2024年3月2更新(2024年3月10日ページ移動)

──2024年2月第5週〜3月第1週のニュース──

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3月2日(土) バッテリーだけでも走行可能!? ──ハイブリッド型特急HC85系に乗車しました──

 乗り納めがあれば、初めての乗車も。

 木次線と芸備線(備後落合─備中神代)、そして伯備線に乗り終えたセンセイは乗換駅の岡山へ。なお倉敷─岡山間で、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風 MIZUKAZE」と擦れ違いました。
 本家「トワイライトエクスプレス」に似た車体の色。

 ただし列車の性格も一変したので、ご縁はなさそう(実際、あまり関心はない)。この日は名古屋駅の近くにホテルを確保しており、岡山から先は無理に在来線だけで移動するようなことはせずに、新幹線に乗ります。
 ただしちょっとだけ拘りも。

 今回は初めての「ジパング倶楽部の旅」も兼ねているのですが、その割引は速達型の「のぞみ」には不適用。急ぐ旅なら正規料金を払って「のぞみ」に乗車すればいいのです。でも今回は、40年近く乗っていない「ひかり」を選択。
 岡山始発だし。

 「ひかり」は1時間に1本の運行。タッチの差で岡山を出発したばかりなので、かなり待つことになります。改札を出た途端、質素ながら花束を手にした女子生徒のグループに遭遇。帰宅時間帯なので、生徒がいても不思議ではない。
 されど、おのおのが花束を持ち、感慨深そうな表情をしているのには、きっと何か理由があるはず。

 彼女たちに尋ねてはいませんが、もしかすると卒業式だったのかも。北陸地方の卒業式は3月に入ってからですが。それはともかく駅ビルを一巡して、まず、新見で買い損ねたお土産を補充。
 次いでお弁当と缶ビールを購入して、早めにホームへ。

 この日は新幹線の車中でこのページをほぼ書き終えました。翌日は帰宅するだけ。常識的には中央線(「中央西線」)・篠ノ井線が順当、かつ早く帰宅できるのです。
 でも今回は敢えて、高山本線経由を選択。

 中央線は2017年、学会からの帰りに乗車しています。センセイのことですから、高山本線も富山側から乗車しているのですが...いつだったのか、すぐには思い出せません。
 それに今回はもう一つ楽しみが。

 高山本線に導入されたHC85系特急「ひだ」です。昨年、金沢から戻る途中に実車を初めて目撃しました。ただし乗車するのは初めて。

 JR東海が開発したHC85系特急車両は、JR東日本のGV-E400同様、エンジンで発電した電力でモーターを駆動するハイブリッド型。
 2基のディーゼルエンジンで急勾配を力ずくで登ったキハ85系とどう違うんだろう。(意外と違わなかったりして)

 センセイのことですから当然、指定席を確保済。

 それでも早めにホームへ出ます。徐々に集まってきた乗客の大半は外国人客。途中の高山が大変な人気なのです。前回も痛感しました。富山行としては始発となる「ひだ」は発車10分くらい前に入線。
 定刻に、後ろ向き──次の岐阜駅で方向転換するため──で発車します。

 走り始めの加速に注目していたのですが、ディーゼルに似た感覚のGV-E400とは対照的に、まるで電車のような加速。ディーゼルエンジンの振動がなければ、電車だと言われてもわからないと思う。
 たぶん両車両とも、そのようにチューニングしているのでしょう。

 ただしGV-E400同様、純粋な気動車と違ってエンジンの唸り具合と加速の間にズレがあります。その点以外の乗り心地はとても良いと感じました。
 面白かったのが、客室出入り口上方に車内表示。

 JR東日本烏山線の“EV-E301系(ACCUM)”同様、バッテリーの充電/放電(=バッテリーによるモーター駆動)状況を表示しているのです。
 電力の供給方向を動きで伝えています。

 割と注意していたのですが、稀に最後の表示も(ごく稀だったので日本語表示の撮影はできませんでした)。この表示を信じる限りバッテリーだけでモーターを駆動していることになります。
 ただし乗車していて感じたのは、実際のモーター駆動状況とこの表示には、少なくとも10秒程度のタイムラグがあること。

 また、バッテリーだけの駆動も、おそらく過充電を防止するためのもので、本格的にエネルギー源として用いているのではないはず。敢えて指摘するなら、もう一つ問題点が。
 それはこの表示に気を取られすぎて、風光明媚な車窓を味わえなくなること。本末転倒ですね。

 高山駅で乗客の大半が入れ替わります。乗車してきた方の多くも外国からの観光客。欧米系──荷物は多いものの、こちらはごく普通──と中国人の富裕層が目立ちました。名古屋を8両で出発した「ひだ」は後部を切り離し、4両で高山を出発。
 富山行は
2両編成だったのです。

 どうやら外国人観光客の復活で、4両に増結したようです。表示に気を取られたことを反省したセンセイ、今度は車窓に集中。何回か乗っている高山本線ですが、記憶と一致する部分と、予想外に相違する場面とが。
 見慣れた跨線橋──金沢への移動で毎週渡っていた──の下を軽快に駈け抜けると、右前方に富山の街並みが見えてきました。

 得るものが多かった北陸本線・山陰ツアー、この富山が実質的な終着駅です。



3月1日(金) 鉄道ファンにとって山陰地域は、 ほぼ天国 ──381系特急「やくも」を乗り終えました──

 今回の北陸本線・山陰ツアーで気づいたのは「撮り鉄」の多さ。

 いずれも沿線のあちこちで望連レンズを装着したカメラを手にした人を見かけました。北陸本線の金沢─敦賀間についての理由は明白。特急「サンダーバード」および「しらさぎ」の運転区間が短縮されるため。
 いわば、これが最後のチャンスなのです。

 ツアー2日目の木次線および芸備線については、乗客は気動車を含めて多数撮影していましたが、沿線にはその姿を確認できませんでした。まぁ、そうでしょう。

 ただし新見から特急「やくも」に乗車すると再び「撮り鉄」の姿が。「やくも」の車両が4月6日に変更されるのです。1枚目の写真は、これまで運用されてきた381系「やくも」。
 新見駅で上り列車を待っている際に、入線した下り列車を撮影しました。

 お気づきかと思いますが、先頭はパノラマ車両(反対側の先頭車両は通常の形状)。ちなみに女性の運転士でした。この318系特急電車には、いくつもの特徴が。
 まず挙げるべきは、「自然振子式」車両。

 「やくも」は山陽新幹線が岡山まで延伸されたことに伴い、この地域の鉄道体系が一新。伯備線が京阪神と山陰地方を結ぶ最速ルートになったことに伴い登場しました。
 最初は気動車でしたが後に、381系特急電車で運行されるように。

 ただし伯備線はカーブが多いため、どうしても速度が低下。単純に電車化しても所要時間はあまり改善されません。そこで以前から研究されていた技術を元に、「自然振子式」特急が開発されました。
 381系は中央本線(通称「中央西線」)、紀勢本線そしてこの伯備線に、順次導入。

 急カーブでは振り子のように車体全体を傾けて、従来よりも高速で走行しようというのです。オートバイに乗っている人なら感覚的に納得していただけるはず。
 まぁ、その代わり、線路や路盤には非常に負担が掛かるのですが。

 そして何より問題なのが、乗り心地。理屈と現実は必ずしも一致せず、「やくも」に乗車して乗り物酔いになる人が続出しました。ここでは記しませんが、いろんな逸話が。
 センセイはたぶん15回くらい乗車していますが、やはり乗り心地はイマイチ。(ただし酔ったことはない)

 もう一つ困った点が。「やくも」は途中で普通車のシートピッチを拡大しています。その関係で、窓の位置と座席とが合わないのです。
 初めて乗車した時は良いはずの席を予約していたはずだったため、当惑したことを覚えています。

 ちなみに、右の写真が新「やくも」(273系)。米子駅の待避線に留置されていたところを撮影しました。

 最後の381系、実は今回も良い席を指定したのですが、すでに売り切れ。そこで、新見駅では早めにホームに入って自由席車両に乗車し、良い条件の席に座ろうと考えたのです。
 新見駅は鉄道の要衝。

 複数の路線が乗り入れていることに加えて車両基地もあることから、実に多種多様な列車が出入りします。たとえば岡山地区用の、新造されたばかりの227系500番台「Urara」が目の前を通過。
 そこに入線してきたのが、1枚目の「やくも」だったのです。

 中には右の写真の列車も。北陸地域でつい先日まで走行していた419系「しょくぱんまん」(あるいは「食パン列車」。こちらこちらを彷彿とさせる先頭車両の特徴的な形状。山陰では割とよく見かけます。
 実はこの車両、れっきとした115系電車。

 利用客の利便性を向上させるべく、それまでの長編成から短編成にする代わりに運行列車を増やそうとして登場した車両です。この変更では当然、運転席がある先頭車両が不足。
 そこで中間車両に──かなり無理やり──運転席をくっつけた結果、このような形状に。

 419系も同じ理由による、583系からの改造です。(なお反対側先頭車両は、ほぼ583系のまま)

 ちなみに伯備線は貨物列車も走行しています。かなりの勾配のはずなのですが、EF64電気機関車が重い「コキ」コンテナ車両を健気(けなげ)に牽引している姿には、ちょっとじんと来るものがあります。
 というわけで鉄道ファンにとって現在の山陰地区は、天国のような場所。

 お暇──実現するのか、少し怪しくなってきた──のために、センセイがこの地域を迷わず選んだ理由を納得していただけましたでしょうか...おっと、「やくも」は少し遅れながら、岡山駅に無事到着。
 381系は、これが乗り納め。

 長い間、お世話になりました。(合掌)



2月29日(木) 果たして「暇乞い」できるんだろうか... ──木次線と芸備線に再乗車しました──

 3日間のツアーを終えて、夕方、新潟の自宅へ戻りました。

 今回の旅の最大の目的はタイトルにある通り、中国地方の二つのJR線に乗車すること。今回の乗車順で言うと、島根県の宍道(しんじ)(1枚目の写真)から木次(きすき)線に乗車して、終点の備後落合駅(広島県)へ。
 そこで芸備線の備後落合─備中神代
(こうじろ)区間(以下、「芸備線」)に乗車。

 過疎化による人口減少やモータリゼーションの進行で両路線とも衰退の一途。ご存じの方も多いと思いますが、芸備線については、廃止の可能性を含めて、そのあり方の検討が進められているほど。
 個人的にはいずれもすでに乗車

 「暇乞いの旅」を始めるにあたり、どの路線が相応しいのかを考えた時、真っ先に浮かんだのが両線。木次線はとても渋くて通好み。芸備線は何より始発の新見から終点の備後落合まで、お客はセンセイだけだった(!!)という鮮烈な記憶が。
 というわけで両線の乗車を中心に据えて行程を組みました。

 お伝えしたように初日は北陸新幹線、金沢から北陸本線の特急「サンダーバード」を乗り継いで京都へ。そこから地図急行線や伯備線他を使って米子へ。木次線と芸備線とも全区間通して運行される列車はわずか。
 ぎりぎりの乗り換えを考えてもいいのですが、他の利用客の動きを頭に置く必要があります。

 まず、明日3月1日の前日までに乗車を終える。理由をおわかりでしょうか。明日から「青春18きっぷ」が有効になるので、ライバルが激増するはずなのです。両路線ともに列車はたぶん1両。(実際には木次線は途中まで2両で、1両は途中切り離し)
 しかも小型の16m級のキハ120形でボックス席は4つしかない。
(木次線の切り離した車両は全席ロングシート)

 便の良い列車で乗換駅に着くと、同じ考えの乗客が移動するはず(実際、ある程度その通りに)。つまりできるだけ早く駅に到着して、情報を収集しておく必要が。
 というわけで乗車した昨日は、米子駅から(宍道駅を飛ばして)出雲市駅へ。

 お土産を買おうと思ったのですが、適当なものがなかったので、折り返しの列車で宍道駅へ戻ります。

 ここからが大切。駅舎の外へ出て、待機中の木次線の列車を観察し、ホームの停止位置を推測します(慣れてくるとわかる)。運転士が歩いて列車に向かい、エンジンを始動。
 発車10分前頃にホームに入線しました。

 最も良い席をまったく問題なく確保。その後、山陰本線の列車が到着し、数名が乗り込んできました。約15名ほどの乗客(+保線要員2名)を乗せて、いよいよ出発。
 やはり味わい深い木次線ですが、前回とは違う印象も。

 まず沿線の地域は派手さこそないものの、かなり豊かな土地。またお茶を栽培していることに初めて気づきました。また出雲坂根駅のスイッチバックは、記憶していたものよりずっとダイナミック。
 驚いたことも。

 同駅から先の区間は高度があるため、まだ周囲には雪が。トンネル内には氷柱(つらら)が垂れ下がっていて、車体にぶつかって折れ、破片が大きな音を立てて屋根の上を転げます。
 音を聞いたのは初めて。

 もちろん記憶に残っている亀嵩駅駅の「扇屋蕎麦」や「奥出雲おろちループ(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960)。手前の標識には「標高718米」と記されている)も。
 頑張ってここまで来た甲斐がありました。

 分水嶺を越えると広島県に入り、程なく備後落合駅(3枚目の写真)へ。左端、1番線に停車しているのが乗車してきた木次線のキハ120。
 乗り換え時間はごくわずか。

 ここも俊敏に移動する必要があります。センセイは一番良い席を余裕で確保したのですが、他の方はあちこち写真を撮影していたりして、やっとで乗車。
 同駅については、ほぼ記憶通りでした。

 ここから先の芸備線は、前回と逆方向の乗車になります。そのためもあってか、こちらも印象がかなり違います。その理由を考えていたのですが、前回は始発列車での移動。
 ダイヤを調べていただくとわかりますが、ほぼ回送列車のようなもの。

 始発列車は新見駅からしばらく、かなりの駅をスキップして走行するのです。同区間の西端、備後落合駅近くの地形の厳しさは概ね記憶通りだったのですが、今回は明るい中での移動。
 印象はちょっと違う部分も。

 そして芸備線で気づいたのは地域差。同線は広島県と岡山県を繋いでいます。伝統的な家の造りもかなり違うのですが、今回は特に、同線の存続に関する意気込みに違いが。
 広島県内は芸備線を残そうという趣旨の横断幕が各駅に掲げられていたのですが、岡山県側は皆無。

 それでもポツポツと乗車してくるお客さんはいたのですが...。備中神代駅から伯備線に入り、ターミナルの新見駅へ。ここで旅は一区切り。
 (個人的には)実に意義深い木次線、芸備線でした。

 されど旅がこんなに味わい深いものならば、「暇乞い」なんてできるんだろうか...。

 それはともかく、今度こそお土産を...と思ったのですが、新見駅前の物産展は、何故かお休み。仕方がないのでホームへ戻ると...。(続く)



2月28日(水) こういったものに、性差はないようで... ――「スーパーはくと」先頭車両乗り納め――

 「暇乞いの旅」そして初の「ジパング倶楽部の旅」は2日目。

 今日はツアーの主目的であるJR線に、全線予定通り乗車しました。ダイヤ上は簡単なのですが、実際の乗り換えにはテクニックが必要。頑張った甲斐あって、今日はパーフェクトゲームでした。そちらについては後日。
 「急
(せ)いては事を...」というわけで、昨日の続きから。

 特急「サンダーバード」の終着駅である大阪駅や、新幹線と接続する新大阪駅ではなく、京都駅で降りたのにはもちろん理由があります。写真の「スーパーはくと」の、特別な席に座るためです。
 「スーパーはくと」は関西(京都ないしは大阪始発)と鳥取県を、第三セクターの智頭急行線を経由して結ぶ特急。

 車体番号の頭には”HOT”と記されています。これは兵庫、岡山(北東地域を走る)そして鳥取の頭文字。センセイはたぶん6回くらい乗車しています。
 この「スーパーはくと」、なかなか見どころが。

 まず、関西からだと、兵庫県の上郡(かみごおり)駅まで在来線を軽快に走行。在来特急がほとんど存在しない区間なので、これが本当に楽しい。
 そして、コアなファンに受けている――実はセンセイは他人(成人)の行動で気づいた――のが、写真の1号車つまり先頭車両の最前列に座ること。

 ご覧のように1号車はパノラマ車両なので、前方の視界が抜群。しかも下り列車は自由席。つまり早く並べば、確実に特等席を確保できるのです。
 というわけでセンセイは、「サンダーバート」を降りると駅構内でお弁当と缶ビールを買って、すぐにホームへ。

 実はすでに先客(中年男性)が1人いらっしゃったのです。でも、なぜか彼は2号車へ移動。というわけで権利を譲って頂き(?)、そのまま35分ほど並んで、入線した「スーパーはくと」に乗車。
 実はこの間、ちょっと不思議なことが。

 並んでいる間、50歳前後の女性がホームをうろうろしていらっしゃったのです。「スーパーはくと」に乗車しようとされているのはほぼ確実。
 ただし乗り慣れているのかそうでないのか、ちょっとよくわからない。

 結果的に彼女は、センセイに続いて乗車。彼女もかなり前から待っていたのです。で、センセイは進行方向に向かって最前列右側の座席に座ったのですが、何と、彼女も最前列、ただし運転士すぐ後ろの席に。
 やっぱり、乗りたかったんでしょうねぇ。

 どうやら少なくともこのような事柄に、性差は(ほとんど)ないらしい。ちなみに、彼女は時々手書きでメモを取っていました。ライターさんなら、わからないではないんだけど...。
 彼女は大半の乗客とともに、終点一つ前の鳥取駅で下車。

 センセイはその先、終点の倉吉まで乗車。あ”、行き先をバラしてしまいましたね。それはともかく、右の写真は大阪駅へ到着するところ。
 こんな感じで、ダイナミックな光景が約4時間も繰り広げられます。

 どうです、機会があれば...とお勧めしたいところですが、実は来月のダイヤ改正で大きな変化が。まず「スーパーはくと」そのものは増便されるのですが、多くの運行が京都までではなく大阪までに短縮。
 特に、日中の便はすべて大阪始発となります。

 そしてもう一つ。今回のダイヤ改正でJR西日本の特急の一部で自由席が廃止され、全席指定席になります。関西地区ではこの動きがすでに進行していたのですが、今回、「サンダーバード」や「しらさぎ」、そしてこの「スーパーはくと」も。
 こうなると、特等席を確保することはかなり難しくなると思う。

 もし興味を持たれた方はぜひ、ダイヤ改正前に京都駅へお急ぎください。



2月27日(火) 予想外に富山は雪。金沢には地震の爪痕が。今回、最初にお別れを告げたお相手は...

 路線ではなく、間もなく廃止される「乗割」こと「乗継割引特急券」(2枚目の写真)だっというオチ。(にもなってないか...)

 センセイは今朝、4時頃に目覚めました。なぜかゆっくり休めなかったせいか、(今日だけ)西へ向かう始発列車に乗らなければならないというプレッシャーがあったからか。でも明らかに、最大の理由は天気の急変。
 天気は昨日お伝えした予報より悪化。

 特に4時頃は大荒れになったのです。寝室は西側にあるのですが、北西の風雨が壁と窓ガラスに打ち付ける音の酷いこと。霰(あられ)か雹(ひょう)も混じっているはず。出発時もこんな状況だろうと覚悟します。
 実際、身支度を整えて外に出ると、うっすらとですが屋根や地面は白くなっていました。

 雪というより霙(みぞれ)と雹。ただし倖いなことに、先ほどのような悪天候ではありません。黒い雲の隙間から青空も少し見えているので、駅を目指して出発します。
 実は結果的に、今日は傘を一度も使っていません。

 西へ向かう始発列車に乗車。途中から(若干の通勤客と)高校生が乗り込んできて高田駅手前では、6両編成という当地では最も長い編成の普通う列車がかなり混雑しました。
 もう二駅先の上越妙高駅で新幹線に乗り換えます。

 何度もお伝えしているように、センセイは新幹線より在来線の旅を好みます。

 「のぞみ」や「はやて」など速達列車なら、まだある程度我慢できるのですがセンセイの場合、「とき」や「はくたか」などほぼ各駅停車の新幹線しか利用できないことが多い。
 今回は「はくたか」に乗るしかありません。

 糸魚川付近)以西を訪れるのは半年ちょっとぶり。ホームシックなどはないのですが、でも、どうなっているんだろう。特に地震の被害が心配です。新潟―富山県境のトンネルを抜けてから、びっくり。
 富山県東部にはかなりの雪が積もっていました。

 新潟県西部(上越地方)も、局所的に拙宅付近以上に白くなっていたのですが、そんなものではありません。この雪の状況は富山付近まで。
 県の西部は、天気こそ悪かったものの雪は積もっていませんでした。

 富山―石川の県境を抜けると再度びっくり。雪は積もっているものの、量としてはたいしたことないのです。しかし県境の津幡町では地震による住宅被害が目立ちます。
 1枚目の写真は、金沢到着直前に新幹線車内から撮影したもの。

 1981年の建築基準改正前の家屋を中心に、屋根の破損が目立ちます。被害は明らかに局所的。建物の構造もさることながら、地質が大きく関係しているようです。
 ただし今回のツアーの目的は、鉄分を補給すること。

 乗換時間が少なかったため金沢では改札すら出ず、写真の大阪行の特急「ダンサーバード16号」に。乗車率は70%くらい。車内は欧米や中国、インド系の外人客が目立ちます。
 列車は金沢駅を定刻に出発。

 もう乗ることはないのかと思うと、ちょっと、じんと来るものがあります。同時に駅はすでに、ダイヤ改正後を見据えていることも思い知らされます。金沢駅の長距離列車用ホームにあった売店はすべて撤去されていました。
 これが現実。

 さんざんお世話になった西金沢駅、野々市駅、そして松任駅と隣接するJR「松任工場」...。そして何より、1972年に30名もの犠牲者と多数の負傷者――実家の近くにもいらっしゃった――を出したトンネル火災の現場、北陸トンネルを駆け抜けます。
 たぶん、これが最後の乗車。

 滋賀県に入ることには再び天気が悪化。比叡山は真っ白になっていました。今日は終着駅の大阪ではなく、京都で下車。

 単なる「乗継割引特急券」の廃止かもしれませんが、個人的には北陸本線に関するいろいろな事柄や思いを含めての乗車。今日は珍しく(?)、ちょっとおセンチな内容ですが、酔っ払っているからだけではないと思う。

 さて今日、センセイが目指したのは...。(続く)



2月26日(月) 気の早い桜が、再び咲き始めました ──センセイは明日から「暇乞いの旅」へ──

 今日の新潟は非常に不安定な天気。

 大荒れになるかもとの予報で実際、新潟市など下越地方は風が強く、雨も降ったらしい。また今晩、山沿いの地域ではかなり雪が積もるだろうとのこと。ただし少なくとも当地では基本的に曇りの1日。
 風も覚悟していたほどではありませんでした。

 難治性の病気──根本的には自己免疫疾患──の薬を頂くべく、朝イチでかかりつけの皮膚科医院へ。雨は時々チラチラと当たる程度。買い物もあったので、薬を頂いてから少し先まで歩いてみました。
 黒い雲が空の半分を覆っているのですが、同時に、ご覧のように部分的には青空も。

 ふと気づいて先日ご紹介した、やたら早咲きをしたがある川沿いの桜並木を訪れてみました...やっぱり。

 もちろん前回の桜の木ではないのですが、低木に15輪ほど桜の花が咲いていました。良く見ると、他の木を含めて、蕾(つぼみ)が少し膨らみ始めています。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
 中にはずいぶん赤みを帯びた蕾も。

 立春から約3週間が経過。もともと今シーズンは暖冬だったこともあって草木や鳥の動きに、季節がかなり進んでいると感じる場面が多々あります。
 もちろん今の時季は三寒四温。

 ここ数日のように揺り戻しの寒さに襲われたりする日も。地震の被災地や、戦禍の国の様子が思い遣られます。

 さて一昨日お伝えしたように、センセイは明日から「暇乞いの旅」に出かけます。根室本線および函館本線(山線)乗りお終いに続く第2弾。
 実は昨秋の福島・茨城ツアーもその要素があるのですが。

 目的はまず、第三セクター転換前の金沢─敦賀間の北陸本線──もう、あと3週間(!!)──の特急に乗車すること。

 ただし年金生活者は予算面での余裕がないので、せっかくのこの機会に、もう少し先に足を延ばしていくつかの路線や事柄にお別れしてきます。与えられた条件下で、ベストを尽くして計画したつもり。
 果たして、センセイが訪れるのは...。

 旅程の都合で、明日の更新は遅くなると思います。悪しからず。



2月25日(日) 個人的には波長が合うんだけど、経営的には... ──市内のオーディオショップ──

 事の起こりは今月上旬。

 水道の検針にいらした女性が、拙宅のチャイムを鳴らしました。上水道のメーターを指差してわざわざ、こちら側の管理区域内で漏水が発生していることを教えてくださったのです。本来、そんな義務はないにもかかわらず。
 ありがたや。

 もちろんすぐに工務店さんを介して業者に調査していただきました。漏水箇所は予想通り、1階のトイレ。明らかに最近、水漏れが多くなっていたのです。パッキンの交換程度で済むだろうと思ったら、互換性の問題から全部交換とのこと。
 2階のトイレも10年くらい前から少し漏水が。

 築28年近く経過していますので、無理からぬこと。そこでどちらも全部を交換していただきました。調査、準備には時間がかかったのですが、交換作業そのものは3時間ほどで終了。その請求書──かなり掛かった──が昨日届きました。
 かなり寒かったけど雨や雪は降っていなかったし、工務店はふだんの行動範囲内。

 というわけで徒歩で工務店を訪れました。写真はその帰路に撮影したもの。片側2車線の幹線道路を挟んで、向かいにあるオーディオショップ「テイク 5」です。
 センセイが高校生の頃にはなかったお店です。

 少なくとも40年くらい前には旧市街地、ビルの2階にお店を構えていました。当時、少なくとも1回訪れ、レベルの高さに驚かされたことがあります。
 当時はオーディオブームだったので、この種のお店があちこちに存在しました。

 鶏が先か卵が先かは措くとして、旧市街地中心部の衰退に合わせるかのように、「テイク 5」は交通の便が良い現在の場所に移転。ただし現在のお店に入ったことはありません。
 移転後、ずっと気になっていたのです。

 昨日は営業していらっしゃらなかったようですが、カーテンが開いていたので外からお店の様子を建学させていただきました。お気づきと思いますが窓の中央には、大型のオープンリールデッキが。
 AKAI
(赤井電機:2000年経営破綻)の“GX-400Dpro”です。

 センセイのTEACの“A-6100MKII(左右ともにNAB10.5"金属リール)と同じヘッド構成(巻き取り側(右側)のリールは、JIS規格の「26形──誤字にあらず──(10号)」リール)の2トラック38.1cm/s、いわゆる「ツートラサンパチ」のデッキ。
 業務用あるいは(当時の)ハイエンドオーディオ用機器です。

 NHKなど放送局がこのリールのテープを使っていました──センセイも10本くらい購入した──が、国際的な基準は事実上、米国NABNational Association of Broadcasters規格の10.5"金属リール。
 実は両者、厚みが異なります。

 そこで当該デッキを含めて、国産機でNAB金属リールのテープを使用する時は「NABアダプター」というう金属製のスペーサーを使用します。しかも慣性質量が異なるので、左右で異なるリールを使う時は、巻き取りや早送りといった高速時に注意する必要がありました。
 急に停止させると最悪の場合、テープが切断される可能性があるのです。

 ...などと、いくらでも蘊蓄(うんちく)を語ることができてしまう。もはや聴いている人は誰もいないのに。

 このようなタイプのお店は、20〜30年くらい前に急速に減少。センセイが22年前に金沢工大へ移籍した際、アパートの近くにも似たようなソニーショップがありました。レベルはとても高く、マニアック。
 感銘を受けたのですが、残念ながら1、2年程度で閉店。

 環境の変化を考えれば無理はない。で、この「テイク 5」、個人的には波長が合ってしまうのですが、どうやってこのお店を維持していらっしゃるのか...。

 もちろん、応援しているのです。

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