■「授業に関するご連絡」の目的についてはこちらをご覧ください
■毎回の授業については科目名と講義日から選択してください
4月13日/4月20日/5月11日/5月18日/5月25日/6月1日/6月8日/6月15日/6月22日/7月6日/7月13日
9月28日/10月5日/10月12日/10月19日/10月26日/11月2日/11月16日/11月30日/12月7日/12月14日/12月21日/(2001年)1月11日/1月17日/2月8日(期末試験)
4月12日/4月19日/4月26日/5月10日/5月17日/5月24日/5月31日/6月7日/6月14日/6月21日/6月28日/7月5日/7月12日
9月27日/10月4日/10月11日/10月18日/10月25日/11月1日/11月8日/11月15日/11月22日/11月29日/12月6日/12月13日/12月20日/(2001年)1月10日
文明史・文明論入門(西村担当分)
基礎演習(2000年度は終了。こちらへ)
文化論演習 I(こちらへ)
ご挨拶 このページには、西村センセイが今年度担当する授業の記録やご連絡、ご質問やそれに対するお答えなどがほぼリアルタイムで収められています。
西村センセイは、地元地方紙にも掲載された(詳細はこちら)ように、学生(=消費者)の視点に立った授業を心がけています。これまでにもアンケートや、毎回実施する有名な「出席カード」で学生の皆さんの反応を次回の講義にできるだけ反映させるよう心がけてきました。実際、多くの学生がとても素直に反応してくださいました。そこでは多くのお褒めの言葉をいただくと同時に、いくつもの改善すべき点がいくつも指摘されています。そのやりとりの様子の一部は学会誌でも公開されています。
けれども西村センセイは、学生の皆さんの反応が多すぎて授業ではとてもすべてには対応できないという問題をずっと抱えていました。そこで今年度はインターネットの双方向性を活用して、皆さんの反応にお応えし、授業の改善を試みることにしました。
毎回の講義での皆さんの反応については、帰宅時の電車の中で整理され−−夕方の白新線や信越線の中でカードをめくりながらノートパソコンを打っている人がいたら、それはきっと西村センセイです−−て、その日の夜にはこのページを通じてお応えしています。都合でその日のうちにはレスポンスできない日もありますが、遅くとも数日中には必ずお応えします。
意外に思われるかもしれませんが、一見すると一方通行に思われる講義も、実は西村センセイと皆さんとのやり取りの上に成立しているのです。それはこのページをお読みくだされば一目瞭然です。
西村センセイは、この試みによって、これまで気にはかけていても直接にはお応えできなかったあなたの声を、次回の授業にできるだけ反映させたいのです。
研究者の方へ:必ずこちらをご一読下さい。
研究者の方へこのホームページ上の、授業に関する記録(各種統計・レポートを含む)は、西村の著作物です。
ここでの成果は財団法人私学研修福祉会主催、社団法人日本私立大学連盟協力の2000年度「大学の教育・授業を考えるワークショップ」(2000年7月31日〜8月2日、於浜松市)で報告されました。また「教師−学生間での情報の共有による講義の建設的改善 −−インターネットを利用した双方向型授業の試み−−」, 『大学教育学会誌』, Vol. 22, No. 42, 2000, pp.212-218で公表されました。
つきましては、これらすべてのページをご覧いただく、あるいはダウンロードしていただくことは一向に構いませんが、その内容の一部たりとも無断での引用・転載は固くお断りいたします。これに同意いただけない場合は閲覧およびダウンロードをお断りいたします。西村秀雄(敬和学園大学)
基礎演習の目標
1.大学での学生生活に慣れること。大学での友人や教師(他)との出逢いに恵まれること。
2.大学での学習が、高校までのそれとは本質的に異なることを認識し、大学での勉学の準備を完了すること。
演習内容(宿題を含む)は演習日ごとにまとめられています。演習日をクリックしてください。
4月12日/4月19日/4月26日/5月10日/5月17日/5月24日/5月31日/6月7日/6月14日/6月21日/6月28日/7月5日/7月12日
レポートに関する指示はこちらです
レポートに関する指示
基礎演習履修者は、以下の要領でレポートを提出してください。評価(成績)は提出されたレポートの内容と、演習時の内容(発表内容、演習への貢献度等)で決めます。課 題:
二冊目のテキストである『星の王子様の世界』を読み、(1)その内容を要約した上で、(2)『星の王子様の世界』の著者の立場に賛成するか反対するか、あるいは「部分的に賛成」などそれ以外の立場を取るか−どの立場でも構いません−を、根拠を示しながら述べなさい。演習中の皆さんのやり取りを思い出しながら考えると考えやすいのでは?
なお、他の文献を利用するのは一向にかまいませんが、参考にした文献の情報を明記してください。枚 数:制限なし(上限・下限とも)
体 裁:整理の都合上、B5(B4二つ折可)に限る
期 限:2000年8月11日(金)、16:00(時刻厳守。遅れたものは受け付けません)
提出先:教務課教務係以上
4月12日 (13名全員《+クラスを間違えた学生1名・・・残念でしたーっ!! 》出席)
履修登録カードの受付。テキストの最低限の説明。
参加者全員の自己紹介。ユニークな人材が集まったので、思いっきり盛り上がる。
ゼミの進め方について相談。
宿題:『星の王子様』を最初に読んだ感想を提出(17日締切)。通読した日付を奥付に書く。
指示:自己紹介の感想を提出(19日返却)。B5左綴じのファイルを用意すること。
今日は特別に就職指導ガイダンス(石田就職相談室長)と図書館利用ガイダンス(松原係長)。パソコンと英語力を使いこなす能力、人間性(協調力や独創性)の重要性を教えられる。
就職指導ガイダンスを受けた感想を未提出の方は至急、必ず提出してください。
宿題:就職指導ガイダンスを受けた感想を提出すること(5月1日締切)。
履修登録(個人別時間表)、宿題(段落の要約)、時間内課題(他人の感想の感想)を返却。
前半は履修登録の確認に費やされる。トラブル続出で、西村センセイのツメの甘さが暴露される。登録の修正について指示。
後半は急遽予定を変更して、連休の過ごし方について、他の学生を意識しながらプレゼンしてもらう。貴重な体験や、他の学生にも共通するような話題が続出。当方からは、プレゼン内容の評価できる点と「こうすればもっと良くなるよ」という内容を一人ひとりに説明。まだ「西村センセイに説明する」という意識が残るケースがかなり見られますが、1ヶ月でずいぶん成長したな、とも思いました。がんばりましょう。
次回(5月17日)はテキストに戻って、最初の感想を踏まえて本格的な議論に入りたいと思っています。そろそろ順番に発表してもらうつもりです。
宿題:なし
4月19日 (13名中2名欠席。内、T君は時間を間違えたとのこと......みんなが待っていたのにネ)
自己紹介の感想と、最初の感想文を返却。いずれも西村センセイのコメント付。
最初の感想を発表しあう。ずいぶん感じ方が違うことに気づくと同時に、共通する部分も確認。議論を進めるためには、もう少しちゃんと読む必要があることを確認。
しばらくの間、2冊目のテキスト『星の王子様の世界』は使いません。次回(4月26日)は図書館の利用案内と就職指導になります。時間通りに集合してください。レジメを収容するファイルを用意してください。
なお基礎演習ゼミ初のコンパは流れました。基礎演習終了、前期試験・夏休み突入コンパに切り換えます。
※ 未成年の方にアルコール類を強要するようなことはしません。なお19日はとても貴重なお話を聞かせていただきました。もちろん、内容は口外しませんョ。
宿題:テキストの27(まえがきとあとがきを入れると29)の段落を1行で要約(24日締切)
履修登録の最終確認。
久しぶりにテキストに戻る。4月19日の演習に戻り、最初の感想(王子の純粋無垢な人柄/次々と生ずる謎/著者や背景を考える必要)を確認。内容のある議論を進めるために「みんなでちゃんと読む」必要を確認。
そのため、各自で1章ずつ分担し、書かれている内容を要約した上で意見を発表することに。その前提として、何を発表すればよいのか、レジメの作成方法を指導。今日は窓の外がうるさかったけれど、かなり集中した時間でした。高校での「発表」につても教えていただきました。
来週からいよいよ学生のプレゼンです。がんばりましょう。
宿題:なし(各自プレゼンの準備)
いよいよ学生から、テキストについて(1)内容を要約し、(2)各自のコメントを発表してもらう。最初はMT君から「ウワバミの絵」。MT君はウワバミやゾウ、飛行士について当時の時代背景や作者が置かれた状況をもとに発表。
みんなが予想していたものとかなり異なったので、賛成意見も出れば疑問とする意見も出て、議論が白熱する。そのため予定の4章をこなすことができずに終わる。こんなに重い演習ならついて行けそうにないというホンネも出る。新しい疑問点も出て、はてさて、来週はどうなることやら。
宿題:なし(各自プレゼンの準備)
今回は第2〜第4章を輪読。3人の人からレジメを用いて発表してもらいましたが、それぞれに評価できる点(例:レジメの構造や見出しの適切さなど)と改善した方が良い点(レジメ内の個々の記述の関係、テキストとレジメとの関係など)を話し合いました。皆、初めての発表なので思い通りに行かないこともあったようですが、評価できる点もちゃんとあるのですから、来週も頑張りましょう。
先週に引き続き学生の皆さんから発表していただきました。それぞれとても個性的な発表でした。とにかく一度でも発表するとずいぶん感覚が分かるものですね。早く一巡させるべく、来週もがんばりましょう。
引き続き、2名の学生に発表していただきました。内1名は先週寝坊して欠席した方です。この方は発表の方法等について改善すべき点も残されていますが、内容の把握については優れたものがあると思います。当方が見落としていたことも指摘してくださいました。もう一名の方は初めての発表だったのでいつもの調子をちょと崩してしまったようです。残る一名については本日病気で欠席のため当方が代読しました。
次週で学生の発表は一巡するはずです。がんばりましょう。今週は第11章(うぬぼれ男)、第12章(呑み助)、第13章(実業屋)、第14章(点灯夫)を輪読しました。それぞれに興味深い発表でした。
これで発表は一巡しました。初めての発表でそれぞれ大変だったと思いますが、2回目は余裕をもって臨んでください。
次回はいよいよ山場、地球での王子さまの様子です。今週は王子様が地球にやってきた時の様子(第16〜21章)を読みました。
王子様は砂漠に降り立ち、重要な登場人物(?)ヘビと出逢います。やがて人間が住んでいる場所へたどり着き、たくさんのバラの花を見て、自分は似た花のたった一輪しか知らなかったことを思い知らされます。しかし次いでキツネと出逢って友達になると、自分の星に残してきた花やキツネがかけがえのない存在であることに気づきます。発表者のお一人も指摘されましたが、「心で見なくちゃ、物事はよく見えない。寛仁なことは、目に見えない。」という部分は、まさにこの本の核心部分です。
今回の発表は、それぞれの発表者がずいぶんがんばったため、授業中にもお話ししましたように、当方にとっても新しい発見がたくさんありました。
来週でテキスト本体を何とか終えることができそうです。がんばりましょう。今週は、キツネに秘密を教えられた(先週)王子様が、地球をさらに旅する様子、そして地球にやってきた日から1年を間近に控えて降りてきた場所(=砂漠)にやってきて飛行士と出逢ったこと、飛行士とともに井戸を探し当てること、その過程で、「砂漠はどこかに井戸を隠していること」を知ることを学びました。
今回の発表は2巡目ということもあり、それぞれの個性がよく出ていたと思います。
はやりこれまでの進行が遅れ気味だったので、今週でテキストを終えることはできませんでした。次週、最後に残った王子の死の部分と、もう一冊のテキストをざっと読んで、区切りをつけることにしましょう。本学初の試み「基礎演習」も本年度分は今日で最終回となりました。
今週は3名の方に王子が地球に降り立ってからまさに1年目の日に、黄色い蛇にかまれて死に、王子の本来の場所へ帰るという部分を発表していただきました。発表者の解釈も興味深かったですし、そして「なぜ作者は死という形式を選択したのか」という問題について2名の方がユニークな解釈を提示してくださり、とてもびっくりしました。
続いて他の3名の方に、もう一冊のテキスト『星の王子様の世界』を読んだ最初の印象を簡単に発表していただきました。著者の解釈には賛否両論が出て、もう少し時間があったらなぁーと思いました。次に、手短にではありましたが3カ月間の基礎演習について感想を述べてもらい、最後に当方から(1)大学での生活と学習に慣れるという課題は早期に、それもかなり高いレベルでクリアーできたこと、しかし、(2)程度はともかく、然るべき根拠を読解によって押さえ、しっかり組み立てられた論理で聴衆の前でプレゼンテーションできるようになるという次の課題についてはうまくクリアーできなかったこと、(3)それは主に教員の指導方法の問題であり、来年度はぜひ改善したい旨を述べました。
オマケとして、最後の宿題を課しました。宿 題:レポート提出
テーマ:『星の王子様の世界』を読んで、その解釈に賛成できるかどうかを、根拠を示しながら述べよ。
分 量:制限なし(上限・下限とも)
体 裁:整理の都合上、B5に限る(B4二つ折り可)
期 限:2000年8月11日(金)、16:00(期限を過ぎたものは受け付けない)
提出先:教務課教務係それでは皆さん頑張ってください。いやーぁ、お互い、本当に思い出深い授業でしたね。
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文化論演習 I・卒業論文の目標
大学におけるこれまでの学習の成果の上に、演習での体験や卒業論文の制作を通じて、自分ならではの魅力を発見すること。
演習内容(宿題を含む)は演習日ごとにまとめられています。演習日をクリックしてください。
4月17日/4月24日/5月8日/5月15日/5月22日(休講)/5月29日/6月5日/6月12日/6月19日/6月26日/7月3日/7月10日
履修登録カード受付。演習テーマと進め方について相談。受講生の希望により、再度、『ソフィーの世界』になりそうな気配......。
演習の進め方について再度相談。テキストは『ソフィーの世界』に決定。担当順を決定。
宿題:とにかく通読すること。通読した日付を奥付に書くこと。
5月8日の演習は最初ですので、今回のみ西村が行います。テキスト(分冊のもの)を用意してください。レジメを収容するファイルを用意してください。履修指導。テキストを通読してみた最初の印象を発表しあう。最初の印象と、2回目以降はじめて気づく事柄の両方が大切であることを指摘。第1章「エデンの園」を読み始める。書き出しなどに、心身二元論、実存主義などの伏線が隠されていることに気づく。
15日も引き続き西村が説明します。レファレンス、参考文献も紹介します。29日(22は休講のため)から学生に発表してもらう予定です。先週に引き続き「エデンの園」を読む。あわせて、レジメの作成の仕方(事実判断と価値判断、実際の手順)を説明。レファレンス、参考資料も紹介しました。
なお、5月19日〜22日にかけて日本科学史学会年会出席のため大阪に出張しています。そのため、5月22日は休講となります。今回から学生に発表していただきました。Aさんに自然哲学者達を発表してもらいましたが、相当濃密な発表でしたので当方と他の学生は圧倒された、というのが実態です。その分、予定を消化できなかったので、すみませんが来週も引き続きお願いします。
今週もAさんに自然哲学者達を発表していただきました。発表後に当方から、従来の「最初は神話と宗教による説明、次いで自然哲学者達が自然を合理的に説明し始めるが、人間には関心がない。ソクラテスが初めて人間に目を向けた。」という理解が偏狭なものであること、また、この自然哲学者達の問いの中にその後提出される問題の多くがすでに見いだされることを説明しました。
来週はデモクリトスの原子論を考えます。今週はデモクリトスの原子論を考えました。まず当方から最初に前後の構図を確認した上で、Tさんに発表していただきましたが、先週までのAさんとずいぶん雰囲気が異なり、それぞれに違った形での素性の良さを感じました。
発表後は当方から原子論と古代〜中世に主流であった四元素説の意味あいを解説しました。ごく身近なところに哲学の問題があることに改めて驚かされました。
来週は神話を扱った後、当方がソクラテスについて発表します。今週は当方は神話とソクラテスを発表しました。
ひとまずテキストを読んだ後、この部分に著者ヨースタイン・ゴルデルの特徴がよく表れていることを解説しました。かなり難しく、テキストからずいぶん離れた説明でしたので、受講生は大変だったと思います。
次回はAさんにプラトンを発表していただきます。今週は当初の予定を変更して、先週の復習、特にソクラテスの哲学の位置づけと、それがプラトンおよびアリストテレスにどのように影響を与えたかについて当方からご説明しました。全体の見取り図を確認した、というわけです。
次回はテキストに戻りプラトンを発表していただきます。今週は先週の解説を踏まえて、Aさんにプラトンを発表していただきました。馬が馬である所以、それをプラトンはイデアと呼ぶのですが、イデア自身の説明と問題点−−例えば無数のイデアをもともと持っているのか、等−−それがその後の西洋の哲学に決定的な影響を与えた様子がよく発表できていたと思います。
来週は、もう一人の巨頭、アリストテレスを発表していただきます。今日は前期最後の演習です。今日は当方が「少佐の小屋」をごく簡単に扱った後、Tさんにアリストテレスを発表していただきました。感覚世界を何よりも重視し、現実主義的・生物学的な発想でプラトンのイデアを批判的に継承(?)したアリストテレスがうまくつかんでいらしたと思います。ただし「造語の天才」アリストテレスの言葉遣いにはちょっと苦労されたようですね。
夏休みはしっかりお休みいただいて、かつ、しっかりと宿題(きびしい!!)に、すなわち興味・関心を持った哲学者/思想家の著作を読んでみる、に励んでください。今日から後期の開始です。お互いまだ夏休みモードから完全には抜けていませんでしたが、それでも『ソフィーの世界』に取り組みました。
今日は当方の担当なので、最初に前期の流れを確認してから、「ヘレニズム」を読みました。特にその後のキリスト教(アウグスティヌス)に影響を与えたという点で新プラトン学派については記憶しておきましょう。
来週は当方が少し読んだ後で、Aさんにヘレニズムとヘブライにズムの部分を発表していただきます。
今日はAさんに「二つの文化圏」の前半を発表していただきました。二つの文化とはインド・ヨーロッパおよびセムの二つの流れです。前者は西ヨーロッパからアジアまで、後者は中東を中心にアフリカから東アジアまで広がっている考え方で、過去の歴史と現在を大きく規定している考え方です。意外に思われるかもしれませんが、私たちはインド・ヨーロッパの流れに近いのです。
たいへんな内容だったので、すべてを終えることはできませんでしたが、Aさんならではの要点の把握ができていたと思います。少し残ってしまいましたが、来週お願いします。Tさんにも次の「中世」前半、すなわちアウグスティヌスをお願いします。今日はまず、Aさんに「二つの文化圏」の後半、すなわちキリスト教について発表していただき、次いでTさんに「中世」のイントロ部分を発表していただきました。
お二人は特徴が対照的で、それぞれの良さがよく出ていたと思います。そして、お二人の発表に関しては−−この辺、西村センセイが弱いということもあり−−ずいぶん教えられることが多かったです。
また、この部分では著者のヨーロッパ中心主義的、近代中心主義的な、要するに啓蒙主義的な傾向がよく表れていると思います。来週は引き続きTさんにアウグスティヌスとトマス・アクィナスを発表していただく予定です。もし時間があれば当方から「ルネサンス」の概略に触れたいと考えています。
今日は時間の最初に、近代科学史向けに作成した歴史の大きな流れを説明してからTさんに中世、すなわちアウグスティヌスとトマス・アクィナスを発表していただきました。
一口に「中世」といっても約1,000年間以上も続きました。また、この間も東ローマ(ビザンツ)帝国は古代ギリシア・ローマの学問(個別の学問や哲学)を高いレベルで保っていたわけですし、西方ラテン世界も(中世前半の時期に)アラビア世界で保存されていた学問を受け入れる12世紀以降は学問のレベルが飛躍的に向上します。ですから、中世を一くくりにすることにはかなり無理がありますし、そしてここに著者ヨースタイン・ゴルデルの問題点が、すなわち西ヨーロッパ中心・近代中心の歴史観が観て取れます。
というわけで、ちょっと難しいところだったのですが、よく発表してらしたと思います。ご苦労さんでした。来週は当方からルネサンス(この部分もちょっと問題アリ)およびバロックを発表したいと思います。
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