2024年12月14日更新(2024年12月22日ページ移動)
■12月14日(土) この地域が完全に復興するまでには、時間が... ──新潟市西部を再訪しました──
今日は自動車で新潟市まで往復しました。目的は義理の叔母宅訪問。
積雪があるかもとの予報だったのですが、自宅付近は家々の屋根や田畑た白くなっていたものの、道路上のタイヤが当たる部分はほぼ無雪。ただしそうでない部分には雪が積もっているので、車線を変更する時などは、慎重にハンドルを切って「雪山」を越えます。
しかも出雲崎町や燕市の一部(旧分水町)など局地的には、15cm程度積もっている地域が。今シーズン初めての雪道運転だったこともあり、帰路を含めて運転には非常に気を使いました。もちろん事故などは起こさなかったのですが、かなり消耗。今回はしかたないけれど、徐々に鉄道などでの移動に切り替えなくては。
用を済ませてから、新潟市西部に住む娘夫婦宅へ向かいます。そもそもこの地域は、学部学生時代の後半から前任校時代まで計10年間ほど住んでいた場所。個人的には「庭」という感覚。
以前もご紹介しましたが1月1日に発生した能登半島地震では、この慣れ親しんだ地域で液状化が多数発生。非常に大きな被害を受けました。郡部の叔母宅から移動したこともあり、往路は地域住民しか知らない生活道路を利用。
その地域内で地震の影響を直接伝えるものは限られていました。道路の下を走っている排水管などの構造物──もちろん上部はきちんと覆われている──が浮き上がって(2枚目の写真)路面に段差ができている(!!)程度。被害があまりに広範囲に及ぶため完全な修復までに、かなりの時間──経験的には約10年くらい──を要するのです。
田圃ばかりの地域から離れると、状況は一変。新潟市西部の海岸砂丘の内側を、液状化の被害をもたらした原因の一つとなった「西川」が流れています。それと並行するように県道16号線(旧旧国道116号線)が。
県道そのもの復旧はかなり進んでおり、目立った違和感はありません。でも道路脇に目を向けるとまず、傾いたままの家。たとえばこちらの3枚目の写真右側の理容院はお店の前の駐車場こそ修復されているものの、傾いたままのお店で営業していらっしゃいます。
県道脇の家々は微妙に傾き、私道は波打ったまま(2枚目の写真)。でも傾いた家や波打った道路以上に目立つのが、更地。例えば件(くだん)の理容院の左側にあった調剤薬局と、そのさらに左側に存在した外科医院は解体されて、現在は不思議な雰囲気の更地に。
それでもまだ、そこに何があったかを思い出せれば恵まれた方なのかも。多くの場合、ごく普通の住宅地の風景の中に、不意に更地が出現するのです。全体の状況からして地震後に解体されたであろうと推測されるのですが何があったのか、皆目見当がつかない。
今日の写真は2枚とも、娘夫婦宅前の様子。ただし1枚目は、3月に撮影したもの。初めてのご紹介です。
ここには個別車庫付の白いアパートがあったのです。でもお伝えした(こちらおよびこちら)ように、「斜向かいの(木造)アパートは(建物全体が)傾いている」。
ご覧のように3月の時点ではすでに解体されて、更地に。敷地を良く見ると、手前側に沈降しています。もう一つ目立つのが、左隣のお宅の壁。アパート側に大きく傾いています。「コンクリートの壁でもこんなに...」と思ったのです。
2枚目の写真は今日、撮影位置を左側に移動させ、しかも角度を変えて撮影したもの。まずアパートが存在した場所は埋め直されて段差が解消され、現在は駐車場として使用されています。左隣のお宅の壁は...というと、最初に受けた印象とちょっと違う。
時間がなかったこともあり、3月は壁がすべて一体だと解釈したのです。ところが今日の写真を良く見ると、奥と手前で壁の傾き方が違うことに気づきます。
奥は鉄骨で母屋と一体化されたコンクリート製の壁。でも手前は(下部を除き)コンクリート製ではなく、十分な基礎のない木製カーポートと一体化された構造物。「骨」に当たる部分は木製の柱で、「壁」は住宅用外壁材。
同じように塗装されているので、3月は全体が同一構造だと早とちりしたのです。ただし正確に言うと、この縮小写真ではわかりませんが、奥の壁も実は垂直ではなく、少し傾いています。もしかすると、母屋そのものも少し傾いているのかもしれません。でも3月にもお伝えしたように、何を水平垂直の基準にすべきかがわからない。
すべてが少しずつ、しかもそれぞれ異なった角度で傾いているので。この厳しい環境下で、人々の現実の生活が続きます。この地域(および富山県の一部)が完全に元に戻るまでには、排水管が持ち上がった道路以上に時間がかかりそう。
そして被害が大きかった能登地域は、さらに厳しい条件下に置かれていることを忘れてはなりません。
■12月13日(金) 「ねぐらに帰るぞぉーっ!! 」 ──白鳥の群を間近で見るなら、ぜひ「キュンパス」で──
今日は金曜日。
センセイの行動パターンはほぼ平常に戻っているので、いつものようにお昼過ぎに実家へ。主に両親の(安否確認+)1週間分の食料を調達するためです。帰路、親戚宅へ立ち寄って若干の打合せを。
センセイの任務はほぼ完了しているので、今日は残務整理。従姉に見送られて玄関を出ようとした時、家の外に、得も言われぬ猛烈な違和感を覚えました。生き物の気配です。戸外で猫を飼っているのですが、絶対に猫ではない。
危険な感じではなかったのでドアを開けると不意に、上空から「グワーッ!!」という大きく、低い音。白鳥の群が親戚宅の真上を通過中なのです。建物や木々の陰から白鳥が次々と「飛び出してくる」──本当にそんな感じ──ので、一瞬では全貌を把握できません。
他の鳥と違って白鳥は格段に大きく、しかも質量が。それが何十羽もの群れとなって低空を飛んでいるので、圧迫感すら覚えます。やがて概ね全体像がわかるようになりました。総数は約50羽。
二つの大きなグループと数羽の小さなグループに分かれて、概ね南を目指しています。慌ててコンパクトデジカメを取り出したのですが、かなりの速度で飛行しているため、どうしても後追いになりがち。しかも空中なのでCannonといえども、なかなかピントが合わない。
それでも何とか撮影した中の1枚が、右の写真。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960)いつもと異なり、今回は撮影した写真の原寸切り出し。加工もしていません。右の写真は一つの群れの先頭部で、拡大写真はその群れをできるだけ後部まで撮影したもの。(拡大写真も原寸。ただしトリミングが異なる)
群れはすでに、かなり離れた場所まで移動しています。大型の望遠レンズなら別なのかもしれませんが、コンパクトデジカメだとこれが限度。最初の、あの圧迫感からはほど遠い。カメラの準備時間を含めた撮影テクニックのなさを無理やり正当化した上で、メッセージが。
もし雪のシーズンに白鳥の群れを間近で見たいのなら、ぜひ当地へ。首都圏からなら「キュンパス」を使ってラッシュアワー後に新幹線に乗車しても、問題なく往復可能(ただし「WESTERポイント全線フリーきっぷ」のエリア範囲外)。しかも他区間と違って、上越新幹線の自由席には十分余裕があります。
「長峰大池」で白鳥を間近で見てから「白鳥おじさん」で有名な「瓢湖」へ回っても、余裕で帰京できます。ちなみに今日の鳴き声は、「ねぐらに帰るぞぉーっ!! 」という感じでした。
■12月12日(木) 何に出逢うかは... ──鉄道の旅、本来のお供は大判の時刻表と正統派の地図──
昨日お伝えする予定だったお話。
要するに鉄分補給のため、冬の間にどこかへ出かけたい...ということなのですが、良く考えるとこの問題は奥が深い、個人的には、そもそも何のために鉄道旅行するのかが問われているように思えるのです。
もちろん他の解釈を否定するつもりはありません。小さな子供がいるファミリーだったら、「近所でもいいので、とにかく列車に乗りたい」から始まり、やがて「キュンパス」を使って本州の北の果ての三厩(みんまや)駅(7、8枚目の写真)へ行ってみたいとか。
実際には大湊線の大湊駅(3枚目)の方が緯度は高いのですが。もしかするとその先には、センセイのような「JR線全線を乗り潰したい」などという人が現れるかも。なおセンセイの場合、JR東日本の一部区間(首都圏)と、比較的最近開業した西九州新幹線には乗車していませんが。
でも「あそこへ行きたい」あるいは「これを見たい!」という段階を過ぎることができると、人によっては考え方がドラスティックに変わる瞬間が。その変化に気づいた瞬間、移動や一般的な観光以上に途中で出逢う「もの」や「事柄」そして「人」に、「旅」つまり人生の意義があるように思えてくるかもしれません。
「もの」とは車中あるいは目的地での食事や、そこにしかないオブジェクト。まぁ、その意味では観光とほぼ同義ですが。ただし車窓の風景は見逃せない。日本列島──今回は国内を念頭に記述──は東西だけでなく南北にも長い。しかも地域によって気候風土が大きく異なります。
大都会もあれば寒村もあり、山岳地帯や海岸も。そしてこれは「人」とも繋がりますが、ごく一部の例外を除けば、どんな場所に行っても人々がちゃんと生活していらっしゃいます。もちろんその地域に適した暮らし方で。
車内は地域差が比較的小さいのですが、駅を出るとその地域ならではの事柄がセンセイを待っています。(言葉で表現するのは難しい)列車内にもいろいろな人が。特に各駅停車だと方言丸出し──これはこれで興味深い──で地域の事柄を熱く語っています。列車を降りると、そこはまさに普通の人々の生活の場。
実際にお話をさせていただく機会は稀で、たいていは何もせずに通り過ぎるだけなのです、されど、そこから学ぶべきことは実に多い。
若手の研究者と話していた時、「そうだよねぇー」と妙に一致したことがあります。
しばしば運が良いとか悪いとか、あるいは「与えられた運を使い果たした」というような表現をすることがあります。もちろん、それはそれで良くわかるつもり。でも同時に、若手の先生と再確認したことが。
「運(幸運と不運)は割と平等にプカプカ浮かんでいて、それを掴むか掴まないかは、その人の能力による部分が大きいよね」。「すべてがそうだ」と決めつけているわけではありません。
でも冷静に考えてみると、好機を見極めて適切に行動する人も稀にいれば逆に、「ここで、それを選ぶかぁ?」と、わざ悪い選択をする人も。そして最も多いのは運がすぐ近くにやってきているのに気づかずに、チャンスを見逃す人。
鉄道の旅にも共通する要素が。センセイにとって鉄分補給は、おそらく修行の場。
ふだんと異なる環境下で何を感じて何を学ぶかという感覚と判断能力を磨く「行(ぎょう)」のようなもの。極論すれば運/不運同様、何に出逢うかは旅する本人次第と言えるかも。つまりこのような「旅」で真に問われているのは相手ではなく、旅人の側。
前振りが異常に長くなりましたが、ここからが本題。旅にはやはり「お供」が必要。鉄道旅行の場合はまず、大判の時刻表。最近はスマートフォンでいろいろな情報を得られます──それはそれで活用すべき──ですが、ネット上の情報が苦手な部分も多い。
一例を挙げると会社線の終着駅やJR主要駅での乗り換え。次の列車の発車時刻は簡単にわかりますが実は、その駅での折り返し列車も多い。それがわかれば列車到着までの間に外に出てお弁当を買ったりできますし、何より折り返し列車で良い席を確保することができます。
そのためには列車の停車位置が重要になりますが、これは標識を読めるようになると容易に推測できます。「助さん、挌(かく)さん」ではありませんが、もう一人(?)のお供は地図帳。写真はセンセイが40年近く愛用してきた平凡社の『常用日本地図帳』(1985)。ページ数はかなりあるのですが、それでもB6サイズ。
比較的軽量なので、北海道から九州までお付き合いただきました。(沖縄県には持ち込んでいない)ごくオーソドックスな地図帳ですが、残念ながら現在は販売していないようです。
大判時刻表同様、ネット上の地図で得られる情報も多いのです。ただしどうしても片寄りがある──例えば販売店などの目立つ情報が多すぎる──ので、もっと基本的な地形や河川、標高などの情報は得にくい。
その点、国土地理院の「地理院地図」はとても役に立ちますし、デジタルならではの有益な情報も多い。鉄道旅行に関しては以前ご紹介した『全国鉄道地図帳』も持っているのです。ただしこちらは道路地図の会社によるものからか鉄道ファンに妙に媚びており、基本的な情報が弱い。またお伝えした(2枚目の写真)ように、調査も中途半端。
しかもかなり重いので、持ち出すことは難しい。
え"っ、散々批判しておきながら、今はどうしているのかって?
実は15年くらい前までは写真の『常用日本地図帳』を携帯していたのです。ただし加齢に伴う体力の低下で、旅先には大判時刻表──これはかなり早い段階で諦めた──も地図帳も持っていきません。
代わりに必要な部分のみをスキャンして印刷し、持ち運んでいます。(これもあって、A4レーザープリンタを購入した)もちろんセンセイも体力維持には務めますが客観的に考えると、今後その向上は難しい。
というわけで今冬、鉄分補給に出かける機会があったとしても「お供」については現状維持かなぁーという感じです。
P.S.
JR西日本は本日、来春の「WESTERポイント全線フリーきっぷ」発売を発表しました。昨日お伝えした「キュンパス」に似た企画乗車券ですが、こちらは2日間有効で、指定席を6回まで利用できます。ただしWESTERポイント必須のため、西日本で「普通の乗り方」──定義は難しい──をしている方には事実上、販売価格約20,000円となります。
また今夏発売された同名の「きっぷ」と比較すると、値上げされた上に利用期間が3日から2日に短縮されています。
■12月11日(水) JR東は来春も「旅せよ平日! JR東日本たびキュン早割パス」を発売。新たに2日間用も
予定を変更してお伝えします。
昨12月10日、JR東日本は今春に引き続き、来春も「キュンパス」こと「旅せよ平日! JR東日本たびキュン早割パス」を販売すると発表しました。センセイが知ったのは今朝。したがって、昨日の鉄分補給はこのニュースを知らずに書いています。
この春、大きな話題となった「キュンパス」。今春の分の概要を振り返ると、平日限定ながら料金10,000円で新幹線や特急列車を含めてJR東日本全線(+一部第三セクター)の普通車自由席が乗り放題。((c)JR東日本)
しかも2回まで指定券を発券できます。センセイを含めて、JR東日本の会員(年齢制限あり)向けには期間限定──今年は追加分も──ながら同様の、しかも数日有効な企画乗車券が販売されているのです。
ただし「キュンパス」にはそのような制限がありません。そのため、かなりの方が実際に利用されたようです。鉄分を補給すべくセンセイも購入したのですが、あまりの人気ぶり、そして予想される混雑に断念。
閑散期向けの企画商品ですから、「来春も発売するだろうな」と考えていたのです。ただし最近のJR東日本の鉄道事業に関する姿勢からして、何らかの形で実質的に値上げするのではないかと予想していました。この点については、完全にハズレ。
基本的な条件は今春と同じで、新たに2日間用(18,000円。指定回数4回)も発売。さてその上で、今春のように人気商品となるか、そしてセンセイが実際に利用するかというと...ちょっと微妙。
前者については年齢にかかわらず、首都圏から青森や秋田のような遠方を初めて出かけたり、ピンポイントで観光地を訪れる場合などには向いています。もちろん逆に遠い地方から上京して、その日のうちに帰宅する場合なども。
またセンセイが計画したように、新幹線を使って東日本を駆け足で一周することも可能。それ故、この企画乗車券の意図は理解できるつもり。特に、これまで列車の旅に縁がなかった若い方が「キュンパス」をきっかけに鉄道旅行に目覚めるとしたら、鉄道ファンとしては嬉しい限り。
ただし昨今の状況からすると、初めての経験が「その後」に繋がるかどうかは難しい。何しろJR各社が、そしてその背後に存在する国までもが後ろ向きなのですから。
センセイ個人...というより、ご紹介したJR東日本の会員を中心とした高齢者についてはもっと厳しい。「大人の休日倶楽部パス」(東日本)の場合、5日有効で普通車用は18,800円(えきネット購入の場合)。
指定席券は6回まで。こちらは平日限定という縛りもありませんから、高齢者が5日間も乗れるかどうかは別にしても「キュンパス」(2日間用)より格段に割安。
というわけでセンセイの場合、鉄分は補給したいけど「キュンパス」を使うかどうか──そもそも「大人の休日倶楽部パス」も──については、現時点で何とも言えない状況です。かといって「青春18きっぷ」だけでは行動範囲が制約されます。
最後に、もう一つ。これは以上の記述とはまったく異なる問題ですが、この時季に日本海側を移動する場合は大雪による交通の混乱を頭に置く必要があります。2018年9月に発生した「北海道胆振(いぶり)東部地震」の時も、「大人の休日倶楽部パス」の期間内。
首都圏からの旅行客を中心に、センセイを含めて多くの人がJRを利用して北海道を訪れていました。あまり知られていないと思いますが通常の乗車券と異なり、この種の企画乗車券については非常時の救済措置が制約されている場合が多い。
う〜ん、どうしよう。(この続きがあるかどうか、まったくわかりません)
■12月10日(火) グランドデザインの欠如 ──実家の仕事も一区切り。鉄分を補給したいーっ!!
──
ある意味、1週間前の続き。
センセイは今日も実家へ2往復。昨日お伝えしたようにこれは予定されていた行動で、センセイは運転手。関係者を後部座席に乗せて市役所と年金事務所へ赴きました。昨日下調べをしておいたので、どちらも滞りなく用件をすべて片付けることができました。
やはり事前の準備は重要だ。これで公的機関に対する仕事はすべて終了。明日も別な件で親戚宅を訪れますが、それを乗り切れば西村家10代目ご当主様(予定)に与えられた任務は、現時点で関係者が失念している一つを除き、一区切りとなるはずです。
やれやれ。ここ2か月ほどは外的要因でバタバタを強いられました。正直なところ、講義を持っていたら身が持たなかっただろうと思います。まぁ、加齢に伴う体力、知力の低下も大きいのですが...。気がつけば、もう師走。
年末年始の準備を始める必要があります。それと同時に、ごくごく個人的に課題となっているのが鉄分補給。例えば去年の秋は企画乗車券を使って新潟県内のあちこち(+α)を訪れたし、冬には北海道まで足を伸ばしています。
ただしこちらは、極めて残念な理由で中断して帰宅しましたが。去年ほどではないにせよ、今年も秋に鉄分補給の旅を考えていたのです。されど止むを得ぬ事情で「ドジャーズ食堂」訪問を3回も断念するなど、なかなか思うようにはいきませんでした。
もっと優先すべき理由があって自分で判断したことなので、不平不満はないのです。他方、鉄分不足に陥っていることもまた事実。少しは余裕が出てきたので年内あるいは冬のエクスカーションを考えてみたのですが、これがなかなかうまく行かない。
しかも「青春18きっぷ」の利用期間に入ったため、「18キッパー」が増えているはずだし...。今回の鉄分不足は主に、センセイ個人およびファミリーの事情に起因するもの。
されどそれとは別に近年、鉄道会社が置かれている状況が厳しくなっているため、列車に乗りにくくなっていることも関係しています。写真は2016年、北海道大学で開かれた学会へ参加する際に利用した「周遊きっぷ」。(経年で印刷が薄くなっている)
かつての「周遊券(周遊割引乗車券)」──知らない方が大半のはず──に相当します。この時は大学から支給される交通費に加えて、上野から夜行寝台特急「北斗星1号」のA1個室に私費で乗車し、南千歳から石勝線へ。新得で再度乗り換えて根室本線(今春廃止区間)を経由して、札幌に入っています。
きっぷ券面には「復空」の印字と「復路航空機利用」の押印が。お察しの通り、帰路は新千歳から羽田に航空機で移動。極めて柔軟な対応です。これは単なる一例ですが、1987年の国鉄分割民営化から約20年が経過した当時は、このようにまだJR各社の連携がそれなりに生きていたのです。
それが今や、自社の経営だけでやっと。もちろん想定外のコロナ禍も関係していますが、根本的には国家の運輸および物流に関するグランドデザインが存在しなかった──かつ、今もない──ことに尽きます。昨日もお伝えしたように一人ひとりは能力が高く、誠実。
しかし、それが国家レベルになると...。近隣の、一見すると言語も文化も似ているものの、いざという時になるととんでもない瞬発力を発揮する国──もちろん、それはそれで問題がある──と対照的。
ちなみに2006年11月の北海道ツアーでは、上野から夜行寝台特急「北陸」で金沢へ移動しています。つまり最初と最後で夜行寝台特急に乗車するという夢のような行程。実はこの年の12月に北海道東部を経由して、室蘭を訪れています。
さすがに鉄分過多という感じもしますが。「北陸」乗車の翌朝には、講義を通常通りに実施。
体力が低下した現在のセンセイには、絶対に無理です。
■12月9日(月) これで安心して、旧Mac OSのデータが保存可能に ──MacBook
Pro完全復活──
今日も、午後に実家付近まで往復。
というか、実は午前中に病院や市役所、年金事務所、そしてなぜか農協その他を梯子して、一度で用が済むものは今日のうちに事務処理を完了させました。そうでないものは改めて訪れるしかありません。
でも無駄な手間はかけたくないので、再訪時に備えて手順や必要な書類等を確認。老若男女いろいろな方が相手をしてくださったのですが、皆さんそれぞれほぼ適切に対応。やはり人々の誠実さを感じます(一部例外を除く)。残務はもう少し続きますが関係者のおかげで、それも先が見えてきました。
深謝、深謝。というわけで今日は、外出前に片付けた内容を。多くの方が関心を持ってくださるとは思えませんが、個人的には大事なことなので。具体的にはタイトルにある通り、深刻な障害が発生したMacBook Proの最終整備。
不具合発生直後は、本当にやっとでこのページを更新。問題の全貌解明と並行して、OSの新規インストールそして再インストールと進んだのですが、これが実に、道なき道を進むような作業。特に鬼門の“BootCamp”──特殊なソフトのインストールを含む──とWindowsネットワークへの接続には難渋しました。
後者については古いデータを利用し、かろうじて接続に成功。その後、問題点を完全に解明して確実かつ安定した接続がやっと可能に。つまりこれで実用段階にまで復活しました。そこで外出時用に“SheepShaver”をインストール。
外部起動ディスク(USBメモリ)も作成。ただし「画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く」というわけではないのですが、整備はまだ未完。“SheepShaver”利用時の、旧Mac OSとのデータのやり取りに課題が残っているのです。
具体的には、旧Mac OSのファイル構造に依存したデータや、ある程度のサイズが大きいデータへの対応。現在、センセイが“SheepShaver”を起動するのは、G4 Cubeなど旧Mac OSマシン(実機)を使用できない場面に限られます。具体的には外出時。
サイト更新そのものはWindowsで行うのですが、写真の加工は“SheepShaver”上の旧Mac OSソフトが簡単。この場合は旧Mac OSのファイル構造を意識する必要はほとんどないため、問題はないのです。またネットワークを利用したマシン間のデータのやり取りについても問題ありません。
ただし前任校で講義を行う際、天文現象のシミュレーションなどで旧Mac OSのソフトを利用する場面が。さらに将来的には旧Mac OS実機のデータを、独特のファイル構造を保ったまま“SheepShaver”上の仮想マシンに移行させることになるはず。
この場合、単純なネットワーク接続だとファイル構造が破壊されます。前振りが長くなりましたが、そこで今朝、旧Mac OSとのデータのやり取りを可能にするよう整備しました。具体的にはMac OS 9標準装備の“Disk Copy”アプリケーションを利用して、“.img”ディスク(仮想ディスク)を作成。
1枚目左上のフォルダ内あるアイコンです。今回は、四半世紀前に標準だった1.44MB──知らない人も多いと思う──のフロッピーディスクを作成。それをダブルクリックすると、“Mac_FD”というボリュームがマウントされます。(名称は自由に設定可能)
中には4個のファイルが。(正確には、上の2個はアイコンを移動させるために空のフォルダにアイコンを貼り付けたもの)たとえば右下の「コントロールバー」というファイルを“FileBuddy”というソフトで調べると、リソースフォークとデータフォークという二つの要素から構成されていることがわかります。
これを、ネットワーク上で単純に移動させると構造が破壊されて使い物にならなくなります。修復はほぼ不可能。そこで“Mac_FD”をイジェクトした上で、“Mac_FDD.img”ディスクイメージをネットワーク上で移動。相手先の“SheepShaver”上でマウントし、開いた写真が2枚目。(仮想マシンのデスクトップに着色している)
ご覧のように、ファイルの位置などを含めてまったく同一です。(説明のため、フォルダの位置を変更)正確に言うと、作業内容に応じてボリューム内で“Mac_FDD.img”ファイルの位置を移動する必要──例えば文書フォルダ内とアプリケーションフォルダなど──があるのですが、すべての作業はネットワーク上で完結。
ディスクその他を抜き差しする必要はありません。お気づきと思いますが、今回は練習のようなもの。
25年くらい前のファイルですから、現在からすれば本当にサイズは小さい。でもファイル全体となると当然、フロッピーディスクでは収まりません。そこで現在、8cmサイズ──見たことがない人が大半のはず──容量100MBの仮想CD-Rディスクも作成済。
少なくとも12cmの仮想CD-Rディスク(640MB)まで対応できます。どうなるかと思ったMacBook Pro頓死から2か月。MacBook Pro(ほぼ)完全復活です。
少なくともあと1年、そして実際にはたぶんその数年先まで、センセイの主力機として頑張ってもらいたいと願っています。
■12月8日(日) 今朝の当地は一面が真っ白に。されど平野部で雪が積もったのは何と、この近辺だけ?!
予定を変更してお伝えします。
今朝の当地はかなり冷え込みました。アメダスの記録によると最低気温は0.0℃。今シーズン最低です。昨晩はいやに静かだったので、もしやと思って窓の外を見ると、ご覧のように真っ白です。(拡大写真(別ウィンドウ、1280×960)。降る雪を確認できる)
後述するように、個人的にはちょっと不意打ち感が。そもそもですが降雨や降雪は基本的に、空気中の水蒸気量が飽和限度(「飽和水蒸気量」)を越えた時に起こる現象。飽和に伴って、水蒸気が空気中から無理やり「絞り出される」ようなイメージ。(ただし「過飽和現象(/過飽和蒸気)」も存在する)
この飽和水蒸気量は気温と密接に関係。気温が低くなると、含むことのできる水蒸気量が大幅に低下します。
昨日も少しお伝えしましたが、日本海側の降雪には大きく二つのパターンが。一つは北西の風が強く吹き付ける時(=気圧勾配が大きい)に起こる「山雪型」。日本海を渡る間に低温、湿潤となった空気が、高い山々の手前で上昇──空気は流体なので──し、気温が急激に低下。
空気中から絞り出された分が雪になって、どんどん地上に降ります。そのため、雪が積もるのは山間部が中心。平野部では雪があまり降らない──まったく降らないことも多い──代わりに、強い風が一晩中「ゴーゴー」と吹き続けます。もう一つの降り方が「里雪型」。
これは低気圧の上空に寒気が入り込んでいる場合。山脈などの地形にはあまり影響されずに、低気圧と寒気が重なった場所を中心に、雪が「しんしん」と降り続けるパターン。だから昨晩の静けさが気になっていたのです。
もちろん降雪は自然現象。この二つのパターンで降雪を峻別(しゅんべつ)できるわけではありません。実際、今回も両者の要素を含んでおり、昨日の昼までは山雪型の色彩が強かったのです。
でも夕方から今日の日中は徐々に、里雪型へ移行。だからお伝えしたように、今朝はどうなるかなぁーと思っていたのです。
でもこんなにあっさりと平野部が雪になるとは思っていませんでした。例年より半月くらい早い。というか今年は──今年も?──とても「残暑」とはいえないような暑さの後、僅かばかりの秋を挟んで冬に突入したようなもの。
もちろん、冬囲い等の準備は終えていますが、だから心の準備が追いついていません。それはともかく、「当地でこれだけ降ったのだから、他の地域はもっと...」と思ったら、これが見事に大ハズレ。当地から30km〜40kmほど離れた、豪雪で有名な長岡市や上越市(旧高田市)は無雪。
アメダスやライブカメラで確認しました。さすがに、これにはびっくり。今回、平野部で雪が積もったのは当地近辺だけで、そこから南東方向の山間部でのみ積雪が記録されています。このラインから外れた標高の高い県境では雪がほとんど積もっていません。
とても珍しい現象。でも良く考えてみると、これは里雪型の特徴そのもの。一部繰り返しになりますが、雨雲がかかったすぐ隣の地域で雨が降らないことがあるように今回は、雪雲が連続して通過したごく狭い地域だけ雪が積もったのです。
このような降り方は、まだ序の口。本格的な冬はこれから。実際、午後から北西の風が強くなってきました。
さて西村センセイ、今日は意識して休息するようにしましたが、明日からは次期ご当主様(予定)として複数の仕事を再開する予定です。