2024年10月19更新(2024年10月27日ページ移動)
■10月19日(土) デジタル敗戦前夜 ──百均で乾電池用のバッテリーチェッカーを購入しました──
申し訳ありませんが、今日もブツヨクのお話。
「西村センセイにはそれしかないのか」と言われそう──そして実際、反論できないかも──ですが、今回購入したのは1枚目の写真右側および2枚目の写真のガジェット。これは「バッテリーチェッカー(/テスター)」と呼ばれているもので、その名の通り、(蓄)電池の状況を確認するためのもの。
高性能なものは、自動車のバッテリーを検査するために使用したりします。でも今回導入したのは乾電池やボタン型電池(の電圧)を確認するためだけの極めて簡易なもの。センセイは各種リモコンやポインターそして“Bluetooth”キーボード(2枚目の写真)に乾電池を使用しています。
そしてもう一つ、忘れてならないのが手首型血圧計。小型の単4電池2本を使用した超小型コンプレッサーで空気を圧縮して、血圧を測定します。コンプレッサーはモーターを使用。つまり消費電力は、何年も電池を交換しないリモコン類と違って桁違いに大きい。
それでも公称スペックでは約300回測定可能(アルカリ電池の場合)とのこと。実際にはその約1.5倍、つまり450〜480回程度使用できます。驚異的な省エネ設計ですが、それでもやはり一定回数使用後に電池の電圧不足を警告されて、電池を交換せざるを得なくなります。
ところが、そのダメ電池をリモコン類に使うと、まだまだ問題なく使用可能。後述するように、要求されている電力(≒電流量)が格段に小さいためです。
というわけで、それほど頻繁ではないにせよ血圧計が廃電池を生み出す以上、その活用が問題に。具体的には、電池にどれだけの能力が残っているかを知りたい。一つの目安になるのは、電池が供給できる──例えば1.5Vというような──電圧。
一般的には「テスタ」と呼ばれる機器を使って測定します。1枚目の写真左側は、センセイが最初の学部学生の時に購入して、現在も使用している「アナログテスタ」。50年近く前の製品なんですねぇ...。(遠くを見る目)
箱詰めして書斎の書棚に収めてあり、その気になればすぐに取り出すことができるのです。でも、それすら億劫(おっくう)に感じてしまうのが人間の情けなさ。
乾電池類に関する限り、もっと簡便なチェッカーがあります。35年くらい前に義父(故人)からもらった1,000円弱のソニーブランドの製品もその一つ。テスト対象の電池の電力を利用して残量の目安を判断するモデルでした。
とても便利だったのですが、どこかの機会で紛失したか、(誤って?)廃棄したらしい。同等品をと考えてたらネット上で出くわしたのが、この中国製チェッカー。地元資本の100円ショップにも並んでいたので購入しました。(100円+消費税)
2枚目の写真は、そのチェッカーを実際に使用しているところ。外側の“L”字部分が、まるでカマキリ──あるいは蟹──の手足のようにせり出して、乾電池の±端子とつなぐことができるようになっています。(他のサイズの乾電池や、ボタン電池も可能)
問題は、その表示内容。3個のLEDは左から順に使用不可、要注意、問題なし。検査対象の電池は、血圧計で電力不足を指摘されたものですが、ご覧のように3個のLEDすべてが点灯しています。
残念ながら少なくともセンセイの場合、これでは使用可否の判断ができません。そこでアナログテスタを取り出して電圧を測定すると、未使用電池は1.54V。これに対して、血圧計が使用不可と判断した電池は1.40Vおよび1.28V。
つまりこの100円バッテリーチェッカーは、その差異を適切に判断することができていないということになります。「それ見たことか。だから某国製は...」と感じた人がいらっしゃたら、それはチト──というより、かなり──危ない。この背後には、純粋に技術的な問題が。
血圧計の「使用不可」、そしてアナログテスタの表示、そしてバッテリーチェッカーの表示、それぞれの判断にはそれなりの根拠(と限界)が。血圧計の「不可」はまさにその通りで、機器を正常に動作させる電力(≒電流)を供給できなくなっていることを警告しています。要するに、パワー不足。アナログテスタは、ちょっと微妙。
調べていただくとわかりますがアナログテスタは基本的に、電流計。その回路内──具体的にはテスタ内──に抵抗を組み入れることで「電圧計」つまり電圧を測定できるふりをしているのです。このテスタの場合、内部抵抗は20kΩ(直流測定時)と低いため、表示される電圧の精度はイマイチ。
他方、一定の電流(≒電力)を流した場合の電圧という意味では、実際の使用状況に近い面も。で、このバッテリーチェッカー。意外に思われるかもしれませんが、内部回路はそこそこちゃんとしたデジタルテスタのはず。内部抵抗(≒インピーダンス(=交流抵抗))は高く、測定対象にほとんど影響を与えません。
義父からもらったチェッカーと違い、電圧の測定は内蔵ボタン電池の電力で行います。今回の用途では、その特長が裏目に。
ここまで電圧(V)、電流(I)そして電力(P)をちゃんと説明していませんでしたが、これらは“P=EI”という関係。この法則自体は常に成立しているのですが、今回のように電池といった実際の事象では制限が。
電池が劣化した状態で供給電力が大きい場合は、電圧が低下してしまうのです。要するに、電池に余裕がない。血圧計の電圧検出回路はこの点をシビア──たぶん厳しすぎる──に監視しており、電圧が少しでも下がると早めに警告を発し、(センセイのように)それでも使用を継続すると、強制的に機能を停止させます。
その意味ではソニー製の簡易なバッテリーチェッカーを含めて、国産品はとても良く造り込まれており、完成度は高い。アナログテスタはごく単純な回路だし、回路自身がそれなりの電流を流しているので、与えられた条件で結果を表示しているだけ。で、問題の中国製バッテリーチェッカーはというと、対象に影響を与えないように電圧を測定しているだけ。
その意味で、表示内容は正確。ただし誰が何のために...という根本的なところまで考慮が及んでいないため、閾値(“Threshold level”)の適切な設定に失敗。結果的に、電力不足の電池にもかかわらず「問題なし」と、3個とも点灯させる結果に至っています。
繰り返しになりますが、「だから某国製は...」と主張したいのではありません。まるでソニーとビクターのβ/VHS戦争のころの日本と、続く「デジタル敗戦」を目の当たりにしているかのよう。
正確には、デジタル敗戦前夜...ですが。
■10月18日(金) Mac OS 9が(部分的に)終わった日 ──A3プリンタを引き取ってもらいました──
今日もMacこと、Macintoshのお話。
ただしMacBook Proの不具合とは無関係です。誤解されると困るのですが、タイトルは「センセイのシステムで、かつ一部機能(印刷)だけが、今日から旧Mac OS 9で不可能になった」という意味。
Mac OS 9は引き続きセンセイのシステムの基幹ですし、このページは写真加工を含めてMac OS 9上で作成しています。今日は金曜日。つまり実家での用に従事する日。
今回はイレギュラーな母親の通院があったので、いつもより1時間以上早起きして実家へ。ところが母親を送る中で身内──実家や兄弟等ではない──の2人の具合が、急に悪くなったという情報を得ました。
そちらへの対応と治療を終えた母親を実家に送ったため、珍しく車であっちへ行ったり、こっちのお店を訪れたり。まぁ、これが早めに退職した理由なので、いいんですけど。(つくづく、この判断は適切だった)
でも今日は、それとは別に自動車を使いました。2008年に購入したエプソンのカラープリンタを、市内の「ハードオフ」で引き取ってもらうためです。このプリンタ購入の決め手は、Mac OS 9で使用できること。
というか、旧Mac OSに対応する最後のモデルなのです。よく働いてくれましたが16年、つまり設計寿命のほぼ倍も前の製品なので、どうしても徐々に不具合が発生してきます。2年くらい前から起きたのは年賀状や、宛名印刷などでの紙送りトラブル。
厚みのある用紙の紙送りが上手くいかなくなってきました。ついに去年は通常の印刷でも不具合が発生するように。お伝えしたように、この時は再生品の感光体ユニットを購入して乗り切っています。
ここ半年くらい起きているのは、これらと異なる事象。電源を投入し、少し印刷するとシステムエラーが出て、印刷できなくなるのです。たぶん電源部電解コンデンサの、経年劣化による容量抜け。
電解コンデンサは化学製品なので劣化しやすいのです。電源を再投入すれば、つまり1枚ずつ印刷すればうまく行くことが多いのですが、さすがにこれでは実用と言えません。対応方針は、二つ。
プリンタを買い替えるか、書斎での印刷を放棄し、印刷ファイルを用意してコンビニ等で出力するか。いろいろ悩んだのですが、センセイは前者を選択。この判断と引き替えに、旧Mac OS 9からの印刷ができなくなるということを意味しています。
1枚目の写真は昨晩、旧Mac OSから最後にプリンタに接続した時のもの。こちらの写真と比べると、接続可能なプリンタの台数が半減しています。正確に言うと、ネットワークのアイコンが2個ずつ表示されているので、プリンタは半数以下にまで減少。
その上で、ステータスシートを印刷しました。それによるとこれまでの印刷枚数は合計約1,100枚。個人使用で、これを多いと見るか少ないと感じるかは難しいところ。いずれにせよ退職後であることを考えると、今後の印刷枚数は激減するはず。
だからコストだけを考えると、コンビニでの出力の方が安い。ただしセンセイの使い方や、今後、西村家── 一族を含む──で起こるであろうことを考えると、次期ご当主様(予定)としては幅広く対応可能なシステムを維持する必要があると判断。
というわけで旧Mac OS 9での印刷を断念し、プリンタを更新することに。ここで問題となるのが古いプリンタの処分。使用中の方はお気づきだと思いますがレーザープリンタ、A3対応のプリンタは大きく、しかもかなりの質量。当該プリンタの場合、38kgもあります。
センセイ一人、あるいは家人の手助けを得たとしても移動不可。(導入時も大変だった)途中経過はほとんど省略しますが結局、市内のハードオフが引き取ってくださるとのこと。最初は出張買取──買取価格は不問──で...とのことだったのですが、夜になって店長と思(おぼ)しき人物から連絡があり、出張は不可。
結局、市内の中堅運送業者に運んでいただくことに。右の写真は、搬出直前に撮影したもの。少しでも搬送時の質量を減らすように、内部の感光体ユニットと下部の用紙トレーを外しています。
また事故防止のため、左隣のパイオニア製レコードプレーヤPL-7Lを一時的に外して待避させています。「遺影」ですねぇ...。
14時過ぎに電話があって、運送会社のお二人が登場。2階への階段を見て「きついなぁ」。さすがだ。その後もテキパキと作業を進めてくださり、あれよあれよという間にプリンタは中型ワゴン車の荷台に。
自宅を発つ車にセンセイも続きます。お店到着後、カウンターで手続を済ませて作業完了。ハードオフ側は持ち込んだプリンタと6本もの未開封トナーの査定に入ります。運送会社のお二人にお礼を伝えた後、センセイは伯母宅へ移動。
あれこれ片付けた後、再びお店へ。「運送代くらい返ってくれば御の字...」と思っていたのですが、若い女性店員が提示したのは、その約1/4。ま、いいんですけど。
センセイとしては粗大ゴミとして処分するなどせず、これまでの貢献ぶりに感謝して、できるだけの対応はしたつもり。うまく行けば、次のオーナーに恵まれるかもしれませんが、仮にそうならなかったとしても、成仏してね。
深謝。
■10月17日(木) これはちょっと予想外。近所の、ナンバーが外された車の1台が撤去されていました
MacBook Proのトラブルの話が続いた──主力機のため、しかたない面がある──ので、今日はタイトルのお話を。
先日、拙宅の近所を歩いていて予想外の光景に出くわしました。
1ヶ月ちょっと前にお伝えしたばかりの、事実上放置された2台の車に大きな変化があったのです。一部繰り返しになりますが、左側のアルファードは数年前からこのまま。気がついた時にはすでに、ナンバープレートが外されていました。
問題はその右隣。ここには茶色がかった黒色のフィット・シャトルが止められていたのです。でもこちらは、少なくとも2年くらい前まではナンバープレートを装着。
お伝えしたようにそれが、いつの間にかナンバーが外されていました。こうなると常識的には、もう、この状態が続くんだろうなぁ...と予想されます。実際、センセイがこれまでお伝えしてきた他の車に変化は見られません。
もちろん金沢を離れた現在、あちらの車がどうなっているかは確認できませんが。ところが何と、フィット・シャトルの姿がない。たぶん今月に入ってから撤去されたんだろうと思います。いったい、何が起きたんだろう...。
でも当事者ではないセンセイが、真実を知る日は来ないのでしょうが。この件についてはセンセイにも反省点が。2台が並んで止められていたなどの理由から、2台の車の所有者が同一だろうと推理しています。
ただし2年前の時点で、ナンバープレートの有無に差異があったこともまた事実。今回の展開からして、2台のオーナーは別と考えるのが自然。
つまりセンセイの予想は外れ。西村センセイ、どうもこのところ詰めの甘さが目立ちます。されど、自己の能力の低下を自覚しさえすれば、自(おの)ずと、それなりの対処方法が見えてくることもまた事実。
MacBook Proの件についても今日、重要な進展がありました。(ただし現在も進行中なので、今後の展開は不明)後日、まとめてお伝えできるだろうと思います。
■10月16日(水) 負った傷は、三重に痛い...(2) ──夜に重要な仕事をするのはやめよう──
飽きた方もいらっしゃると思いますが、昨日の続きを。センセイにとっては重要な問題なので。
作業2日目は、ひとまずインストールして最新バージョン(22H2)まで辿り着いたWindows 10に、ユーティリティソフトをインストールしてネットワーク接続を設定。その上で待避させておいた書類を書き戻します。
作業が順調に進めば、その上でアプリケーションをインストール、この日の鬼門は2つ。特殊なユーティリティソフトとネットワーク設定。それさえ乗り切れば、後は...。(と、ここで、完全に油断してしまった)
そう思い込んでしまったのには、それなりの理由が。まず、Windows側からMacに接続するソフトをインストールした途端、ブルースクリーンになる可能性がかなり高い。実は2週間前にも発生しています。
実際、覚悟を決めてインストールしたところ、ドッカーン!!見事にブルースクリーンに。前回は奇跡的に復旧できましたが、今回はWindowsボリュームの消去から再開(!!)するしかありません。ここはグッと気持ちを抑えて、ひたすらWindowsをインストール。
悪戦苦闘の末、最新のバージョン“22H2”に辿り着きました。「これでダメだったら...」と思いながら、件(くだん)のユーティリティソフトをインストール。
再起動させたところ、またもやブルースクリーン(絶句)。もう、本当に心が折れそうですが、プッツンしそうになる気持ちを抑えて、3回目の消去とOSインストールへ。つまり前日を入れると何と、5回目(!!)のOSインストール。
ただしWindows OSのバージョンとユーティリティソフトの相性があるかも。そこで、インストールの早い段階でソフトをインストールすることに。いろいろトラブルがあって、強制再起動を余儀なくされたりしたのですが、今回は何とか無事に再起動しました。(ただしOSのバージョンとの関係は不明)
鬼門の一つを何とか乗り越えたわけですが、次なる難関が。アプリケーションをインストールする前に、Windowsネットワークを設定したい。かつてWindowsネットワーク設定は割と、簡単でルールも明快だったのですが。ところが最近、どんどん難しくなっています。
おそらくセキュリティ確保の観点からWindows OSのバージョンアップのたびに、管理が厳しくなっているのだろうと推測されます。一般のユーザーにとっても難しいのに、加えてセンセイの場合はさらに特殊な事情が。特殊なソフト──国内では最新版が取り扱われていない──を使って、旧Mac OSからWindowsネットワークに乗り入れているのですから。
個人的には非常に便利で、新旧MacおよびWindowsを一体運用しているのに...。で、やってみると、繋がらない。
何度やっても繋がらない。記録を確かめて同じ設定にしても繋がらない...。ここまでで5時間ほど経過。結果的にはセキュリティ管理のレベルを下げることで、何とか接続することができました。
でもこれって、セキュリティ確保という本来の目的からすると逆効果なのでは?さすがにこれ以上の連続作業は無理。というわけでお昼を頂き、少し休んでから次の作業に。ただし昨日お伝えしたように、主要ソフトのインストールは後回し。
外付けMS-DOSディスクに待避させておいたファイルを書き戻すことに...あ"っ。ここで初めて、今回の一連の作業での最大かつ致命的なミスに気づきました。肝心なデータをMS-DOSフォーマットのディスクに待避させてしまったのです。
この問題、最近のユーザーの方にはほぼ無縁。1枚目の写真はこの夏、前任校で集中講義を実施した際に使用した(ものとほぼ同じ)ファイル。左側がオリジナルで、右側が待避させておいたファイル。
アイコンが違います。正確に言うと、左側上段は今まで使っていたワープロソフトのファイル。右側上段はその内容を元にして作成したパワーポイントファイル。
左側には“.docx”などの拡張子がありませんが、旧Mac OSは問題なく本来のアプリケーションでファイルを開きます。これは旧Mac OSのファイル構造が「リソースフォーク」と「データフォーク」の二つから構成されているため。(どちらか片方だけのこともある)
本来のデータとは別に、リソースフォークに使用すべきアプリケーションなどの情報が記されているのです。2枚目の写真は、左側下段のファイルを専門のソフトで分析したところ。右上の下線部分で「リソースフォーク」の存在と容量を確認できます。
ここから作成したソフトがAldus社──後にAdobe社に吸収合併──の“SuperPaint”というソフトであることがわかります。(左上および右下)ただしWindowsからしたら、そんな個別の事情は理解不能。そこで二つのリソースを別なものと見なして取り扱います。3枚目の写真はその様子。
ファイル名は異なりますが、実質的には左側とほぼ同一のファイル。されどこちらでは、リソースフォークが削除されており、Mac側からすると「良くわからないので、たぶんWindowsのファイルでしょう...」という解釈。
こうなるともう、アプリケーションから強制的にファイルを開こうとしても不可能。つまり、古くからの、そして本質的に重要なファイルの多数を二度と使用できなくなってしまったということ。(ただし、すべてのファイルがその対象というわけではない)
傷心の理由をおわかりいただけたでしょうか。インターネットの普及に伴ってこの問題──圧縮などの方法を取らない限りWindows同様、リソースフォークが分離する──は徐々に解消されるように。1枚目の写真右上のファイルがその一例で、誰がどう見てもパワーポイントファイル。
旧Mac OSからしたら「わからないファイル」ですが、Mac OS XおよびWindowsはこの拡張子をキーにして、ファイルを正常に開くことができます。4年前はちゃんとこの問題を認識しており、完全なバックアップを取ってから新規インストールしています。その際、新規インストール作業そのものには失敗しましたが、過去のデータは完全な形で引き継がれました。
作業初日(=一昨日)の晩までは。暗澹(あんたん)たる気持ちで書類を書き戻します。保存先は大容量SSDだし、最近のUSBは高速──旧式のセンセイの環境下でも、FireWireより速い!! ──なので何十GBのファイルにもかかわらず、作業そのものはあっさりと終了。
立ち尽くすセンセイを残して。今回の大失敗、直接的には(1)問題の本質を見誤ったこと。4年前はちゃんと認識していたにもかかわらず。加えて(2)インターネット上で再起動しただけではインストールできないことを覚えていなかったこと。
実はこの点に関して、どうやって新規インストールしたのか、記憶が欠落しています。Mac/Windows相互乗り入れソフトやネットワーク接続の問題──それはそれで重要──は相対的に軽微。本来の目的は、眼前の傷ついたMacBook Proの復旧のその先。つまりこれまでの資産の継承と活用。
たとえ一瞬とはいえ、(3)その最大の目的を見失ってしまった...。長文にお付き合いいただいた方は今回のミスの背後に、もっと本質的な問題が潜んでいることにお気づきのはず。最近起こしてしまった他の件を含めて、です。その件については後日改めて触れるとして、差し当たりの反省を。
重要かつ細心の注意が必要な仕事を、夜に始めるのはやめよう。特に、飲酒後は。
■10月15日(火) 負った傷は、三重に痛い...(1) ──「OS Xをインストールできませんでした」──
このサイトを更新できる程度にまで、MacBook Proをひとまず復旧させることができました。
ただし実情は惨憺たるもので、センセイは満身創痍(そうい)。白状すると心は4/5くらいまで折れています。ここまで何とか、気力だけで作業。
現時点でインストールを終えているのは、ネットワーク接続──ただし問題あり──を含むOS(「20H2」)とブラウザ、FTPソフトのみ。Officeはセンセイがメインに使うExcel 2000(!!)だけインストールしましたが、新しいOffice 2019はまだです。
余力があれば今晩インストールするかもしれませんが、その場合もOutlookの設定は明日へ送ります。お察しの通り、昨晩のこのページは通常より早めに更新。今回は時間がかかるため、早めに作業に取りかかったのです。まず専用の工具を使ってMacBook Proを分解。
このモデルは注意すべきポイントこそあるものの、分解作業は比較的容易です。SSDを新品に交換して、元の状態に戻します。MacBook Proに電源を繋ぎ、インターネットが使用できる環境で起動。直後に「コマンド+R」キーを押し続けます。(こちらやこちら)
2週間前と同じく、あっさりと接続。当初の予想所用時間は「約1時間」とのことだったのですが、それが徐々に短くなって結局、所要時間32分でデータダウンロード終了。ちなみに、後述の2回目は約20分でした。
画面が変わってインストール段階へ。(1枚目の写真)基本的にここまでは順調。もちろん時間はかかりましたが、想定より短いくらい。やれやれ...と、今後の段取りを考えていたら、画面がまた変わりました。
転換そのものは通常通りだったのです。ところが、続く表示に我が目を疑いました。「OS Xをインストールことができませんでした インストールできるパッケージがありません」というのです。4年前はちゃんとインストールできたのに...。(2枚目の写真)
なんてこった...。Apple側のシステムに問題が発生している可能性が高いのですが、こちら側のミス等も否定できません。再度インターネットからのインストールを試みたのですが、不可。
MacBook Proを再度分解してSSDを取り出します。外部から初期化した上で再びMacBook Proに組み込み、インストールを試みたのですが、状況は変わらず。ターゲットディスクモードその他もやってみましたが、不可。
つまり少なくとも現時点で、センセイのMacBook ProにMac OS Xを新規インストールする方法は存在しない。改めて確認すると実は、4年前も同じ状況に。あの時はどうやってMacOS Xをインストールしたんだろう...。後日お伝えすると思いますが、その時の記憶がない。トホホ。
ただし今は選択の余地なし。(と、思い込んでいた)昨日お伝えしたように、元のSSDに戻して、Windows部分を消去して再インストールしかありません(キッパリ)。この時に備えて、ファイルはすべて外部のMS-DOSフォーマットのディスクにコピーしてあるし...。
この時点で、作業開始から数時間が経過。また昨晩はビールのアルコールの回りが早かったため、この頃になるともう、物事を広い視野から考えることが難しくなっていました。後に、この判断がどれほど不適切だったかを思い知らされるのですが...。
それはともかく再びMacBook Proを分解して、元のSSDをに戻します。Mac側から起動し、BootCampを使ってWindowsパーティションを消去しようとしたのですが...できない。何度やってもダメ。ビール漬けのセンセイの脳みそも、ここでやっとトラブルの真の原因に気づきました。
本質的な問題はWindows側──多少の問題はあったのかもしれない──ではなく、土台となるMac側にあったのです。年初の「能登半島地震」では石川県内灘町や新潟市西部で、地面の液状化とともに「側方流動」が発生しました。要するに地面全体が下方にずれ落ちる。こうなると、地図上の位置と実際の位置が相違してしまいます。
そのイメージ。こうなるともう、何が正しいのかわからなくなってしまう。
慌てて外部から起動し、専用のソフトを使ってMac側を点検すると、やはりやや重い損傷が発見されました。Mac側の損傷とWindowsへの影響はこれまでも発生していたため少し機になっていたのですが、今回は注意不足。(反省)
MacBook Pro側からのチェック──病気の医師が自分の身体を診ているようなもの──で問題なしとのことだったため、油断していました。そのまま外部ソフトを使って修復──外科手術のイメージ──すると、Windowsボリュームを無事消去することができました。この瞬間、Windows側のオリジナルデータは完全に消失したのですが、その意味に気づくのは翌日のこと。
再度Windows用にパーティションを切って、Windows 10をインストール。とにかくクリーンなOSだけをインストールして休もうと思ったのですが、途中でアップデートしなくなってしまいました。もしかするとSSDに問題があるのかもしれませんが、問題を同定する手段はありません。
仕方がないので再度Windowsボリュームを消去。改めてWindows 10を新規インストールします。時間こそかかったものの、二度目は割と順調。大きな問題もなく最終バージョンの「22H2」──「2022年度後半」の意──まで更新することができました。
作業開始から5時間半が経過。本当に大変でしたが、これで一区切り。明日は爽やかな気持ちで各種ソフトをインストールし、バックアップから文書データを戻し...。それがいかに甘い予測だったのかを思い知らされるのは翌日のこと。
ただしこれまでの経験からすると、それも無理からぬところがあります。初日も大変でしたが、2日目はさらなる修羅場が...。(続く)
■10月14日(月:祝) 明日、明後日は更新できないかも... ──MacBook Proはやはり、SSD交換へ──
トラブルが発生して1日半。MacBook Proの現状が少しずつわかってきました。
一言で表せば「満身創痍(そうい)」。見かけは何の異常もないのですが、内部には問題が確実に存在しています。例えば昨日お伝えした、起動時にキーボードやマウスを受け付けなかった件。
正確に言うと、今日はマウスを受け付けていますが。よく調べてみると「反応しない」のではなく、「反応が難しい」状態。具体的には、特定の状況下で「ビジー」(busy)状態に陥り、その処理に労力を取られて、優先度が低い要求には応えられなくなっています。
写真はその際の「タスクマネージャー」の表示。Windows側もシステムに問題があることを認識しており、その処理のため常にCPUパワーを奪われています。基本的には何もしていない場面なので、正常ならばCPUの動作は0%に近いのです。
いずれにせよシステムに不具合があることは確実。しかもこのままでは、状態が悪化することはあっても改善は見込めません。OSのアップデート時に主にソフト面で問題が発生したのか、SSDの寿命などハード側の問題なのかは不明。(両方の可能性も残る)
対処方法は二つ。相対的にお手軽なのは、BootCampを使って現在のWindowsボリュームをひとまず除去し、Windows OSを再インストールすること。この場合、Mac側はまったく何の影響も受けません。
ただしこの場合、現在使用中のSSDのファイル(Windows側)はすべて消去されます。また、もしSSDに何らかの障害が発生しているのなら、いつか不具合が起こるはず。もう一つの方法は、すでにお伝えしているようにSSDを新品に交換した上で、まずMac OSをインストール。
その上でWindowsボリュームを作成して、Windows 10を新規にインストール。古いSSDは直接使われなくなりますが、ケースに収めれば外付けSSDとして利用できます。何かを新規にインストールするというよりMac、Windowsともに最新のファイルがそのまま保存されている、ということ。
やはりこちらの方がメリット大。というわけで、すでにMac/Windowsを相互に乗り入れる特殊なソフト──かなり高価──のライセンスを仮に解除。両方のOSインスト−ル後に、そのライセンスを使ってソフトを再び組み込みます。
実用最低限のシステム構築まで、少なくとも1日。もし前回のようにトラブルが発生すれば、数日かかります。状況確認だけで半日かかったので、SSD交換およびシステムのインストールは明日からの予定。
というわけで、明日──もしかしたら明後日も──の更新はできないかもしれません。
悪しからず。
■10月13日(日) 「これでもか...」というほど... ──MacBook Proが、何とか復活しました──
タイトル通りの結末ですが、直接のトラブルは現在も進行中ですし、その背後にある問題はもっと闇が深い。
白状すると、昨晩は絶望的な状況だったのです。
昨日は家人が不在だったため、お風呂に入ってから自分で夕食を調理。古くからの読者はご存じかと思いますがセンセイは学部学生時代の後半、新潟市内の中華料理店でコックとして働いて生計を立てていました。
だから自分で作る方が楽しく、かつ美味しい。(もちろん内緒)割と上機嫌で2階の書斎に入り、システムの電源を順に投入します...が、変。
主力機MacBook Proの画面が暗いままなのです。変だなぁーと思って再度電源ボタンを押します。最初の画面と、Windows 10の時計のような動きは確認したのですが、再び真っ黒な画面に。
おかしい。今度は意識して電源を入れたのですが、状況は変わりません。MacBook Proにとって極めて深刻な問題が発生したと同時に、システム全体が危機的な状況に陥ったことは明らか。
ここで、現時点でのセンセイのMacシステムのおさらいを。現役時代は研究室、金沢のアパート、自宅書斎そして移動環境で、MacBook Proを中心に旧Mac OS 9マシンと3台のMac miniをWindowsネットワークで接続。
退職後はすべて書斎に集約し、それぞれの役割を分担させ、かつMac miniは3台すべてAVシステムと接続。しかも単にMacとして使用するだけでなく、ブートを切り替えたり仮想マシンを使用することにより、システム全体としてはMacOSとWindows 10を同時に活用。(ただし個々のマシンはWindowsだけの場合がある)
仕事はWindows環境でテキパキと片付け、趣味の世界はMacというイメージ。しかも両OSに特殊かつ割と高価なソフト──右の写真はその一つ──をインストールしており、MacボリュームとWindowsボリュームを自由に行き来できます。
個人的には、これ以上望むものはないと言っていいほど使いやすく、かつ効率の良いシステム。ただしこのシステムには、弱点が二つ。まず、最新のデータをMacBook Proのみに保存するため、どうしても同機の記録媒体を酷使することになります。
実際、何度かトラブルに遭っており、現在は2TBのSSDに換装済。もしかすると「SSDなら可動部分がないから、超寿命かも...」というイメージをお持ちかもしれませんが、SSDにも寿命が。特に、頻繁な書き換えに弱い。
経験的には、寿命はHDDより短いという印象。そのためMacBook ProのWindowsボリュームには何と、800GB──使用しているのは約220GB──も割り当てて、できるだけ描き換えの頻度を下げようというのです。それでも寿命には抗えない。
今回発生しているトラブルも、SSDの寿命の可能性があります。倖い、Macボリュームからは何事もなかったのように起動。そこから特殊なソフトでWindows側の修復を試みます。1枚目の写真はその時の様子ですが何と、さほど問題はなく、しかも完全に修復したとのこと。
...でも残念ながら、Windowsは起動せず。もう一つの問題は、このサイトを更新するためのFTP転送──ファイルのアップロードのこと──がMacBook Proの、それもWindows側からしかできないこと。かつては旧Mac OS側からも転送できたのです。
ただし近年は技術面および使い勝手の事情でこのように。もちろんこれらのアキレス腱は良く承知しており、データ保存については多重のバックアップシステムを用意しています。今回も、昨晩はバックアップデータから何とか更新しました。ただし手動。
常に最新データが複数箇所で保存されているわけではありません。FTP転送の件も良く意識していたのですが、何故か仮想マシンからは不可。それもあってMac miniのHDDが寿命を迎えた機会に、記録媒体(SSD)を2TBに換装した上で、Windows 10(実機)をインストール。
まさにFTPソフトをインストールしようとしていた時に起きたのが、今回のトラブル。渋っていた理由は明白。インストールそのものは簡単なのですが、続くサイト設定が謎だらけなのです。ここで2時間ほど費やした後、やっとでテキストのみアップロード。(なお、画像ファイルも更新可能だった)
それが昨日のこのページ。ネットワークが半分使えないので、USBメモリを抜き差しして個別のファイルをやり取りする有様。昔々の、フロッピーディスク──若い人は知らない──を抜き差ししていた状況です。
残念ながらもはや選択の余地はなく、新規にOSをインストールしかありません。それでもWindowsボリューム上のデータは完全に保存されており、しかもMac側から完全にアクセスできたので、昨晩は最近のデータ保存に専念。
今日の日中は外出──後日お伝えすると思います──したのですが、帰宅後はその続き。内蔵SSDが寿命を迎えている可能性が高いので、新しいSSDと換装の上で数日かけてMacおよびWindows OSをインストールするつもり。
今晩は最低限の顛末だけをお伝えして...と思いながら、システムを順に立ち上げます。いつもの癖で、頓死したMacBook Proの電源を入れてしまったようなのですが...おぉ、何とか立ち上がっています(2枚目の写真)。昨晩も1回だけこの前の画面に至ったのですが、「通常起動」を選択したところ、敢えなく沈没。
微かな光明です。迷った末、右側の「システムの復元」を選択。昨朝時点でのデータが保存されているそうです。10分ほどで再起動画面に。もちろん再起動させるとひとまず無事に立ち上がりました...が、ログイン画面で反応がありません。
キーにもマウスにも反応しないのです。仕方ないので右下から再起動を選択したのですが、状況は変わらず。ここでソフトキーボード(3枚目の写真)をクリックしたのですが、状況は同じ。
でも何故かそれを閉じようとすると、ご覧のログイン場面に。(現在も変わらず)良くわからない...。
ひとまずパスワードを入力でき、起動するようになりました。この間、OSのアップデート画面が入りました。どうやらこれが直接の原因だったらしい。ただし前述したように、背後には深い問題が。
3台のMac miniはそれぞれ11〜13年前(こちら、こちらおよびこちら)に購入したもの。客観的には、いつどうなっても不思議ではない状況です。24年前(!!)に購入したPower Macintosh G4 Cubeは元気──今日もこのページはG4 Cubeで作成している──ですが、これは例外中の例外。
いずれ、この使いやすいシステムは寿命を迎えます。それだけではありません。そもそもこのサイトは受講生と双方向コミュニケーションのために開設したもの。つまり割とアクティブな動機。ただし引退した今、半ば本来の役割を終えています。
技術面でも、環境の変化に対応できなくなりつつあります。そう遠くない将来、新しく、そしてセンセイにとって最後の(安い)PCを購入することになるでしょう。でもそこで行われるのはメールのやり取りだったり、ブラウザでの閲覧。まぁ、非常勤つまりアルバイトが入ったら教材を作成するでしょうけど。
されど大きく考えると、これらは受動的な動機に留まります。「年相応」と言われれば、それまでなのですが...。何度もお伝えしていますが、どやら潮時はそう遠くないようです。
で、オマケ。
不具合が残るものの、とにかくMacBook Proを仮復旧させたと思ったら、今度は別なMac miniの仮想マシンのネットワーク環境に深刻な問題が発生。バックアップデータから書き戻しても状況は改善せず。(実話)
というわけで、「弱り目に祟り目」あるいは「泣きっ面に蜂」状態のセンセイなのです。ナシテ?