしたのは、「生憎(あいにく)と...」という断り。国道沿いで交通量は多いものの、徒歩の人間は少ないので、あまり飲食店はないのだそうです。それでも少し離れた場所にラーメン店があり、その向かいには寿司弁当のお店があるとのこと。
お礼を述べ、事情を説明してから石川BMWを出ます。説明された方へ歩き出すと、すぐ裏にスーパーがあることに気づきました。キンエン生活の西村センセイ、最近はスーパーで塩分の少ないお弁当を買うことも。
お店に入ってみると、飲食コーナーもあります。ラッキー!!けれども肝心な塩分控えめのお弁当がありません。お寿司は意外に塩分が多いので、紹介されたラーメン店へ。
経路の関係で、お店の裏側から正面へ回ります。すると、おぉ、彼女が言った「ラーメン店」とは、金沢工大の近くにも支店の一つがあり、そのオープン以来2回入ったことがある「麺屋 達」(二日市店)。
う〜ん、2年間で2回しかないと言うべきか。とにかくお店に入ります......が、何をどうしたら良いのかわからない。これは工大近くのお店にも共通しています。
食券を買うらしいのですが、表示がゴチャゴチャしており、全貌を把握できない。それにそもそも、工大近くのお店とはメニューが大きく違います。2回しか入ったことがないし、最近は訪れていないので、確かなことは言えないのですが......でも、届いたラーメンはずっと美味しい。
塩気が少し気がかりでしたが。どうやら「麺屋 達」、お店によってメニューも味もずいぶん違うらしい。
これを自主性の尊重と評価すべきか、放任主義と解すか。今回、店長と思(おぼ)しき方の動きを見ていても、戸惑いを払拭(ふっしょく)できなかったセンセイなのです。
■6月1日(木) 新潟BMWの、あの説明は何だったんだ... ──金沢で車を点検していただきました──
今日から6月。葉書料金とビール代が値上げ。
昨日は雨が降ったため、珍しく車で出勤したのですが帰路、お酒の量販店に立ち寄りました。ビールを1ケース購入するためです。たまたまそのタイミングだったのです。
でも空瓶を降ろして係の人を呼ぼうとすると、そこには何と同僚のI先生。空瓶券を頂いてレジに並ぶと、おぉ、今度はセンセイが関係する部局の事務のSさん。彼と話していて翌日、つまり今日からビールの価格が大幅に上がることを思い出しました。
そもそもお店全体が混雑しています。そして6月1日は、もう一つ。今日は学校法人金沢工業大学の創立60周年記念日なのです。センセイと同い年(センセイの方が半年遅い)です。
午前中に記念式典が行われました。午後は何もないので、ひとまずアパートへ戻って背広を脱ぎ、研究室で仕事をすることにしました。
ただし途中、寄り道をして石川BMW(EPM社)へ。昨年2月、つまり1年4ヶ月前に購入したBMW 320i M Sport(F30、MT)の点検に関する相談をするためです。
間もなく走行距離が33,000kmに達するため、エンジンオイル交換などの点検、メンテナンスが必要なのです。本来ならば新潟で行うのですが、車は週末にしか新潟には存在しません。しかも都会と違って、田舎では車が必需品。
最近ディーラーの担当者が替わったのですが、まだ直接会ったことのない電話の向こうの若い彼によると点検に「1日は必要です」。もちろん代車を確保していただければのですが、MTしか運転できないセンセイのために代車を用意できるわけはないし、彼にそこまで考慮する余裕はない。
そこで金沢で点検を受けても良いか尋ねると、ニコニコ──見てないけど──と「はい」。大丈夫かなぁー。
お客さんの都合を考えている、という点は評価できるのです。でも点検修理も重要な商売。国産メーカーが特にそうですが、車両本体はできるだけ価格を抑えて販売。
その後のオイル交換や事故修理などで利益を上げるというビジネスモデルが確立されているのです。インクジェットプリンタの本体は安いけど消耗品のインクは高く、しかもサードパーティー製のものは使えない(と指示されている)という仕組みと同じ。
今回、センセイは有料のサービスパックに入っているので、センセイからすると、どこで点検しようと無料です。でもそれは経費が掛かっていないということではなく、料金を先払いしてあるという意味。今回その代金は石川BMWに支払われます。つまり新潟は商売のチャンスを逸したのです。
若い彼は、わかっていないと思う。で、石川BMW。客観的にはアパートや金沢工大から比較的近い場所にあるのですが、徒歩での移動は無理。だから点検に1日を要するのなら、引き取って頂くなどの作業が必要になります。
センセイは、点検手順の相談で訪れたのです。平日なのでお店は空いています。iPadを手にして対応してくださった、そしてこれまで何度も助けていただいたエンジニアの方によると、エンジンオイルおよびフィルターの交換が必要とのこと。
当たり前ですよね。そのために訪れたのですから。しかし次の一言はまったく予想外。「これだと1時間位かかりますが、このままここで待っていただくことはできますか?」
新潟で聞いた1日と1時間とでは大違い。もちろん待たせていただき、問題なく点検を終えることができました。点検の手順の相談で訪れたのに......。
(再び)大丈夫かなぁー。
■5月31日(水) ホールのステージにスロープが新設されました ──何度目かの“For
the Rest of Us”──
写真は昨夕撮影したもの。通称「多目的ホール」と呼ばれる、金沢工大の施設です。
昨日はセンセイらの講義の一環として、ある企業(中外製薬様)をお招きして、企業の社会的責任(CSR:corporate social responsibility)について講演していただきました。
特に、その企業が具体的に取り組んでいる障がい者スポーツ支援について詳しくお話しいただいたのです。パラリンピックでメダルを獲得するようなトップ・アスリートの支援なら、会社の、そして社会の理解は比較的得やすい。実際、中外製薬様も支援しています。
でも同社が素晴らしいのは、ごく普通の障がい児のスポーツもしっかり支援していること。昨日はそれを説明するために支援団体の方にも登壇していただいたのですが、実はその方も交通事故で下半身が動きません。
つまり、彼は車椅子(写真奥)で登場。ところが金沢工大のホールは車椅子に対応していません。バリアフリーが意識される前に建設された施設なのです。
そこで担当部局にお願いして、ご覧の組み立て式仮設スロープを設置していただきました。どうなることかと思ったのですが、これくらいの傾斜ならまったく問題なくスイスイと走行していらっしゃいました。
センセイらに反省すべき点は多い。いろんなことを考えているように講義しているその人が、いつの間にか健常者を基準に考えてしまっていました。
かつてのMacが持っていた“For the Rest of Us”(2005年、2007年、2010年、そして2011年)の精神を称揚(しょうよう)していたセンセイが、ですよ。お詫びの印にというわけではないのですが、そう遠くない将来、センセイはハンディを負った学生諸君への対応について本の1章を書くことになると思います。
身体の障がいについてではありません。もちろんそれはそれで大問題だし、関係する法律が制定されて各大学はその対応に追われているのですが、センセイがこれまでの経験から得たものを世に問いたいのは精神面、つまり心の問題を抱えた学生諸君について。
順調に行けば、約1年後にその成果をご紹介できると思います。あくまでも順調に行けば、ですが。
■5月30日(火) 道草 ──子供たちの瞳は、昔とあまり変わらないように思える──
センセイが担当している、留年生を主とした特別クラスの出席率が急に低下しています。
すわ、(学生かセンセイに)何か問題が......と思われるかもしれませんが、実は毎年この時期、ほぼまったく同じ現象が発生します。受講生の心か体の疲れが表面化する頃なのです。
程度はともかく、それはセンセイも同じ。そもそもキンエン生活に入ってから格段に疲れやすくなっているので、仕事をセーブして、今まで以上に休息を取るようにしています。
そのためには睡眠が大切。早めに就寝するし、以前と違って、用事がなければ早朝出勤を避け、できるだけ休むようにしています。
今日も同様。この場合、登校する小学生の声で起こされることになります。7時頃から通学時間帯に入るのです。
制服に身を包み、場合によってランドセルが子供を背負っているような、そんな子供の声が溢れます。今日はドアを出た途端、男の子たちの興奮した声が耳に入ってきました。少し離れた場所で、田圃の中を覗き、何か声を掛け合っています。
オタマジャクシか何かで遊んでいるようです。要するに道草。その表情や動き、そして瞳は、先日従姉妹と再会して感じたものとほとんど同じ。約50年前のセンセイらの姿がここにあります。
しかし社会はどうだろうか。漠然とですが、あの頃は「今日は大変だったけど、明日はきっと良くなる」という雰囲気がありましたが、現在はかなり異なるんじゃないかと思います。特に意識の高い若い人たちにとって。
残念ながら、そのような社会を生み出したのは、その前の世代。つまり、センセイらの世代なのです。
■5月29日(月) 研究室のPowerMac G4 Cube用の、老朽化が進んだ液晶モニタを更新しました
突然ですが、研究室で使用しているPowerMac G4 Cube用の液晶モニタを更新しました。
私費ではなく、今年度予算での購入。つまり大学の所有物を使用させていただいている、ということです。これまでは外国人の先生が使っていたI・O DATA製のお古を使用していたのです。
しかし製造から15年が経過。さすがにこれだけ長く使うと、バックライトのCCFL(冷陰極管)が経年劣化して、十分な輝度が出せなくなってきたのです。
導入したのはNECの“LCD-AS193Mi-B5”というモデル。自宅用に購入したモニタ(こちらやこちら)の後継機種です。先行機種は導入当初ずいぶん戸惑ったのですが3年が経過し、少しずつ慣れてきました。IPSパネルの製品を選んだので、もともと画像はきれいだったし。
写真は記念すべき初めての起動画面。当然、工場出荷時の設定なので左右のモニタに比べて格段に明るい。というか、明るすぎて使い物になりません。
現在は全体の輝度を25%にまで落としています。またデフォルトでは青色が強過ぎるので、コントロールパネルで色温度を6,000Kまで落としています。これなら実用になるかな、という感じ。
画質とは無関係ですが、高さが低くなったので、上の棚を1段下げることができました。全体的には安い割にきれいな画像なのですが、それでも視野角はあまり広くなく、斜めから見ると全体的に青っぽく変化します。正面に戻れば直るのですが。これだけは有機ELパネルに絶対かないません。
本当はアパートで使用しているAppleの“Studio Display”(こちらやこちら)も購入後14年が経過し、更新時期に入っているのです。ただしこちらは思い入れが強く、なかなかその気になれない、というのが本音です。
■5月28日(日) 西村センセイ、サボって、働く ──97歳で逝去した伯母の納骨式が行われました──
お伝えしたようにこの週末、センセイは自宅および実家に留まっていました。
でも昨日、大学では保護者会の総会が開かれていたのです。本来ならば、遠路はるばる大学までお越しになられた保護者の方と面談する必要があります。
ただしセンセイは留年生クラス担当なので、面談希望は1組だけでしたが。加えてセンセイの場合は立場上、ホールで開催される全行事に出席しなければならない。が、センセイがいるのは新潟。実は昨日、3月に逝去した伯母の納骨が実家付近で行われたのです。
数えで97歳、満96歳11ヶ月。大往生です。本来ならば当主である父親が差配するのですが、高齢かつ退院したばかり。というわけで次期ご当主様のセンセイがあちこちと連絡調整。
大学の了解を得、また面談は無理を言って学生部長にお願いしました。亡くなった伯母は父方の8人姉弟──子供のうちに死去した人を除く──の中の一人。集落内のお宅に嫁ぎ、夫婦は大阪で商売に励んで、財をなしました。
子供たち、つまりセンセイの従姉妹は都内と大阪に在住。読経の時刻が迫ると集落内のお寺に皆が集まります。久しぶりに見る顔です。30分ほどのお経の後、お寺の背後にあるお墓へ移動し、納骨。
お寺に戻ってひとまず解散。伯父伯母の家は空き家で、ふだんはセンセイの父親が管理しています。食事を済ませた従姉妹たちが徒歩で実家へ。いわばここからが本番のようなもの。
父親が古いアルバムを持ち出して、昔話で盛り上がります。父方の8人姉弟の中でまだ健在なのは、近くの集落に嫁ぎ、時々センセイが訪れる伯母と父親だけ。母方は7人姉弟ですが、残念ながらこちらも、半分ほどになっています。
そもそも従姉妹もほとんどが現役を引退。それでも最後は家族や親族のネットワーク、つまり人のチカラであることを再確認させられます。