2025年1月25日更新(2025年2月2日ページ移動)
■1月25日(土) さすがの「神」も今日は、何だかイマイチ... ──強風で給油施設の屋根が一部損壊──
「神」とはもちろん、先日購入した中古の広角レンズ。
確かに画質は良いのですが...というお話。写真は昨日撮影したもの。
金曜日なので、いつものように高齢の両親の(安否確認+)食料調達その他へ。なぜか父親も行きたいと言い出したので後部座席に二人を乗せ、まず農協へ。来週末にささやかな家族行事が予定されていることもあって、二人の生活費を(代理で)引き出します。
道路に出る前に左右の安全を確認してから、左折...え"っ?農協の向かいには道路を挟んでガソリンスタンド(写真右奥)が。個人的には草刈り機で使用するガソリンしか購入したことがあるだけ。その左、写真の場所には使用されなくなった給油設備が残されています。
問題はその上部。
倉庫など比較的大きな折板(せっぱん)屋根がご覧のように捲(まく)れ上がっています。買い物が優先されるので、その場はそのまま通過。
実家での用を片付けてから、現場を再訪しました。廃止されてからかなり時間が経過していることもあり、すでに右側1/3位──屋根を固定するフレームが残っている部分──の屋根はなかったのです。でもその左奥は、ごく普通だったような...。
近づいて良く見ると、中央部分も錆がかなり進行しており、単に「屋根が乗っている」だけの状態だったらしい。でもその向こう、左奥1/3は錆も少なく比較的健全な状態。ここは田圃の真ん中で風を遮るものがありません。どうやら今月上旬の強風で中央部分が捲れて、その奥の屋根を巻き込んでしまったようです。
ホテルの外壁が吹き飛ぶわけだ。天気は悪く、少し雨が。たまたま日が射したので数枚だけ撮影して大急ぎで撤収。これまで約3週間使った経験から「たぶん大丈夫だろう...」と思って映像を確認すると、何だかイマイチ。
少し寝ぼけていて、「神」ならではのキレがない。今日は調子あるいは機嫌が悪かったのかなぁ...と思いながらカメラを確認。おぉ、撮影モードは、冴えが生きるいつもの「絞り優先」ではなく、先日「流し撮り」で使用した「シャッター速度優先」のまま。
さすがにシャッター速度は1/20sから1/30sに変更されていましたが。残念ながら、広義のセンセイの技量なんてこの程度です。
トホホ。
■1月24日(金) まさかブルーレイレコーダからの撤退は... ──ソニー、BDディスク生産を終了──
連日、ブツヨクの話題ばかりで申し訳ありません。
ソニーストレージメディアソリューションズ株式会社(製造)とソニーマーケティング株式会社(販売)は昨1月23日、連名でブルーレイディスクメディア、録音用ミニディスク(MD)、記録用MDデータ、ミニDVカセットの生産を終了すると発表しました。((c)SONY)
パナソニックはすでに、一昨年生産終了。
昨夏、生産を段階的に終了することが伝えられていたので、全廃はもはや時間の問題だったのです。でも、いざ現実を目の前に突きつけられると、「ついに来たか...」という感じ。
その時にもお伝えしましたが要するに、売れないため商売にならないのです。そもそも一般消費者が放送を録音・録画するというのは、ほぼ日本だけの、それもセンセイのような高齢者の習慣のようなもの。もちろんHDDなどでの一時的録画(「タイムシフト」)は、もう少し広がりが。
また放送局など事業者や、スポンサーの記録と確認──「エア・チェック」という用語の由来──は別。
アメリカよりずいぶん遅れましたが、日本でも広義の「放送」番組視聴はリアルタイム(/録画視聴)から徐々に、ネットワーク上でのオンデマンドへ移行。
センセイ個人はまったく利用していませんが、ネット配信だけのコンテンツも増えたようだし。今回のニュースがあまり大きく取り上げられない──と感じられる──のも、直接影響を受ける人は少ないということを意味しているのでしょう。さて、どうしよう。
もちろん一般論ではなく、センセイ個人として。現在、録音はすべてMac上でデジタル記録ですが、映像は別。テレビ地上波あるいはBS放送などのHDTVを劣化なしに記録できるのは、現時点でBDレコーダのみ。まぁ、それだってデジタルデータをHDD/BDにはデータを単純に記録しているだけなのですが。
センセイはすでに、十分なディスクを確保済。だから直接の影響はありません。また国内メーカーはすべて生産から撤退しますが、海外製のディスクは別。まぁ、信頼性──ソニーのBDディスクでトラブルが起きたのは1回だけ(実話)──についてはわかりませんが。問題はむしろ、ディスクではなくハードウェア。
さすがにこちらは生産から完全撤退ということにはならないと思いますが...。なお今回の報道の陰で、あまり気づかれていないことが。それは業務用データストレージとしてのテープやディスク。ネットワーク上データは肥大化する一方なので、そのバックアップ用メディアの役割が重要になっています。
個人用途ならセンセイを含めて、今はSSD。でも取り扱うデータ量が桁違いに多い業務用は、まったく別。
データ量が少なければ大容量HDDでも対応可能かもしれませんが、限界があります。現在の主流は磁気テープか光ディスク。もちろん有力メーカーであるソニーストレージメディアソリューションズ(株)は十分承知しています。
だから厳しい状況ながらも、今後はリソースをそちらに注力するはず。そう考えると、今回生産終了が発表された「記録用MDデータ」は、その記録容量の少なさ故に終了リスト入りしたはず。つまり今回の発表内容と、ここに至るまでの経営判断は相当合理的だと考えられます。
言い換えると民生用のコンシューマは、今回の件を受け入れるしかない...。ま、いいんですけど。
■1月23日(木) やはり修行を続けるしか... ──望遠レンズでの「流し撮り」に挑戦してみました──
予定を変更して、タイトルのお話を。
雰囲気がかなり違うので既にお気づきと思いますが、最近は昨日の1枚目の写真など一部を除き、ほとんどの写真を“EOS Kiss M”と年末年始に購入した中古の望遠(梅)/広角レンズで撮影。
つまり、それらの魅力が勝っているのです。もちろん難点も。ある程度の質量と嵩(かさ)があるのはしかたない──それを承知の上で買い求めた──としても天気の悪い日、特に風が強い時は持ち出しが難しい。コンパクトデジカメだと傘の下で何とか撮影できるのです。
スマートフォンもそうでしょうが。
でもこれくらいのサイズになると、もう、無理。今日の当地は雨がち。だからコンパクトデジカメだけを鞄に収めて外出するつもりだったのです。
集中講義の準備に一区切りがついたので外を確認すると、これから1時間くらい曇りが続きそう。というわけで、徒歩での外出のお供を“EOS Kiss M”ミラーレスに差し替えました。特定の何かを撮影する予定はなかったのですが、何となく持ち出したくなります。
スーパーで晩酌用の刺身を買って歩いていると、JR信越本線の踏切警報音が。間もなく、下り特急「しらゆき3号」と札幌ターミナル発大阪ターミナル行──まるで「トワイライトエクスプレス」だ──の「4060レ」貨物列車が、すぐ近くですれ違うのです。
鉄道用語としては、「離合」。せっかくの機会なので「流し撮り」に初挑戦することに。両列車の相対速度は約220km/h。それが約100m離れた線路上ですれ違います。
列車の遅れがなかったとしても、おおよその場所しかわかりません。(毎回、微妙に異なる)
そこで慌てて動いたりせずに、この場所で撮影することに。“EOS Kiss M”には「流し撮り」モードもあるのですが、今回は手動制御。(ただしAF)
モードを「シャッター速度優先」に切り替えて、速度を1/20sに設定。先に接近してきたのは1枚目の「4060レ」。機関車はJR貨物が発注した赤いEF510型0番台4号機でした。(1枚目。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
写真には入っていませんが機関車後部、運転席脇には「がんばろう! 能登・北陸」という大きなシールが貼付されています。ちなみにJR東から貨物に転属した500番台は青ないしは銀。機関車の中ほどが上下に黒っぽいのは、架線を支えている線路脇の電柱が入っているためです。
jpegフォーマットの制約──撮影技術とは無関係──で機関車が貧相な色ですが、実際はもっと充実した赤色。程なく右側から「しらゆき3号」(2枚目)の姿が。「上沼垂色」のH202編成です(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))。背後に水平方向の黒っぽい線が目立ちますが、これはEF510に牽引されたコンテナ群。
つまり両列車が、まさに離合の真っ最中なのです。一見すると、それなりの出来と感じられるかも。
でも拡大写真をご覧いただくとわかりますが、とても及第点とは言えません(特に2枚目)。列車は高速で走行しているので、それを考えるとシャッター速度はもう少し短い1/30s程度が適切と考えられます。
もしかすると1/60s程度ですら良かったかも。でもこれらについては、やはり修行を続けて経験「知」を得るしかなさそうです。
■1月22日(水) 海岸沿いに建つ当地のホテル、もしかすると「窓ガラスが吹き飛んだ」だけでなく...
時系列的には昨日の続きですが、内容は別。
帰路、直江津駅で6本目つまり最後の信越線に無事乗り換えて、眺望の良い海側(=北側)の席に座ります。柿崎駅を過ぎてしばらくすると海岸線のすぐ脇を走行。海は凪。「鏡のような...」とまではいきませんが、穏やかな表情
米(よね)山(旧「鉢崎(はっさき)」)駅そして笠島(2枚目の写真)駅と、順に停車。乗降客は皆無。短い単線トンネルを抜け、左後方に「お弁が滝」を見ながら「日本で一番海に近い駅」青海川(おうみがわ)駅に到着...え"っ?!
青海川駅(1枚目の写真左下隅)からだと、強風で窓が大きく損壊したした「ザ・ホテルシーポート」は左前方の崖の上。何げなく見上げると、確かに3階ロビー北側(左側)の窓が外壁の一部とともに破損しています。(2枚目の写真)
「やっぱりなぁ」と思っていると...何か変。繰り返しになりますが、駅からだとホテルはかなりの高い位置に。そのため前面の建物の陰になって判然としないのですが、後方にある建物の外壁や窓が破損しているように見えたのです。
念のため、メモ代わりに1枚撮影。(別ウィンドウ、1280×960))
センセイが把握している限り、この件は報道されていないようです。でももしかすると、たまたま工事中だったのかも。
その日はそれ以上の展開はなし。帰宅すると実家から呼び出しが。予定外の所用で翌20日(月)の午前中、実家に詰めて欲しいというのです。
来月初めに実施する集中講義の準備で忙しいのに...。でも、ま、「泣く子と地頭(じとう)」そして高齢者には勝てません。翌日は自動車で移動して、8時半過ぎからお昼まで実家に。倖い、用は何事もなく終了。
この機会──用がないのに市内で車を走らせることはない──に、件(くだん)のホテルの状況を確かめることにしました。1枚目の写真は西隣の松ヶ崎つまり「お弁が滝」の上から、ホテルが位置する「鴎が鼻」岬を見たもの(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))。岬の先端部には、通称「恋人岬」展望台があります。
この地域の地形は、典型的な海岸段丘面と段丘崖(がい)。(≒リアス式海岸)右端の赤い構造物は「米山大橋」。中央右寄りに現在の信越本線のトンネル、そしてホテルの真下にも黒い部分が。これは単線時代の信越本線旧線のトンネル跡で、もちろん現在は廃止されています。
なお反対側はコンクリートで塞がれており、一見しただけでは存在すらわかりません。
2枚目の写真はホテルを望遠レンズ(35mm換算480mm)で撮影したもの(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))。1枚目と色合いが雰囲気がかなり違いますが、これは1枚目を小型デジカメで撮影しているため。
「神」広角レンズも持参していたのですが、やや厳しい撮影状況だったので今回は断念しました。肝心の、強風によるホテルの被災状況ですが、まず「窓ガラス」については想像以上。ホテルが公表し、報道各社が伝えた被害より、はるかに甚大です。
状況からして、当地では予想もできなかった突風が吹いたのではないかと推測されます。そしてその背後に並行して建つ別棟はご覧の通り、さらに悲惨。高い階──たぶん5階──の西側外壁の大半が吹き飛び、大きな窓が5カ所損傷しています。
とても改装等の工事によるものとは思えません。(工事なら、周囲に仮設の足場を組み、シートで囲む)現在のところ、お伝えした以上の情報はありません。でももしかすると、ホテル側の「・・・建物に重大な損壊が発生し・・・」というのは、別棟のこの被害を含んでいるのかも。
なお、以上はその気になれば誰でもアクセスできる客観的な情報によるもの。これより先は、必ずしも事実にもとづかない(かもしれない)内容になる可能性があるため、言及は控えます。
お伝えしていませんでしたが、個人的には小学校高学年の時から時々、このホテル──当時は「米山会館」だったはず──にお世話になっていました。市の「道の駅」開設の関係で、関連施設とともに現在は一時閉鎖中。
そんなこともあって、今は無理だとしても近い将来、ぜひ元気に復活していただきたい。再びのご縁を願っています。
■1月21日(火) まるで国際列車だ ──大糸線の今後は、インバウンド需要の取り込み次第?
──
南小谷(おたり)ツアー最終回。
柏崎駅から乗車した特急「しらゆき」も、上越妙高駅で乗り継いだ「はくたか」も、車内はガラガラ。自由席の乗車率はいずれも10%程度。乗客の顔ぶれはというと、いつもと変わらず。私用と観光客が大半ですが、日曜日なのにビジネスパーソンも。
ただし新幹線で気づいたことが。上越妙高駅のコンコースやホームに、外国人客の姿がそれなりに見られるのです。欧米人が大半──知らない言語はなかった──ですが、中国/台湾の方も。今回、東南アジア系のお客さんは見かけませんでした。
乗り換えのために糸魚川(いといがわ)駅大糸線のホームに降りた時点で、乗客はセンセイだけ。程なく車庫から回送されてきたキハ120型が入線。ドアが開いたので乗車して座席を確認、確保します。数分後、若い日本人男性が乗り込んできて、センセイの前のボックス席に着席。ここまでは、いかにもありそうなパターン。
しばらく間があってからゆっくりとやって来たのは、欧米人ファミリー。アジア系の顔立ちをした女性中年を含む7人連れ。彼女もネィティブの米語を話していたので、たぶん日系アメリカ人でしょう。続いてパラパラと数名の欧米人とアジア系。若いカップルは日本人だろうと思ったのです。
でもどうやら二人は、中国/台湾人らしい。
最後の最後、「いつもの電車」で最後に駆け込んできたのは日本人ばかり。結局、発車時の乗客約30名のうち日本人は約10名で、残りは外国からのお客様。
地域に密着した路線なので、買い物や移動で数駅だけ利用する方もいらっしゃいます。それが順々に下車して、写真の南小谷駅に着く頃には、おぉ、国際列車状態。誤解されると困るのですが、オーバーツーリズムを主張したいのではありません。そんな場面、少なくとも今回は見かけませんでした。
確かに文化や習慣の違いはありますが、皆さん問題なく行動。むしろ良い意味で、オープンマインド。彼ら彼女らが向かうのは主に、南小谷駅の先にある白馬。一部の方は松本まで行くものと思われます。函館本線(通称「山線」)のニセコや飛騨高山同様、白馬は外国人に大人気。
白馬のスキー場を訪れた人によると「滑っているのは外国人ばかり」とのこと。お伝えしたように大糸線はJR東西ともに折り返し運行。松本からの列車が到着し、日本人数名が乗車。一時的にバタバタしましたが、すぐに落ち着きます。
できれば駅前の「石川売店」(2枚目の写真。「石川商店」とは別)でお土産を購入すべく、駅舎の外へ。残念ながらお菓子くらいしかなかったので、目的は達成できませんでした。
石川売店前で様子を見ていると、ひっきりなしに大型/マイクロバスが出入りします。利用しているのは外国人ばかり。どうやら白馬方面からここまで送迎しているようです。
「あずさ5号」の到着時刻が迫ってきたので列車に戻り、撮影の準備に。写真(2枚目)でおわかりの通り、南小谷駅で「あずさ」から大糸線に乗り換える場合、必ず跨線橋を渡る必要があります。実はそれなりに時間を要するのです。
到着時点での「あずさ」は9両編成。(松本で後部3両を切り離す)大糸線に着席するためには、最後から2両目の5号車後部左側ドアで待機する必要が。でも当然のことながら初めて乗車する方が大半なので、そんなこと知る由もありません。
センセイはというと写真撮影後、ゆっくりと歩いて大糸線の列車内へ。数分後に興奮気味の人たちが猛ダッシュ状態で大糸線の車内に押し寄せ、あっと言う間に席が埋まります。センセイも前回は、ロングシート席しか空いていませんでした。
それもあってか往路とは対照的に、列車内はどこかギスギスした雰囲気。1両編成の大糸線は定刻に発車。50人前後の乗客は、ほとんどが日本人。明らかに外国人だとわかるのは、センセイに続いて乗車したスノーボードの欧米人──たぶん南小谷駅までバスで送ってもらった──と、中国/台湾人の若い男性2人だけ。
後者は「あずさ」からの乗り継ぎ組で、着席できたのは終着の糸魚川手前。何かトラブルが起きたわけではないのです。でも今回、大糸線で南小谷まで往復して突きつけられたのは、いろいろな意味で──そしてセンセイ自身を含めて──この国が「貧しく」なったという事実。
お金だけを論じているのではありません。13年前、初めての南回りでオランダまで往復した際、強烈に感じたアジア系の人の「今の生活は厳しいけれど、これからどんどん良くなる/良くするぞぉー」という活力、そして長い歴史に裏付けされたヨーロッパの底力。
後者は専門なので、個人的にはそんなに驚きませんが。少なくともそれらに相当する「力」が失(う)せています。いよいよそれが目の前の現実になったんだなぁー...と思い知らされながら、やや猫背で自宅へ向かったセンセイ。
でも着眼点を変えて、廃線すら話題にのぼる大糸線に限ってみればどうだろう。
容易にお察しいただけるように、今後の展開は「いかにインバウンド需要を取り込むことができるか」という面が。実際、外国人は白馬までの経路を良く研究しています。彼ら彼女らの前向きな姿勢はしっかりと存在。
他方、行動を見る限りJRその他のサポート態勢もそれなりにある──ただし、たぶん不十分──ようです。要するに、問われているのは(センセイを含めた)我々だ...ということなのでしょう。
■1月20日(月) 「先即制人、後則爲人所制」 ──連続乗車券、その概念はすでに希薄らしい──
今回のエクスカーション(小旅行)、目的はお伝えしたように「あずさ46号」
乗り見納め。それを達成するだけなら、9時前に発車するいつもの電車に乗り、その先2回乗り継ぐだけで実現できるのです。この経路での運賃は片道2,240円。でも退職後は出かける機会が激減しているのでこのチャンスに、できるだけ大糸線沿線の風景や人々を味わいたい。
混雑が懸念される日曜日にもかかわらず、晴れの日を優先したのもそのためだし。となると、座席も重要。大糸線で運用されるキハ120型のボックス席は僅かに四つ。往路は昼に南へ向かうので、どうしても前方から日が射し差し込みます。それでも西側の席の方が条件は良い──帰路は東側──のですが、西側席の前方にはトイレが。
つまり視界が良い西側ボックス席は一つだけ。それを確保するためには、「先即制人、後則爲人所制」(「先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制せらるる所と為(な)る」司馬遷『史記』項羽本紀)。「いつもの電車」だと、大糸線発車時刻1分前に糸魚川(いといがわ)駅到着。
ホームは概ね隣接。
しかも、よほどの遅れがない限り乗客の乗り換えを待ってから発車するので、乗り遅れる可能性はきわめて低いのです。普通の時期ならボックス席が空いていることも。(つまり、それほど乗客が少ない)
でも、今は白馬方面へ向かう観光客が多いシーズン。他方、帰路はまず間違いなく楽勝。センセイが乗車する列車が南小谷(おたり)駅に着いても、接続する列車はまだ到着していません。すぐに乗車してくる人は、いたとしても1人か2人。
実際、今回乗り込んできたのは大きなスケートボードセットを抱えた若い欧米人男性だけでした。何かもう一工夫する必要があります。しかも、もう一捻り二捻りすると、運賃等の料金が大幅割引に。というわけで今回センセイが確保したのが、写真の乗車券2枚。(+特急券2枚)
何がどうなっているのでしょうか。実際の乗車を時間順にお伝えすると、センセイはまず9時前の特急「しらゆき2号」自由席に乗車。柏崎駅で「いつもの電車」を追い抜きます。そのまま──旧北陸本線ではなく──旧信越本線で上越妙高駅下車。
新幹線嫌いのセンセイが、今回は北陸新幹線に乗り換えて糸魚川駅へ。この方法だと「いつもの電車」より20分早く到着できます。ちなみに糸魚川で下車したのはたぶん、センセイだけだったと思う。これならかなり確実に良い席を確保できるはず。
もう一つのポイントは、茨目─白馬間という乗車区間。(帰路は常識的な経路)運賃でお気づきの方も多いと思いますが、このように行きと帰りで乗車経路を変え──「連続乗車券」──て、JR区間を201km以上にすることで特急料金を含めて「ジパング倶楽部」割引を受けることができるのです。
正確に言うと、そのままでは乗車距離が不足。そこで「東京から新幹線で新神戸まで往復する時は...」──ただしこちらは「往復割引」──に似て、実際には利用しない白馬までの乗車券を購入しています。帰りは柏崎駅の一つ先、茨目駅で下車ましたが、これは別の理由。
途中にあるスーパーで晩酌用の刺身を購入て帰ろうというのです。(往路は柏崎駅出発で問題ない)「ここまでするかぁ?」というのが普通の感想でしょうが、乗り鉄はたぶんこれくらい当たり前。ちなみに、新幹線で隣の駅まで乗車する際の「特定特急料金」が適用されることもあり、特急券を含めた総費用は5,330円でした。(そもそも、費用の問題ではない)
なお今回はどのような経路を選択しても割引のない「会社線」──JRの表現──こと第三セクター路線に乗車するため、運賃等が単純に30%割引になるわけではありません。で、結果はというと、すべての列車でパーフェクトゲーム。
柏崎駅では「連続乗車券に」と、くどくお伝えしました。でも結果的にはそうなっておらず──券面上部に記載がない──片道乗車券2枚となっています。実はこのような「連続した片道乗車券」でも、運賃そのものは連続乗車券と同一。
ただし有効期間が異なります。連続乗車券は、総乗車距離に応じた有効期間が適用されます。要するに、長い。現役時代のセンセイのように、あちこちで用務を果たしながら列車に乗車する──途中で「講義のために金沢に立ち寄る」ことすらあった──場合には便利。
でもこれはやはり、旧国鉄時代の発想なんでしょうねぇ。国鉄民営化から30年以上が経過。昨年初春の山陰ツアーの時と同じく、比較的若い駅員──ただし今回は中堅社員──には、もはや「連続乗車券」という発想自体が希薄らしい。もちろん知識としては知っているのでしょうが。
今回は途中で別なミスがあったのですが、さすがにそれは修正。連続乗車券については発券後すぐに気づいたのです。気分としてはすっきりしないものの、直接の不利益はないのでそのまま受け取って帰りました。後ろにお客さんが並び始めていたということもあります。
ま、いいんです。問題は「旅」の中身。そして、そこから何を学ぶかということなので。
※追記:昨日のこのページにおいて、原因は不明ですが一部の写真へのリンクが切れていた可能性があります。お詫びいたします。なお、現在は修正済です。
■1月19日(日) 鉄道の旅は広角のカメラだけでいいかも... ──特急「あずさ46号」乗り見納め──
鉄道旅行のお供はもちろん、大判の時刻表と正統派の地図が大前提。今回は、その上で...というお話。
また「乗り納め」でなく「見納め」にも理由が。鉄道各社は昨年12月、2025年ダイヤ改正の概要を公表しました。センセイの場合、JR東日本の改正にかなり影響を受けます。その一つが、前任校への「通勤」。
加齢が進行しているので、これまでのような集中講義は厳しい。倖い、大学当局のご理解もあって、来年度から通年つまり毎週実施できそう。でもその際は、できるだけ電車で通勤したい。自動車だと新潟市の「新新(しんしん)バイパス」という交通量の多い道路を走る必要があるのです。
もちろん学期始めなどに、稀覯(きこう)本や嵩張る教材を運ぶ時は仕方ない。電車だとざっとその倍の時間がかかるのです。でも、何より安全第一だし事故等でよそ様に迷惑をかけたくありません。現行ダイヤなら「ちょっと早起き」で何とかなりそうだったのですが、ダイヤ改正の影響は大きそう。
う〜ん、どうしたものか...。仕事以外にも影響が。その一つが大糸線。風光明媚な路線で、センセイのお気に入り路線の一つで、比較的近いこともあり、これまでに15回くらい乗車しているはず。同線は長野県北部の南小谷(おたり)駅以北がJR西日本、南は東日本の所属。
それでも乗り継ぎは割と良い方。
割と有名な話だと思いますが、中央本線(通称「中央東線」)を走る特急「あずさ」の中の1往復(「あずさ5/46号」)が同駅まで乗り入れています。
南小谷駅で乗り換えるだけで都内と糸魚川を行き来できるという、センセイにとって夢のような列車。個人的には2022年に都内で開催された学会からの帰路など、これまでに6回くらい乗車しているはず。ところが春のダイヤ改正で運行区間が短縮されて、数駅南の白馬駅止まりになるのです。
これはもう、乗るしかない。問題は、乗車日と経路。大糸線の新潟─長野県境付近は地形も急峻で冬季は雪も多く、しばしば不通に。だから少し暖かくなってからでもいいのです。
でも大糸線の見どころの一つは、この厳しい冬の運行。只見線同様、「本当にこんな地獄のような場所を列車が走行するのか...」という場所を走り抜けます。(運行側の皆様、わがままな乗客の勝手な意見で申し訳ありません)
自宅からだと、乗車経路も問題。折り返しの「あずさ46号」に乗ると都内到着は19時過ぎ。昨夏も考えたのですが、肝心の用件に遅れてしまいます。しかもその先に、特に訪れたい場所がありません。松本で篠ノ井線に乗り換えて戻っても、自宅到着は夜。
我が家の「門限」を過ぎてしまします。
詳細については近日中にお伝えできると思いますが、今回は「あずさ46号」乗車を断念して、南小谷駅で折り返すことにしました。その代わり、良い天気の日に乗る。
1枚目の写真はその途中で撮影したもの。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))写真中央下部は「姫川」の河原。下流方向を撮影しています。概ね右岸(右側)が長野県、左岸が新潟県。「雲一つなく...」とはいきませんが当地には珍しく、ご覧のような好天です。
気象庁の天気予報が確度の高い「A」ランクだったので、数日前に乗車券類を手配しました。荒れた日の厳しい大糸線も素晴らしい──関係者の皆様、再びゴメンなさい──のですが、穏やかな冬の日の大糸線も魅力的。ちなみに今回は広角レンズだけで撮影しています。(ガラス越しに撮影)
鉄道の旅のお供は、(時刻表と地図と)広角レンズを装着したカメラだけでいいかも。2枚目の写真は南小谷駅構内。まずセンセイが乗ってきた1両編成のキハ120型が中央の2番線に到着。数分後、松本からのE127系100番台電車が左の3番線に入ります。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
約20分後、新宿始発のE353系(こちらやこちら)「あずさ5号」が1番線に。個人的にはこれからも大糸線には乗車するだろうと思いますが、この三役揃い踏みを目にする日はもう来ないはず...。
12時過ぎに左の電車が松本へ向けて出発。その数分後、センセイを乗せた気動車が南小谷駅を後にします。で、折り返し運転の「あずさ46号」はというと、ここで15時の出発まで約3時間のお昼寝。
すでに2名の女性職員による清掃が始まっています。
もっと早く上りの「あずさ」を運行してくれたら、センセイの利用回数も増えたんだけどなぁ...。
個人的な願望はともかく、大糸線──特にJR西日本区間の県境付近──は四季に応じた、そして日々刻々と変化する魅力ではち切れんばかり。ホントに。
センセイに騙されたつもりで、ご乗車をご検討いただければと思います。
※追記:更新当日、一部の写真へのリンクが切れていた(原因不明)可能性があります。お詫びいたします。なお、現在は修正済です。