2024年9月14更新(2024年9月22日ページ移動)

──2024年9月第2週のニュース──

バックナンバーはこちら

9月14日(土) センセイは、長い途中下車の真っ最中 ──大潟町雁子浜の人魚塚を訪れました──

 実は、いまだに途中下車状態。

 今回使用した乗車券、その目的地に目を留めた方がどれだけいらっしゃったのでしょうか。移動前半は旧信越本線で篠ノ井まで出て、そこから篠ノ井線、中央線を乗り継いで上京するというシンプルなルート。
 ただし現在、旧信越本線は直江津以南の新潟県内全区間と長野県内のほとんどが第三セクター化。

 JRの「マルス」と呼ばれる発券機は、第三セクターについては1社しか対応していないため、新潟県内(JR+トキ鉄)の乗車券と、ご紹介した長野から先の乗車券に分割して発券していただいたという次第。
 ちなみに新潟県内のJR駅で発券できない「しなの鉄道」線の乗車券については、トキ鉄車内で発券していただきました。
(現金精算)

 肝心の乗車券ですが、本来ならば都内での用を済ませて自宅最寄りの柏崎駅までにするところ。券面の目的地「犀潟」は、以前ご紹介した土底浜駅の一つ先の駅。センセイは水曜日に帰宅、つまり柏崎駅で下車しました。
 この時は途中下車扱いだったのです。
(普通に改札機を通過すると、乗車券が返される)

 お気づきかと思いますが実は、今週月曜日に自動車を再度整備に出したためです。その日は最寄りの土底浜から電車で帰宅。整備作業は、実際に取りかかってみないとわからない要素があります。
 そのため引き取り日は未定で、ひとまず12日(木)が目処。

 ただし結果的に、整備が長引いて今日の午前中に受領することに。整備の件については後日ご紹介させていただくことになると思いますが、このような事情でセンセイは今朝、「いつもの電車」に乗り込みました。
 実に、今週4回目(!!)の乗車です。

 ここで使ったのが、途中下車状態だった乗車券。これには理由があって旧国鉄つまりJRの運賃は、「遠距離運賃逓減(ていげん)制」という仕組み。
 要するに、長く乗れば乗るほど運賃が割安になるという制度です。

 こうなるともう、実際の金額の多寡(たか)というより趣味の世界。しかも今回は、さらに一つ先の駅までの乗車券を確保しているので、冒頭に記したように土底浜駅で下車しても、まだ途中下車状態。
 土底浜駅で終わらせても「無効印をください」と言えば、乗車券は返却されるのですが...。

 それはともかく、車を引き取って向かったのが上越市大潟地区(旧大潟町)雁子浜にある「人魚塚」。こちらこちらこちら

 お伝えしたように旧大潟町は人魚伝説の町。「人魚塚伝説の碑」の存在については知っていた──ただし訪れたのは初めて──ですが、この塚の存在と場所については、今回の報道で初めて知りました。
 ちょっとわかりにくい場所にありますが、現在は国道8号線にも案内が出ています。

 国道を曲がり、細い道を330mほど進むと舗装された道路が終わります。車を止めて、そこから120mほど進んだところにあるのが写真の「人魚塚」。先月30日にお披露目行事があったため、現地までの道路と塚の周囲の草は刈り取られていました。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
 ただしそうでない時期は見つけることはおろか、歩くことすら難しいだろうと思います。

 塚の少し先は崖になっており、塚も以前はその付近にあったとのこと。今回、転落事故防止の30mほど内側(ほぼ南側)に移設し、またコンクリート製の土台と囲いを整備。写真右側のものを含めて、案内板が数カ所設置されていました。
 ちなみに、周囲は竹藪。

 塚に接近するとたちまちたくさんの蚊が集まってきます。「神聖な場所に近寄らせまい」というわけではないのでしょうが、慣れていないと大変なことになります。

 お伝えしたように、この伝説と小川未明の「赤い蝋燭と人魚」のテーマは、今から考えると人間の愛情の尊さと業の深さ。いろいろ考えさせられる塚でした。

 良く考えてみれば人生、(終点に到着した時以外は)皆、「途中下車」なんだし。



9月13日(金) もっと残しておくべきだった... ──旧Mac OS用のキーボードを修理しました──

 タイトル通りのお話。

 古くからの読者の方はご存じのように、センセイはMac派。それも最近のオシャレなMacではなく、古い時代の旧Mac OS(Mac OS 9.2.2まで)のユーザー。もちろんMacOS Xでしかできないこともあるので、そちらも併用しています。
 ただし、主力機はあくまで旧Mac OS。

 具体的には前任校時代の2000年に購入した“PowerMacintosh G4 Cube”。本来はMacOS Xとのデュアルブートなのですが、MacOS Xをすべて削除して旧Mac OS専用機として使用しています。
 何と、教えている大学生や院生が生まれる前のモデルを、今だに使っているのです。

 ちなみに、このサイトもMac OS上で作成、管理。ただしFTP転送については、Windowsネットワーク上のWindows 10──ただしハードウェアはMacBook Pro──が担当。
 MacBook Proしか使えない外出時は、旧Mac OSのエミュレーションソフトを使って編集しています。

 なお、消耗品のHDD──何と、20GBだった──は、容量の大きいSSDに換装済。HDDは低速だったので、これで使い勝手が劇的に向上しました。特に日本語変換などの際のストレスはキッパリと解消。
 ただしほぼ四半世紀前のマシンとなると、どうしてもトラブルが起きがち。

 購入後5年で早くもロジックボード1台が昇天したのですが、この時はボード交換で復活。比較的最近では研究室で使っていたCubeが、センセイの退職に合わせるかのように前年、完全にダウン
 こちらは
(外装を除く)本体まるごと交換に。

 その後も一時、動作が不安定な状況に陥ったのですがセンセイのCube愛が通じたのか、現在のところ問題なく作動中。ただしシステム全体を考えると他にも問題が。
 現在、最も困っているのはカラーレーザープリンタ。

 16年前(!!)に更新したのですが昨秋、深刻な問題が発生。この時は感光体ユニット(中古品)交換で乗り切ったのですが、程なく紙送りにも問題が。そりゃまぁ、設計寿命を1.5〜2倍くらい越えて使っているのですから、当たり前なのです。
 こちらについては再々度更新するか、あるいは自宅での出力を諦めてコンビニ等での印刷にするか、判断を迫られています。

 で、もう一つ困っているのが、キーボード。現役時代はたぶん10台近い旧Mac OS用のキーボードを管理していたはずなのです。でも退職に際して、私物は片っ端から廃棄。もちろん調子の悪かったものを中心に、です。
 今になって気づいたのですが、旧Mac OS用は1台しか残っていない...。

 その最後のキーボード、退職後すぐにUSBのハブに不具合が起きたのです。たぶん電解コンデンサの容量抜けだと思いますが、修理は不可能。この件については、辛うじて残っていた別なUSBハブを使うことで対応しています。
 さらにこの夏、新たな不具合が。

 たぶん、この暑さの影響だと思うのですが、キーボード前面左側の、すべり止めを兼ねた「足」が取れてしまいました。騙しだまし使っていたのですが、何しろこれ1台しかない。そこで、接着剤を使って、付け直すことにしました。
 実は、これが結構難しい。

 キーボードは硬質プラスチック製なのでたぶん問題ないのですが、「足」は柔らかい樹脂製。素材によっては接着剤が効かない可能性もあります。また、大したことではありませんが、大きな接着剤を購入すると使い残し、つまりほとんどが無駄になる。
 そこで100円ショップで、使い切りタイプの小分けされたものを購入。

 アルコールで両方の油脂分を洗浄した後、接着剤を塗ります。圧力を掛けた後、しばらく放置。写真は今日撮影したもの。「足」を収める穴と足が少しずれていたり、それ以上に埃のようなものが目立ちますが、そちらはお許しを。
 何しろ、まず間違いなく22年以上使っているものなので。

 それにしても万一のことを考えて、もう少し残しておくべきだった...。(反省)



9月12日(木) この、スイッチバック式の「駅」は何?! ──JR篠ノ井線「桑ノ原信号場」──

 もう1日だけ、鉄分補給ツアーのお話を。

 今回は事情が事情。とにかく、何としてでも指定の場所へ遅れずに到着する必要があります。西村センセイ、いつもは割と下調べをするのですが、今回は大急ぎで移動計画を立てて、JR東日本の窓口で乗車券や指定席特急券を手配していただきました。
 それに今回の路線については、概ね頭の中に入っているし...。
(実は、そうでなかったことが判明する)

 長野駅から松本駅までは特急「しなの12号」に乗車。指定券を購入してもよかったのですが、昨日ご紹介した115系の長野到着から少し余裕があります。また、左右どちらの席にするかは天気(≒陽射し)と関係します。
 そこで、この区間は自由席に。

 センセイが長野に到着した時、折り返し運転の「しなの」はすでに車内清掃済で、ドアも開いていました。お客さんはまだパラパラという状況。自由席車両は2両。迷わずモーターを積まず静かで、しかも振動の少ない「サハ」車両(5号車)へ。
 その中でも揺れの少ない車両中央部へ進みます。

 今回は右側(A席)の眺望の良い席を確保。陽射しと、これからご紹介する姨捨(おばすて)駅のことを考えてです。鉄道ファン的には、篠ノ井線といえばこの姨捨駅。
 スイッチバック式の駅で、ホームから長野平野を一望
こちらこちらできます。

 まるで眼下に広がる世界がすべて自分のものになったかのような気分(ホントに)。駅を通過する特急電車の車内からでも、その眺望に圧倒されると思います。
 なおこの場合は左側の席
(D席)を選択する必要があります。

 センセイが篠ノ井線に乗るのは、名古屋で開催した学会の帰りに通過して以来、7年ぶり。この日は割と良い天気だったので、駅からの眺めも見たかったのです。
 でも今回は前回同様、敢えて列車内から姨捨駅の様子を確認することにしました。

 駅ホームに立っていると、スイッチバックを通過していく特急列車の屋根と窓の上部が見えます。だから逆に、列車内からホームや駅舎の一部──特に跨線橋──が見えるはず。
 篠ノ井駅で旧信越本線と分岐。

 続く稲荷山駅の次が、姨捨駅。篠ノ井線に沿うような形で、その上方を長野自動車道(写真上部)が走っています。センセイも大学の仕事のため、1回だけですが大型バスから逆の位置関係で見下ろしたことがあります。
 姨捨駅まではまだしばらく時間があるはず...と油断していたら、え"っ?!

 あっさりと鉄道の直流架線とそれを支える柱(中央付近および左端の、矢印の先)が見えてきました拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))。明らかにスイッチバックの駅です。姨捨駅って、こんなに近くだったっけ。
 それに反対側の窓を見ても高度はまだ、さほどでもない。

 目の前に広がる光景は事実...ですが、ホームや跨線橋が見えません。いったいどうなっているんだろうと混乱したまま数分が経過。すると今度は、紛(まが/まご)うことなき姨捨駅が。ホームも跨線橋もしっかり確認できました。
 あれは何だったんだ...と後から確認すると、これは「桑ノ原信号場」。

 一種のスイッチバック式の「駅」なのですが、ホームや駅舎は一切存在しないため、客扱い──乗降のこと──ができない列車交換専用の施設。センセイはこの信号場での列車交換を経験したことはありませんが、現在も交換はあるらしい。
 知らなかった...。

 姨捨駅だけに注目していたため、他の、せっかくの情報をずっと見落としていたんですねぇ...。若干の言い訳を許していただければ...ですが、松本─田沢間の「平瀬信号場」については、早い段階から気づいていたのです。
 でも今回の「桑ノ原信号場」については、完全に見落としていました。反省。

 なお、松本駅に近い西条駅─明科(あけしな)駅間は、1988年(昭和63年)に全面的に新線に付け替えられ、現在は3本の長いトンネルで一気に駈け抜けます。センセイは旧線に乗車したことがないので、興味はあるのです。
 また新線の車窓から、旧線跡に関する掲示をチラッと見ることができます。

 比較的近年の廃線ということもあり、旧線跡を散策することができるようです。ただしセンセイの場合、ここを訪れようとすると自動車で移動するしかなさそう。

 ご縁は、あるかなぁ...。



9月11日(水) 115系、(たぶん)乗り納め ──予定通り、在来線を乗り継いで帰宅しました──

 というわけで、予定通り在来線を乗り継いで新潟の自宅へ戻りました。

 鉄道ファン的には、今回の東京ツアーはほぼ完璧。単に列車を乗り継いだだけでなく座席指定、そして指定のない各駅停車の座席を含めて、これ以上はほぼ考えられないという上首尾でした。
 何のことはなく、一番貢献してくださったのは柏崎駅で発券してくださった駅員の方。

 ご存じのようにセンセイは西九州新幹線と関東地区の一部JR線を除いた、全JR線を乗車してます。「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」のSA1個室を含めて、夜行寝台列車にも50本以上乗車。
 このような場合、
(寝台)特急券の入手も大変ですが、実は乗車券もかなりややこしくなるのが普通。

 乗車予定1ヶ月前の10時(ちょっと前)に、駅でその旨を申し出た時の駅員の反応は概ね、趣旨を理解して俄然張り切るか、パニックに陥るかのどちらか。実は前者の方が多く、今回もそのパターン。
 乗車券の経路は、第三セクター
(「会社線」)が2社入る点を除けば簡単だったのです。

 ポイントは座席指定券。何しろ翌日および翌々日に迫った乗車です。大学生はまだ夏休み──実際、女子学生のグループ旅行客が目立った──だし、高齢者グループの移動も多い。
 さらに好天が確実なので、陽射しの向きと窓枠を考える必要があります。

 窓枠と座席の関係についてはしっかり調べて、「○号車の場合はA席」などとリストアップ。駅員さんは頑張って「マルス」──発券機の端末──を操作してくださったのです。
 でも残念ながら、良い席はことごとく埋まっていました。

 つまり、いつも利用する方々が良くわかった上で席を確保しているのです。それでも何とか、どの列車も理想に近い席を確保することができました。
 たぶん直前のキャンセルが出たんだろうと思います。

 昨晩は遅くまで飲んだくれたので、今朝はゆっくりと起床。葬儀が始まる時刻に、上野駅を特急「草津・四万1号」で発ちました。本当は風光明媚な磐越西線に乗車したかったのですが、今回は物理的に不可能。
 そこで東北本線
(大宮まで)、高崎線、上越線そして信越本線を乗り継ぐという、極めてオーソドックスな経路に。

 ただし通して乗車するのは本当に久しぶりなので、このルートにも十分意味があります。この場合の問題は、都心から高崎あたりまでの混雑。最初は快速「アーバン」か各駅のグリーン席を考えたのです。
 でも今日、実際にはグリーン席の大半が埋まっていました。

 特急も「満席」──よく良い席の指定が取れたなぁと感嘆する──だったのですが、違いは明らか。渋川で下車してスーパーでお弁当を購入し、水上行きの各駅停車に乗車します。写真は省略しますが、水上駅では蒸気機関車の試運転中。
 その関係で発車番線が変更になりましたが、無事に乗り換えて上越国境を越えて新潟県内へ。

 ここから先は、いわばホームグラウンド...え"っ?!

 写真の白い電車は何かって?(右端は、ここまで乗車してきたトキ鉄ET127系)

 実は今回、予想していなかった収穫(?)が。お伝えしたように往路は県境の妙高高原駅でしなの鉄道線に乗り換え。てっきり同社が導入中のSR1系──JR東日本のE129系と同一──かと思ったら、何と、新潟県内ではもう走行していない115系
 全国的に見ても、もう僅か
《3枚目の写真》しか残っていません。

 もう乗車することはないだろうと思っていました。言い換えると、たぶんこれが乗り納め。最近のボルスタレスと違い、古いボルスタ台車はBMWの乗り心地に似た、しっかりとした「硬さ」があります。
 で、この真っ白な塗装。

 車体側面にはアニメ“Turkey!”が大きく描かれています。千曲市の誕生20周年を記念して、同市を舞台こちらこちらこちらにしたオリジナルアニメだそうです。個人的にはご縁がなさそうですが、これをきっかけに、しなの鉄道の利用者が増えるのなら喜ばしいこと。
 個人的には、115系に「お別れ」できたし。

 さて、どうしてもストレスが掛かり気味な今回のツアー。昨晩、お通夜に出席してからホテルへ戻った時の「平均」(「収縮期血圧」の3回移動平均の最低)血圧は133mmHgと、正常値をクリアできず。今日の夕方も129mmHgと、同じような数値。
 まぁ、かろうじて正常値の範囲内ですが。

 他方、今朝は108mmHgと正常値をクリア。最近の「朝」はずっとこんな感じ。やはり飲んだくれたのが効いたんだろうか...。

 そういえば故人は、「笊(ざる)」と呼ばれるほど酒に強かった(センセイはまったく敵わない)。ある時からキッパリとお酒を断たれた──見事だった──のですが、今から考えると、ご自身の健康やご家族のことを考えてだったのでしょう。
 残念ながら、もはや尋ねる術
(すべ)も、そして酒を酌み交わす機会も永遠に断たれてしまいました。

 合掌。



9月10日(火) “memento mori carpe diem.” ――西村センセイ、2年ぶりに上京する。しかも... ――

 結果的に今日も鉄道ネタですが、これには悲しい理由が...。

 実は西村センセイ、3日続けて「いつもの電車」に乗車。お伝えしたように一昨日の日曜日は、津南を訪れるため。昨日はちょっと特殊で、自動車を再び整備に出したのです。当然、帰路は電車に乗るしかない。
 その際の電車、実は「いつもの電車」の折り返し。

 ここまでは予定通りだったのですが一昨日の深夜、不意打ちを喰らいました。訃報です。仕事上の関係者が急逝されたのです。今日がお通夜で明日が葬儀。会場は都内ですがこれはもう、行くしかない。
 コロナ禍とセンセイの退職で、2年ぶりの上京

 というわけで昨日、柏崎駅で急遽手配していただいたのが写真の乗車券。券面の、特に「長野→犀潟」という内容が不可思議ですが、これにはセンセイなりの理由が。
 まず、お通夜と翌日の葬儀の双方に出席させていただくのは無理。

 というわけで、今日のお通夜を選択。当然のことながら、お通夜は夕方から夜にかけて。自宅をお昼に発って新幹線に乗れば十分間に合います。
 ただしご存じのように、センセイは新幹線と高速道路をあまり好みません。

 というわけで、いかがなものか...と訝(いぶか)りながらも、在来線での移動を検討しました。

 本当は、大糸線で南小谷(みなみおたり)まで出ると、そこから先は新宿まで直行するという夢のような「あずさ46号」が存在します。ただしこれだと、肝心のお通夜に間に合いません。
 というわけで、まず「いつもの電車」に乗車して、直江津、妙高高原そして長野と乗り継ぎ、ひとまず松本へ。

 ここで駅前のスーパーで総菜とご飯を購入。レジへ向かう途中、冷えたサッポロビールが目に入ってしまったので思わず購入してしまいました。久しぶりの信越本線(長野―篠ノ井間)と篠ノ井線、そして中央本線。
 鉄道ファン的には見どころ満載なのですが、酔いから醒めた時にはもう、八王子の手前。

 ...かなり疲れていたらしい。

 ホテルに荷物を置いて、慣れない私鉄で葬儀会場へ。駅までは問題なかったのですが、珍しく出口を間違えて右往左往。喪服を着ているにもかかわらず、結果的に今日の総歩数は16,000歩以上。
 ヤマト運輸の方に教えていただき
――深謝、深謝――何とか葬儀会場へ。

 昨年末のの時と同様、未来が嘱望される若者の突然の死去は、表現のしようがない苦(にが)みがあります。もちろん参加者の誰もが気持ちを整理できていません。このような状況下での、今回の行路選択。
 人によっては、不謹慎だと思われるかも。

 でもセンセイはきっと、ラテン語でmemento mori carpe diem(メメント・モリ、カルペ・ディエム)”と反論するはず。前半は割と簡単で、通常「死を忘れるな」と訳されます。この言葉が多用されたヨーロッパ中世では、病気などで不意に亡くなる方が多かったのです。
 現代とは比較にならないくらい、人の死は身近な存在。
(この点は当時の日本も同様)

 それと対をなすのが、後半の“carpe diem”。いろいろな解釈が流布(るふ)していますが、ここでは前任校の関連高校――というより、前任大学が、高校の関連大学――校長(当時)の、「今日を生きよ」というを採用したい。
 割と淡白にお通夜を終えて、センセイは宿泊先へ。

 乗車券上は新幹線も利用可能ですが、センセイとしては明日も在来線だけで自宅へ移動するつもり。繰り返しになりますが、移動経路と弔意は無関係。

 故人も許してくれるでしょう。



9月9日(月) 「ハサ」で天日乾燥しているのは、自家消費用の特別なお米。美味しさは最上級のはず

 昨日の続き。

 ただし最初の写真は今日撮影したもの。所用で今日は朝から車を運転したり電車に乗ったり──乗車が目的ではない──して、お昼前にひとまず帰宅。線路脇を歩いていたら、ススキの穂が出始めていることに気づきました。
 お伝えしたように当地のススキはまだ穂が出始めたばかりで、か細い。

 ...と言っても昨日、ススキの群生を撮影し損ねたので、読者の皆さんからしたら何がどう違うのかわかりませんが。トホホ。

 そこに踏切の警報音が。急いでカメラを構えると、やって来たのは札幌ターミナル発大阪ターミナル行の4060列車拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))。まるで、かつての「トワイライトエクスプレス」。
 もちろん、気分だけですが。

 本来ならばシャッターが開く時間を長くして、列車の躍動感を強調すべきところ。ただし今回はカメラを取り出した後、即撮影だったので、モードはデフォルトにしている絞り優先(開放)のまま。
 まだ修行が足りませんねぇ。

 機関車の直後の「コキ」車にコンテナが積まれていないので単機に見えますが、実際は15両という長い編成です。

 さて昨日、ススキ以外に気づいたことが。一つは乗客の中に、乗り慣れていな「青春18きっぷ」の利用者──通称「18キッパー」──が多数いらっしゃること。
 同時に大人のほとんどは、昨日が最終日。

 念のため申し添えますが、他人様の乗車券を覗き込んだのではな、首から下げたカードケースの中身が丸見えなのです。「最終日」つまり5日目には理由が。
 夏の「18きっぷ」の有効期限は9月10日なので、仕事を持っている方々には事実上、昨日が最終日だったのですね。

 前述したように今日も列車を利用したのですが、まだ夏休み期間の大学生2人組は、お土産の紙袋をぶら下げてご旅行中でした。

 そして今回はもう一つ、「わかる人にしかわからない」ものを目撃。津南駅で下車して、目の前の信濃川に架かる「信濃川橋」を渡ろうとした時のこと。下流側に広い田圃が広がっていることに気づきました。
 対照的に上流側は、割と民家のすぐそばまで川が迫っているのです。

 写真は、その田圃の中央を撮影したもの。中央部分だけ先に稲が刈り取られ、仮設の「ハサ」と呼ばれる棒──明らかに鉄パイプ──で干されています。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
 もちろん生米から水分を抜くため。

 稲の色などからして2、3日前、つまり週末に最初のコシヒカリを収穫したんだろうと思われます。通常は大型かつ高価なコンバインを使って刈り取りと脱穀までを一気に済ませるのです。
 その後は石油を使った火力で短時間のうちに水分を減らします。

 ただしこの方法は「胴割米」が発生しがちですし、何より味に微妙な影響が。実家でもずっと使っていた天日乾燥だと、時間をかけてゆっくりと水分を抜きます。
 正直なところ個人的には、天日乾燥の方が美味しいと思う。

 先祖が苦労してきた実家の稲作を継承しなかったのは、他ならぬセンセイなのですが。

 それはひとまず措く──責任逃れをするつもりはない──として、この田圃を耕作していらっしゃる方も間違いなく同じ意見のはず。そこで自家消費用および身内、親戚などへの贈答用は刈り取り後、写真のように天日乾燥。
 その後、コンバインの脱穀機能を使って脱穀。

 他方、商品としてのお米はコンバインで刈り取り、脱穀まで済ませた後、農協等の施設で火力乾燥。風の影響か栄養バランスのせいか、ご覧のように広範囲で稲が倒れています。「倒伏(とうふく)」と呼ばれる事態。
 品質に影響を与えますし、下手をすると水に浸かった籾
(もみ)が発芽(!!)してしまうので、急いで刈り取る必要があります。

 で、この天日乾燥米。

 これが商品として出回ることはほぼないはず。手間暇がかかるので、お金に換えられないのです。丁寧な手入れと適度な寒暖差が育てた魚沼産コシヒカリ。それも、天日乾燥の最上級品。美味しくないわけがない。
 届かぬ夢はここまでにして、オマケの情報を。

 写真右上隅、全体として赤茶けた民家が見えます。他のお宅と比べるとわかりますが、屋根の勾配が急。これは、かつて郡部で普通に見られた茅葺(かやぶ)き屋根の家です。「茅」はまさに、昨日および本日お伝えしたススキ。
 地域によってはチガヤやアシなどを使うこともあるそうです。

 戦後、郡部では茅葺き屋根を残したまま、その外側に「アタン」──亜鉛メッキ鉄板のこと──屋根を配置するケースが多く見られました。現在、茅葺き屋根は貴重な存在ですが、その上に「アタン」を置く家もごく少数派。

 もし興味を持たれた方がいらっしゃったら何かの機会に、この飯山線あるいは磐越西線に乗車することをお勧めします。



9月8日(日) 西村センセイ、ススキの穂に圧倒される ── 十日町駅と津南駅を初めて訪れました──

 今日はタイトル通りのお話。

 家人から本日のみ有効のJR企画乗車券を貰ったのですが、拙宅は新潟県の西から1/3くらいの場所に位置しています。各駅停車だけを利用する場合、西側の上越市や糸魚川市へは割と行きやすい。
 もちろん「中越」と呼ばれる県の中央部も同様。

 ただし新潟市やそれ以北となると、かなり不便。(距離とともに、ダイヤ上の問題が多い)

 昨日のように早起きをすれば話は別なのですが、高血圧防止を含めて高齢者には睡眠が重要。というわけで今回は先月に続き、何となく糸魚川の「サンレパス」で「鶏の唐揚げ定食」を...と考えていました。
 なお今回はワープなしで、浦本駅から「サンレパス」まで往復するつもり。

 ただしちょっと気になることがあったので、一応「プランB」を用意しておきました。

 今朝はいつものように起床。去年の夏は血圧が非常に低下しましたが、今年は概ね10mmHgくらい高め。個人的には、理由がはっきりしていると考えています。先々を考えて、ある程度の塩分摂取を認めるようになったからです。
 長い目で「キンエン生活」を継続するためには満足度、つまり“QOL”
(Qualty of life)も大切。血圧を下げるために生きているわけではないので。

 なお「去年より高め」と言っても、たいてい110mmHg以下ですので、ご安心を。

 具体的には、たとえば朝食時の漬け物は少量なら認めることに。もちろん購入時に塩分量を確かめています。概ね準備ができたところで念のために雨雲レーダーを確かめたところ、ドッカーン!!
 何と、北陸地方に赤い部分を含む直線状の雨雲が。珍しく、天気予報は外れ。

 停滞前線──実態は寒冷前線──がゆっくりと南下しているのです。後で調べたところ、石川県では列車の運休が発生したそうです。新潟県の雨はそれほどでもなさそうですが、雨中を浦本駅から往復40分歩くのは辛い。
 というわけで、ここは食欲を退けて鉄分補給に転換。つまりプランB発動。

 通過するばかりで、まだ降りたことがない駅を訪れてみようと考えたのです。

 いつもの電車で直江津駅まで出て、一部折り返しになりますが北越急行線に乗車。「鍋立(なべたち)山トンネル」とその中の「儀明信号場」をこの目で確かめてから最初の目的地、十日町駅(写真)で下車。
 北陸新幹線開業前の金沢─首都圏往復などで、たぶん100〜200回くらい通過しているものの、駅舎の外へ出たのは初めて。
(ただしホームに降りたことはある)

 弟と義妹、そしてその親族が市内に住んでいるので何度も訪れていますが、移動手段はすべて車。予備校時代(!!)の同級生の医院が駅前にあったのですが....見当たりません。
 う〜ん...。

 乗り換えまでに少し時間があるので、駅近くのスーパーへ。おにぎりと、高タンパク低塩分(のはず)の総菜を買い求めたのですが、実際に頂いてみるとどちらも相当な塩分。
 あの塩分表示は絶対おかしいと思う。味と塩分に関しては「サンレパス」の圧勝。

 少し待って飯山線長野駅行の各駅停車に乗車。20分ちょっとで到着したのが、今日の最終目的地である津南駅。

 飯山線は10〜15回くらい乗車していますが、津南で下車するのは初めて。長野県との県境に位置する町ですが、個人的にはなかなか訪れる機会がありません。
 信濃川および飯山線と並行する国道も2、3回走行したことがある程度。

 降りてびっくりしたのが、写真の立派な駅舎。何と「リバーサイド津南──駅舎は信濃川に沿っている──温泉施設との合築。駅の窓口は温泉のフロントを兼ねているそうです。
 どうりで、鉄道員らしくなかったわけだ。

 津南町は秋山郷(あきやまごう)などの観光資源に恵まれています。ただし観光地の大半も、そもそも町の中心部も信濃川を挟んだ対岸に。津南駅は町の外れに位置しているのです。
 少なくともセンセイの場合、津南をちゃんと訪れるためには自動車を使うしかなさそう。

 駅前の「信濃川橋」──そのものズバリの名称だ──を渡り、対岸まで行ってみました。ちょうど秋祭りの最中だったのですが、行列に追いつくことができず、駅へ戻ります。
 長野からの列車に乗り込み越後川口、宮内駅と、ほとんど待たずに乗り換え。

 津南駅からの帰路、見落としていたことに気づきました。

 それは沿線のススキの穂。立派な穂が出そろって、収穫期の稲──いずれもイネ科植物──と競い合っているのです。ススキは晩生の稲と同じころに穂が出ます。拙宅のある柏崎市など平場では、ススキの穂が出始めたところ。
 たとえば津南駅は、標高約200m。

 平均的な気温は平場より低い──ただし夏の日中は暑いことが多い──ので、その分、秋が早く進むのですねぇ。

 一つ前の駅で下車して、途中のスーパーで晩のツマミを購入して帰宅。今日は11,000歩以上歩いたので...と思いながら血圧を測定すると期待に反して、「平均」血圧(「収縮期血圧」の3回移動平均の最低)は129mmHgと、やっとで正常値をクリア。
 昨日は107mmHgだったのですが...。

 あのしょっぱいお昼のせいだ、というわけではないのでしょうけれど。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る