2024年4月6更新(2024年4月14日ページ移動)

──2024年3月第6週〜4月第1週のニュース──

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4月6日(土) 今年は、一気に咲き揃って見頃を迎えるかも ──当地でも桜が咲き始めました──

 今日は予定を変更して、季節の話題を。

 関東地方からは連日、満開の桜のニュースが伝えられてきます。たぶん都心部は満開を過ぎつつあるところで、多摩地方はこれから見頃だろうと思います。いずれにせよ、この週末はお花見日より。
 ただしお天気の方は今日、明日と、残念ながらイマイチのようですが。

 新潟県の桜は、関東南部に比べて数日から1週間程度遅れて咲き始めることが多い。ただし今年は、いよいよ...という時季になってから、予想外に寒い日が続きました。
 桜前線は停滞気味で、県内の開花宣言は金沢や仙台に先を越されました。

 それでも昨日、夜桜で有名な上越市の高田城祉公園で、民間団体によって──高田測候所が2007年に廃止されたため──「開花宣言」が。
 そして今日、新潟地方気象台が新潟市の桜の開花を宣言しました。

 当地の桜は新潟市や上越市より少し遅れて咲くのが普通。昨日、今日の日中の陽気で蕾は急に赤みを帯び、かつ膨らみましたが、開花までにはもうちょっと...と思っていたら、あ"っ。
 写真は自宅近く、「白竜公園」テニス場裏で撮影したもの。

 公園、そしてテニスコートは桜の樹で囲まれているのですが、その中の1本だけではあるものの、ご覧のように2、3分咲きに。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
 小型カメラによるものですし、位置関係の問題でどうしても逆光になってしまうため、あまり綺麗ではありませんが、悪しからず。

 通常、中・高校生の利用が多いのですが、今日は男女小学生と指導者。テニスコートの中も外も、もう、春満開という感じ。

 気がかりなのは今後の天気。関東とは対照的に、これから1週間くらいは何とか天気が持ちそう。それはいいのですが、先日までとは対照的に、これから1週間ほど、気温の高い状態が続くとの予報。
 当地の桜は明日、明後日くらいで一気に開花するものと思われます。

 揃って咲く分、今年の平場の桜の見頃は、比較的短期間になってしまうかも。

 もちろん、その後も山桜──新緑とのコントラストが美しい──や八重桜が続きますから、思い悩む必要はないのですが。



4月5日(金) 「拡大予定」と言えば、聞こえはいいけど... ──「フォンジェ」から衣料品店が撤退──

 今日はタイトル通り、そして見たままのお話。

 最近、旧市街地の状況について未確認情報を得たので今日、お昼に外出した機会に、現地を訪れてみました。向かったのは旧市街地再開発計画の核となる──はずだった──「フォンジェ」。
 何度かお伝えした、市の第三セクターが運営する複合施設です。

 以前は地下のスーパーへ毎日のように通って、晩酌のツマミを購入していたのですが、残念ながら昨秋に惜しまれつつ撤退。その後も時々入っていたのですが先月下旬、1階の一部で改装工事を実施。
 それもあって、ここ1週間ほど訪れていませんでした。

 正面から「フォンジェ」1階に入ると改装工事は終了しており、地権者のお店は営業を再開。奥へ進むと、やっぱり...。

 写真左側に、かなり広いスペースを使った「ファッション・モール ファミスタ」という衣料品店が入っていたのです。(現在もサイトには掲載中)
 それがご覧のように、もぬけの空。

 実は改装工事中にも、この場所に来ていたのです。改装は1階の一部だけで、他の区画は通常通り営業していたので。で、その時は商品の片付け中。
 改装工事の区画も同様に商品を扱っていたので、単なる一時的な待避作業なんだろうと考えていました。

 今から考えるとあれは、商品搬出のための整理だったんですねぇ。撤退はおそらく、昨年度末。

 空いたスペースには、ご覧のように「キッズマジック 拡大予定スペース」という札が。「キッズマジック」は「フォンジェ」オープン当初から1階奥で営業している遊戯施設です。
 調べてみると何と、この4月から無料化されたらしい。運営費用はどうやって捻出しているのだろう。

 スーパー、そして今回の「ファミスタ」撤退により、もはや「フォンジェ」内にめぼしいお店は残っていません。地権者のお店か、高齢者向けの市の健康施設、そしてこの遊戯施設くらい。
 地下1階で唯一営業を続けている飲食店も、お客が激減しています。

 市民に「活用」されているとしたら唯一、カラオケ大会くらい。「拡大予定」って、聞こえはいいけど旧日本陸軍の「転進」──知らない人は調べてね──のようなもの。

 頑張って「オチ」を探してみたのですが、さすがに今回だけは無理そうです。すみません。



4月4日(木) 「Audio MIDI 設定」って、何? ──「ハイレゾ」再生、始めました(6)──

 1993年の“LC-475”以来、31年間もMacintoshを使い続けてきたのに、まったく知らなかった...という、ウソのような本当の話。トホホ。

 事の起こりは、2019年にアキュフェーズ社製“E-270”プリメインアンプと、それに装着する“DAC-50”ボードを導入したこと。数年後の現役引退を念頭に、最後のプリメインアンプとして購入しました。
 ただし前者は新品に手が届きませんでしたが。

 “E-270”の音は決して悪くないのですが「唱う」ような感じではなく、冷静に「伝える」という印象。他方、“DAC-50”DAコンバータの音質は、極めて優れています。センセイの限られた経験では、これ以上のものを聴いたことがありません。
 評判が高かったOPPO社製“UDP-205”や“Sonica”、そして1台のみ現役の“BDP-105DJP”も敵
(かな)いません。

 この“E-270”と“DAC-50”という組みあわせ、入力したデジタル信号のサンプリング周波数(Fs)を表示させることができます。

 ここで極めて不思議な現象が。Mac──具体的には“Mac mini”──上の音楽あるいは動画ファイルを再生させると、ファイル上のFs情報と“E-270”に表示される情報が一致しないことがあるのです。
 それも、しばしば。

 Mac OS Xの場合、この種の設定は「システム環境設定」(≒コントロールパネル)で行います。「サウンド」パネルを開くのですが、入出力先や、音量設定の選択くらいしかありません。要するに、何もできない。
 不思議に思いながらも、特に不都合はなかったので、そのままにしておきました。

 転機は先月。

 「ハイレゾ」を本格的に始めることにしたのですが、いろいろ考えた末、もう1台の“Mac mini”──真ん中のマシン──にも(株)インターネット社製の“Sound It!”という録再ソフトを追加購入しました。
 お伝えしたように、“Mac mini”の役割を分担させるためです。

 その後、ハードを含めてシステムを整備し、かつあれこれ試している中でソフトの不具合が発覚。具体的には再生時のサンプリング周波数(Fs)に関するトラブルです。そこでソフトウェアメーカーのサポートと何度もやり取り。
 実は現時点でまだ未解決の問題が残っているのですが、そちらについては後日、その顛末
(てんまつ)をお知らせできると思います。

 なお、サポート担当の方は本当によくやってくださっていることを申し添えさせていただきます。やり取りの中で先方が教えてくださったのが、「Audio MIDI 設定」。
 何、それ...。

 もちろん同名のソフトが「アプリケーション」フォルダ内(「ユーティリティ」内)に存在することは知っています。でも名称に「MIDI」とついている。
 これはDTM
(デスクトップミュージック)──現在はDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)と呼ぶそうな──で用いるもの。

 だからセンセイには関係ないと思い込んでいたのです。で、開いてみたのが写真。おぉ、タイトルは「オーディオ装置」で、ご覧のように入出力先だけでなく、Fsやビット長までをここで管理。
 何てこった、まったく知りませんでした。

 写真は、出力先である“DAC-50”に関して選択しているところ。Fsは384kHz──48.0kHzの4倍──まで、ビット長は32bitまで選択できるという超高性能。
 この機能は本来、「サウンド」で管理すべきもの。それなのに、なぜこんなところに入出力の詳細が?

 根本的な疑問を持ちつつも、出力のFsを本来のものに変更。するとただちに、信号を受信した“DAC-50”も反応して指示通りの周波数に切り替わります。ここで「本来ではない」高いFsに変更すると、“DAC-50”側もきちんと、指示された周波数のFsで再生。
 お察し通り、これは昨日お伝えしたばかりのハイビット・オーバー(アップ)サンプリングそのもの。

 つまり“SRC2496”が(一部)ハードウェアを用いて実現していたFs変換を、ソフトウェアだけで可能にしているのです。それも、おそらく10年以上前から。そりゃ、後継機が開発されないわけだ...。
 ただし、ちょっと違う点も。

 ここでFsを変更しても、“SRC2496”でハイビット・アップサンプリングした時──ただしアナログ出力であることに注意──ほどには変化しません。いずれもそれなりの音質で、ビット長が長ければ破綻はありません。
 さすがに、Fs=32kHzだけは明らかに劣化しますが。

 この件については後日、改めて。(たぶん、これが最大のツボ)

 なお「Audio MIDI 設定」でのFsを変換すると、必ず本来のビット以上の端数が発生するはず。オリジナルデータは16bitでもFs変換により、出力はそれ以上のビット長になります。そのためこのような場合、右側のビット長を長く選択する必要があります。
 “SRC2496”と異なり、ディザ
(“Dither”)は用意されていないようです。当然、対応する機器も限られるはず。

 割と安直に踏み込んだ「ハイレゾ」ですが予想外に、道は険しい...。

 次回は「ハイレゾ」を、ちょっと違った観点から考えてみたいと思います。PCM録音だけが「ハイレゾ」ではないのです。



4月3日(水) ローパスフィルタの功罪と、改善方法 ──「ハイレゾ」再生、始めました(5)──

 少し間が空いてしまいましたが、再び「ハイレゾ」のお話を。これからの数回が今回の「ハイレゾ」のツボです。

 ただし理論的、技術的な話が続くので、今回は斜め読みしていただいてかまいません。また今日の分が長くなることが判明したため、次回と合わせてお送りすることにします。その関係で、今日はショボイ図1枚だけです。
 悪しからず。

 以前、「きついLPF(ローパスフィルタ“Low-pass filter”)」に言及しています。

 “LPF”とは、ある基準を定めて、それより低い対象(ここでは低音)は通過させるものの、高いものは阻止する──具体的には減衰させる(≒消す)──という機能を有するフィルタ(=回路)。CDプレーヤを含むデジタル音響機器には原理的に、これが必須。
 しかも、再生
Digital to Anarog Converter:D/A変換回路)する時だけでなく、録音(A/D変換)する時も、LPFが音質に非常に重要な役割を果たすのです。

 以下、これまで多く用いられてきたPCM録音を前提に、ご説明を。

 繰り返しになって申し訳ないのですが、PCM録音再生ににおける正確さ(≒音質)は、時間軸上の細かさ「サンプリング周波数(Fs)」と、振幅方向の細かさ「サンプリングビット長」という二つの要素の精度で規定されます。
 ここではFsのみに注目します。

 録音(=A/D変換)する場合、標本化定理(/サンプリング定理“sampling theorem”)により、必要とする信号(ここでは音声を変換したアナログ電気信号)の最大周波数の倍以上で標本化(サンプリング)する必要があります。
 人間の可聴周波数帯域の上限は、約20kHzとされています。(実は、怪しい)

 つまり、その倍以上のサンプリング周波数(Fs)でのA/D変換が必要。他方、Fsが高くなると変換そのものや、CDなど変換後のデータの管理、保存に際して「記録時間が短い」あるいは「コストがかかる」などの問題が発生します。
 両者はトレードオフの関係。

 PCM録音はCDで実用化されたようなもの。そのCDの場合、当時の技術で必要な時間のデータ──有名な話ですが、ベートーヴェンの「第九」に合わせた──を12cmのディスクに収めようとすると、Fsをあまり上げるわけにはいかなかったのです。
 ちなみにCDの「12cm」というサイズは、ディスクをジャケットのポケットに収めるため。

 技術的には最低でもFsには48.0kHzを確保したかったのですが、このような現実的な理由で44.1kHzという中途半端な値に。なおこれには、先行するNTSCビデオデッキを転用したPCMレコーダの存在も影響しています。
 それはともかく、可聴周波数帯域の上限の倍つまり40.0kHzと、Fsである44.1kHzあるいは48.0kHzの差は小さい。

 両者の僅かな隙間に基準を設定して、それ以下の音声だけを通過させるために、「きついLPF」が必要だったのです。ちなみに、もしここで少しでも高周波成分が通過してしまうと、可聴周波数帯域に「折り返しノイズ(“folding noise / aliasig”)」が発生してしまいます。
 このノイズは、絶対に除去不能。

 初めてお伝えします──秘密ではなく、機会がなかっただけ──が、西村センセイ実は、最初の卒論でこの折り返しノイズにさんざん悩まされました。大学4年生のセンセイは、当時実用化されたばかりの松下(現パナソニック)製“BBD”を使った音響装置を試作。
 若かったんだなぁ...。(遠くを見る目)

 “BBD”(バケツ遅延素子“Bucket-Briade Device”)は、少し遅れて登場し、ビデオカメラやデジカメに用いられた──ほぼ過去形──“CCD”(電荷結合素子“Charge-Coupled Device”)に似て、アナログからデジタルへの過渡期に脚光を浴びた素子(≒中規模半導体)
 時間軸についてはデジタルですが、振幅についてはアナログ
(と考えて良い)の製品でした。

 本題に戻ると、ここで入力信号の「きついLPF」を実現できなかったため、出力信号は折り返しノイズだらけ。当時の苦闘を昨日のことのように覚えています。
 まぁ、だからこそ、今のセンセイがあるとも言えるのですが。

 それはともかくCD登場の前後、ほとんどのメーカーはこのLPFをアナログ回路だけで実現していました。もちろん折り返しノイズは発生しません。
 そんなことをしたら商売になりませんからね。

 ただし、この「きついLPF」、音質に甚大な影響を与えます。音楽全体、そして特に高音域端が「詰まった」ような感じになるのです。雰囲気も失われ気味。CD登場当時、その音質に否定的な意見があった理由の一つです。
 今から考えると、当時のA/D変漢精度の低さの方が、大きく影響していたと思われますが。

 再生時についても同様で、デジタル信号をアナログ信号に変換(D/A変換)すると原理的に、必ず大量の高周波ノイズを生させてしまします。このまま再生すると、スピーカを破損してしまうほど。
 冗談抜き、です。

 各社が初めてCDプレーヤを販売した──当時はもの凄い熱気だった──際、音質面で評価が頭抜けていたのはNECとマランツ(蘭フィリップスのブランド名)のマシン。他社と異なり、両社のCDプレーヤはデジタルフィルタを採用。
 簡単に言えば、デジタル技術を使って見かけ上のサンプリング周波数を上げる、つまりサンプリング周波数(Fs)を高い方へ変換したのです。

 これによって、必須のアナログ回路では「緩やかなLPF」を実現し、音質を向上させました。当然、各社は追随してデジタル技術を活用するように。今やFsその他の変換は自由自在と言ってもいいようなもの。
 異常に長くなりましたが、小さな写真はその権化の一つ。

 以前ご紹介(3枚目の写真)した“SRC2496 Ultramatch Pro”サンプルレート・コンバータの前面(一部)です。図は取扱説明書から抜粋しました。13年前に導入2台目はその後、売却)した業務用機器です。
 今の落ち目の日本では考えられないほど、当時は円高。2台目は13,200円で購入しました。(販売終了時は倍近い価格)

 このマシン、A/DおよびD/A変換など、実に多用な機能を有しています。ただし今回注目していただきたいのは、サンプリング周波数(Fs)の変換機能。Fsを自由自在に変換し、出力bit数を制御できます。
 データ容量などの観点から出力bit数を抑えたい場合は、ディザ
(“Dither”)機能を使って音質の劣化を最小限に抑えることもできます。

 また、やや裏技的ですが、このFs変換機能を使うと、ハイビット・オーバー(/アップ)サンプリング──「ハイサンプリング」など、複数の表現がある──も可能。実際、Fsを変換しつつ“SRC2496”のアナログ出力を聴くと、面白いほど音質が変わります。
 どれが本当の音なのか、わからなくなってしまうほど。(後日お話ししますが、ツボの一つ)

 これほど多機能かつ高性能なマシン──しかも安価──なら爆発的にヒットし、後継機あるいは類似品が多数...となるはずですが、後継機、発表されていません。このマシンそのものはかなり売れたようですが。

 それもそのはず、実は...。(続く)



4月2日(火) 決して「ちょっと」、じゃなかった... ──実家裏の崖が、先日の雪で少し崩れてきた──

 崖崩れ、つまり土砂崩れは大きなものではありませんので、ひとまずご安心ください。(誤解を招きやすい表現で、すみません)

 というわけで今日も予定を変更してタイトルのお話を。もともと今日は実家へ行くことになっていたのです。ただし今回は、母親を乗せての食料買い出しを予定していません。そのため自転車で移動。
 というか、昨日より天気が良く、しかも風が弱くなると予想されたため今日に。

 主たる目的は(両親の安否確認と)母親が育てた野菜をもらうこと。端境(はざかい)期なので、ホウレン草と薹(とう)菜──本当に甘くて美味しい──だけですが。昨日、最終確認のために電話すると、父親から頼みたい用事があるとのこと。
 変わってもらうと、「裏の作業小屋(=倉庫)に竹が覆い被さっているから、ちょっと切ってほしい」とのこと。

 間違いなく彼は、「ちょっと」と言ったのです。

 今朝、身支度を整えて出発すると、途中から予想外に向かい風が強くなってきました。しかも往路は30mほどある高度差がきつい。到着した時には、足がかなり疲労。父親に仕事の詳細を訊いたのですが、数日前に94歳になった彼の説明は要領を得ない。
 着替えて、とにかく現場へ。父親も後からボトボトと続きます。

 ...う〜ん、全然「ちょっと」じゃないじゃん。

 実家には家紋の入った土蔵と作業小屋があります。それらの裏は丘──大部分は西村家の所有地──になっているのですが、その一部が崖に。全部かどうかはわかりませんが、1944年7月に、大きな崖崩れが発生。
 現在の作業小屋の位置にあった祖父母の離れを押し潰してしまったのだそうです。

 倖い、たまたま二人は夕食で母屋に移っており、無事だったとのこと。

 センセイが物心ついてからは割と安定していたのですが、崖は崖。その上には樹や竹が根を張っており、その部分は相対的に少し安定。そのため崖の最上部は「雪庇(せっぴ)」のように飛び出しています。
 ただし、そのすぐ下は中空のような状態。しかも、少しずつ崩れてきます。

 イメージしていただけたでしょうか。(すみませんが、仕事だったので撮影していません)

 父親も予想していなかったそうですが、3月に入ってからの雪で、上部が一部崩れてきたのだそうです。繰り返しになりますが、今回崩れた土砂の量そのものは特別多いわけではありません。
 ただしそこに生えていたたくさんの竹と1本の雑木が、作業小屋に倒れかかっています。

 それらの中で、可能なものを切り倒し、短く切断します。そもそも樹を切り倒す行為は、非常に危険を伴います。竹の場合も同様ですが、加えて竹は、途中で割れて弾ける可能性が。
 素人には無理。

 しかも現場は、小さいとはいえ崖。足場は悪いし、上から土砂が落ちてきます。そんな条件下での作業を2時間ほど続けたのですが、もうヘロヘロ。
 夜、お風呂に入ろうとして、下半身のあちこちにアザができていることに気づきました。

 一度で片付けることができないことは明らか。崖の上から倒れている部分を含めて、残りは今月中の天気の良い日に片付けることで父親の了解を得ます。
 区切りをつけて、実家の中へ。

 お茶を入れながら母親は、「こんなもの(=直接には崖のこと)まで引き継がせて、済まないねぇ」──これは彼女の本心──と言いながら、別な依頼を。
 写真の、市の高齢者専用バス回数券を買ってきてくれないか、というのです。

 籠一杯の野菜をもらい、母親に見送られながら実家を後に。帰りは楽チンだろうと思ったのですが、風向きが少し変わり、帰路も1/3くらい向かい風。冗談抜きでガタガタになりながら、やっとで帰宅しました。
 すぐに斜向かいにあるバス会社の営業所へ。

 応対してくださった男性の営業マンは開口一番、「実はシステムが変わりまして...」。市は昨秋、旧市街地のオンデマンドバス「柏崎市AI新交通『あいくる』」の運行を開始。そのためこの回数券は、「あいくる」対象外地域住民のみへの販売に。(ただし旧市街地への出入りは可能)
 幸か不幸か、実家がある地域は「あいくる」対象外。

 問題なく購入できたのですが手にすると、ご覧のように「65歳以上専用」と明記されています。つまり66歳のセンセイも利用することができます。以前から母親から聴いていたのですが、不思議な気分になります。
 もちろん、しばらく市街地については徒歩あるいは自転車で移動。そして郊外は自分で運転。

 最後の最後は路線バスに乗ることすらできなくなるはずですが両者の中間で、この回数券を利用する場面をうまくイメージできません。しかも、その頃には実家の「負動産」がドカン、とやってくるはず。
 でも、ま、そこは庄屋の末裔、西村家10代目ご当主様(予定)。

 粛々(しゅくしゅく)と働くしかありません。それがお役目なので。



4月1日(月) 大切なものは、自分の目で観ないとわからない ──市振駅と親不知駅を訪れました──

 今日から新年度。

 ちょっと関係のある元学生も、今日から新社会人。さっそく、社会人デビューの様子の報告と、質問──確かに、学生は知らないだろうなぁーという内容──を頂きました。ぜひ頑張ってもらいたいものです。
 実は、センセイにも金沢工大から大型の封書が。

 思い当たる節はなかったのですが、とにかく開封。中に入っていたのは何と、辞令。「客員教授」を委嘱するというのです。

 昨年10月に大学事務局から電話があり、昨年度前半に担当した大学院科目を、新年度つまりこの春も非常勤講師として担当してもらえないかとのこと。非常勤というのは、アルバイトのことです。
 現在のところ、他にできる人もいないし、週1回の講義ならさほど問題はありません。

 そこで関係者と調整するという条件を付けた上で、引き受けました。今月中旬から半年間、再び金沢工大へ通勤します。

 さて、新年度最初のこのページは...といろいろ考えたのですが、安直に、昨日の続きを。

 一部繰り返しになりますが、今回の目的の一つは、市振(いちぶり)駅に降り立つこと。駅舎およびランプ小屋を道路側から撮影し、「道の駅 越後 市振の関」を経て、県境までの片道1.4kmを往復しました。
 本当は、そのまま帰宅するつもりだったのです。

 でも来る時の車中で、ふと、「親不知(おやしらず)駅」も降りてみたい、と思いつきました。帰宅は1本遅い電車になりますが、大きな問題はありません。
 駅の割と近くの歌
(うた)地区に、北陸新幹線のスノーシェッドがあるはずなのです。

 スノーシェッドについては、その時の記事をご覧いただきたいのですが、注意していると音の微(かす)かな違いから、トンネルを抜けてスノーシェッド区間に入ったことがわかります。
 駅の西側、少し離れた外波
(となみ)地区にもスノーシェッドがあり、こちらは在来線の車内から良く見えます。

 他方、歌地区のものは列車や高速道路、国道8号線から見えないのです。ここで問題が。思いつきの行動なので、事前の情報がありません。もちろんスマートフォンを使って歩きながらの情報収集も可能。
 でもセンセイの流儀ではありません。(外出時は通常、モバイル通信
(データ通信)を切っている)

 登録有形文化財の親不知駅を降り、左へ曲がります。駅前に観光案内板が立っていたのですが、スノーシェッドまでの距離がわからないので、一瞥(いちべつ)しただけで先を急ぎます。と、突然、案内標識が目に飛び込んできました。
 そこには、「水上
(みずかみ)勉文学碑」。

 そういえば...と思いながら階段を数段上ると。写真の碑が。水上勉氏は、この地──設定上は、ここから数km上流にある山中の架空集落──を舞台とした小説『越後つついし親不知』を著(あらわ)しています。
 小説を読んだこともなければ映画も観ていませんが、作品の存在と舞台については知っていました。

 先を急ぎます。両側は絶壁で、坂が急にきつくなってきました。地区を流れる歌川を雪解け水が「ドブルル...」と勢いよく流れていきます。
 予想通り、駅からわずか10分ほどでスノーシェッドに到着しました。外波地区のものよりずいぶん短い。

 シェッドの左側が「青海トンネル」(7,300m)で右側が「歌トンネル」(1,747m)。その先に、ご紹介した外波地区のスノーシェッドがあります。
 駅に戻り案内板を確認すると、何と、親不知駅前の案内にはさらにその先の風波
(かざなみ)にも、短いスノーシェッドが描かれています。

 ただし、以前見た衛星写真では確認できず、また新幹線乗車時もそれらしき変化を検知していません。

 帰宅後に「地理院地図」で調べてみたところ、この区間はすべて「新親不知トンネル」(7,336m)で、地上区間はないはず。案内図の描き間違いと思われます。
 同様に、「新潟─富山県境と、富山県朝日町の間にあるはずの地上区間」と書きましたが、こちらもたぶん不正確。

 「地理院地図」では「朝日トンネル」(7,570m)トンネルだけでした。どこかでそのような情報を得たのでしょうが残念ながら、今となっては出典不明。お詫びして訂正します。
 駅に戻ってから外波方向へ少しだけ歩き、旧歌外波小学校を確認。

 直江津行きの列車に乗車すると、車内は「(青春)18キッパー」らでほぼ満席。不意に現実へ引き戻されます。「大切なものは目に見えない」。サン=テグ・ジュペリが遺した言葉を思い出します。
 まさに新年度の始めに、肝に銘じたいこと。

 なお、決して「18キッパー」その他を批判しているわけではありませんので、念のため。 



3月31日(日) 西村センセイ、「ワープ」する ──ちょっとですが、富山県に足を踏み入れました──

 やはり予定を変更して、今日のご報告を。

 家人から新潟県内の列車が乗り放題となる企画乗車券(センセイはさらに割引を譲ってもらったので、2週間前に引き続き、今日も県西部を訪れてみました。というか、ほんのちょっとだけですが、富山県の東端にも足を踏み入れています。(2枚目の写真)
 目的はまず食い気。つまり
サンレパス ルート8」でお昼をいただくこと。

 そして糸魚川駅でお土産を購入することと、可能ならばまだ降りたことがない県西部の駅を訪れること。それぞれの目的を達成することは簡単なのですが、与えられた条件下で複数の目的を同時に達成するのは、極めて困難。
 ...あ"っ。

 解いてしまったからには乗るしかない。というわけで、今年度前半の金沢「通勤」で利用した列車でひとまず直江津へ向かいました。いつもなら8人くらいしか乗っていない車両が、今日はほぼ満席。
 一定数の「
(青春)18キッパー」がいるのは当然として、それよりはるかに多いのは腕章と名札をつけた70歳代前半の高齢者。

 やがて腕章が読めるようになったのですが、「新潟歩く会」と地元紙「新潟日報」のどちらか。どうやら上越方面でその会合か何かがあるようです。
 皆さん仲が良くて、会話の中にはとても参考になるものがありました。

 勝手知ったる列車なので、センセイは直江津駅で要領よく乗り換え。「18キッパー」がかなり遅れて乗り込んできます。車内はほぼ満席。
 いつもの4倍くらいの乗車率です。

 旧北陸本線で目立ったのは、子供連れのファミリー。父親と息子というパターンが多いのですが、おぉ、車両の最前部に立って前方を見つめているのは、幼稚園男児。
 そして小学校低学年の姉と両親。

 ワンマン列車なのですが、今日は指導運転士が同乗してます。彼は途中でそのことに気づき、立ち位置を少しずらし、男の子に前が良く見える場所をニコニコと教えていました。
 将来、列車の運転士になるかどうかはともかくとして、男児はこの日のことを忘れないんじゃないかなぁ...。

 定刻通り、10:19に浦本駅到着。ここからが今日のハイライト。急いでホームを駆け下り、目の前の国道8号線へ。押しボタン式の信号機を使って、反対側(=日本海側)へ渡ります。すぐ目の前には「浦本駅前」バス停が。
 そこへ10:22発の糸魚川発能生
(のう)駅前行の路線バスが、滑るように到着。

 早い段階でこのバスの存在に気づいていたのです。でもこれまでは、行程には影響なかったため利用しませんでした。そもそも浦本駅から徒歩で「サンレパス ルート8」まで往復すると、調理および食事の時間を含めて、どうしても1時間以上を要します。
 ここで1日に数本しか運行されていないバスを利用することで、状況は一変。

 次の「崩山」バス停──凄い名前ですが、確かにその通り──まで1区間「ワープ」するだけで所要時間が約45〜50分に短縮され、概ね1時間ごとに運行される次の上り列車に間に合ってしまうのです。
 乗るしかない、でしょ?

 運転士はちょっと不思議そうな表情でバスを停車させます。そりゃ、そうでしょう。車内はガラガラ...というか、本当に乗客はいません。しかもセンセイは、次のバス停で下車。変な客だと思っただろうなぁ。
 ちなみに、料金は140円でした。

 ただしここで想定外の事態が。バス停は「サンレパス ルート8」を少しだけ通り過ぎたところにあります。通過時にお店を確かめると何と、「営業中」の大きな札がない。
 照明も消えたまま。

 お伝えしたように、そもそも「サンレパス ルート8」の営業時間がはっきりしないのです。時刻は10:26。10時半からの開店かなぁーと思いながらお店の前に出ると、おぉ、まさに男性従業員が「営業中」の札を掲げるところ。
 でも何と、困惑したような表情。ナシテ?!

 見なかったことにするわけにもいかないのでお店に入り、注文後に営業時間と事情を尋ねると、「(本来の開店時刻は)10時過ぎ。でも昼は忙しいから(準備が)間に合わない(ので店を開かない)」とのこと。
 なるほどねぇ。

 でもセンセイに続くかのように、次々とお客が入ってきます。不機嫌そうな彼──実は、いつもそう──も働かないわけにはいきません。美味しいお昼を頂いて「サンレパス ルート8」を後にしたのが10:50ころ。
 浦本駅へ歩いて戻り、11:18発の泊行きに乗車。

 実はこの列車、糸魚川(いといがわ)駅で20分ほど停車するのです。この間に駅に隣接した物産センターでお土産を購入して列車に再乗車。2枚目の写真は、新潟県の西端「市振(いちぶり)」駅で下車後1.4kmほど歩き、富山県側から国道8号線を撮影したもの。
 アングルの問題で、是が非でも富山側に入ることが目的だったわけではありません。

 ご覧のように県境に架かる「境橋」──そのものズバリの名称だ──は架け替え工事に入っています。何度かお伝えした「国土強靱化基本計画」の一環。境橋の場合、1年半ほど前から架け替え工事に入りました。
 当然、もう仮設橋を使っているのだろうと思っていたのですが、橋の前後の工事は、これからのようです。

 今日が日曜日だということもあるのでしょうが...。

 そうか、今日は予算を綺麗に使い切った(はずの)年度末だ。 

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