2020年2月15日更新(2020年2月23日ページ移動)
■2月15日(土) こちらは本格的なエビ天でした ──西村センセイ、3ヶ月ぶりに「サンレパス」を訪れる──
西村センセイ、今日移動日&家族サービスの日。
お昼過ぎに自宅に到着し、洗車の後に実家ヘ向かい、両親を乗せて食料調達。その後は94歳になる伯母宅を尋ね、大分その他の土産を渡して話を聴きます。両家から野菜その他を貰って、現在は自宅に戻ったところ。
今朝は7時に金沢のアパートを発ちました。金沢市街地を抜けて通称「山側環状」に乗る頃から、車がいつもとちょっと違うなぁーと感じるようになりました。BMWは今日も絶好調なのですが、例えばスピード感覚がメーター表示と少しずれています。
まず疑われるのは、自身の体調不調。しかし、少なくとも発熱しているという自覚はないし、身体に違和感もありません。考えられる可能性は、たぶん、久しぶりに運転しているから。実はこのところ、ほぼ毎日のように通勤に自家用車を使用し、大学近辺を走行しているのです。でもこの間、学部の大きな入学試験が実施され、その終了後に都内へ出張。
長距離運転は実に、約3週間ぶりなのです。富山市内に入る頃には感覚も元に戻りました。次なる課題は、昼食。どこかでお昼を頂く必要がありますが、センセイはキンエン生活中なので摂取する塩分と、食事後の眠気を考慮する必要があります。
西村センセイ、昨晩は眠りが浅かったのです。いくつもの候補のお店を脇目で確かめながら、新潟県内へ。本当は、今日も「かけそば つかだ」にしたいところ。でも甘味ながら、塩分が気になります。
手前の「サンレパス」で定食にしたいところですが、ちょっと気になるものが。「サンレパス」で「おまかせ定食」(600円)を待っている間、長距離トラックの運転手さんたちが麺類をいただいていたのです。
ラーメンではなく、うどんか蕎麦。これが本当に、美味しそう。最後まで迷った末に、おまかせ定食ではなく、写真の「天玉うどん」(450円)をお願いしました。「つかだ」の「天玉うどん」(320円)と比べてみたかったことも、理由の一つ。
手のかかる定食ではないので、比較的短時間で届けていただきました。最初に驚いたのは、丼が比較的小型で陶器製であること。「つかだ」のそれは、大学食堂に良くあるような樹脂製なのです。ずいぶん本格的。
そして何と、エビ天。センセイは当然、野菜かき揚げ天ぷらだと思っていたのです。最初に、ほんの一口だけ──実際はそれ以下で、舌先だけで舐めるような感じ──出汁の味を確かめます。最初に感じたのは、出汁と天ぷらの甘さ。新潟県上越地域のお店は皆そうなのかなぁと思ったのですが、「つかだ」と違って、どこか甘さをえ気味。
基本はやはり、濃い口醤油の強さです。従って塩分も相当強い。生卵はどこでもほとんど同じ──だと思う──なので、海老天ぷらへ。低価格のお店にある「衣だけのエビ天」ではありません。価格から予想されるものよりははるかに大きく、しっかりとした海老を使っています。
もちろん、美味しい。肝心の麺はというと、う〜ん、可もなく不可もなく、という感じ。全体のバランスを重視しているので、ソフト過ぎず、かといって自己主張も強過ぎず、という感じ。これはこれで、アリだと思う。ただし、食べ進むにつれ、改めて、相当な量の塩分が含まれていることを認識しました。
センセイには、無理。(キッパリ)う〜ん、「サンレパス」は定食ないしは丼もの。そして麺類は「かけそば つかだ」という感じでしょうか。
もちろん後者も、塩分を警戒する必要がありますが。
■2月14日(金) ジグソーパズルが、繋がりました ──大学真向かいのパン屋さん、その閉店までの経緯──
新聞を読んでいて、パン屋さんの閉店、廃業──特に小規模店──が続いているという記事が目に止まりました。
金沢工大の学生諸君にとって「パン屋」といったらもちろん、まず売店のパン。繁盛しています。特に最近の学生は、コンビニを除けばここか「ニュージョイス かもの」しか知らないんじゃないだろうか。以前は別なお店もあったのですが。
でも高学年の学生、とりわけOB・OGには必ず、違うお店の名前が出るはず。それは大学真向かいの「サンキョウパン」。約20年前の赴任当時の状況はよく覚えていませんが、相当前からここにお店を構えていました。
当たり前の存在だったので、強く意識しなかったほど。パンをあまり食べないセンセイですが、10年前くらいからコンビニのサンドウィッチではなく、このお店を利用するにようなりました。美味しいし、そして安い。
冗談抜きで、採算性が心配になるほど。ただし西村センセイ、キンエン生活に入ってから、個人的にはご縁が切れてしまいました。高血圧の原因の一つとなるNa+をほとんど含まないご飯とは対照的に、パンはかなり塩分を含むのです。
そのためお店への関心が薄れていたら、いつの間にか、看板が「ベーカリー ブロス」に。しかも交通事故で一時的に閉店したものの、何とか営業を再開(その後修理)したと思ったら、いつの間にか閉店して現在に至ります。
今回、この間の事情が概ね判明しました。先週の地元紙によると、「サンキョウパン」つまり三共フーズは、1993年に何らかの理由で解散した三共食品工業のパン製造事業を引き継いだ会社。石川県内の学校給食に供するパンの大半を製造していたそうです。
確かに、その会社が潰れたら困る。低価格路線でそれなりに成長したようですが、それが裏目に出て、やがて採算性が悪化。しかも約10年前、給食用のパンに爪楊枝が混入する事件が複数回発生しました。確かにその時のニュースを覚えています。
でもそれが大学前のお店と関係しているとは思ってもみませんでした。業績悪化で2015年にパン製造業を「ブロス」に譲渡しましたが先週、三共フーズは破産。その工場を借りていたブロスは昨年6月に解散したとのこと。すべて前述した、このお店で起きたことと対応しています。
もちろん交通事故は別問題ですが。同紙によるとこの件は、石川県内の学校給食にも大きな影響を与えているそうです。知らなかった。
あの、いかにも実直そうなオジさんと、働き者のオバさんは現在、どうしているんだろうなぁ...。
■2月13日(木) 西村センセイ、「重役」になる ──石川県立看護大学で、研修会の講師を務めました──
今日は見たまま、そしてタイル通りの話題。
センセイは今日の午後、石川県かほく市にある石川県立看護大学で開かれた研修会で講師として講演しました。業界関係者ならご存じの、FD研修会というもの。具体的な内容については省略させていただきます。
後日お伝えしますが一昨日、滞在していた大分のホテルでMacBook Pro(Windows 10)のMac側に、致命的なトラブルが発生していることが判明しました。状況は刻々と悪化し、現地で対応できないことは明らかだったので、昨日はまったく起動させずに金沢へ。その後も心配停止状態が継続し、最悪の覚悟を固めたのですが意外にも、ある方法で復旧に成功。
冗談抜きで綱渡り状態でした。昨晩から今朝にかけて提示および配布資料を完成させ、ひとまず金沢駅へ。
大学の公用車がお迎えに来る手筈になっているのです。所定の時刻に駐車場を訪れると、おぉ、ダッシュボードに大学名の書かれた札が置かれた黒塗りのクラウン・マジェスタ。
後部座席はフカフカ。気分はまるで重役です。BMWとは全然違う。海岸沿いの道路を30分ほど走行し、大学到着。写真は校舎を正面から撮影したもの。配置はまるで、鳥が羽を広げた時のよう。広場のモニュメント、碑文には「風・心・光」と記されています。
1時過ぎに講演開始。小規模な大学なので、集まった先生方は約40名。大半が女性です。センセイのことですから、手元原稿などなしにスライドを70枚ほど提示し、双方向のやりとりをしながら講演しました。
あっという間に、1時間強経過。講演の間、ずっと先生方の表情を見てい、ました。もちろん個人差はありますが、基本的な反応は極めて良好。想定通りの応答だな、と思う部分もあれば、おぉ、予想外に、ここで反応したかという箇所もありますが。
細かいミスはありましたが、概ね当初の目的を達することができました。続いて質疑応答。講演中、きっとこの人は質問するだろうなと考えていた方からの質問もあったのですが、講演中は無表情で、手を挙げないだろうと思っていた方から、ユニークな視点での問いかけも。「そう来たかぁ...」という感じ。
勉強になりました。はい。というわけで、車中の「重役」に戻り、金沢駅へ。二度目の出勤をすると、あちこちから催促のメモやメール...。
トホホ。
■2月12日(水) 鉄道ファン的には、一筆書きにしたかったんだけど... ──降り始めた雨と競争しながら、金沢へ移動しました──
朝、ホテルのカーテンを開けて外の様子を確かめると、ちょっとだけ倖せ。
天気は西日本から崩れつつあり、予報によると大分は、センセイを乗せた特急「ソニック」出発後に雨が降り出すとのこと。折りたたみ傘は持っているのですが、それを使わずに駅までたどり着けそうです。
簡単な朝食を済ませて、チェックアウト。ホテル玄関の自動ドアの向こうを、折りたたみ傘を差した男女が歩いています。外に出てみると確かに、細い雨が降り始めています。ただし大粒の雨がポツポツというわけではない。そのまま大分駅へ急ぎました。
その後は降り出した雨との競争。大分始発の特急「ソニック」は概ね北西方向へ、つまり雨が降っている地域に向かうこともあって、小倉到着時は雨。でも九州新幹線700系「さくら」は快速に走行。新大阪到着時は薄曇りでした。
ちなみに、指定席は2+2列なので、とても快適。新大阪から「サンダーバード」に乗り換えたのですが、琵琶湖の西岸地域は、家屋の屋根や地面に雪が残っている場所がありました。昨晩、それなりの降雪があったようです。比叡山は真っ白でした。
お伝えしたように、センセイは先週後半に上京し、会議で発表しました。自宅を経由して金沢へ移動し、一昨日から大分出張。写真はこの間に使用した乗車券と特急券です。右上は「トキ鉄」、二段目の左側は「とやま鉄道」+IRいしかわ鉄道のフリー切符。
その隣は、枚数の関係で一緒に撮影したフリー切符の案内です。で、「金沢→東京」と、「大分→金沢」は他から独立しています。でも、東京→(自宅→)金沢→大分の移動は、連続した乗車券を発券可能。
通称「一筆書き」と呼ばれる乗車券です。これまでにも「柏崎→柏崎」(柏崎→東京→山科→金沢→柏崎)や、「金沢→金沢」──ほぼ逆回りながら、身延線経由(!!)──などというマニアックな乗車券を発券してもらっています。
極めつけは、こちら。詳細はその時のニュースをお読みいただきたいのですが、目的地に達しているにもかかわらず、さらにその先まで乗車できるという魔法の切符。
それにはかないませんが、今回も「一筆書き」を発券してもらおうと、柏崎駅へ向かいました。対応してくださったのは、やる気満々の若手職員。事前にコンピュータで料金まで計算しておいた紙を渡します。
「可能だったら...」。反応はやはり、やる気満々。ただし注意点が一つ。JRの「マルス」と呼ばれる発券システムは、途中に第三セクターが挟まる場合は一社までしか対応していません。つまり写真のように複数の会社が間に入る発券は不可。
ただしこれも抜け道が。かつて存在した夜行寝台特急「北斗星」は岩手県の「IGRいわて銀河鉄道」と青森の「青い森鉄道」を合わせて一社とみなすという訳のわからないことをやっていました。でも、いずれにせよ今回は、無理。
そこで、やる気満々氏には、「トキ鉄」のみを利用して上越妙高駅で北陸新幹線に乗り換えるプランを渡しました。結果はというと、これが想定外。かなり試した結果、残念そうに「この機械では、無理」とのこと。「細長いヤツでもダメ?」と訊いたのですが、柏崎駅のマルスでは対応できないそうです。ただし、そもそも発券できないわけではない。
「手書きならできるんですけど...ちょっと時間がかかりますが」。やるき満々との落差が激しかったので今回、無理なお願いはしないことにしました。それに実は、写真の購入方法の方が少し安い。600kmを超える目的地へ往復する場合は10%の割引になるのです。
「一筆書き」は「長距離逓減(ていげん)制」で、長く乗れば乗るほど割安になるのですが、さすがに往復割引にはかなわない。でも、鉄道ファン的には、一筆書きにしたかったなぁ...。
■2月11日(火:祝日) これも、教育学部の伝統か... ──大分大学のシンポジウムに参加しました──
というわけで今日の正午過ぎ、センセイが降り立ったのは大分駅。
大分大学STEAM Lab.が主催する「大分の未来をみつめるシンポジウム ─STEAM教育とAIリテラシーの育成─」が開かれたのです。STE(A)M教育についてはセンセイも、大きな学会のワーキングループメンバー。
そこで今回、入学試験の合間を縫うような格好で参加しました。会場は、駅西側の大きな公共施設。図書館などと一体になっているようです。会場で初めて知ったのですが、参加希望者が定員に達したため当日参加は不可とのこと。お客さんは多種多様で、学者っぽい人は少ない。
目立つのは長年堅い仕事に従事していたと思われる高齢者。意外なところでは、高校生なども。いつもと全然違う...。案内を読み直して気づいたのですが、前者は教育学部同窓会が後援しているためらしい。あちこちで現況を語り合ったりしています。
高校生はというと、こちらは県内にある「少年少女発明クラブ」関係のようです。写真は冒頭、STEAM Lab.所長を務める教育学部長が挨拶しているところ。OBはもちろん、現役の学部長にも「あぁ、教育学部の人だ...」という感覚がリアルに伝わってきます。
なぜ皮膚感覚でわかるかというと、センセイ自身が教育学部を卒業しているから。私立小中学校でのアルバイトを除くとセンセイは、大学および大学院を出てから初等、中等教育の現場にかかわることはありませんでしたが、戦前の旧師範学校から続く、あの独特の感覚は体に染み込んでいます。
教育学部の同級会の時にも、参加者にそれを感じました。ただし現在、そのすべてを肯定的にとらえているわけではありません。地方の公立学校教員はとても狭い世界で生きており、その外側を客観的に知るのは難しい。センセイの父親と、すぐ下の弟は地方公務員。
彼らも似たようなもの。ただし高校教員(県庁に出向中)、IT企業、県産業技術センター所長に続いて発表された、大分大学副学長は全く別。アメリカに留学されていたということもあるのでしょうが、メタな視点を持ち、広い角度から物事を捉えていらっしゃいます。
それだけでも、かなり無理をしてやって来た甲斐がありました。
■2月10日(月) 「あのお兄さんが...」 ──西村センセイの老女な1日(2)──
西村センセイは現在、大阪府内に滞在中。
明日、西日本で開かれる会合に出席するのですが、出張申請通りだと始発のサンダーバード──金沢発5時35分!! ──に乗車する必要があります。当たり前ですが、路線バスはまだ走っていません。
加えて、高齢者に無理は禁物。というわけで、午後に開かれた立場上の会議を終えてから移動を開始しました。ちなみに、その分の支出は私費ですので、誤解なきよう。
で、昨日の続き。
旧北陸本線、現在はえちごトキめき鉄道のET122型K4編成は日本海ひすいラインを快走し、糸魚川駅に到着。ここで半数以上の乗客が下車しました。ちなみに大雪のため、今日の大糸線は全面的に運転見合わせ。
件(くだん)の老女二人はそのまま乗車。10分弱停車してから、終点の泊駅を目指して出発します。写真は糸魚川駅出発直後に撮影したもの。
駅西南にある糸魚川小学校の敷地内(背後の建物は糸魚川市役所)で保存されているSL、C12型88号機です。もともとは大糸線の糸魚川─平岩間で活躍していた機関車。
廃車後はここで静態保存されていましたが、正直なところかなり保存状況は悪い。最後はシートで覆われていたように記憶しています。それが2014年、翌年の北陸新幹線の開業に合わせてドック入り。修理、整備を受けて現在に至ります。
手前にある駅名標を模した看板には、上段に「C12 SLパーク」、下段には「←北アルプス 日本海→」と記されています。北陸新幹線の高架橋の間からその存在を認識できます。
ただし全体を見ることができるのは、駅西の踏切付近だけ。初めて撮影に成功しました。ちなみに糸魚川大火は、線路を挟んだ反対側から出火しています。かように、鉄道ファン的には信越本線、旧北陸本線は見どころが多い。
でも、ご高齢のお嬢様二人はというと、これらには全く関心がない。だから西村センセイ、お二人は最近鉄道ファンになられたという印象を持っています。このように書くとネガティブ感じられたかもしれませんが、70歳台としては驚異的な好奇心。
本当に、見習わなくては。初めてお目にかかる20歳台前半の若い運転士の運転は冷静沈着、そして正確。素晴らしい。乗換の泊駅に定刻に到着しました。センセイはここで改札を出て、隣接する地元資本のスーパーでお昼を購入します。
乗換列車が到着するまで20分弱あるのです。ここから先は、金沢まで乗換なしの楽チンな旅。あいの風とやま鉄道の521系は2両編成なので、途中からかなり混雑してきました。センセイはというと、お昼を頂いたので眠くなり、富山到着前はよく覚えていません。
センセイの鉄道旅行ではよくあること。富山駅で乗客の大半が入れ替わり、かなり待ってから出発。県西部の拠点都市高岡で多くの乗客が下車しました。ここまではいつもとあまり変わらなかったのですが、ちょっと違った点も。なぜか多くのお客さんが列車に乗り込んできたのです。
原因は不明です。しかも、ホームで待っていた乗客の最前列は、高齢のお嬢様方。その数ざっと40名くらい。それも、えちごトキめき鉄道の時よりグレードアップしていて、メインは80歳前後。もしかすると90歳台の方がいらっしゃったかも。
基本的には、皆さんお元気。ドアが開くと一番前の女性が、ボトボトしながらも空席を目指して走ります。でも、全員が座れるわけではない。
様子を見かねて、まず、大きな荷物を三つ抱えていた若者が席を譲りました。続いて富山から乗車し、やっと座ることができたアベックが続きます。後から確かめると、大学生くらいの息子さんとその母親だったのですが。
それでもまだ高齢の女性が3名、通路に立ったまま。で、センセイが席を譲る旨申出たのですが、応答した再若年と思われる銀髪の女性が、腰の曲がった女性に「あのお兄さんが...」と伝えました。「足が悪いから」なんだそうです。「60(歳)を過ぎているから、おじいさんですよ」とセンセイ。
「私たちからしたら、あなたはお兄さんですよ」。決して嫌味ではなく、冷静。問題はこの後。
センセイの席に着席した老女は、明らかに障害を抱えていました。しかもこの間のやり取りは周囲に筒抜け。でも、前の席の若いアベックを含めて、前述した3人以外の誰も、席を譲ろうとはしません。象徴的だったのが、優先座席。
対面式の4人掛けの席に若者が3人座っていたのですが、誰も行動しない。そして無表情。これが、この国で起きていることです。
■2月9日(日) これなら、将来に希望が... ──西村センセイの老女な1日(1)──
別な表現も考えたのですが、起きた事実からするとやはり「老女」が適切。他意はありません。
今朝はいつも通りの時刻に起床し、徒歩で柏崎駅へ向かいました。積雪は10cm弱で、市の駐車場は除雪されていましたが、道路に除雪車は入っていませんでした。気温は約-1.0℃。ただし北西の風が強い。体感気温はとても低く感じます。
雨雲レーダーを見て、雪があまり降らない時間帯に移動できたことは倖い。今回は、前回より1本遅い列車にしました。
つまり「かけそば つかだ」には寄らないという意味。理由の一つは、早朝の時点では西風、そしてそれなりの雪。この条件下で、しかも荷物を持ったまま、直江津駅から「つかだ」までの往復に問題を感じたこと。
そして「つかだ」はとても美味しいけど、キンエン生活の継続も大切だからです。早めに駅に到着したので、月末の出張の乗車券類を購入し、運行状況を尋ねました。風は強いものの、まだ運転規制がかかるレベルではなく、平常運行とのこと。各駅停車は定刻に到着、出発。
ただし乗客は少ない。柏崎駅の次の鯨波駅から柿崎駅の手前まで、信越本線は海岸線に沿って走ります。写真は鯨波駅を過ぎてから、振り返るような格好で撮影した柏崎市街地方向。海岸沿いは風が強いため、あまり雪が積もりません。
海は荒れていますが、冬の日本海としてはこれでも穏やかな方。視界は悪く、右奥のホテルがぼんやりとしか見えないし、中央奥に位置する東京電力柏崎刈羽発電所はまったく確認できません。列車は定刻に直江津駅に到着。
すぐに離れたホームに停車している旧北陸本線の列車に乗り換えました。センセイは勝手を知っているので要領よく行動し、良い席を確保しました。その後、別な路線からの乗客も乗り込んできて、1両編成のET122型ディーゼルカーはほぼ満席に。
立ったままの乗客がいる状態で、直江津駅出発。駅全体がトンネルの中にあることで知られる筒石駅は、アナウンス通り無人駅になっていました。それでも下車する親子連れ。駅舎には向かわず、ホームに残っています。間違いなく鉄道ファン。
車内に4組以上の鉄道ファンがいるのはわかっていたのです。まだ春休みではないのですが。次の能生駅でお客がかなり入れ替わり、空いた斜め前の二人掛けの席に70歳台と思われる老女二人が着席しました。最初はちょっと不思議に感じただけだったのです。そもそも能生駅はそれほど大きな駅ではない。
地元の高齢女性はよく一人で利用しますが、都会育ちのお嬢さん達が乗り降りする駅ではない。次の瞬間、センセイの目が点に。通路側の女性がバッグの中から鉄道路線図のコピーを持ち出したのですが、そこには乗車予定のルートが赤線で描かれていました。何と、新宿から東北本線、上越線に乗り、長岡で信越本線に乗り換え、ひとまず直江津へ。
そしてそこから先は第三セクターを乗り継いで富山に至るというもの。たぶん全区間、各駅停車の利用。続いて取り出した手書きのメモには、2泊3日の行程で、日本海に面した青海川駅など、いくつかの駅で途中下車や見どころ、行動予定が事細かに記されていました。さすがに、帰路は北陸新幹線を利用するようです。
初めてお目にかかりました。改めて様子を確認させていただくと、年齢は70歳代の前半と後半。つまりセンセイより10歳および15歳くらい上で、姉妹とは思えない。積極的なのは年上の、銀髪の女性。
う〜ん、衰えに関する男女差を考慮する必要はあるけれど、これならセンセイの将来もまんざら捨てたものじゃないかも。(続く)